防災対策について質問

59◯17番(内田隆典君) 防災対策について質問させていただきます。

今も議論がありましたけれども、8月11日早朝、駿河湾沖で起きた地震は、最大震度で6弱、マグニチュード6.5規模でありました。最初に、この地震で被災されました皆さんに、改めてお見舞いを申し上げる次第であります。

この地震は、東海地震とは直接関係ないと、今も局長からも答弁がありましたけれども、地震関係者の中では、いろいろ議論があるようであります。この地震によって、この静岡市においても小中学校の校舎や中央体育館、道路補修、駿府城の外堀内堀、4カ所が修復の対象となって、この議会にも予算が提案されているところであります。

今回の地震の特徴は、先ほど答弁がありましたように、規模が6弱と言いましたけれども、被害はその点については小さかったと言われております。その原因の1つが、揺れの短周期による建物の倒壊までいかなかったということでありました。しかしながら、家具の倒壊や落下物等の目立った被害がありました。また、けが人の35%が70歳以上の高齢者とも言われております。そこで何点かについて伺いたいと思います。

1点目は、防災意識をどのように高めていくかという点についてであります。

今回の地震は、だれもが東海地震と感じたぐらいの相当規模の揺れがありました。新聞報道によりますと、今回の地震を契機に地震対策に対する意識が一気に高まったとも言われております。東海地震説が言われて30年余が経過する中で、ややもすると防災意識が低下するという、こういう状況があろうかと思いますが、今回の地震をもってこの防災意識が高まった。そういう中で、これまで静岡市として防災意識の啓発状況がどのような取り組みとしてされたか。そして今回の地震を受け、市民の意識が高まっているわけですから、ここに来て一層の市民への啓発を進めていくべきと考えますけれども、改めてこれからの取り組みについて伺いたいと思います。

次に、津波の対策について伺っておきたいと思います。

この間、津波対策としては、県事業としては陸閘の設置や整備問題、市が進めております避難ビルの指定、そして同報無線等の徹底により情報提供を市民に行っていくと。こうした幾つかの津波対策がやられているわけでありますけれども、しかし、先日の新聞でも報道されましたが、同報無線でいろいろと問題があったということも指摘をされております。日ごろの点検整備が求められていると感じるわけでありますが、そこで、三保地域の津波対策について伺いたいと思います。

皆さん、御案内のとおり、三保地域は名勝、三保の松原を初め、真崎地区には内、外に海水浴場、そして海岸線から見る富士山のロケーションは大変すばらしいということで多くの観光客も訪れるわけであります。そこで、とりわけ三保の松原や、そして三保灯台付近での行楽客に対する津波の伝達方法をどう考えているのか伺っておきたいと思います。

次に、木造住宅の耐震化の現状について伺いたいと思います。

阪神・淡路大震災の教訓は、いわゆる亡くなられた方の8割、84%の方が建物の倒壊による圧死ということでありました。こうした教訓を受けまして、静岡県においても木造住宅の耐震化が進められております。いわゆるプロジェクトとして進められておりますTOUKAI-0という取り組みであります。静岡市におきましても平成20年度を見てみますと、1月の末段階で一般世帯で112件、高齢世帯で117件、合計229件の補助実績があると聞いております。そして21年度の目標は、一般世帯で140件、高齢世帯で140件、合計280件の目標で取り組んでいるということであります。

こうした取り組みにおいて、耐震化が必要とされる木造住宅があとどれほど残されているのか伺いたいということと、あわせまして単年度の目標とともに、長期的な目標はどのような形で考えておられるのか伺いたいと思います。

次に、家具の固定推進事業について伺いたいと思います。

8月11日に起こった地震は、いろいろな災害を引き起こしました。東名高速道路の路面崩壊、中部電力の原発の4、5号機の緊急停止や駿府城の石垣崩壊。家屋の損壊中でも屋根がわらの被害は最も影響が大きく、年内の改善がされるのかどうか、関係者の中からも心配される声が出されているわけであります。

