適格請求書等保存方法「インボイス制度」の実施延期を求める意見書提出を求める請願の賛成討論(要旨)

適格請求書等保存方法「インボイス制度」の
実施延期を求める意見書提出を求める請願の賛成討論(要旨)                                                                    

 消費税のインボイス制度が導入されれば、売上1,000万円以下の小規模事業
者や個人事業主に新たな税負担がのしかかり、新型コロナ感染の長期化や物価
高騰で苦境に立つ事業者に追い打ちをかけることになります。
 全国商工会議所は、「約500万者ある免税事業者が取引から排除されたり
、不当な値下げ圧力等を受けたりする懸念があり、システムの変更や新たな事
務など事業者にとって多大な負担が生じる」と訴え、「政府は事業者への影響
の可能性を検証するとしているが、こうした検証は行われていない」と批判。
インボイスの導入は当面の間、凍結すべきと結論付けています。
 日本出版者協議会は取引先のフリーランスに課税業者になることを求められ
ないとし、日本漫画家協会もペンネームで活動することが多い漫画家の個人情
報保護への懸念があるなどと、相次いでインボイス制度に反対し、見直しを求
める声明を発表しました。
 県内でも、静岡県美容業生活衛生同業組合や静岡県麺類業生活衛生同業組合
、静岡県料理業協同組合らがインボイス制度の実施中止を国に求める請願署名
に賛同するなど、中小・零細事業者を抱える業界でも懸念の声が広がっていま
す。よってインボイス制度導入は延期すべきと考えます。        

 請願には日本共産党議員団4名、創生静岡8名、緑の党1名が賛成しましたが、
不採択となりました。

請願への賛否 
自由民主党静岡市議会議員団  反対
創生静岡           賛成
公明党静岡市議会       反対
志政会            反対
日本共産党静岡市議会議員団  賛成
緑の党グリーンズジャパン   賛成
街づくり研究会        反対



以下提出された請願です。

請願第2号
適格請求書等保存方式「インボイス制度」の実施延期を求める意見書提出を求める請願

請願者
静岡市葵区  生活と健康を守る会 会長 日比野隆司
静岡市清水区 清水民主商工会 会長 三浦川八
静岡市葵区   静岡民主商工会 事務局長 山杢二朗

紹介議員  寺尾 昭 杉本 護 市川 正
内田隆典(令和4年6月 24日紹介を取消し)

【請願趣旨】
国に対し「適格請求書等(インボイス制度)の実施延期を求める意見書」を提出してく
ださい。

【請願理由】
新型コロナ危機の収束や景気回復が見通せない中で、令和5年 10 月からのインボイス
制度(適格請求書等保存方式)実施に向けた準備が進められています。
免税業者を取引から排除しかねないインボイス制度は、事業者間の取引慣行を壊し、免
税点制度を実質的に廃止するものであり、新規開業者やフリーランスの可能性を狭めかね
ません。
特に消費税課税・免税業者双方にインボイス制度についての理解が広がっていないこと
から、経理業務に対応できる状況ではなく、ましてやコロナ禍で経営危機への対策優先の
なか、課税・免税の選択を急かせば、経営上不利な選択をしてしまう可能性もあります。
新型コロナ危機を克服し再び構築すべき経済社会においても、地域に根ざし活動する中
小零細業者の存在は不可欠です。「税制で商売つぶすな」の願いを込め、貴議会におい
て、国に対し「適格請求書保存方式(インボイス制度)の実施延期を求める意見書」提出
を採択していただくようお願いします。
適格請求書等保存方式(インボイス制度)の実施延期を求める意見書(案)
新型コロナウイルス感染症収束の見通しが立たない中、個人消費支出の下落や時短・
自粛営業を余儀なくされた中小零細業者はかつてないほどの打撃を受け、いまもまだ完
全回復には至らず地域経済は深刻な状況が続いている。
こうした中、令和5年 10 月から適格請求書保存方式(インボイス制度)の実施に向
け、昨年 10 月1日からインボイス発行事業者の登録申請が始まったが、現在多くの中小
零細業者が、インボイス対応への準備はおろか制度の理解に至っていない。
そもそも軽減税率導入により消費税制度が複雑化したうえ、さらにインボイス制度導
入では、軽減税率対象品目を扱う事業者だけでなく全ての事業者に事務負担が増加し、
現在 500 万を超える免税業者が商取引から排除されるおそれがある。
そして周知と理解が進まない事業者に、消費税課税事業者か免税業者のままでいるか
の選択を迫れば、経営上不利な選択をしてしまう可能性も出てくる。
本来、中小零細業者にとって仕入れや経費に含まれる消費税全てを価格に転嫁するこ
とは、元請下請間の力関係や、薄利多売の大型量販店に対抗するうえで困難もあること
から、インボイス制度導入そのものにかなり慎重な議論が必要であり、ましてや経済状
況が不安定な中でスタートさせることは、新規開業者や事業継承にも影響がおよび、中
小零細業者全体の経営・成長意欲の低下を招きかねない。
地域を舞台に活躍する中小零細業者の経営を守り、地域経済の安定と発展を願う立場
で政府および国会に対しインボイス制度の実施延期を強く求める。
以上、地方自治法第 9 9 条の規定により意見書を提出する。
令和4年 月 日
静岡市議会

(あて先)
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
財務大臣
経済産業大臣