国の悪政の防波堤となる市政もとめ、論戦 ー日本共産党静岡市議団 代表質問ー

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◯11番(杉本 護君) 日本共産党の杉本 護です。共産党静岡市議団を代表して、通告に従い質問します。
 私たち市議団は、本市の進める施策について、市民生活向上につながるものは積極的に推進し、そうでないものは断固反対の立場を貫いてきました。これからも、住民の福祉の増進という地方自治体の役割に照らし、是々非々の立場で積極的な提案を行ってまいります。
 さて、安倍自公政権によって、地方が壊されようとしています。国の制度改悪によって社会保障の削減や広域連携集約化と称し、都市部での中心市街地への開発と立地の集中、学校や病院、公営住宅を初め、公共施設の統廃合、縮小などを推し進めています。こうした流れは、本市の施策にも少なからず影響を与えているではないでしょうか。
 市長は、施政方針で5大構想の力強い推進をうたい、世界に輝く静岡、その見える化を図ろうとしています。葵区の中心には、歴史文化施設とあわせフィールドミュージアムの構想や再開発ビル、清水区の中心には、仮称海洋・地球に関する総合ミュージアムと清水庁舎の移転、建てかえなど、これは、まさに国の進める国土グランドデザインの静岡版です。見える化として、新たな箱物への市の財政支出をふやすことは、福祉や教育といった分野への必要な支援がおろそかになり、市民負担がふえる危険があります。
 今、まさに、本市が政府の言いなりになり、市民に負担を強いるのか、それとも、国の悪政から市民を守る防波堤としての役割を発揮するのかが問われています。
 さらに、安倍自公政権が進めている憲法第9条改定、消費税増税、原発再稼働など、どれもが市民生活にとって重大な影響のある問題であり、国政問題であっても、そうしたことに対してどのような立場をとるのか、自治体のトップである田辺市長はみずからの考えを明らかにする責任があると思います。
 そこで、国政問題について幾つかお聞きしていきますので、市長、逃げずに全てしっかりとお答えください。
 まず、憲法についてです。
 安倍首相は、憲法第9条に自衛隊の存在を明記する形で改憲を進めています。しかし、憲法第99条により、国務大臣、国会議員、公務員は憲法尊重、擁護義務が課せられています。
 そこで、質問の1つ目は、内閣総理大臣である安倍晋三氏が憲法改定をみずから進めることは、憲法第99条に抵触し、憲法違反の行為であると思いますが、市長の考えはどうか、お聞きします。
 次に、安倍首相は自衛隊を憲法に明記する必要性として、合憲、違憲の両論がある中、自衛隊員に対して、違憲かもしれないが何かあれば命を張ってくれというのは、余りにも無責任と言っています。そして、自衛隊を明記するだけで、今と何も変わらないとも述べています。
 そこで、2つ目の質問は、憲法第9条に自衛隊を明記することによって、戦力不保持と交戦権の否認をうたった9条第2項が空文化するという見方がありますが、市長の考えはどうか、お聞きします。
 さて、安倍首相の改憲事由の1つが北朝鮮の脅威です。しかし、この間、2度の米朝首脳会談が開催され、紆余曲折がありますが、朝鮮半島の非核化と平和へのプロセスが始まっています。この平和の流れをとめることは許されません。今、日本に求められているのは、憲法第9条を生かした平和外交であり、そのことが、市民も戦争の恐怖から逃れ平和に暮らせる道だと思います。
 3つ目の質問は、安倍政権のもとで憲法第9条は改憲するべきでないと考えますが、市長はどうお考えか、お答えください。
 次に、消費税増税についてです。
 我が党の志位和夫委員長が衆議院の予算委員会で、消費税を8%に増税する前の2013年と2018年を比べ、家計消費は年額約25万円も落ち込んでいること、また、労働者の実質賃金は同時期を比較して年額10万円以上も落ち込んでいる事実を指摘しました。
 さらに、安倍首相が強調する380万人の雇用増の内訳は、65歳以上の高齢者が7割、高校生や大学生などを含めれば合わせて約9割を占め、これは年金だけでは食べていけない、仕送りだけでは生活できない、そういった厳しい国民生活を示すものです。消費税増税の最大の根拠、所得環境の改善などはないことが明らかになりました。
 ここで気になるのは、施政方針での予算編成の考え方です。田辺市長は情勢認識として、国全体の経済の基調は景気回復が続いている。雇用や所得環境の改善が個人消費を支える状況が見られると述べていましたが、全く間違った情勢認識であることを指摘しておきたいと思います。
 話を消費税に戻しますが、さらに景気対策のキャッシュレスによるポイント還元は、金持ちへの優遇など大変評判が悪く、日本スーパーマーケット協会など流通3団体は見直しを求めています。必要な財源は空前の大もうけを手にしている富裕層と大企業への優遇税制にメスを入れれば十分に確保できます。
 そもそも税金は能力に応じて平等に負担されるべき、こういう応能負担原則があり、所得の低い人ほど税負担率が高くなる消費税は、憲法が要請している税のあり方からして間違った税率だと思います。
 そこで、質問ですが、消費税は所得の低い人ほど税負担が重くなるとの認識はあるのか、そして、今の経済情勢のもとで、ことしの10月から消費税増税はするべきではないと思いますが、市長のお考えをお聞きします。
 次に、原子力発電についてです。
 原発の輸出は、安全対策のためのコスト急騰などで全て頓挫しました。原発の保険金額も据え置かれ、万が一の事故には対応できず、国民に負担をかける状況です。低コストではなく、ビジネスとしても成り立たない原発はやめるべきです。
 さて、浜岡原発は東海地震震源域の真上にあり、世界一危険と言われ、静岡市はわずか50キロに位置しています。中部電力は100%の安全はないと言っています。原発は動かせば高レベル放射性廃棄物、核のごみを生みます。このような危険なものを未来の子孫に残していいのか、これが問われています。
 川勝知事は、浜岡原発は自分の任期中は稼働させないと明言しています。田辺市長は市民の命と暮らしを守る責任があり、危険な原発に対する考え方を静岡市民に対してはっきり示す必要があると思います。
 そこで、原発に対する質問の1つ目は、中部電力は津波対策などを進めていますが、災害に対して100%安全の保証はできないといった課題がある中で、浜岡原発の再稼働についてどう考えるか、お答えください。
 さて、原発事故が起きた場合、本市も風向きによっては大きな被害がもたらされる危険があります。しかも、東海地震による被害を想定すれば、地震、津波、火災、原発事故による放射能汚染など複合災害が想定されます。そうした場合に実効性のある避難計画ができるのか、甚だ疑問なところです。
 そこで、2つ目の質問は、浜岡原発で事故が発生した場合、放射性物質による被曝から市民を安全に避難させることは可能と考えているのか、お聞きします。
 次に、名護市辺野古の米軍新基地建設問題についてです。
 安倍政権は昨年9月の沖縄県知事選挙、ことしの2月24日の県民投票で、辺野古新基地建設に対する沖縄県民の圧倒的な意思が示されたにもかかわらず、基地建設の強行が続いています。このような民意も踏みにじり、地方自治を壊す行為は許されません。稲正樹、元国際基督教大学教授や憲法学者の有志一同の声明では、安倍政権による辺野古新基地建設の強行は基本的人権の尊重、平和主義、民主主義、地方自治という日本国憲法の重要な原理を侵害、空洞化するものと指摘しています。
 そこで、質問ですが、安倍政権が強権的に新基地建設を進めることは、地方分権をないがしろにし、法治主義、民主主義破壊の暴挙であるとは思わないのか、お聞きします。
 次に、市政運営について、最初に、市民との対話についてお聞きします。
 清水庁舎や桜ヶ丘病院の移転問題で、市長の強引なやり方に市民の怒りや不満が渦巻いています。市民生活に重大な影響を及ぼすものは市民の意見をしっかり聞き、そして丁寧な説明で十分な理解を得て行うことが民主的な運営の基本ではないでしょうか。
 昨年、第80回全国都市問題会議で、三重県津市の前葉泰幸市長の講演がありました。前葉市長は、公共施設のマネジメントにおける市民との対話と連携をより徹底させるため、市域を37ブロックに分けて半年に1回ずつ地域懇談会を開催し、1時間半の対話で地域の課題を伺い、受けとめ、次の懇談会までに市役所を挙げて解決策を探っているとのことです。その中で、公共施設の整備や改築、用途変更や廃止につながっていく事例が生まれてきたと述べていました。
 田辺市長には、こうした丁寧に市民の意見を聞く姿勢が欠けているのではないでしょうか。タウンミーティングは行っていますが、大人数ではなかなか本音で意見が言えない人もいるように思います。市民の本音の意見を聞き、市政に反映させる仕組みが必要です。
 そこで、質問です。少人数で市長と市民が直接対話する機会をどのように設けているのか、お聞きして、1回目の質問とします。

