清水庁舎の移転計画について

 清水庁舎移転計画について質問いたします。
 今議会には、庁舎の移転予算、それと位置条例が出されております。この間の市長のこの問題に対する進め方は、強引な市政運営だと私は感じております。丁寧な説明が求められるわけでありますけれども、市長は、この間清水区に出かけ、庁舎問題での説明を進めてきたと報道されております。6月以降にどのような団体に、どのような説明をしてきたのか、まず伺っておきたいと思います。
 2点目は、市長はこの問題が現段階で市民の理解を得られていると考えているのかどうか、伺いたいと思います。
 3点目は、清水庁舎・桜ヶ丘病院問題8団体連絡会の皆さんとの話し合いについての問題で、質問がされました。調整ができなかったと答弁しておりますけれども、私は調整ではなくて、市長が一方的にドタキャンしたと感じております。面談を希望していた8団体の人たちとなぜ面会しないようになったのか、明確に答えていただきたいと思います。
 住民投票の問題でも、何人の方からも質問がなされました。住民投票には多額の経費がかかることを含めて、やらないということでありますけれども、私は、静岡市自治基本条例の第25条、「市長は、市政の特に重要な事項について、広く住民の総意を把握するため、条例で定めるところにより、住民投票を実施することができる。」となっているわけでありますから、自治基本条例の精神、市民参画を推進するという立場に立つならば、自治基本条例のこの立場で住民投票を行うべきだと思いますけれども、市長に改めて伺っておきます。

47◯公共資産統括監(吉井博昭君) 6月議会以降の市民説明についてですが、6月議会以降、市長ミーティング室を活用し、市長みずからが清水区自治会連合会や、静岡商工会議所などの団体に対し、直接説明をしてまいりました。
 また、新庁舎建設地に近接する自治会のほか、当該事業に関心を持たれている市民の皆さんとの意見交換により、コミュニケーションを図り、事業の内容について理解を求めてまいりました。加えて、広報紙の連続掲載など、広報媒体を積極的に活用し、幅広い市民の皆さんに届くよう、丁寧でわかりやすい説明ときめ細やかな情報発信を繰り返してまいりました。
 次に、現段階での市民の理解についてですが、新清水庁舎建設事業については、有識者や市民委員で組織する新清水庁舎建設検討委員会において議論を重ねながら、パブリックコメント、市民アンケートやワークショップの実施、多様な団体からのヒアリングなどを開催してきました。
 これに加え、新清水庁舎を初めとする清水のまちづくりに関して、先ほど答弁しましたとおり、さまざまな説明や情報発信により、事業の内容に理解を求めてきております。こうしたことを通して、市民の皆様から事業の必要性は理解できたなどの声を多くいただいたことからも、理解は進んでいると考えております。
 次に、8団体との面会についてですが、事前に何度も話し合いを重ねてまいりましたが、最終的な調整がまとまらず、実現できておりません。
 次に、市民参画を推進する立場からの住民投票についてですが、市長が発議して行う住民投票につきましては、市長がマニフェストを踏まえた選挙において信任を受けたこと、さまざまな機会を通じて対話や情報発信を行っていること、住民投票の実施には多額の経費を要すること、以上の3点を総合的に勘案し、実施しないと判断いたしました。

48◯37番(内田隆典君) 市長、あなたね、この問題は9月議会で議論すると公式に言っているんですよ。答えるべきなんだよ、市長の立場で。局長じゃないんですよ。私は市長はどう考えるかということを聞いているんですよ、情けない。
 それで、6月議会以降の市民、自治会や商工会議所、医師会、商店街、広報紙等々で説明してきたと言いますけれども、私は十分じゃないと思っているんです。
 検討委員会やパブコメ、ヒアリング等々をやって、事業に対して賛同がふえてきたと。それは賛同がふえてきたというのは、あなた方が思っているだけなんですよ。3月の市長選挙以降、市民の意向は50%以上の人が、これは難しい、まずいと言っているということなんです。あなたたちが説明したから賛同がふえているというのは、それは自己満足なんですよ。こんな大事な問題をそれで通り過ごすんですか。全くふざけている。
