清水庁舎・海洋文化施設・桜ケ丘病院移転等は一度白紙に戻す事を求める

◯通告に従いまして3項目について質問します。
 最初に、清水庁舎移転計画の凍結問題についてです。
 6月議会で、冒頭、田辺市長はコロナ禍の中、このまま清水庁舎の建設については、民間業者の参入、財政問題等々あり計画どおり進むことができない。事業の一時停止を発表しました。それで、9月議会までに今後の計画について検討していきたいと判断、説明してきました。そして、この9月議会で事業の一時停止の継続という判断を示しました。
 昨年9月議会で可決した94億円の債務負担行為の予算を一旦廃止する予算案が提案されております。100億円近い予算を一度議決した議会で、1年後にその予算を廃止するなどといったことは、静岡市議会にとって初めてのことではなかろうかと思います。市長は、このことについて厳しく総括するべきだと考えます。
 6月議会以降、8月に住民投票を求める直接請求がされ、臨時議会も開催されました。6月議会が終了し、2か月足らずで事業の一時停止の継続の判断が示されたわけでありますけれども、その判断はどのような経緯で決定され、その判断には住民投票請求の影響が含まれているのか、伺いたいと思います。
 2点目は、庁舎移転計画白紙撤回ではなく、一時停止の継続ということであります。この間、タウンミーティングや建設検討委員会等々開催して、まとめてきましたけれども、今後はこうした計画がそのまま進むとは思われません。どのような段取りで計画を進めようとするのか。そのとき、どのようなメンバーで検討を行っていこうとしているのか、伺いたいと思います。
 3点目は、民間施設の誘致についてであります。
 御案内のとおり、国や県の施設もこれに組み入れる。そして、それを起爆剤としながら計画を進めていく。しかし、民間事業者の参加も見送られているところであります。引き続き、民間施設の誘致、このことについても検討を進めるのか、伺っておきます。
 4点目は、市民団体との対応についてであります。
 一昨日も、この問題で質問がありましたけれども、このとき、必要に応じてという答弁がされましたけれども、市長は、住民団体の皆さんが、これまでにもいろいろ話を聞いていただきたいということに対して積極的に応じてこなかった。ドタキャンするという問題も起こりました。今後、こうした住民団体の面会に対して、希望があった場合に面会に応じるのかどうか、基本的な考え方について改めて伺っておきたいと思います。
 5点目は、先ほど指摘しましたけれども、この計画は移転ありきで拙速に進めてきたと、ここに私は大きな問題があったのではないかと思います。そういう点では、1年前に議決した予算の廃止予算が提案されることになっておりますけれども、私はこの事業はこの間、移転ありきで進めてきた。市民の声を十二分に反映することなく拙速に進めてきたと、ここに問題があると考えますけれども、市長の認識について改めて伺っておきたいと思います。
 次に、海洋文化施設について伺いたいと思います。
 この計画も庁舎移転計画と同じように、コロナ禍の中で民間の参入も見込めない等々、昨年9月議会で可決した債務負担行為の166億円の廃止の補正予算が提案されております。市長は記者会見で、この海洋文化施設については見直しを進めながら早期の再開を進めていきたいと、そういう点では、庁舎移転とは少しニュアンスが違うわけであります。しかし、この施設においても現計画をそのまま進めるのではなく、コロナ後を見通して計画の見直しが必要と考えられます。民間参入について単純じゃないと私は考えますけれども、早期の事業再開は困難と考えます。現在の課題と、どうしたら再開できるのか等について、伺っておきたいと思います。
 2点目は、この事業は単純なPFI事業ではなく、東海大学、JAMSTECが関わっての事業推進計画となっております。コロナウイルスの影響で東海大学やJAMSTECとの打合せが十分に行われているのか、こうした関係者との協議がこの間どのように進められてきたのか、伺っておきたいと思います。
 3点目は、桜ヶ丘病院の問題についてであります。
 この病院移転については、当初は庁舎の跡地、それから、6月議会では第3駐車場という提案が市から病院側に提案されました。しかし、昨日のNHKのニュースを見ますと、病院側は市の駐車場では建設スペースに問題があり、断念したという報道がされておりました。市は正式な決定を聞いていないということで、そのまま考えを進めていきたいということでコメントもしているようでありますけれども、病院長は、この間、1日1時間でも早く病院建設をと、老朽化がひどいということを言っておられますから、そう単純にいかないと思います。そこで伺いますが、6月に第3駐車場を提案した。その後、JCHOとどのような協議が進められているのか、伺いたいと思います。
 次に、医師確保についてでありますけれども、一昨日の答弁でも、清水地域の医療体制、医師会との協議もしていて、医師不足への対応は共有しているということでありますけれども、なかなか進んでいないという実感であります。心配になりますけれども、桜ヶ丘病院への医師確保についてこの間、言及しておりますけれども、取組の現状について伺って、1回目とします。