34◯市長(田辺信宏君) 私からは大項目、市政運営についてのうち、市民との対話について、少人数で市長と市民が直接対話する機会をどのように設けているのかとの御質問にお答えいたします。
 現地現場主義を大切にしてきた私とすると、日々さまざまな会合や会議、あるいは週末の行事やイベントなどにおいて、市民の皆さんはもとより、企業、各種団体等の皆さんと直接お話をする、対話をする機会を大事にしてきました。そうした場面も、貴重な機会であると考えます。
 市民の皆さんと接する中で、市政に対する新たな気づきやアイデアが生まれることもあり、それこそがまさに私が日ごろ心がけている現地現場主義であると身をもって感じています。
 一方、行政による公的な機会としては、総務局広報課が取り組んでいる市長とお茶カフェ&ランチトークを大事にしています。この機会は、まさしく少人数で、1回平均10人ぐらいの皆さんでしょうか、約2時間じっくりとさまざまな活動をしている市民グループの方々とその活動内容について伺ったり、そこから生まれる市政に対する意見や提言に耳を傾けたり、皆さんの声をじかに聞く場を設けてまいりました。
 このお茶カフェトークは、私が市長に就任した平成23年度から実施をして、これまで全部で64回、73のグループの皆様、およそ600名の市民の皆様に御参加いただいております。
 その皆さんは、教育や健康福祉、観光交流など多くの分野に関心があり、対話の中から御提案いただいた内容が実際の行政施策に反映されてきた事例も、この8年間で出てきております。
 幾つか紹介すると、例えば子ども未来局が取り組んでいるママケアデイサービスは、生後4カ月から1歳の子を持つ母親の孤立感や不安感を和らげ、安心して子育てができる環境を整えるために、リラックスできる場所や子育て経験者との交流の場を提供し、専門職等による相談支援を行う事業であり、お母さん方、子育て支援をしているグループからの提案で実現しました。平成28年8月の事業開始以降、ことし1月末までに2,800人を超える親子が利用し、人気の大変高い事業として成長しております。
 あるいは、観光交流文化局が取り組んだラン・アンド・リフレッシュステーションも、市民ランナーの皆さん、ランニング愛好者の団体の皆さんとのお茶カフェトークで、まちなかのランニングコースとなっている駿府城公園の近くに更衣室やシャワーなどを備えたオアシスのような施設があれば、もっともっとこの中堀が使われるのではないか、人が集まってくるのではないかという提案があったことをきっかけにして検討が始まり、中央体育館の敷地の一角に今年度新たに整備したところであります。これも本年1月末で開設わずか9カ月を経過したところですが、私たちの想定をはるかに超える2万4,000人余りの利用者があり、市民の健康増進と交流促進の場としてにぎわっております。
 このように、お茶カフェトークはお茶を飲みながらリラックスした雰囲気で対話ができるという気軽さもあり、参加者の皆さんからは積極的な御意見や御提案を多くいただくことができ、私も楽しみにしている市民の皆さんとの対話の機会であります。
 市民の皆さんの生活を身近な視点で見つめる虫の眼は、私の視線の1つでもあります。
 これからもお茶カフェトークに限らず、「世界に輝く静岡」の実現という方向性の中で、市民の皆さんが前向きかつ建設的に御意見をおっしゃっていただくことには、私はそれを行政の施策に積極的に反映し、市民の声に幅広く耳を傾けていく姿勢を貫くつもりであります。今後も、丁寧に対話を重ねてまいります。
 以下は、局長から答弁させます。

35◯総務局長(大長義之君) 憲法改正に関する3つの御質問に一括してお答えいたします。
 憲法改正に関しましては、国の専管事項であり、今後も、国民に対する十分な説明が行われるとともに、国政の場において議論がなされるものと考えております。