 それから、市民団体との説明についても調整ができなかったと。調整ができなかったんじゃないんじゃないですか。この市長の当時の日程は、午後2時半から7時半まで白紙じゃないですか、白紙。会おうとした時間には、これ何も入っていないんですよ。調整が整わなかったんじゃないでしょう。大事なお客さんから話があるからと、急遽キャンセルしたんでしょう。市民との約束をして、ただ調整ができなかったんじゃ済まされませんよ、大事な問題なんですから。あなた方、もうむちゃくちゃだよ、行政運営が。これ理解が得られるわけがないじゃないですか。全くひどい。これは、もう結果的には、市長が市民にうそをついたと言わざるを得ませんよ、これ見ると。
 質問します。
 私は、住民投票をやらないのであれば、市民が理解できる、そこまで市民への説明会の開催、市民の意向を把握すべきだと思うんです。あなたたちは、もう説明したから理解が得られていると、あなた方だけなんですよ。まだ市民は理解していませんよ。きちんとこれに答えてくださいよ。
 それから、関連予算が出されました。条例も出されました。この間どういうところでこういうことをやられているのか、陸前高田市、そして南三陸町の庁舎建設したときの状況を見てみましたよ。そうすると、ほとんどがこういうときにやるのは、建設が終わる直前の議会で位置条例は変えるんですよ。静岡市もそういう流れを持っていたんじゃないですか。何で急にこれを予算とともにやろうとしているのか、私は不思議でならない。教えてくださいよ、何でですか。
 次に、津波浸水想定区域の庁舎の責任について、本当にここでいいのかどうか、私は疑問を持っていますし、この問題、市の責任について平成30年6月議会で質問しました。公共資産統括監は、真正面から私の質問に答え切れなかったんですよ。
 私が聞いたのは、2011年3月11日の東日本大震災で大きな被害が出た、死亡者も出た。時間がありませんから詳しく言えませんけれども、最大の争点となったのが、大川小学校を襲った津波についてです。高裁は、津波浸水想定区域について詳細な検討が必要だったにもかかわらず、これをしなかった結果、被災の可能性のある大川小学校を避難場所とし、被災することになったとして、そのものが間違いだと。津波予見性があったという前提で検討し、行政側の組織責任を認めたという仙台高裁の判決です。
 静岡市の場合は、新清水庁舎の移転予定地は、県の第4次被害想定の地域であって、2メートルから3メートルの津波浸水想定区域じゃないですか。予想される南海トラフ地震で人命がもし失われるような惨事になった場合、津波を予見する有無を論ずる余地は全くなく、市民の指摘や議会での議論に耳も傾けず、移転を強行した市の責任は免れないと、私は考えます。
 改めて、津波浸水想定区域への庁舎の移転、市の責任についてどのように考えるのか、明確な答弁を求めていきたいと思います。
 改めて伺いたいのは、こういう状況の中で、私はずばり何度も申し上げていますけれども、庁舎の移転計画は見直すべきだと考えております。市長にこの考え方について再度伺いたいと思います。静岡市の広報紙9月号では、防災の特集、防災拠点と題して、清水庁舎の建設について特集しております。清水駅東口に移転するメリットを強調しています。
 私は、地震防災対策は、攻めや守りではなくて、科学的知見に基づいて冷静に判断すべきだと考えるわけであります。市長は、清水庁舎は最大クラスの地震や津波に耐えられる建物と説明をしているようでありますけれども、しかし、ピロティ形式は専門家の間でも意見がいろいろ分かれております。阪神・淡路大震災のときもピロティ形式のマンションは、1階部分で柱が折れ、ぺしゃんこになった、傾いたという状況も報道されました。幾ら強度が強くても、地震の揺れ、その後の津波、あるいは漂流物による倒壊の危険ゼロは保障できないと。