◯企画局長(松浦高之君) 清水庁舎に係る5つの御質問にお答えします。
 まず、事業一時停止の継続の判断はどのような経緯によって決定されたのかについてですが、5月末の事務手続の一時停止以降、国の動向の把握や有識者などへのヒアリングを行った結果、今後、これまで以上にデジタル化やオンライン化が進み、行政サービスや庁舎機能の在り方は大きく変わっていくものとの認識に至りました。また、民間施設の誘致については、現在、社会経済活動が停滞し、投資環境が整っているとは言いがたい状況であることが分かりました。これらを受け、引き続き、社会経済活動の動向を注視するとともに、新しい時代の庁舎の在り方について検討を要することから、8月の重要政策検討会議にて、本年度中の事業の再開は困難と判断いたしました。
 なお、住民投票を求める署名については、清水のまちづくりについて高い関心が寄せられたものであると受け止めておりますが、今回の事業一時停止の判断においては住民投票請求の影響は受けておらず、国の方針や有識者の意見などを踏まえ、総合的な観点から決定したものでございます。
 次に、今後の検討はどのようなメンバーで行っていくのかについてですが、事業の見直しを進めていく過程で検討に必要な体制を整えていきたいと考えております。
 次に、民間施設誘致は引き続き行っていくのかについてですが、当事業は、庁舎、駐車場、民間施設の3つで一体的にJR清水駅周辺ににぎわいを生み出していくという方針に変わりはありません。これまでの民間事業者へのヒアリングにおいては、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた先行き不透明な現在の社会経済状況では、民間施設の進出は困難であるとの回答を頂きました。そのため、今後も社会経済動向を注視しつつ、引き続き、民間事業者との情報交換を行ってまいります。
 次に、反対を主張する住民団体と市長の面会についてですが、先日の風間議員への答弁のとおり、今後の面会につきましても、事業の見直しを進めていく過程で必要に応じて検討していきたいと考えております。
 最後に、これまでの事業の進め方に対する当局の認識についてですが、当事業は平成23年の東日本大震災を受け、現庁舎の耐震性能等の調査から始まり、28年度に清水まちなかタウンミーティングの開催、29年度に新清水庁舎建設基本構想、30年度に新清水庁舎建設基本計画の策定など、これまで長い時間をかけて議論を重ね、広く市民の皆さんや専門家の方々の意見を集約しながら、丁寧に進めてまいりました。
 今回の事業一時停止の判断は、ポストコロナ時代を見据えた新しい庁舎の在り方の調査研究が必要なためであり、これまでの事業の進め方は適切であったと認識しております。

◯海洋文化都市統括監(山本高匡君) 海洋文化施設に関します2点の御質問にお答えいたします。
 海洋文化施設について、現在の課題とどうしたら再開できると考えているのかについてでございますが、先日、風間議員にお答えしましたとおり、本年5月以降に行ってきた事業者ヒアリングにより、新型コロナウイルスの影響を受け、既存の集客施設も入場者数が減少しており、収益を求める新規事業への運営参画は困難であるなどの課題が明らかになっております。このことから、民間企業が事業への参画意欲を高められるよう、需要予測、事業収支、不測の事態へのリスク分担、事業期間の見直しなどのほか、ハード・ソフトの感染症対策などに取り組み、海洋文化施設の早期の事業再開を目指してまいります。
 次に、東海大学やJAMSTEC関係者との協議状況でございます。
 当初の公募では、新型コロナウイルスの影響により、公募提案に不可欠な海洋や地球の展示コンテンツ等に関する市や民間事業者と東海大学、JAMSTECとの協議の場を設けることができませんでした。このようなことから、現在、事業が一旦停止となったこの期間を利用し、民間事業者に施設テーマに沿った魅力ある事業提案をしてもらえるよう、本施設のテーマである駿河湾や海洋、地球について東海大学やJAMSTECが持つオンリーワンの研究成果やコンテンツの再確認や幅広い掘り起こしのほか、その展示、活用方法などについて事前協議を行っているところでございます。