36◯財政局長(平沢克俊君) 消費税の税負担や本年10月からの消費税増税についてですが、国においては、低所得者ほど収入に占める消費税負担の割合が高いという、いわゆる消費税の逆進性を緩和する観点から、軽減税率制度等を実施することとされています。
 また、消費税は商品、製品の販売やサービスの提供などの取引に対して広く公平に課税され、安定した財源が確保できるものであり、消費税率引き上げ分の税収については、教育負担の軽減、子育て層支援、介護人材の確保等と財政再建とに、おおむね半分ずつ充当することとされております。
 このように、地方消費税と消費税は社会保障の安定財源の確保と財政の健全化のための重要な財源であることから、消費税率の引き上げは必要であると認識しております。

37◯危機管理統括監(海野剛幹君) 初めに、浜岡原子力発電所の再稼働についての考えですが、現在、原子力規制委員会が、浜岡原発について新規制基準への適合性審査を進めており、地震・津波対策の強化、テロ攻撃など、さまざまなリスクの対策について、その基準を満たしていると判断された場合に再稼働が認可されるものと認識しております。その場合でも、浜岡原発の再稼働については、中部電力が丁寧に関係住民に説明する必要があると考えます。
 次に、浜岡原発で事故が発生した場合の市民の避難についてですが、まず、原子力規制委員会では、原発事故の影響が及ぶ可能性があり、市民の避難等の対策が必要となる区域を原子力災害対策重点区域と定めており、本市はその区域外に位置しております。
 原発事故が発生し、万が一原子力災害対策重点区域外の自治体にも影響が及ぶと考えられる場合には、被曝を避けるための防護措置として、国から静岡県を通じて屋内退避の指示があります。
 この指示があった場合は、同報無線、市民メール、市ホームページ及び広報車などにより、市民への迅速な情報伝達を行うこととしており、屋内退避の実施により、放射性物質による被曝の影響を最小限にとどめることが可能であると考えます。

38◯総務局長(大長義之君) 名護市辺野古の米軍新基地建設問題についてですが、米国との安全保障上の問題に関しましては、国家間の問題であり、国民世論を踏まえて、国政の場において議論がなされるものと考えております。
  〔11番杉本 護君登壇〕

39◯11番(杉本 護君) 2回目です。
 市長は国政問題については、1個も答えてくれませんよね。いい加減にしてほしいと思います。国政問題でも、静岡市民にとっては非常に大事な問題です。市長がどう考えているかは、市民への責任ですよ。市長選挙もある中で、本当にいい加減にしてください。
 どの質問も本当にまともに答えていない。どこかの国会の答弁と一緒ですね。本当に情けない。
 例えば原発の問題でも、規制委員会や中電とか、他人任せの答弁じゃないですか。静岡市として市民の命をどう守るのか、その姿勢が全くない。