 市の説明は、なぜわざわざ津波浸水想定区域に庁舎を移転するのか、区民の疑問に全く答えていない。スケジュールどおりに庁舎を建設するには、問題があり過ぎると私は思うんです。
 改めて、専門家を交えて、庁舎が本当にここでいいのかどうか議論をして最終判断をすべきだと思いますけれども、改めてこの考え方について伺っておきたいと思います。

49◯公共資産統括監(吉井博昭君) 市民説明会の開催と市民の意向把握についてですが、市民説明会については、平成28年度に清水まちなかタウンミーティングを開催し、清水区内8カ所において、清水庁舎の移転建てかえを初めとした清水都心のまちづくりについてのビジョンを説明してまいりました。市民意識調査については、平成29年度に市民アンケート調査を実施したほか、基本構想等の策定に当たっては、パブリックコメントを実施するなど、多くの市民の方から意見をいただいております。
 以上のように、これまでさまざまな手法で市民意見を聴取し、庁舎の計画に反映しながら進めてきたため、改めて市民説明会や市民意識調査を行う予定はございません。
 次に、庁舎を移転する市の責任についてですが、市民の安心・安全の確保は市の使命であり、庁舎は災害発生時にも、市の業務を継続するとともに、市民やまちを守ることが重要であると考えております。
 静岡市津波防災地域づくり推進計画においても、移転先である清水都心は、津波対策の1つに、都市機能の更新と集積に合わせて津波避難施設として機能する建物や、被災しても機能する建物をふやすことにより、防災機能のさらなる充実を図る区域として位置づけられております。
 このため、この区域に地震、津波に強い新庁舎を整備することで、JR清水駅西口から駅舎を経て東口の各施設をつなぐペデストリアンデッキが新庁舎までつながり、発災時には約1万2,800人が緊急避難できる緊急津波避難施設の役割を果たすことができると考えております。
 このように、市民の安心・安全を守り、災害に強い防災拠点を建設することが、市の責務であると考えております。
 最後に、庁舎移転計画の見直しについてですが、新清水庁舎の建設に関しては、有識者や市民で組織する新清水庁舎建設検討委員会において議論を重ねたほか、さまざまな手法で繰り返し市民意見を聴取した上で、その結果を反映しながら進めてまいりました。そのため、庁舎移転計画の見直しの予定はございません。

50◯総務局長(豊後知里君) 庁舎の位置を変更する条例案の上程時期についてですが、庁舎の移転は、市民生活や企業等の活動に大きな影響を与えるものであり、その位置はできるだけ早い時期に決定し、十分な周知期間を確保する必要があります。
 また、新清水庁舎の設計、建設、15年間の維持管理等に係る債務負担行為の補正予算案を今定例会に上程することに加え、他の自治体の庁舎移転の事例等も踏まえて総合的に判断した結果、今定例会に上程すべきものと判断しました。

51◯37番(内田隆典君) 住民説明会を実施しない等々の質問に対して、タウンミーティングをやったとか、アンケートやパブコメとかをやったから、もう実施しないんだということですけれども、あなた方はやった、やったと言うんだけれども、やっても、一番近い市民の意向というのは、3月の市長選挙の静岡新聞のあの出口調査で50%の人たちが、なぜわざわざあそこの津波浸水想定区域に庁舎を移転するんだと。それから説明をしたと言いますけれども、説明して理解が進んできたと言うんだけれども、どれだけふえたのかわからない。1人なのか、3人なのか、10人なのかわからない、意向調査をしないんだから。
 市長は、9月19日の記者会見で、記者の皆さんから住民投票について問われ、過半数を得られる自信がないのかと聞かれたら、そんなことはないと答えました。だとすれば、重要な案件なんですよ。やってくださいよ。できないからですよ、できないから。今、何割が理解しているか、これをやるとはっきりするわけですよ。
