生活保護、桜ヶ丘病院について

◯内田隆典 通告しています生活保護、桜ヶ丘病院について質問をさせていただきます。
 最初に、生活保護の問題について質問します。
 生活保護法は、第二次世界大戦の後、世界的な生存権、人間らしく生きる権利、保障制度を確立する運動の流れと民主主義と暮らしを守る国民の要求と運動の中で、1950年に制定されています。生活苦や貧困、病気は個人の責任でなく、政府の低賃金政策や貧しい健康、医療、福祉政策、労働政策、経済政策などの社会的原因によるものです。
 生活保護法は、こうした社会的原因による生活苦から、国の責任で国民の生活を守ることを目的としてつくられています。
 現在、新型コロナウイルス感染が長引く中、市民生活は一層厳しいものになっています。
 3点について質問させていただきます。
 1点目は、令和元年度から3年度までの生活保護申請件数はそれぞれ何件になるのか。
 2点目は、令和元年度から3年度までの年度当初におけるケースワーカーの配置数と1人当たりの平均保護世帯数は何件になるのか。
 3点目は、令和3年度の年度当初において、最も多く保護世帯を受け持っているケースワーカーは何世帯担当しているのか、伺いたいと思います。
 次に、桜ヶ丘病院についてであります。
 桜ヶ丘病院の移転先については、市とJCHOとの間で二転三転した中で、昨年12月21日、基本協定書が締結されました。
 主な合意事項は、新病院の移転先は静岡市が所有する清水駅東口公園の土地とJCHOが所有する大内新田の土地を交換する。今後の予定は清水駅東口公園の測量、分筆登記を行い、11月議会において土地の交換に係る議案を提案、令和3年度中の建設着工、5年度中の開院を目指すというスケジュールがこの間、示されてきています。
 そうした中、JCHO側から9月10日、新病院建設に関する基本的な考え方が示されてきています。
 基本的な考え方の内容は1、建築費のおおむね20%を災害対策に充てる、2、陸上交通途絶時に医薬品、飲料水等、支援物資の搬入等を可能とするヘリコプターのホバリングスペースを設置、3、避難住民、帰宅困難者の中で、医療を要する患者を受け入れるために、リハビリセンター、大会議室に患者を受け入れ可能な機能を持たせる、このような内容になっております。
 結局、津波浸水想定区域へ病院移転建設をするということになったため、建設費の20%を災害対応に充てると。ほかにも医療の充実より先に災害対応を打ち出さざるを得ないという内容になっていると私は思います。
 昨年12月、JCHOとの間で基本合意が締結された以降も、市民の間にはなぜ津波浸水想定区域への病院建設にこだわるのかという意見が相当数聞かれます。
 そこで3点について伺いたいと思います。
 1点目は、新病院には、ホバリングスペースの設置が予定されていると言われておりますが、ヘリコプターのホバリングスペースの設置は、基本は医薬品、飲料水等の支援物資の搬入、これが基本であります。
 先日の当局の説明時には、救急搬送も可能ということが話されましたが、ホバリングスペースの設置は、基本的にどのような運営を考えているのか、伺いたいと思います。
 2点目は、新病院が災害時の医療救急活動でどういう役割を果たすのかという点についてであります。
 清水地域の医師数は、平成24年から平成30年で比較してみますと、医師数は6年間で8人増えただけで123人となっています。一方、静岡地域を見てみますと、123人増の945人となっています。これは人口10万人当たりの医師数で比較すると、清水地域は静岡地域のおおむね4分の1となります。
 清水地域の医療の状況は大変厳しいものがありますが、桜ヶ丘病院側は市への説明で、内科系救急医療体制維持を優先するとしています。新病院は災害時の医療救護活動でどのような役割を果たそうとしているのか、2点目です。
 3点目は、JCHOとのこの間の協議内容について伺いたいと思います。
 JCHO側とは、大内新田の土地から清水区役所跡地、その後、区役所駐車場、そして現在の清水駅東口公園となるまで、二転三転と迷走をこの間してきました。そしてやっと昨年12月に基本協定書が締結をされたわけであります。そこで伺いますけれども、これまでのJCHOとの主な協議事項とその結果が今日どのようになっているのか伺って、1回目とします。

◯保健福祉長寿局長(杉山友章君) 生活保護に関する3点の御質問にお答えします。
 まず、令和元年度から3年度までの生活保護申請件数についてですが、令和元年度は1,194件、2年度は1,311件、3年度は8月末時点で497件で、元年度の同時期と同程度の申請件数となっています。
 次に、令和元年度から3年度までの年度当初におけるケースワーカーの配置数と1人当たりの平均保護世帯数についてですが、令和元年度は、ケースワーカーの配置数は78人で、1人当たりの平均保護世帯数は93世帯でした。令和2年度は、ケースワーカーの配置数は80人で、1人当たりの平均保護世帯数は92世帯です。令和3年度は、ケースワーカーの配置数は78人で、1人当たりの平均保護世帯数は97世帯となっています。
 最後に、令和3年度の年度当初において、最も多く保護世帯を受け持っているケースワーカーの担当保護世帯数についてですが、担当保護世帯数は127世帯となっています。