40◯副議長(望月俊明君) 質問を続けてください。

41◯11番(杉本 護君)(続) はい、先に進みます。
 先ほど、憲法についてお聞きしました。大した答弁はありませんでしたが、日本国憲法は言うまでもなく我が国の最高法規であり、国家権力を縛るものです。
 本市の職員も、職務に就く前に憲法を尊重し擁護することを宣誓しています。日常業務においても、憲法を意識することが大切です。そのためには、常に学び直さなければ身につきません。
 そこで、質問です。市の職員に対し、公務として憲法の研修を行う必要があると思います。どのようにお考えか、お答えください。
 次に、消費税増税についてもう1点お聞きします。
 今回の増税では、経過措置はあるものの、インボイス制度が導入されます。インボイスが導入されれば、適格請求書を発行できない売り上げ1,000万円以下の非課税事業者、これは取引から排除されるか、課税業者を選択することになり、新たな税負担と事務負担がもたらされます。その影響は最大で1,000万人に及ぶとされ、小規模事業者は廃業に追い込まれる危険があり、景気悪化の要因となります。
 そこで、質問です。軽減税率とインボイス制度の導入により、小規模事業者の大きな負担が見込まれるなか、どのような支援を考えているのか、お答えください。
 次に、原発関連で、再生可能エネルギーについてお聞きします。
 私は1回目の質問で、原発はビジネスとしても成り立たないことを指摘させていただきました。昨年の北海道地震によるブラックアウトは、災害に対する電気事業の脆さを露呈し、電力の安定供給のためには、大規模集中発電から分散型への転換が必要なことが明らかになりました。
 地球温暖化対策でも、世界の流れは脱炭素、再生可能エネルギーです。米カリフォルニア州やドイツは2030年までの目標で、総発電量の50%を再生可能エネルギーとしています。安倍政権は22から24%にとどまり、原発や石炭火力にしがみつき、世界の流れから大きくおくれています。
 本市の再生可能エネルギーの構成比は2016年の数字ですが、わずかに5.4%、非常におくれています。目標は2022年までに既存のダムを含めて23.6%で、積極的とは言えません。この目標はSDGsを施策に位置づけ、世界に輝く静岡を目指すとする施政方針とそごを来しているのではないでしょうか。
 私は防災対策、地球温暖化対策、この双方の側面からも、再生可能エネルギーに大きくかじを切っていくべきだと考えます。
 そこで、質問です。本市も再生可能エネルギーをもっと積極的にふやすべきと考えますが、その点はどう考えているのか伺います。
 次に、市政運営について順次質問します。
 まず、法人市民税の超過課税についてです。
 本市の一般会計予算は3,180億円、過去最高の予算を組んでいますが、財源不足額は約50億円、基金の取り崩しで穴埋めをしています。厳しい財政状況のもと、福祉、教育など市民生活に直接かかわる予算の拡充のためには、本市も独自の財源づくりが必要ではないでしょうか。
 全国の政令市では、基盤整備、産業振興、教育施設など、さまざまな目的を持って法人市民税の超過課税を行い、財源確保に法人の協力を得ています。
 そこで、質問です。政令指定都市では本市と浜松市だけが実施していない市内大企業への法人市民税法人税割の超過課税を行う考えはないか、お聞きします。
 次に、災害対策について2点お聞きします。
 1つ目は、避難対策の問題です。本市は風水害のおそれがある場合、警報を発信するなど、市民に避難を呼びかけていますが、実際に避難される方は余りいないと聞いています。
 私の住まいは谷津山のすぐ北側で、山から20メートルもなく、土砂災害危険区域になっています。ところが、避難勧告が出ても、近所の皆さんは避難しません。決していいことではありませんが、これが現実です。
 倉敷真備町の豪雨災害もハザードマップで危険地域であることを知らせていたにもかかわらず、多くの犠牲者を出してしまいました。空振りでもいいから、避難勧告が出たら、まず身を守るための行動を起こす、こうした意識改革が必要になっています。
 そこで、質問です。風水害のように災害の発生が予見できる場合に、市民が迅速に避難行動を起こすためにどのような対策を考えているのか、お聞きします。
 2つ目は、ブロック塀の問題です。昨年6月に起こった大阪北部地震で、登校中だった小学4年生の児童がブロック塀の下敷きになり死亡した事件がありました。
 本市は直ちに公共施設のブロック塀を総点検し、撤去、改修などの安全対策を行ったことは承知しています。それでは、通学路はどうなっているのか、対策を打つ上でも、まず危険箇所をしっかりと確認することが重要です。
 2つ目の質問は、学校通学路にあるブロック塀の点検等を行っているのか、お聞きします。
 次に、平和行政についてです。
 広島、長崎への原爆投下、ビキニ環礁での水爆実験と、我が国は3度の被曝を経験しています。その後、原水爆禁止の運動が大きく広がり、本市も2005年12月15日に静岡市平和都市宣言を制定しました。この宣言は、日本国憲法の掲げる恒久平和の理念のもと、核兵器など大量破壊兵器の廃絶と世界平和の実現に貢献することを表明しています。
 核兵器禁止条約が国連で採択されましたが、安倍政権は禁止条約にサインをしません。そうしたもとで、田辺市長は昨年、核兵器廃絶を求める国際署名にサインをするという力強いメッセージを発信しました。一日も早く核兵器のない社会を実現するために、本市のさらなる取り組みに期待するところです。
 そこで、質問です。市民団体の核兵器廃絶への取り組みに対して、集会への参加など積極的に関与すべきではないか、お聞きします。
 核兵器のない世の中をつくるには、核兵器の真の恐ろしさを知ることが大切です。戦争被曝された方も高齢となり、自分たちが生きているうちになくしてほしいと訴えています。
 これからの未来を担う子供たちが核の恐ろしさ、核兵器をなくす日本や世界の運動を知ることは意義のあることだと思います。平和都市宣言をした本市は、積極的に平和教育を行う責務があると思います。
 質問です。小中高校生に市費を使って原水爆禁止世界大会などへ参加させることはできないか、お聞きします。
 次に、国民健康保険料についてです。
 1959年施行の改正された国民健康保険法で、国保は相互扶助制度から社会保障制度に変わりました。相互扶助は助け合いですが、社会保障は国、自治体の責任で行うものです。
 そこで、質問です。国保は相互扶助ではなく社会保障制度という認識はあるのか伺います。
 高過ぎる国保料に悲鳴が上がっています。我が党の試算によると、本市の場合、年収400万円の30代夫婦と子供2人の4人家族で、国保料は34万1,176円、協会けんぽ保険料では19万5,400円となり、協会けんぽの1.75倍にもなります。なぜこんなに国保料が高くなるのか。国からの補助、加入者の年齢構成、あるいは状態など、いろいろな要因があると思います。
 ここで、質問です。国保料は高いと考えているのですが、国保制度に構造的な課題があることを認識しているのか伺います。
 さて、国保の総収入に占める国庫支出金の割合は、以前は5割を占めていましたが、現在は約3割と激減しています。それが自治体や加入者の負担増の大きな要因となっています。
 そのため、全国知事会も2014年には1兆円規模の国庫補助を要求しています。さらに、均等割は収入のない子供にまで課せられ、世帯人数がふえると負担がふえます。まるで昔の人頭税、子育て支援に逆行しています。
 国に対して財政支援と均等割の廃止、これを求める考えはないか、お聞きします。
 次に、教育施策について3点お聞きします。
 まず、小中学校のエアコン設置についてです。
 設置のスケジュールは、当初市内の事業者を使うために数年かかると言っていましたが、小学校は2019年度中に全校設置する計画が出されています。早まることは大変うれしいことです。しかし、市内業者の仕事おこしの点では大丈夫でしょうか。
 そこで、質問です。小学校のエアコン設置で、地元の中小事業者を活用し、どのように発注していくのか、お聞きします。
 次に、学校施設のトイレのドライ化、洋式化についてお聞きします。
 本市は小中学校校舎トイレリフレッシュ事業として、トイレの洋式化等を進めていますが、年8校とスピード感が余りないように感じます。
 ある小学校の保護者からは、校舎が古いので、建てかえの時期までつかないのではないかとの声も聞こえています。また、昨年、市高生と対話する機会があり、本市への要望として、トイレの洋式化が出されました。