◯保健衛生医療統括監(杉山友章君) 桜ヶ丘病院に係る2点の御質問にお答えします。
 まず、JCHOとの協議の状況についてですが、病院の移転候補地として6月に市から清水庁舎第3駐車場などを改めて示したところですが、それ以降も早期の開院を目指して、医師確保策なども含め、JCHOと継続的に協議を行っております。
 次に、医師確保の取組状況についてですが、現在、医学部を有する大学への寄附講座の設置について、他の自治体での事例や効果、課題などを整理するなど、調査研究を行っているところです。引き続き、JCHOや市内医療関係者と情報共有しながら、医師の派遣につながる可能性の高い大学を訪問し、医師派遣の協力を要請してまいりたいと考えております。
  〔37番内田隆典君登壇〕

◯ 最初に、清水庁舎の移転計画でありますけれども、先ほど答弁されたんですけれども、関係住民に丁寧に説明しているだとか、住民投票5万2,300筆集まったんですけれども、影響がないとかね、これまでどおり民間施設も組み込んで続けるという状況を説明されたんですけれども、コロナが原因かもしれませんけれども、これまでに進め方について大きな問題があったから、こういう大きな問題に発展したんじゃないかと思うんですね。そういう点では、皆さん、丁寧に説明しているといいますけれども、丁寧さが足りないということで住民投票請求までなったということですから、もう少しその辺は認識を改めたほうがいいと思うんですね。
 それで、このまま経済状況を見ながら事業を進めていくというんですけれども、私は一旦白紙に戻して、コロナ後に、経済が活性化した場合にどういう庁舎が必要なのかと、そういうことを含めて議論していくということで、一旦、白紙に戻すべきだと思いますけれども、改めて伺いたいと思います。
 それから、海洋文化施設でありますけれども、この間、リスクの分担の考え方として話が出ていたのはプロフィットシェアやロスシェアの制度導入ということが検討されてきたようでありますけれども、この制度を導入するなら、ただでさえ財源不足が指摘される中で、市の負担は増え続けるというようなことを危惧するわけでありますけれども、市は事業再開に向けてプロフィットシェアやロスシェアの制度の導入を見直すべきじゃないかと思いますけれども、改めて考え方を聞いておきたいと思います。
 それから、桜ヶ丘病院の件についてでありますけれども、継続的にこの間、説明、相談してきたみたいな話です。しかし、昨日、NHKの報道によりますと、もう今月の15日には提案した駐車場は無理だということで説明がされていると。3か月ほど、ほとんど動いていないんじゃないかなと思うんですね。問題があったんじゃないかと思います。
 そういう点では、私は、もう一旦、庁舎の跡地が駄目だったんなら、2番手の桜が丘公園に移すべきじゃないかということで、6月議会でも指摘をしましたけれども、この間、当局は、あそこは狭いだとか都市計画の変更に時間がかかるだとか、そんなものは決断すれば、私は進んでいくと思うんですよ。私は、その判断が今、求められているんじゃないかと思いますから、改めて当局の考え方を示していただきたいと思います。

◯企画局長(松浦高之君) 新清水庁舎の事業自体を白紙にする考えはないのかについてですが、先日の風間議員への答弁のとおり、当該事業においては市民の皆さんから幅広い意見聴取を行いながら、外部の有識者や公募市民等で構成される新清水庁舎建設検討委員会で時間をかけて議論を重ね、新清水庁舎建設基本構想と新清水庁舎建設基本計画を策定したものです。
 今回の事業の一時停止は、ポストコロナ時代を見据えた新しい庁舎の在り方の調査研究を行うためのものであり、現時点で基本構想、基本計画を変更するものではございません。そのため、事業を白紙に戻す考えはございません。

