1.三保・折戸こども園統合・民営化について 2.清水庁舎について 3.桜ヶ丘病院移転計画について

◯(内田隆典) 通告に基づきまして3点について伺います。
 最初に、三保・折戸こども園統合・民営化についてであります。
 本来であれば、保育についてはこれまでどおり公的責任の下、市が担っていくべきだと考えています。しかし、三保・折戸こども園については、この4月より三保と折戸こども園が統合し、運営が直営でなく入札で選ばれた法人が運営する、いわゆる民営化であります。それぞれの施設の老朽化、少子化もあって統合となったようでありますけれども、三保保育園は1948年開園ですから70年余の歴史を刻んでいます。移転準備も順調に進んできていると聞いておりますが、現在働いている職員の皆さんの待遇や現在直営で進められている給食の提供など、これまでと何ら変わらないのかなど、気になる点もあります。中でも気になるのが、市直営で提供してきた保育の質の低下にならないかということであります。
 そこで、1点お伺いします。
 市立こども園で実施してきた教育・保育の質を維持するために、市はどのような指導・支援をしていくのか、伺いたいと思います。
 次に、清水庁舎についてであります。
 この間、いろんな議論がありました。経過もありました。昨年の8月には、住民投票運動ということまで起きました。そうした中で、今回の2月補正予算では、基本構想の見直しを含めた1,200万円の予算が計上されておりますが、私は今度こそ本事業の見直しに当たっては、市民への十分な説明、理解を得た上で進めていただきたいと考えますけれども、今後検討を進める上で市民への説明をどのように進めようとしているのか、伺いたいと思います。
 次に、桜ヶ丘病院について伺いたいと思います。
 昨年12月21日、田辺市長はJCHOの尾身理事長との間で桜ヶ丘病院の移転先を清水駅東口公園とする基本協定書を結びました。医師の確保等についても具体的に触れられておりますけれども、清水病院の医師不足と経営が大変厳しいという中で、この医師確保が大丈夫なのか危惧するわけでありますけれども、この協定書を見る限り、随分JCHOに遠慮しているといいますか、押し切られた印象を受けます。基本協定書の締結は重要な行為であり、慎重に進めるべきだと考えますけれども、市民参画条例に基づくパブリックコメント等を通じ、市民の意見を反映した上で実施すべき案件ではないかと考えますけれども、当局の認識について伺いたいと思います。

◯子ども未来局長(青野志能生君) 市立こども園が実践してきた教育・保育の質を維持するための指導・支援についてですが、今回の民営化に当たり運営法人を選定する際には、そこで行われる教育・保育について、市立こども園のものと同等以上の水準を提供できるかを基準の1つとして民営化後の教育・保育の質の維持を図っております。
 また、運営法人、市立こども園在園児の保護者、市による三者協議会を設置し、民営化後の教育・保育に保護者の皆さんの声をつなげていく機会としております。さらに、民営化後には、市の保育教諭が教育・保育の実施状況や保育環境を確認し、必要な助言をしてまいります。

◯企画局長(松浦高之君) 清水庁舎について、今後検討を進める上で、市民への説明をどのように行っていくのかについてですが、令和3年度に実施する庁舎のあり方検討では、来庁者へのヒアリングを通じて、御意見を伺いながら進めてまいります。
 検討した結果の新しい未来の庁舎のあり方については、広報紙やSNSなどによって市民の皆さんへの説明に努めてまいります。

◯保健衛生医療統括監(杉山友章君) JCHOとの基本協定書の締結における市民参画条例に基づく市民意見の反映についてですが、今回の基本協定書は、本市とJCHOとの間で、桜ヶ丘病院の移転に関する基本的事項を定めたものであり、あくまで今後の交渉の基本的方向性を示したものであることから、静岡市市民参画の推進に関する条例に基づく市民参画手続は必要ないものと考えております。
 