 そこで、質問です。小中学校及び市立高校のトイレの洋式化等の整備にかかわる進捗状況と今後の予定はどうなっているのか、お聞きします。
 次に、学校給食についてです。
 まず、小中学校給食費の無償化の問題です。我が党は、学校給食は食育であり、無償化は憲法が要請する義務教育は無償と合致するものと考えています。
 子育て支援として少子化対策にもなり、県内では初めて小山町が2019年度から幼稚園、小中学校の給食費を無償化します。全国で学校給食費の無償化、あるいは一部補助している自治体は2017年度で606自治体になり、無償化が全国の流れとなっています。
 そこで、質問です。義務教育である小中学校の給食費は無償化するべきと考えていますが、当面半額など、補助する考えはないか伺います。
 学校給食の自校方式の問題ですが、現在、清水区の小学校が自校方式を継続しています。既に本市は将来給食センター方式への方針が示されていますが、改めて自校方式のよさを考えていただきたいと思います。
 市長はよく学校給食に地場の物をもっと使いたいと言っています。現場では、自校方式のほうが食材を調達しやすく、温かい給食が提供でき、一定の給食時間が確保できると言っています。
 群馬県の高崎市は、センター方式を自校方式に戻して、栄養士による食育、地場産業の発展、学校給食を通じての自治の発展につながっているとのことです。
 そこで、質問です。清水区の学校給食の自校方式を継続するように検討し直す余地はないのか伺います。
 次に、アセットマネジメントの推進についてお聞きします。
 まず、アセットマネジメントの基本方針について、本市は、人口減少や公共施設の老朽化、将来の財政負荷などを理由に公共施設の長寿命化や統廃合を進めています。
 少子高齢化のもとで、地域住民は高齢化し、生活圏は狭くなっていきます。必要な公共施設は、小学校区単位ぐらいの身近なところでなくては暮らしていけなくなります。これは、子供たちにとっても安全で安心して暮らせる生活範囲ではないでしょうか。
 そこで、質問です。アセットマネジメントの基本方針において、公共建築物の総床面積2割縮減を掲げていますが、市民生活に大きな影響を与えることにはならないのか、お聞きをします。
 次に、認定こども園の民営化、統廃合についてです。
 本市は2015年度から一斉に全ての公立保育園を認定こども園に移行し、アセットマネジメントによる民営化、統廃合が進められています。公立の認定こども園は市内で14区域に1から2園程度しか残さず、半減させる計画です。これで子育て支援の公的責任が果たせるでしょうか。
 そこで、質問ですが、保育所等の待機児童について、昨年の4月と10月の状況はどうなっているか、お聞きします。
 さて、政府は幼児教育無償化を本年10月から実施します。今後、入所希望者が増加するのではないかとの見方があります。希望する幼児たちを全て受け入れるには、施設整備が必要です。
 また、保育士等の確保の上では、公私の給与格差の是正、保育士や調理員の配置人数の増員など処遇改善が必要です。ハードとソフトの両面セットで考える必要があります。
 質問ですが、待機児童解消にどのような対策をとっているのか伺います。
 次に、市営住宅について伺います。
 市営住宅には、収入の少ない方や車椅子など障害を持つ方に安心して暮らせる住まいを提供する公的責任があります。そして、市営住宅の拡充は、安心して子育てできる環境の整備につながり、人口減少対策にも有効であると考えます。
 抽選から外れてなかなか入居できない、部屋があいているのに入れないなどの不満の声も上がっています。市民のニーズに合わせた戸数、暮らしやすい間取り、スペースを確保して拡充する必要があるのではないでしょうか。
 そこで、質問です。平成29年度の募集戸数と応募状況はどうだったのか、また、車椅子生活を送る方が生活できる住宅は幾つあり、応募の状況はどうか伺います。
 近年、ひとり暮らしのお年寄りがふえ、中にはペットを飼う方がいますが、市営住宅では認められていません。ペットは大切な家族の一員ですから、一緒に暮らしたいという思いもわかります。そうした市民ニーズに応えた市営住宅が必要とされているのではないでしょうか。
 多様なニーズに応える一例としてお聞きします。市営住宅に猫や犬などを飼うことのできる棟を設ける考えはないのか、お答えください。
 地域経済の振興について、幾つかお聞きします。
 まず、中小企業・小規模企業振興条例についてです。
 私が市議会議員になって初めての質問がこの振興条例の制定でした。市政を運営する上で、経済の振興がなければ市民生活向上の手だても打てません。本市は99%以上が中小企業、小規模企業です。その振興を条例として制定することは、本当に意義のあることと感じており、まずはこの本会議で制定されることを願っています。
 私は、かねてから本条例をつくる際に、つくるまでの過程とつくってからの活用が大事だと訴えてきました。要求していた悉皆調査や審議会など、具体的な施策を検討する場が条例として定められていないことは残念ですが、しっかりと生かしていただきたいと思います。
 そこで、2点質問します。
 1つ目は、この中小企業・小規模企業振興条例案を検討する上で、どのような団体、個人に意見を聞き、その意見を条例案にどのように反映しているのか。
 2つ目は、本条例案が制定された後、条例を生かし、どのように本市の中小企業等の振興を図っていくのか、お聞きします。
 次に、農業政策についてです。
 TPP11は米国が離脱し、カナダやニュージーランドが対日輸出の大幅増を見込み、TPPより深刻なダメージを受ける危険性があると言われています。米、麦、牛肉など重要5品目さえ関税撤廃の対象にされ、国会決議違反でもあります。
 そもそもTPPにはISDS条項があり、農業だけの問題ではなく、多国籍企業の利益のために日本の主権が脅かされるという大問題があります。
 そうした中、1点だけお聞きします。TPP11が昨年末発効され、本市の農業への影響が懸念されますが、どのような対策を考えているのか、お答えください。
 次に、水産業についてです。先の国会で成立した漁業法は、70年ぶりの抜本改正と言われています。専門家からは地元の自然資源を漁業者が優先的に利用できる原則を外し、事実上企業優先に変更するもので、沿岸漁業者から漁業権を奪うものになる。
 さらに、大型船のトン数規制の撤廃で、乱獲により沿岸漁業の資源が減少するのではと、その危険性が指摘されています。本市が進めている地元水産業者によるしずまえ鮮魚での産業振興への影響が懸念されます。
 そこで、質問です。漁業法の改正で、本市の水産業への影響をどのように見ているのか、お聞きします。
 次に、公契約条例についてです。
 我が党は議会で幾度となく制定を求めて質問してきました。今回は、建設工事関係に絞って質問いたします。
 建設業界では、不当な低単価での下請いじめがあります。力の弱い下請業者は、訴えることもできず泣き寝入りしているのが実態です。それが下請業者で働く労働者の劣悪な労働条件を招き、公共工事の質の低下が危惧されます。公契約条例はこうした問題を改善する一助となると考えています。
 そこで、2点質問します。
 1つ目は、公契約条例で賃金の最低基準を設けることについてどのように考えているのか。2つ目は、質の高い公共工事を確保するのに、公契約条例は有効だと思いますが、どのように評価をしているのか、お答えください。
 次に、立地適正化計画と公共交通について伺います。
 立地適正化計画、いわゆるコンパクトシティは人口減少、少子高齢化のもと、国の国土グランドデザインによって、地方にコンパクトなまちづくりを押しつけているものです。
 本市も立地適正化計画と公共交通網計画をセットでまちづくりをしていますが、新たな拠点づくりとして箱物建設を進め、強引なまちづくりになっていないか懸念があります。
 最近、バスが不便になったとの声もよく聞かれます。公共交通網がしっかり機能しなければ、孤立する地域が点在する暮らしにくいまちになってしまうのではないか、心配するところです。
 そこで、2点伺います。
 1つ目は、もともとコンパクトな都市構造となっている本市において、中心部に拠点を定め、都市機能を誘導する必要があるのか伺います。
 2つ目は、バス交通の重要性について、市はどのように認識しているのか、お答えください。
 以上で、2回目とします。