 だから、私が言うのは、アンケートをやった、パブコメをやった、タウンミーティングをやった、市長選挙後も丁寧な説明をやるからということで説明へ出かけた。そうしたら、だんだんふえてきておると、理解を示す。しかし、どれだけふえたかは、住民投票もやらない、これでしょう。これは誰が聞いてもおかしいじゃないですか。市長、丁寧な説明をすると言っているじゃないですか。だけど、自治会や医師会や商店街に出かけた、わかりますよ。どっちかというと、行ったら少し理解を示してくれるような団体ばかりじゃないですか。8団体はドタキャン。こんな行政がまかり通ったら困りますよ。本当に理解できない。
 庁舎の位置問題も、できるだけ早く決定、今できるだけ早く決定するんじゃないんですよ。市民はなぜ津波浸水想定区域に建てるんだと疑問を持っているんですよ。そこを払拭するのが先なんですよ。位置条例なんて最後でいいんですよ。まだ予算も通っていない、業者も決まっていない。問題は山積みしているんですよ。そこでなぜ条例だけ出すんですか。
 私に言わせると、これは予算も通ったよと、位置条例も変わったよと、問題意識を持っている皆さん、もう諦めたらどうですかと言わんばかりの提案なんですよ。拙速ですよ。全く姑息なやり方ですよ、情けない。
 責任の問題ですけれども、私は責任がとれないと思うんです、先ほど仙台高裁の話もしましたけれども。初日の質問で、風間議員からも、静大の防災総合センターの岩田教授の話が出されました。私もこのNHKの番組を見ました。港に近く、庁舎を移すことのリスクが指摘されていますという内容でした。単に泥水が上がってくるだけでの問題でなくて東日本大震災のあの火災を紹介した話でした。
 こうした問題は、この清水地域でも同じような状況が生まれかねない。そういうときに、清水の活性化は待ったなしだ、それはみんなそう思っていますよ。だけど、こういう指摘されている問題を先送りして進めていいのかという問題なんですよ、進めていいのかと。違うでしょう。
 だから、私が何度も指摘するのは、静岡市自治基本条例、市長がつくった条例じゃないんですか。市の憲法と位置づけたこの条例で、大事な問題は市長や二役で決める、重立った人たちで決めちゃまずい、市民の意見を聞いてくださいと。聞くだけでなくて、その聞いた意見は施策に反映させなさいと。
 この庁舎というのは、100億円近い予算を組むんですよ。それで、60年使うのか、70年使うのかわからんという大事な問題じゃないですか。ましてや、市民の生命や財産が主にかかわる問題なんですよ。だったら条例に沿ってやるべきなんですよ。
 市長、僕が言っているんじゃない。これは皆さん方が決めた条例なんですから、単にちょこちょことした事業じゃないんですよ。生命、財産、100億円前後の予算をかけて取り組む事業なんですよ。だとすると、条例に沿ってやらずにどうするんですか。
 市民の理解が得られていない。いや、得られたらいいですよ。いろんな事業を市長が進めるときには、それは100%理解得られるというのは難しい。しかし、私はそう思っていない。現時点で、一番新しい市民意向というのは、3月市長選挙の出口調査じゃないですか。50%を超える市民の皆さんが、あそこには問題があると、こう指摘しているんですよ。何らかの形で市民意向をとったらどうですか。それをやらない。それもやらないし、1回決めたら早く決めたい。
 市長が選挙で勝って認められたからという発言もしてましたけれども、選挙で勝ったら何でもやりゃいいというもんじゃないですよ。選挙で全てを負託されるわけじゃないんですから。大事な問題ですから、意向をとるぐらいやってもいいと思うんですよ。それは、住民投票をやれば数億円かかるかしらんけれども、何らかの形で、何人もの議員の皆さんから、意向ぐらいとるべきじゃないかと指摘されているじゃないですか。
 市長は、今度の議会で議論しましょうという発言をしているじゃないですか。だとすれば、単にもう説明してきた、住民投票はお金がかかるからやらない、こんなことで議論になりますか。私は議論になっていないと思いますよ。
 本当に真剣に議論してもらいたい。こういう問題点を含んでいるんだから、この問題、一旦立ちどまって、桜ヶ丘病院の移転問題等も関係するんです。大変な問題ですから、私は検討し直してもらいたい。そのことを最後に申し上げて質問を終わります。