◯(内田隆典) 清水庁舎の移転についての市民への説明、ヒアリングだとか広報、SNSだとかで、これから説明をしていくということでありますけれども、私は広報静岡3月号の庁舎の問題や桜ヶ丘病院の移転について、庁舎で説明している広報を見させていただいたわけですけれども、昨日も広報紙や自治会等で説明をしていくという答弁をされておりましたけれども、しかし、このくらいの説明では、私は十分なのかというと、相当疑問に思っています。
 広報紙では、JCHOがピロティ構造を採用するなど、建築手法の工夫により地震や津波が発生した後でも業務の継続が可能で、病院機能の維持はできると書いているんですけれども、私はこれは正確さに欠けると思うんですね。ちょうど来月11日で、東日本大震災から10年目を迎えるわけですけれども、このときの総括といいますか、関係者の皆さん、お医者さんもこの津波後1週間前後、病院機能は機能しなかったと、こういうことでね、私は関係者というか市の職員も聞いていると思うんですね。それでおいて、何か問題ないようなことを書いているんですけれども、私は大変問題だと思います。
 それで、私は、平成30年の9月議会で、レベル2の津波が襲来した場合、道路啓開を何日ぐらい想定しているかと質問しました。このとき公共資産統括監は、一般的に道路啓開は3日から1週間と、こういう答弁をしているんですよ。東日本大震災でも医療機関、お医者さんの皆さんは、1週間ぐらい機能しなかったと、こう言っているわけですよ。それで、当局の皆さんも、私の平成30年の9月議会の答弁に対して、道路警戒は3日から1週間はと、こう答弁しているんです。
 そうするとね、全体がそうなったわけで、仮に桜ヶ丘病院がここに建設されたとした場合ですよ、仮にですよ、病院だけが機能するなんてこと、あり得ないじゃないですか。私はね、税金を使って広報を出して、不正確な情報を市民に提供するというやり方は問題だろうって。認識を変えてもらわなきゃ困りますよ。
 質問ですけれども、庁舎の移転場所について伺いたいわけですけれども、これから検討するということでありますが、今後の庁舎の在り方について検討しますけれども、東口公園への移転の可能性は排除すると、私ね、今から検討するんでしょうけれども、しかし、移転場所だけは津波浸水想定区域を排除しないと、ここにも造る可能性があると、こういう検討の仕方というのは、私はいかがなものかと思います。
 そういう点で、次年度を含め、今後の検討では津波浸水想定区域、議会でも移転を前提として検討すべきではないかと思いますけれども、当局の考え方について伺いたいと思います。
 それから、桜ヶ丘病院についてでありますけれども、先ほどの答弁では、基本協定だからそんな細かいことはやらなくてもいいみたいなことを言っているんですけれども、私は午前中の議論の中でも基本協定書と言いながら踏み込んだ協定をしているんですよ。どっちかというとJCHOの流れに沿った協定、こういう協定書というのは余り聞いたことがない、ここまで踏み込むのは。別に支援をしなくていいと言っているわけじゃないですよ。対等の立場でやるべきだと、物事は。踏み込み過ぎだって。
 それで、議会に対してはきちんと示していると言いますけれども、私は大事な問題だから静岡市の自治基本条例に基づいて市民参画の推進、これはいろいろやる場合とやらなくてもいい場合の条例が載っていますけれども、時間がありませんからそこまで言いませんけれども、私はこの条例を見る限り、静岡市は、この条例を勝手に自分らが都合いいように解釈して、余り踏み込まなくても、細かく説明しなくてもいいように取っているんじゃないかと。私はそういう点では大変、自らが決めた条例、憲法だと言われている条例に対する取扱いを軽視していると私は考えています。
 そこで、さらにもう1点伺いたいわけでありますけれども、桜ヶ丘病院、庁舎問題をめぐるこの間の対応は、私は大変、議会を軽視しているんじゃないかと思っています。基本協定書の結び方、いろんな考え方があるんでしょうけれども、しかし、この間の対応は、私は議会に対して、市長は軽視していると思われる行政運営だと思いますけれども、どのような考えをもっているのか、今後ともこのような対応でよしとするのか、市長の見解を伺いたい。

◯企画局長(松浦高之君) 清水庁舎について、現計画を白紙にし、津波浸水想定区域外への移転を前提に検討すべきではないのかについてですが、現時点では清水庁舎の移転計画に変わりはなく、また、清水都心へ公共施設を集積する方針も変更はございません。

◯保健衛生医療統括監(杉山友章君) JCHOとの基本協定書の締結における議会への対応についてですが、今回締結した基本協定書は桜ヶ丘病院の移転に関し、今後の交渉の基本的方向性を双方で確認し、その事項を定めたものであります。現在、この協定内容を踏まえJCHOと新病院の建設に向けた具体的な協議を進めておりますので、今後、議決が必要なものにつきましては市議会へお諮りしてまいります。
  〔37番内田隆典君登壇〕

◯(内田隆典) 清水庁舎移転についてですけれどもね、これまでも移転計画は変わらなく進めていくと言いますけれども、当初の基本構想の考え方からすれば、もう全然変わってるじゃないですか。仮にJCHOに今計画されているような面積を譲り渡すということになれば、もう庁舎の建設だとか駐車場だとか民間施設を誘導して、そこで地域の活性化をするという計画は成り立たないでしょう。白紙ですよ、白紙、一旦は。あたかも変わらないみたいなね、やり方というのは本当にね、不正確にね、市民に伝えるような中身ですよ。ひど過ぎる、あなた方は、言っていることが。
 それでね、桜ヶ丘病院の問題でも、私は議会を軽視してるんじゃないかと言ったわけですよ、軽視しているって。そうでしょう。一昨年の9月議会で予算と議案を出して、それで去年の9月議会ではそれをまた、戻したわけでしょう。提案して、2回もこういうことをやっているわけですよ。で、知らないうちに基本協定書を結んだ、具体的なやつを。議会軽視だって。
 大事な問題を自治基本条例に違反するようなことをやっていて、議会には説明したって。説明したって、話しすればいいってことじゃないと思うんですよ、私は。ひど過ぎる、あなたたちの行政運営は。自ら決めた条例や憲法を守ってもらいたいって。市民説明会も本当に理解できるような説明会をしていただきたい。一方通行は許されない。
 このことを言って質問を終わります。