被害に遭った中でも、何らかの手だてを行っていれば、40%の被害は防げたという、こういう統計もされておりました。そういう点では、家具の固定は大変重要な施策だと思いますけれども、静岡市が現在、家具等固定推進事業ということで補助金を出しているわけでありますが、この条件を見ていきますと、世帯構成員のすべてが65歳以上であること、世帯が65歳以上もしくは15歳未満の者、18歳未満で就学している者による構成、世帯構成員が障害者手帳の交付を受けていると、こうした条件がつけられているわけでありますけれども、こうした補助対象の条件をもう少し緩和をしながら、多くの方が利用できるような制度にできないものかどうか、このことを伺って、1回目の質問といたします。

 

 

◯17番(内田隆典君) 最初に、津波の問題でありますけれども、この間も9月29日には、南太平洋サモアでの地震や30日のスマトラ沖地震と国内外で地震が続いているわけであります。サモアの地震では、静岡地域でも津波警報が出され、同報無線で案内がされました。

今、局長から答弁があったように、同報無線では住居地域を中心に300メートルぐらいの間隔で設置をされているわけでありますが、なかなか海岸線等々では、この同報無線が聞きづらい。海水浴客や行楽客には実際のところ、現在、配置しております同報無線では聞き取れないということであります。届かないところに、対策として、県と早急に検討をしながら設置をということで今、答弁されました。いつ起きてもおかしくないと言われていますから、早急に対応すべきところについては、県と調整しなから配置をしていただきたいと思います。

それから、家具等の固定の推進事業は、障害者の皆さんや高齢の方にやっているということで、直接広げることはないということでありますが、私は検討する必要があるのかと思いますけれども、どうなんでしょうか。

次に、避難ビルについてであります。

市の沿岸部に清水地域を中心に50ぐらいの避難ビルが現在指定をされているわけですね。ほとんどが清水地域を中心に避難ビルが設置をされているわけでありますけれども、私、幾つかチェックをしたり見て歩いたりしたわけであります。東海地震は、先ほど局長が答弁されましたように、今回の地震の180倍ぐらいのエネルギーがあるということになりますと、かなり厳しい、もたないような状況にある建物もあろうかと思いますから、いま一度チェックしながら、きちんと避難ビルとして資料に出されるような見直しをする必要があるかと思います。ちょっとその辺、どうお考えになっているのか伺いたいと思います。

次に、総務・防災課の体制について伺いたいと思いますけれども、清水、駿河、それから葵区もそうですけれども、防災担当が置かれ、地域の防災組織の連絡や補助金の対応等々を行っていると思います。職員数も限られているわけでありますから、なかなか大変だと思いますけれども、先ほどの答弁を聞きますと、なかなか課題もあると思います。そういう点では限られた人数の中で、どういう形で防災体制を充実させていこうとしているのか伺っておきたいと思います。

それから、木造住宅の耐震化についてでありますけれども、長期的には平成27年までに90%の到達をさせていきたいとの答弁でありました。しかし、平成17年度までの補助制度の活用実績を見てみますと、だんだん17年度ぐらいから減少傾向にある。当然、景気の影響等々もあろうかと思いますけれども、なかなか大変な課題だと言われております。

そういう点で伺いたいのは、木造住宅の耐震補強の事業についてでありますけれども、静岡県が全国に先駆けて補助金を出すようにしました。その後、静岡市も県の補助金に対しまして上乗せするということで、今、事業が進められておりますけれども、しかし、この補助対象の内容を見ますと、耐震評点が0.4以上は上乗せがされないと。だから県が出しております30万円か15万円のプラスはない。耐震評点が0.4未満が対象になっているわけでありますが、なかなか使い勝手が悪いのかなという感じがします。そういう点で、0.4未満の場合に限り補助金を増額したのは、どのような理由なのかということを1点と、あわせて木造の耐震補助事業について上乗せする考えはないかどうか伺っておきます。

 

 

◯消防防災局長(岡村一博君) まず、避難ビルの関係でございます。本市が指定している津波避難ビルは、平成21年度当初において沿岸11地区に公共施設42棟、民間施設27棟の合計69棟であります。このうち耐震性が十分に確保されていない建物、施設につきましては16棟となっております。これらの施設につきましては、早急に指定の見直しを行うとともに、新たな津波避難ビルの確保に努めていきたいと考えております。

2点目、各区の防災体制の充実についてでありますが、各区の防災体制については、各区総務・防災課を中心に区役所全体として防災マニュアルを作成しており、訓練等の検証を経て見直し、修正を行ってまいりました。