42◯総務局長(大長義之君) 市の職員に対し、公務として憲法の研修を行う必要性についてでございますが、憲法に根拠を置く地方自治制度のもとで、本市の全ての職員は憲法の重要性を認識する必要があります。
 そのため、本市では静岡市職員の服務の宣誓に関する条例を制定し、新たに職員となった者が職務に従事するに当たり、主権が国民に存することを認める日本国憲法を尊重し、かつ擁護すること、地方自治の本旨を体するとともに、公務を民主的かつ能率的に運営すべき責務を深く自覚し、全体の奉仕者として誠実かつ公正に職務を執行することを宣誓させております。
 また、採用後の職員研修では、憲法の規定を具体化した地方自治法や地方公務員法を受講させることで、憲法に触れさせたり、行政法や訴訟に関する研修などでは、憲法に係る具体的な判例を用いた事例研究を行うなど、憲法が公務と密接にかかわっていることを学ばせております。

43◯経済局長(池田文信君) 消費税に係る軽減税率とインボイス制度の導入に対し、どのような支援が必要と考えるかについてですが、軽減税率の導入により、商品ごとにどの税率が適用されるかを管理する必要があり、また、インボイス制度の導入では、軽減税率の対象品目や税率ごとに合計した金額などの従来の方式にはない新たな項目を請求書等に明記する必要があるなど、業務の煩雑化とそれに伴う作業時間の増大が見込まれます。
 これに対応するため、ITの導入と活用により業務の効率化を高め、作業時間の短縮につなげることが有効だと考えています。
 そこで、平成31年度から官民連携によるIT導入に向けたワンストップ相談窓口を設け、地域経済を支える中小企業や小規模事業者のIT導入による生産性向上を支援してまいります。

44◯環境局長(櫻井晴英君) 再生可能エネルギーを積極的にふやすべきとの御質問についてですが、本市は、3次総の重点プロジェクト防災に、再生可能エネルギーの普及を位置づけ、災害に強く、安心・安全に暮らせるまちの実現を目指しております。
 これを受け、第2次静岡市地球温暖化対策実行計画では、2022年度の再生可能エネルギーの導入割合23.6%を目標に掲げ、2017年度には23.2%と順調に導入が進んでおります。
 しかしながら、再生可能エネルギーには天候等によって発電状況が左右されるといった課題もあります。そのため、本市清掃工場からの再生可能エネルギーを活用したエネルギーの地産地消事業では、小中学校80校に蓄電池を設置し、避難所における非常用電源として活用するとともに、電力の需給調整を行うなど、再生可能エネルギーの有効活用に向けた検証を実施しております。
 また、固定価格買い取り期間満了後の太陽光発電の余剰電力の活用についても検討を進めております。
 今後も、本市の導入目標に加え、SDGsのゴール、エネルギーと気候変動の対策を進めていくため、官民で連携して、再生可能エネルギーの普及拡大に向けた取り組みを検討してまいります。

45◯財政局長(平沢克俊君) 市内大企業への法人市民税法人税割の超過課税についてですが、市内大企業の特別な負担をもって広くサービスを提供することについて、税の公平性の観点から理解が得られるのかといった課題があります。
 また、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動における影響等のリスクもある中で、企業の競争力や景気への影響も懸念されます。
 これらのことから、市内大企業への法人市民税法人税割の超過課税を実施する状況にはないと考えております。

46◯危機管理統括監(海野剛幹君) 風水害時の市民の迅速な避難行動についてですが、本市では大きく分けて3つの取り組みを行っています。
 1つ目は、ハザードマップの配布や説明会の実施、市民を対象とした防災講演会や出前講座等による地域におけるリスクやそれに対応するさまざまな避難行動に関する市民啓発を行っています。
 2つ目は、同報無線、市民メールやホームページ等、多様な情報伝達手段で、気象情報等に基づく災害情報の提供を行い、必要に応じて対象地域の市民に避難を促します。
 3つ目は、土砂災害などを想定した訓練により、避難に関する意識を高めるとともに、訓練の中で避難時の注意点を確認することで、より安全な避難行動をとることが可能となると考えます。
 さらに、市民がみずからの身をみずからで守るための取り組みとして、マイひなんマップや、あらかじめ得た気象情報等により個々の行動計画を定めるマイ・タイムラインの普及啓発を進めており、これらにより、市民の迅速、確実な避難行動を促してまいります。

47◯教育局長(遠藤正方君) 通学路にあるブロック塀の点検についてですが、昨年の大阪府北部を震源とする地震の際に、児童が通学路で死亡した事故を受け、本市では事故の翌日から主要な通学路の緊急点検を行い、傾いたり、ひびが入っていたりするブロック塀などの場所を確認しました。
 また、児童生徒に対して、地震が起きたときにブロック塀が倒れてこない場所に身を寄せるなど、地震発生時の身の守り方についての安全教育の徹底を図りました。
 点検結果については関係局で共有し、所有者の方々にブロック塀の撤去、改善に係る助成制度を案内するダイレクトメールを送付するなど、連携して通学路の安全対策に取り組んでいます。
 今後も、災害時の安全を確保するため、安全教育や日常的な通学路の安全点検に努め、市民の皆さんの協力を得ながら、児童生徒が安全に通学できるような取り組みを行ってまいります。

48◯総務局長(大長義之君) 市民団体の核兵器廃絶への取り組みに対して、集会への参加など積極的に関与すべきではないかについてでございますが、本市の平和都市宣言の基本的な考え方は、それぞれの人たちや団体、関係者が進める平和への活動の趣旨と主体性を尊重しながら、平和都市宣言に掲げられた恒久平和という大きな理念のもとで、平和への取り組みを進めていくものです。
 こうしたことから、今後も、各種団体の核兵器廃絶への取り組みの趣旨と主体性を尊重してまいりたいと考えております。

49◯教育統括監(望月敬剛君) 市費を使って小中高校生を原水爆禁止世界大会などに参加させることはできないかについてですが、教育委員会としては、原水爆禁止世界大会等へ子供たちを参加させる予定はありませんが、平和教育については学習指導要領にのっとり進めています。
 まず、小中学校では社会科や総合的な学習の時間で、地域の戦争体験者から当時の様子などについて直接話を聞くことで、平和の大切さを肌で感じる学習を行っています。道徳を初め、各教科においても、国や言葉が違ってもお互いを理解し尊重し合うことの大切さを学んでいます。
 また、静岡市立高等学校では、修学旅行で沖縄を訪れ、平和記念公園やひめゆりの塔を見学するなどの平和教育に取り組んでいます。
 今後も、本市では学校教育を通して、子供たちが平和の大切さを実感できるような体験的学習を進め、平和の実現に向け、主体的に行動できる子供の育成に努めてまいります。

