◯杉本 護
通告に従い、質問します。
まず、大項目1、妊娠後、出産までの支援についてです。
私ごとですが、下の娘が11月2日に第1子を出産し、無事に元気な女の子を産むことができました。私にとっては3人目の孫となります。今現在、家にいて、毎日オギャー、オギャーと泣いていまして、今朝、娘は抱っこしながら寝落ちしていました。今回の質問は、そうした娘の体験を聞いたことがきっかけとなっています。
まず、周産期医療体制についてです。
本市の人口減少は、婚姻率や出生率が他都市と比べて低いことが大きな要因となっています。今後、定住人口の減少に歯止めをかけ増加に転じるには、出生率を上げていくことも重要です。
その際、安心して子供を産める環境として、産婦人科医がすぐそばにあり、そして24時間いつでも対応できる体制が欠かせません。
6月の宮城議員の質問に対し、当局は分娩する病院も診療所も減少傾向にあるとされ、第9次静岡県保健医療計画に基づいて、周産期医療などの確保に向けて県と連携して取り組むとの答弁がありました。ぜひ、娘のためにも頑張っていただきたいと思います。
妊娠中、どんな事態が起きるか分かりません。妊婦さんにとっては、誰もが無事に産むことができるか不安があると思います。そんなとき、地域の医療機関のしっかりとした連携が、市長が言う安心感のある温かい社会にもつながるのではないでしょうか。
そこで、質問です。
市内の周産期医療体制の現状はどのようになっているのか、お願いします。
次に、出産までの支援についてです。
妊娠が分かると、母子手帳をもらい、出産までの準備が始まります。妊娠中に気をつけなければいけないこと、出産後の新生児への対応の仕方や心構えなど、学ぶことがいろいろあるように思います。
娘も初めての出産を控える中で、市の支援策の1つ、両親教室に夫と参加をしました。そこには、夫にも育児に関わってもらい、共同作業であることの意識づけの思いもあったようであります。
そこで、質問します。
妊婦が安心して出産するための教室や講座はどのようなものがあるのか、お願いします。
次に、大項目2、木造住宅耐震補強事業についてです。
これは東海地震に備え、まずは建物の倒壊から命を守ることを最優先に、1981年5月31日以前に建てた旧耐震の木造住宅を無料で耐震診断し、耐震補強工事につなげる事業です。
県のTOUKAI-0と連携して進めていますが、少しこの間停滞気味だった耐震補強工事は、能登半島地震をきっかけに改めて関心が高まり、耐震補強工事を行う市民が急増したとのことです。
また、耐震補強工事を進めるに当たって、市も様々な努力をされたとお聞きしています。
そこで、質問します。
2024年度以降の木造住宅耐震補強事業の実績及び住宅の耐震化率はどのようになっているのか。また、耐震改修未実施の木造住宅所有者に対してどのようなアプローチをしているのか。
この耐震補強事業は、耐震診断は無料ですが、補強工事は補助金が出るものの、一定の費用がかかり、耐震化をちゅうちょする方もおられます。市は今年度から代理受領制度を始めましたが、施主や事業者にはどんなメリットがあるのか、また、あまりこのことが知られていないように感じています。
そこで、質問です。
2025年度に創設した代理受領制度はどのように周知をしているのか。また、現状の利用状況及び課題はどのようなのか。
以上、1回目です。
◯保健衛生医療統括監(千須和健一)
静岡市の周産期医療体制の現状についてですが、安全・安心な妊娠、出産を確保するため、第9次静岡県保健医療計画に基づき、正常分娩からハイリスク分娩まで、母体、胎児及び新生児の一貫した治療管理を体系的に提供できる体制が整備されています。
具体的には、正常分娩は静岡市内では22の病院、診療所等が対応しています。また、高齢初産婦や心疾患、糖尿病を併発している方などのハイリスク分娩は静岡県立こども病院など6病院が担っています。
また、母子健康手帳を交付している各保健福祉センターには妊婦から出産場所が確保できないという相談は寄せられていないことから、一定程度の出産場所は確保されていると考えています。
以上のことから、静岡市においては妊娠、出産される方が安心して出産できる周産期医療体制が構築できていると考えていますが、今後も静岡県と連携しながら周産期医療体制の確保に努めます。
◯こども未来局長(萩原祥古)
妊婦が安心して出産をするための教室や講座はどのようなものがあるかについてですが、静岡市では出産、子育てへの支援としてマタニティ教室、両親教室、小児科医による育児講座を実施しています。
まず、マタニティ教室は、妊婦が安心して出産を迎えられるようにすることなどを目的に、北部、蒲原を除く各保健福祉センターで年10回開催しています。妊婦を対象に、妊娠中の体調管理の講座やグループワークを行っています。