今後も区役所全体で対応する充実した防災体制の確立に努めてまいります。

以上でございます。

 

 

◯都市局長(小股芳太郎君) 現状と今後の対応についての2つの御質問についてお答えいたします。

初めに、木造住宅耐震補強事業において、耐震評点0.4未満の場合に限り補助金の増額をしたのはなぜかとの御質問でございますけれども、木造住宅におきまして、耐震診断の結果、耐震評点が1.0未満の場合、1.0以上に補強する工事に対しまして補助を行っております。その中でも耐震評点が低いほど倒壊の危険性が高く、また過去の補助実績から、耐震評点0.4を下回ると大幅に補強工事費が増大する傾向にありますことから、0.4未満の場合を対象に増額することとしたものでございます。

次に、木造住宅耐震補強事業について、今後さらに補助金を増額する考えがあるかとの御質問でございますけれども、静岡市耐震改修促進計画では、最新の住宅・土地統計調査の結果を踏まえ、本市の耐震化の状況や社会情勢を勘案し、平成22年度に計画の見直しを行う予定でありますが、その中で必要に応じて補助金についても検討したいと考えております。

それから、先ほどの家具等固定推進事業について、検討することはどうかというふうな御質問だと思いますけれども、先ほど御答弁させていただきましたように、市民が住宅内で身の安全を確保するのは、基本的にみずからが行うものと考えておりまして、このため補助対象のこれまで以上の拡大の検討については考えておりません。

以上でございます。

〔17番内田隆典君登壇〕

 

 

◯17番(内田隆典君) 津波避難ビルですけれども、指定のうち16棟が大変だということですから、ぜひそういうところは見直してやっていただければと思います。

それから、総務・防災課の職員体制でありますけれども、先ほどの答弁のように、いろいろ情報伝達等の問題で不十分だった点とか、いろいろ指摘をされております。合併時は防災課、室が一たんなくなるといいますか、体制が薄かったところもあったようでありますけれども、現在は区でも4名体制ですか、なっております。

災害時は区長、本部長、副本部長、区の総括班、情報班、避難班、物資班と、いろいろ体制がとられて、地区支部との連絡調整等々、たくさん任務を持っているわけでありまして、そういう点では兼務ではなかなか大変じゃないかと思います。そういう点で、一層の体制を確保する必要があると思いますけど、改めて伺っておきたいと思います。

それから、木造住宅の耐震補強でありますけども、確かに0.4未満のほうが倒壊の危険が高いというのは、それはもうそのとおりだと思います。しかし、耐震評点の見方として、0.7以上1.0は、やや危険と言われております。それで0.7未満でも倒壊または大破壊の危険があるとされているわけでありますから……

 

 

◯議長(近藤光男君) 質問は、あと1分で終了してください。

 

 

◯17番(内田隆典君)(続) 大変危険性が0.4以下ではなくても高いということでありますから、私は0.4未満、この点についての見直しといいますか、もう少し緩和しながら、使い勝手がいいような制度にすべきじゃないかということを感じておりますから、改めてその点については伺っておきたいと思います。

それから、補助金の上乗せでありますけれども、22年度からいろんな面で検討するということでありますから、ぜひ前向きな方向で検討を市長、お願いしたいと思います。

 

 

◯消防防災局長(岡村一博君) 区役所の総務防災体制の強化についてでありますが、平成20年度に、各区役所の地域総務課が総務・防災課に名称変更された時に、1名ずつ増員されました。今後こういった点を踏まえて、さらに検討を進めてまいりたいと思います。

以上でございます。

 

 

◯都市局長(小股芳太郎君) 木造住宅の耐震補強事業においての耐震評定ですが、0.4未満の場合に限り補助金を増額しているけれども、これは0.7未満とか少し緩和したらどうかというふうな御質問でございますけれども、先ほど御答弁させていただきましたように、耐震評定が低いほど倒壊の危険性が高いというふうなことから、0.4を下回ると大幅にまた補強工事費が増大するというふうなことから、0.4未満の場合を対象に増額しましたので、現時点では0.7に緩和するというふうなことは考えておりません。

以上でございます。