◯海洋文化都市統括監(山本高匡君) 海洋文化施設のプロフィットシェア、ロスシェアの制度について、導入見直しを検討するのかについてですが、本施設は博物館と水族館を融合させた他に類を見ない新たな視点のミュージアムであることから、施設運営に興味を示していた民間事業者から、計画段階での入場者数の予測が難しいという意見が数多く寄せられておりました。このため、入場者数が市と事業者とで合意した基準値から大幅に増減した場合など、将来の需要変動に対応することにより、事業者の事業参画の懸念を和らげる対策として、この制度の導入を決定しました。
 今後、早期の事業再開に向けて様々な見直し、検討を行いますが、プロフィットシェア、ロスシェアの制度につきましては、現時点での仕組みを前提に検討を進めてまいりたいと思います。

◯保健衛生医療統括監(杉山友章君) 桜が丘公園への移転についてですが、一昨日に風間議員へ御答弁させていただいたとおり、病院の移転候補地として早期の開院を目指す桜ヶ丘病院の内野院長の申出を受けて、市から清水庁舎第1・第2・第3駐車場を改めて示したところです。
 桜が丘公園への移転については、都市計画の変更に係る各種手続に相当の時間を要することが見込まれることから、今後におきましては、改めて示した用地を移転候補地として、早期の開院を目指し、JCHOと協議を進めてまいります。
  〔37番内田隆典君登壇〕

◯ 海洋文化施設についてでありますけれども、事業の一時停止後、改めて東海大学やJAMSTECとの今後の進め方について継続的に協議しているということでありましたけれども、債務負担行為166億円余をかけて進めようとしていましたが、コロナ禍で事業の一時停止をすることになりました。この機会に清水のまちづくりの観点からも、施設の在り方を含め、検討すべきではないかと考えております。
 清水のまちが、海、港と共に共存、発展してきたことは論をまちませんが、このことが清水のまちづくりのキーワードになることは市民の共通項であります。しかし、市長が掲げる海洋文化都市は一口でいうと、大型箱物とインバウンドによる人寄せです。コロナによる大型クルーズ船の寄港見通しが立たなくなった現状では、基本的な考え方を見直すべきです。まちの活性化、その地域が持っている自然資産や歴史、文化資産や海洋資産、産業資産など、あらゆる資産の活用を考えることが必要であります。そのために専門家と市民の協力による総力の結集が必要です。具体的には商工業者団体、文化・歴史・観光団体、自然保護団体、海洋関係団体など、関係者に協力を求めるとともに、市民にも参加を募りながら、行政と一体となって検討を進めることを求めたいと思います。
 それから、桜ヶ丘病院についてでありますけれども、提案した内容が、もう病院側は無理だと言っているんですから、新たな提案を考える必要があるんじゃないでしょうか。
 昨日のNHKのニュースの報道によりますと、市に対して今月15日に第3駐車場は狭過ぎると、困難であるからという断念の文書を送ったと報道されました。さらに、今年の4月の厚生労働委員会で、当時の加藤厚生労働大臣は、災害医療の拠点となる病院について、ハザード──危険上の観点からも、これから建て替えをするときには、あるいは場所を変えるときには十分配慮してもらいたい。大事な視点だと思うと答弁しております。また、JCHOの尾身理事長も、この委員会で桜ヶ丘病院の建て替え問題に関し答弁しております。尾身理事長は災害時において、地域住民の生活を支え、地域住民の生活がしっかりと機能するように安全性を勘案することが極めて重要だと思っていると答弁しております。
 市長は理事長と話し合いを進めるというんですけれども、病院側は津波浸水想定区域に建てるというのは問題があると、これはもう厚生労働省もそういう認識であります。だから、新たな対話を持っていかないと、なかなか事は進まないし、1日1時間も早く建てたいという病院側の意向に沿わないんじゃないでしょうか。駄目だというところに、また、同じ案を持っていこうというんですから、するわけないじゃないですか。やはり新しい案を持っていくと。そういう点では、もう1番目が庁舎跡地、2番目が桜が丘公園ということで、これまで市が説明したんですから、その意向で私は対話を持ってJCHOの理事長と話し合いを進める。もうそのことを求めて、質問を終わります。