また、保健福祉センターで開催する教室とは別に、動画で見るマタニティ教室の配信も行っています。この動画は自宅で視聴できるため、妊婦だけではなく家族も一緒に学ぶことができます。
次に、両親教室は、初めて親になる妊婦とパートナーがお互いの役割を考え、妊娠中から協力して出産を迎えることができるようにすることなどを目的に、城東、南部、清水の各保健福祉センターで年36回開催しています。妊婦とパートナーが赤ちゃんのいる生活をイメージし、話し合う時間を設けたり、育児体験を行っています。
最後に、小児科医による育児講座は、妊婦とパートナーが妊娠中から親になる心構えや家族で子育てすることを学び、育児不安の軽減を図ることなどを目的に、城東、東部、南部、長田、大里の各保健福祉センターで年8回開催しています。小児科医が医師の立場から、子供の健康や子育てをテーマに講義を行っています。
◯建築統括監(中川将巳)
木造住宅耐震補強事業に関する2つの質問についてお答えします。
まず、木造住宅耐震補強事業の実績についてですが、静岡市では1981年5月以前に建築着手された旧耐震基準の木造住宅において、無料耐震診断と補強計画及び耐震改修に要する費用の補助という2つの耐震化事業を実施しています。
無料耐震診断の実績は、例年200件から400件程度のところ、能登半島地震による耐震化への関心の高まりに合わせた啓発活動の効果もあり、2024年度は809件、2025年度は10月末時点で97件となり、事業を開始した2001年度からの累計は1万4,735件です。
補強計画及び耐震改修に要する費用の補助の実績は、例年70件から120件程度のところ、2024年度は170件、2025年度は10月末時点で210件となり、事業を開始した2002年度からの累計は5,134件です。
住宅の耐震化率についてですが、2023年の住宅の耐震化率は、全国において約90%のところ静岡市では93%です。この住宅の耐震化率とは、総務省が2023年に実施した住宅・土地統計調査を基に、空き家を除いた住宅の総戸数のうち耐震性を有する住宅の戸数の割合を算出した推計値です。
耐震改修未実施の木造住宅所有者へのアプローチについてですが、2024年度に耐震化事業の周知及び活用を促すダイレクトメールの送付に加え、耐震化事業に関する意向調査も行い、耐震改修を希望する方が一定数いることを確認しました。
耐震化事業の啓発に関しては、これまでと同様にダイレクトメールの送付や自治会への出前講座を行っていきます。
次に、代理受領制度の周知方法、利用状況及び課題についてですが、まず、代理受領制度とは、木造住宅耐震補強事業を利用して耐震改修を行う場合に申請者が工事事業者へ補助金の請求と受領を委任することにより、補助金が静岡市から工事事業者へ直接支払われるという制度です。
この制度は、耐震改修を行う木造住宅所有者にとって、耐震改修に要する費用から補助金額を差し引いた金額を用意すればよいため、当初に必要な費用負担を軽減することができ、耐震改修をやりやすくなるメリットがあります。
周知方法としては、制度施行前の2025年3月に補強計画を行う建築士が所属する団体向けに説明会を実施するとともに、報道機関への発表や静岡市ホームページに掲載しました。
2025年10月末時点の代理受領制度の利用率は、補強計画及び耐震改修に要する費用の補助の申請件数210件のうち25件となっており、約1割の方が利用されています。
この制度の課題としては、まだ耐震改修未実施の木造住宅所有者へ直接的な制度周知が行われていないことです。今後は市広報紙への掲載に加え、耐震改修未実施の木造住宅所有者への耐震化事業の周知及び活用を促すダイレクトメールにチラシを封入し、制度周知を行っていきます。
◯杉本 護
では、2回目の質問です。
まず、先ほどの答弁で、本市の周産期医療体制については、ハイリスク分娩は県立こども病院など6病院が担い、正常分娩も22の病院、診療所などが対応しているということで、一定の恵まれた環境にあるようにも感じました。
しかし、今、病院の約7割が赤字という状況の下で、11月12日には日本医労連、自治労連、全大教の医療三単産が省庁などに医療・介護報酬10%増を求める行動なども行っています。
国も医療機関の光熱水費の支援を行うなど報道もありますが、県と連携をして引き続き医療体制の維持・発展に尽力していただきたいというふうに思います。
では、出産までの支援について質問を続けていきます。
市が様々な支援を行っていることは先ほどの答弁で分かりました。そうした中で幾つか疑問に思うことがあり、お聞きします。