◯保健衛生医療統括監(長谷川 誠君) 桜ヶ丘病院に関する3点の質問にお答えします。
 まず、新病院に設置が予定されているヘリコプターのホバリングスペースの運用についてですが、津波等による陸上交通途絶時に医薬品、飲料水等の支援物資の搬入をすることを予定していると伺っております。
 次に、新病院の災害時における医療救護活動の役割についてですが、JCHOからは避難住民、帰宅困難者の中でも医療を要する患者に対して、可能な範囲で医療提供を行うと伺っております。
 最後に、これまでのJCHOとの主な協議事項とその結果についてですが、基本協定締結以降の本市とJCHOとの協議については、移転地の取得に係る土地交換の取扱い、発災時の医療提供体制や市民への情報発信を主に協議してまいりました。
 協議の結果、移転地の取得に係る土地交換について、その交換価額の清算は金銭で補足することを合意し、またJCHOから新病院の災害対策や提供する医療内容についての基本的考え方が示されるとともに、住民説明会の開催が表明されました。
  

◯内田隆典 2回目ですけれども、生活保護について伺いたいと思います。
 生活保護をめぐっては、大変な状況が全国的に現れておりますけれども、今の局長の答弁を見てもなかなか大変な状況だということを私は感じました。ケースワーカーの配置数が3年度までで、大体78人前後で推移していて、保護世帯も平均で97世帯、最も多い人は127世帯を担当しているといいますから、きめ細かい支援や援助、それから職員の皆さんの健康面でもいろいろな形で支障が出てきているんじゃないかと思うんですね。そういう点では現在の人員体制の中で、どのような工夫をしながら生活保護に取り組んでいるのか。工夫だけではなかなか大変だと思うんですけれども、その辺、現状でどのような形で工夫をして取り組んでいるのか、伺いたいと思います。
 次に、桜ヶ丘病院ですけれども、3点聞かせていただきました。
 災害対応で20%ぐらいかかるということですけれども、当初はヘリコプターを設置して、こういう救護の医薬品等々だけではなくて、救護者にも対応するということでしたけれども、それはJCHO側の160床程度の病院ではそんなのつくれないということで、これができなくなったと。そういうことで苦肉の策として、ホバリングスペースをということでありますけれども、あくまでもホバリングスペースは医薬品や飲料水等の支援物資の搬入が基本的な目的ということで、今、話をされましたけれども、そのとおりだと思うんですね。結局、津波浸水想定区域に建てると。私に言わせれば、いわゆる禁じ手を取ったことで、こういう結果になったんじゃないかということだと思うんです。
 こういう状況の中で、市のこれまで要望してきたことが要望どおりにいかないという点で心配しているわけでありますけれども、そうだとすると私はきちんと市長が先頭に立って、今の現状を市民の皆さんに説明していくと、理解をしてもらうという努力が必要じゃないかと思うんですね。実際に、この間の説明をどうするのかということに対して市長は、真正面から答えていなかったと思うんですね。JCHOが説明するから、JCHOの説明に対して理解してもらえると期待していると。これでは、全く他力本願で人ごとですよ。私はきちんと市長が責任を持って、JCHOはJCHOとして説明していただきながら、この点では、市長が説明責任を果たすということが必要じゃないかと思いますから、改めて市長は説明責任をどう果たしていくのか、伺いたいと思います。
 次に、伺いたいのは、津波浸水想定区域の病院建設で救護病院の指定はもう受けられないということがはっきりしてきています。救護病院の機能としては中等症、重症患者の受入れ、救護所や災害拠点病院との連携、広域医療搬送への対応等、重要な役割を担っています。
 現在、清水区では、桜ヶ丘病院、静岡市立清水病院、厚生病院、共立蒲原病院、この4つの病院が救護病院の指定を受け、事があったときには対応するということになっているわけでありますけれども、今回、桜ヶ丘病院がこの救護病院を受けられないという状況になってきていますから、そうしますと先ほど私が言いましたけれども、清水地域の医療体制というのは今でさえ逼迫していると。そういう中で今度は桜ヶ丘病院が津波浸水想定区域に建設を予定しているわけでありますから、救護病院を受けないと。
 そうすると、その代替といいますか、それをどうするのか、ここもきちんと市民の皆さんに示しながら、対応していかなければまずいと思いますけれども、その点どう考えているのか、伺いたい。

◯保健福祉長寿局長(杉山友章君) 生活保護について現在の人員体制でどのような工夫をして取り組んでいるのかについてですが、本市では、現在の人員体制の中で、生活保護事務を適切かつ効率的に執行するため、正規職員がケースワーカーとして生活保護の根幹に位置する事務を担い、会計年度任用職員がそれを補助する事務を担うなど、事務の役割分担を工夫し、対応しています。
 具体的には、正規職員は保護の申請に対する認定調査、保護費の算定、訪問調査等を行い、会計年度任用職員は受給者自立のための就労支援や申請者の資産調査の補助事務等を行っています。
 このように、正規職員と会計年度任用職員が連携し、受給者の自立支援に取り組んでおります。