50◯保健福祉長寿局長(平松以津子君) 国民健康保険料についての3点の御質問にお答えします。
 まず、国保が社会保障制度であるとの認識についてですが、我が国の社会保障制度は、公的扶助、社会福祉、社会保険、公衆衛生などで構成されており、国民健康保険は社会保険の1つである医療保険に位置づけられております。
 また、国民健康保険は、加入者の保険料だけでなく、国庫支出金やサラリーマン等が加入する健康保険の保険者からの支援金などを主な財源とし運営されており、相互扶助で医療を支える制度となっております。
 次に、国保制度の構造的な課題についてですが、国民健康保険は国民皆保険の最後のとりでとされておりますが、被保険者保険など他の保険と比べ、加入者の年齢構成が高いことなどにより医療費水準が高いことや、低所得の加入者が多いことなど、構造的な課題を抱えていると認識しています。
 次に、財政支援と均等割の廃止についてですが、財政支援については、平成30年度静岡市国民健康保険運営協議会の答申において、国に対し、公費の拡充等による保険者への財政基盤の支援措置を引き続き要望することとの要望があったことを踏まえ、引き続き指定都市市長会や全国市長会等を通じて、さらなる公費の追加など必要な財政支援を要望してまいります。
 また、均等割の廃止についての考えですが、国民健康保険は、全ての被保険者が等しく保険給付を受け、被保険者全体の相互扶助で支えるという理念のもと、応分の保険料を負担していただくことを基本としています。
 したがって、保険料の賦課に際しては、被保険者全体で制度を支えるという観点から、負担能力に応じた所得割と受益に応じた均等割及び平等割のバランスをとることが重要と考えておりますので、均等割の廃止を求めるという考えはございません。

51◯教育局長(遠藤正方君) 教育施策についての4点の質問にお答えします。
 まず、小学校のエアコン設置での地元中小事業者の活用についてですが、小学校のエアコンについては、平成31年度末までに全ての普通教室に設置する予定で、工事については、静岡市建設工事の請負契約に係る入札参加者の選定に関する基準にのっとり、市内事業者を優先的に選定し発注する予定です。
 また、全体を数校ごとに分割発注し、それぞれの工事の発注時期をずらすなど、工事の規模や発注方法を工夫することで、短い期間でも施工が可能となるようにしつつ、中小事業者の多い市内事業者が工事に参加しやすくなるよう発注を行ってまいります。
 次に、小中高等学校のトイレの洋式化等の整備についてですが、小中学校の校舎のトイレについては、老朽化が進み、衛生的な環境の保持が困難なトイレを清潔で使いやすいトイレに改修することを目的に、便器の洋式化だけでなく、給排水管や照明設備の更新、床のドライ化やトイレブースなどの改修を一体的に実施しております。
 平成30年度末までの洋式化率は46.8%になる予定であり、2020年度末には50%を目指しております。
 次に、葵区千代田にあります静岡市立高等学校のトイレについては、現在120基のうち45基が洋式化されており、洋式化率は37.5%です。今後、大規模改修工事などにあわせ、トイレの洋式化を進めていく予定です。
 次に、学校給食費の無償化や補助の考えについてですが、学校給食費は学校給食法により、経費の区分が定められており、学校給食の実施に必要な施設及び設備に要する経費などは設置者の負担、食材費である学校給食費は保護者の負担とされております。このため、本市では保護者の負担とさせていただいております。
 義務教育の無償の観点については、既に最高裁において授業料の不徴収を示すものとする判決がなされています。
 なお、平成31年度に実施する静岡のブランド食材を取り入れたわくわく給食プロジェクトは、通常の給食費に300円程度を加え、これまで食材費の制約の中で採用することができなかった特別な給食を提供するもので、そのための費用は保護者の負担とせず、公費で負担することとしております。
 最後に、清水区の学校給食施設の整備についてですが、平成27年度の行財政改革推進審議会でアセットマネジメント、安全性、食育の3つの視点から審議をしていただき、学校給食に必要な事項を総合的に考察した結果として、清水地区の自校方式、校外調理方式については、センター方式に統一するよう進めていただきたいとの答申を受けています。
 この答申については、校外調理方式について平成29年度から実現に着手し、本年4月より東部学校給食センターからの提供に移行することで、全員給食を開始することとなっています。
 また、自校方式については、将来の児童生徒数の推移や民間活力の導入などを考慮し、施設整備コストなどの経営効率、食材、調理方法のチェックなど管理体制の充実を図り、安心・安全な給食の提供ができるようセンター方式への統一を進めてまいります。

52◯公共資産統括監(川崎 豊君) 公共建築物の総床面積縮減が市民生活に与えることに対する市の考え方についてですが、本市のアセットマネジメントは縮減ありきではなく、事業目的や施設のあり方、利用者数の将来見込みなど、多角的な観点からの検討に基づき、サービス水準の向上と行政コストの削減の両立を目指す取り組みでございます。
 その取り組みを実施するに当たっては、まずは利用する市民の皆さんの視点に立ち、安心・安全できめ細かい行政サービスの水準を確保することを前提に進めることとしております。
 このように、市民生活に与える影響の大きさを丁寧に検討しながらアセットマネジメントに取り組み、都市経営上の健全性の維持に努めてまいります。

53◯子ども未来局長(石野弘康君) 保育所等の待機児童に関する2点の質問にお答えします。
 まず、保育所等の待機児童の状況についてですが、平成30年4月の待機児童はゼロを達成しました。しかし、その後10月までに前年と比べ175人多い1,110人の新たな利用申し込みがあり、その結果、10月1日現在の待機児童数は95人となりましたが、これは前年同期と比べ66人の減という状況でございます。
 次に、保育所等の待機児童解消にどのような対策をとっているかについてですが、平成27年度から31年度までを計画期間とする静岡市子ども・子育て支援プランでは、年間を通じた待機児童の解消を目標とし、私立保育園等の定員増や私立幼稚園の認定こども園への移行などにより、約3,000人分の定員を確保することとしています。このプランに基づく取り組みの結果、平成27年度から30年度末までに2,887人分の定員を確保する見込みでございます。
 また、待機児童を解消するためには、施設整備に加え、保育士等の確保が重要な課題であると捉え、私立園に対する市単独補助による処遇改善を初め、静岡市保育士・保育所支援センターを開設し、求人、求職のマッチングなどに取り組んでいます。
 これらに加え、利用者に寄り添った丁寧な利用調整を行い、施設整備などにより確保した定員を有効に活用することで、待機児童の解消に努めております。
 さらに、市独自の制度として、各区に1園ずつ待機児童園を開設し、特に年度の途中で育児休業から復帰するなど、優先度の高い利用申し込みに対応しております。