まず、動画で見るマタニティ教室、これは申込みが必要となっています。しかも、妊婦の名前や年齢、住所、電話番号、メールアドレス、申し込んだ理由が申込みの必須項目で、妊婦でなければ申し込んではいけないようになっています。中身を見ると、1つ10分程度のものが動画で13項目用意され、妊婦でなくても知っておいたほうがいいような内容になっています。
一方、両親教室のほうはユーチューブでも配信していて、申込みしなくても誰でも見ることができます。事前登録することにはどんな意味があるんでしょうか。
そこで、質問します。
動画で見るマタニティ教室を視聴するために事前登録が必要となっているのはなぜなのか、お願いします。
もう1点、両親教室に沐浴の体験がありません。娘は夫にやらせてみたかったようです。私が体験した両親教室は、今から36年前ですが沐浴がありました。人形が相手でしたが、耳を押さえながら胸にガーゼを当てて、顔から順番に洗っていきます。相手は人形でしたが、赤ちゃんをお風呂に入れるというこうした体験が、まさに父親になる心の準備にもなった気がしています。
現在、沐浴はユーチューブでも見ることができますが、やはり見るのとやるのとでは違います。両親教室には、私にとっては欠かせないものに感じています。なぜなくしてしまったんでしょうか。
そこで、お聞きします。
両親教室の実施内容はどうなっているのか、お願いします。
次に、木造住宅の耐震補強事業です。
耐震化率が2023年で93%とかなり進んできているようにも感じましたが、先ほどの答弁で、耐震化率の分母は空き家を除いた総戸数とのこと。要は、新耐震や木造でない住宅も含まれています。そうすると、旧耐震の木造住宅そのものの耐震化率はもっと少ない割合になるんではないかと思います。
本市は精力的に木造住宅の耐震化を進めている一方で、静岡県はTOUKAI-0を2025年度で終了するとしていましたが、県議会の状況を見ますと継続するとの報道もあり、期待をするところです。
まだ耐震補強に踏み出せず、危険なままの住宅で暮らしている市民が残されていますので、県の動向がどうあれ、市として耐震補強事業は継続すべきと考えます。
そこで、質問です。
2026年度、木造住宅耐震補強事業についてはどのように取り組んでいくのか、お願いします。
2000年5月以前の新耐震基準の木造住宅でも、能登半島地震で倒壊した事例が報告されています。既に築40年を超えている住宅もあり、旧耐震の次は新耐震住宅の耐震補強へと、より安全な住宅によるまちづくりを進めていただきたいと考えています。
そこで、質問します。
新耐震基準のうち、2000年6月の法改正前に建築着手された木造住宅における耐震化に対する補助について、今後の方針をどのように考えているのかをお聞きして2回目とします。
◯こども未来局長(萩原祥古)
出産までの支援についての2つの質問にお答えいたします。
初めに、動画で見るマタニティ教室を視聴するために事前登録が必要となっているのはなぜかについてですが、動画で見るマタニティ教室は、視聴を希望する妊婦がスマートフォンやパソコンから専用のロゴフォームに氏名、年齢、メールアドレス、妊娠週数などを登録すると、静岡市から本人宛てに妊娠中の生活のポイントなど13のテーマ別の動画を視聴できるURLが送られ、動画を視聴できるようになっています。
静岡市では、動画で見るマタニティ教室に事前登録いただくことで、視聴者数や妊娠週数、動画視聴を希望した理由など視聴者の傾向を把握しています。また、受講修了後にロゴフォームのアンケートにより、動画視聴による効果や満足度を確認しています。
このように、視聴者の傾向や事業効果を確認することで動画配信をより効果的なものに見直していくことができると考えるため、事前登録をしていただいています。
静岡市では、アンケート結果などから動画内容や視聴の仕方について見直しを行い、妊婦の視聴しやすい環境整備を図っていきます。
次に、両親教室の実施内容はどのようかについてですが、両親教室では当日約90分間の教室の時間がより有意義になるように、事前学習として妊婦とパートナーに抱っこや着替えなど、赤ちゃんのお世話方法を学ぶ動画の視聴と産後鬱に関する資料に目を通していただいています。
教室当日は、妊婦とパートナーが一緒に赤ちゃんのいる生活をイメージし、役割分担などを話し合う時間を設けたり、赤ちゃん人形を使ったおむつ交換などの育児体験、妊婦の身体的な負担や動きにくさを実感できる妊婦体験ジャケットの着用などを行っています。
両親教室の内容は随時見直しをしており、例えば、妊婦とパートナーが話し合う時間については非常に重要であると考え、令和5年度まで事前学習として実施していたものを、6年度から教室当日に行うようにしました。
このように、両親教室は限られた時間の中でより効果的なものとなるよう随時内容を見直しており、以前実施していた沐浴指導は、現在、事前学習の中で動画で視聴いただいています。