◯保健衛生医療統括監(長谷川 誠君) 桜ヶ丘病院に関する2点の質問にお答えします。
 まず、市としての市民説明会の実施についてですが、市からの桜ヶ丘病院移転に関する説明については、これまで定例記者会見での説明とともに、市議会での答弁や広報紙への記事掲載、自治会や地域の関係団体への説明、市民団体等からの質問への回答、新聞、テレビなどの報道機関を通じた情報提供など、様々な方法により丁寧に市民の皆さんに説明してまいりました。
 今後も引き続き市民の皆さんへの丁寧な情報発信に努めるとともに、JCHOの新病院の開院に向けた取組を下支えすることにより、清水地域、ひいては本市全体の医療体制の維持向上につなげてまいります。
 次に、新病院が救護病院に指定されない場合の対応についてですが、静岡県医療救護計画が改定されたことにより、新病院を救護病院に指定することはできなくなりました。
 新病院の基本的な考え方においては、災害時に可能な範囲で医療提供を行うとともに、医療を要する避難住民等を受け入れる旨がJCHOから表明されておりますが、患者の容態等によっては、他の病院の場合と同様に、対応できる災害拠点病院などへの搬送が想定されます。
  

◯内田隆典 最初に、生活保護についてでありますけれども、今、局長からは、正規職員と会計年度任用職員の役割分担で工夫してやられているということですけれども、私も、議員の皆さんもそうだと思いますけれども、生活保護等を含めていろんな形で相談に乗っていると思うんですね。私も生活保護の関連では、何度となく一緒に相談に、相談者と会うんですけれども、手続をもう少し簡素化できないかという感じを持っています。
 一般的な手続は、書類は4枚じゃないかと思うんですけれども、申請書や収入申告、資産申告、資産調査同意書、所要時間も私は1時間程度でできないのかなと思っているんですけれども、なかなかそれ以上にかかるということでありますから、最低限必要な項目で調査していると言われているんですけれども、一つ工夫ができないのかなと思っています。
 それから、役割分担でいろいろ頑張っているということで、本当に頑張っていると思うんですけれども、しかし社会福祉法ではケースワーカー1人当たり大体80人が限度ということになっているんですけれども、今の答弁では、これが平均では95世帯前後、1人当たりで多い人は127世帯だと言われているんですよね。これは明らかに正規職員と会計年度任用職員を役割分担しても、もう限度を超えていると、言わざるを得ないと思うんです。
 そういう点では、78人ぐらいをベースにケースワーカーが推移しているんですけれども、いろいろと人事課あたりにも要望しているんじゃないかと思うんですけれども、これはですね、数年来こういう数字でケースワーカーが対応しているわけですから、ここは年度を持って毎年毎年、正規職員を増やして、そして安心してケースワーカーが仕事に当たれると、健康面でも。そして、行き届いた支援ができるような体制にしていく必要があるということですから、強くこれはお願いをしておきたいと思うんです。
 それから、桜ヶ丘病院の問題ですけれども、結局、津波浸水想定区域に病院を持っていくことになったから、救護病院の指定を受けられないということですけれども、やはり今答弁をしていただきましたけれども、そのぐらいの水準では、今ある逼迫した医療も安心して市民の皆さんを対応できる状況にはならないんじゃないかと、私は思っているんです。
 それで、私も本当に何回も言うんですけれども、市が説明責任を果たしていない、だからこそいまだにですよ、いまだに市民の皆さんはあそこに移ることに同意というか、理解を示していないと思うんですね。
 今、答弁してもらいましたけれども、本会議や委員会や記者会見で見解を述べるのは当たり前ですよ、それは。丁寧な説明とは言えないです、それは。あなた、勘違いしているんじゃないか、そう思いますよ。丁寧な説明だったら理解するわけですよ、あなたたちが言っている意味。記者会見だとか、本会議だとか、委員会、広報でやっていると。だからもう理解してもらっていると。いまだに理解し切れていないというのは丁寧な説明という形になっていないと。
 だから、今回10月からJCHOが市民の皆さんにどういう形で説明会を開くか知りませんけれども、JCHO任せでなくて、市がやるべきですよ。大きくこの問題は関わってきているわけじゃないですか。大内新田からあそこは水が出ますから。どうするかといったときに、区役所の跡地にやろうじゃないかと、それで桜ヶ丘病院もあるよと。結局、静岡市がいやいや桜ヶ丘公園より区役所跡地のほうがいいですよと、こうなった。これは一旦そうなったけれども、それから駐車場とか二転三転あって、あそこの駅東口公園と、今、流れがなってきている。もう市の重要な決定が次から次に変わってきていると。そういう点では、静岡市長は、大きな政策転換でありますから、これは市民にきちんと理解していただくようなことを前面に出てやらないでJCHO任せにするのはどうかと私は思いますよ。どうもその辺がよく分からない、市長は何を考えているのか。私はきちんと市民の皆さんに説明責任を市長は先頭に立って果たすよう求めておきたいと思う。