静岡市では、安心して出産・育児ができるよう、今後も両親教室をはじめとする各教室・講座を継続実施し、妊婦とその家族を支援していきます。
◯建築統括監(中川将巳)
木造住宅耐震補強事業に関する2つの質問について、一括してお答えします。
まず、2026年度の木造住宅耐震補強事業の取組についてですが、南海トラフ地震における建物の倒壊から命を守るため、2026年度において無料耐震診断と補強計画及び耐震改修に要する費用の補助については、これまでと同様に継続していく予定です。
次に、新耐震基準のうち2000年6月の建築基準法改正前に建築着手された木造住宅に対する今後の方針についてですが、建築基準法では、耐震関係規定の変遷により木造住宅の構造基準は大きく2つに分けられます。
1つ目は1981年5月以前の旧耐震基準で、まれに起こる中規模地震でほとんど損傷しないことを目標としたものです。
2つ目は1981年6月の法改正以降の新耐震基準で、耐力壁となる壁の量を強化し、極めてまれに起こる大規模地震に対して、人命に危害を及ぼすような倒壊等の被害を生じないことを目標としたものです。
さらに、新耐震基準においては、2000年6月の法改正で壁の配置バランスや接合金物設置の規定が追加されました。
現在、新耐震基準のうち2000年6月の法改正前に建築着手された木造住宅については、耐震性能検証法という住宅の所有者自身が簡易な計算やチェックリストを用いて住宅の耐震性能を確認できる方法があり、国土交通省のホームページで公開されています。
また、国土交通省が公表した、過去の地震で倒壊した建築物割合の調査報告によると、旧耐震基準の木造建築物では熊本地震で28.2%、能登半島地震で19.4%のところ、新耐震基準のうち2000年6月の法改正前に建築着手された木造建築物は、熊本地震の1度目の地震で0.6%、能登半島地震で5.4%になります。
旧耐震基準の木造建築物は、新耐震基準のうち2000年6月の法改正前に建築着手された木造建築物に比べて倒壊の危険性が高い状況です。
静岡市においては、旧耐震基準で耐震改修未実施の木造住宅がいまだ残っています。まずは倒壊の危険性がより高い旧耐震基準の木造住宅の解消を優先すべきであると考えます。
新耐震基準のうち2000年6月の法改正前に建築着手された木造住宅における耐震化に対する補助については、現在分析中である能登半島地震における建築物構造被害の原因分析を行う委員会の報告を踏まえた国及び静岡県の動向を注視し、今後の方向性を検討していきます。
◯杉本 護
3回目は意見・要望です。
まず、出産までの支援についてです。
市のメニューには両親教室、マタニティ教室、そして小児科医による育児教室などがあります。その中で、実は両親教室がいつもいっぱいのようです。開催日数は3か所の保健福祉センターで、毎月1回、ほぼ土曜日で年間36回開催していますが、全てがいっぱいになるようです。
私の娘も初め、申込み開始日から数日たって申し込んだらいっぱいで、翌月は朝8時半を待ってすぐに申し込んだそうです。これだけニーズがあるので、開催数をもっと増やすべきではないでしょうか。
そのためには、土曜日に開催していますから、やはり休日出勤です。保健師さんの数を増やすしかないんではないかと思っています。
昨日の答弁でも必要な場所には増員するというふうに言っていましたから、そういう意味ではニーズがあるわけですから、ぜひ増員していただきたいというふうに思っています。
また、沐浴がないのも同じような人手不足だと考えていますから、最近は新生児もシャワーが多くなって、沐浴ばかりではないというふうにもお聞きしています。しかし、ぜひいろんな体験をさせるような受皿をつくっていただきたい。そのためにも増員をお願いしたいと思っています。
次に、木造住宅の耐震補強事業。
県の動向いかんにかかわらず、本市は来年度も継続するというふうなことが答弁されました。まずは安心いたしました。
その上で、物価高騰の折、耐震補強工事も単価が上がっているんではないでしょうか。ただでさえ暮らしが大変になっているこの時期だからこそ東海地震はいつ来るか分かりません。耐震補強工事を進める後押しとして、せめて物価高騰分をカバーするような補助率、あるいは上限引上げなどを検討していただきたいと思います。
あわせて、2000年5月以前の新耐震木造住宅の耐震化については、まだ旧耐震に対する助成のようにはいかないような答弁でしたが、命を守る取組として、まずは自分でできる耐震診断、これを広く知らせていただきたい。そして、耐震診断に一定の補助を出す、補修ではなくて診断そのものに出すということで背中を押すような、そういう取組の中で、この静岡市全体が倒壊しない、命が守れる、そうした安心した住宅のまちづくりをしていただきたい。
このことを強く要望して、質問を終わります。