54◯都市局長(片山幸久君) 平成29年度の市営住宅の募集戸数と応募状況及び車椅子使用者向け住宅の戸数と応募状況についてですが、市営住宅全体では、募集戸数227戸に対し、738件の応募があり、平均倍率は3.25倍でした。応募のない団地がある一方で、毎回のように20倍を超える団地があり、応募には偏りがある状況です。
 また、車椅子使用者向け住宅の戸数は、10団地で36戸あります。応募状況ですが、募集戸数3戸に対し2件の応募があり、倍率は0.67倍でした。
 次に、市営住宅で猫や犬などを飼うことのできる棟を設けることについてですが、現状では市営住宅の入居に当たって、猫や犬などを飼うことは禁止事項となっております。
 禁止している主な理由は次の2つです。
 団地内に猫や犬の鳴き声、ふん尿等の問題が発生し、住民間のトラブルの原因ともなること、もう1つは、猫や犬などを飼うと、一般的に通常の使用よりも付着したにおいを含め、住戸の損傷がひどくなってしまうことです。
 これらの問題は、猫や犬などを飼える棟を設けたとしても解決されませんので、そのような棟を設けることは考えておりません。

55◯経済局長(池田文信君) 地域経済の振興についての4つの質問にお答えします。
 まず、中小企業・小規模企業振興条例案を検討する上での意見聴取とその反映状況についてですが、平成30年4月に静岡商工会議所や静岡市清水商工会など、中小企業、小規模企業等を会員に含む市内の8つの経済団体に対して、条例に盛り込むべきものに関するアンケート調査を行い、その後、条例骨子案についてのヒアリングを行いました。
 さらに、平成30年11月から12月に実施したパブリックコメントでは、個人や中小企業、経済団体等から延べ155件の御意見をいただきました。
 いただいた御意見のうち、条例制定の意義を市民にわかりやすく伝えるために前文を入れること、中小企業組合を本条例の振興対象とすること、創業やBCPへの取り組みの支援など、基本的施策を充実することなどについて、条例案に盛り込んでいます。
 次に、条例制定後、どのように本市の中小企業等の振興を図っていくかについてですが、中小企業等の振興には中小企業自身の努力はもとより、地域社会全体が地域の発展のためには中小企業の存在が重要であることを理解し、支援していく必要があります。
 そのため、本条例では中小企業等の振興を行う上での基本理念として、中小企業等の役割の重要性を認識することや、市と支援機関等が連携し、市民の協力を得て一体となって行うことなどを規定しています。
 また、中小企業及び支援機関等の関係機関が一堂に会する会議を通じて、振興の施策を効果的に実施するため、意見の聴取を行うこととしています。
 条例制定を機に、中小企業等が将来にわたり持続的に発展し、市内で事業活動を継続していくことを目指して、オール静岡市で取り組むとともに、条例で掲げた中小企業等の振興に向けた施策を実施してまいります。
 次に、TPP11による本市の農業への影響と対策についてですが、本市の農業への影響については、静岡県が平成30年9月に公表した資料における各農産物への影響額の試算によれば、本市の基幹作物であるお茶、みかんについては影響が少ないと見込まれています。
 また、現在のところ、他の品目も含め、農業者や関係団体からTPPの影響があるとの報告も受けておりません。
 本市としましては、農業への影響について引き続き注視していくとともに、TPP11の発効を産地力強化の好機と捉え、競争力の高い産地づくりに向けた農地の基盤整備や市内産農産物の輸出の可能性について検討してまいります。
 最後に、漁業法の改正による本市水産業への影響についてですが、平成30年12月の漁業法改正の目的は、水産資源の適切な管理と水産業の成長産業化を両立させ、漁業者の所得向上と年齢バランスのとれた漁業就業構造を確立することです。
 本市漁業は沿岸漁業を中心としていますが、法改正の後、沿岸漁業にかかわる点は主に2つあります。
 1つ目は、漁業権を地元漁業者に優先的に付与する法定順位を廃止すること、2つ目は、資源管理に基づく生産性等の向上に向け、船舶規模の規制を廃止することです。
 まず、沿岸漁業を営む権利である漁業権については、既存の漁業者が漁場を有効に活用している場合は従前どおり許可され、地元漁業者の了解なしに漁場を新規参入者に開放することはありません。
 また、漁船の大きさ制限の撤廃については、漁獲量制限がなされた船が対象のため、船が大型化しても漁獲量がふえることはありません。
 このことから、法改正が本市漁業に影響を与えることはなく、従来どおりの漁業が営めるものと考えております。

56◯財政局長(平沢克俊君) 公契約条例で賃金の最低基準を設けることについてですが、賃金等の労働条件に関しては、労働基準法において労働者と使用者が対等の立場で決定すべきものであるとされ、また、最低賃金は最低賃金法に基づいて定められています。
 このように、法令に基づき労働者と使用者において決定される労働条件に市が関与することについては、慎重に判断すべきものと考えております。
 次に、質の高い公共工事の確保に関する公契約条例の評価についてですが、他自治体の条例では、公契約に係る業務に従事する労働者の適正な労働条件を確保することにより、当該業務の質の確保を図ることを目的としており、その趣旨は重要であると認識しています。
 しかしながら、労働条件に市が関与することの是非のほか、条例の対象とする契約の範囲の問題や人件費等に係る企業への影響などが課題とされております。
 一方、現在、本市では市内業者への優先的な発注や社会保険への加入徹底、適正な賃金の確保を目的とした最低制限価格制度及び低入札価格調査制度の見直しなどを通じて、公共工事の品質確保に努めております。

57◯都市局長(片山幸久君) 中心部に拠点を定め、都市機能を誘導する必要性についてですが、都市計画マスタープランでは、これまでの成長拡大型から成熟持続可能な都市への転換を図るため、既存ストックを有効活用し、都市機能をコンパクトに集積した集約連携型都市構造を目指しております。
 この実現に向けては、多くの人が利用しやすい場所となるようさまざまなサービスの充実を図り、まちのにぎわいを創出することが重要であるため、都市の拠点となるエリアに医療、福祉、商業などの都市機能を集積させる必要があります。
 このため、立地適正化計画において、主要駅周辺などの6地区に集約化拠点形成区域を定め、都市機能の適正な誘導を図ってまいります。
 次に、バス交通の重要性について、市はどのように認識しているかについてですが、平成30年9月定例会において答弁したとおり、バスを初めとする公共交通は、通勤、通学などの基本的な社会活動や、病院、買い物など生活に必要なサービス施設を利用するための移動手段であると同時に、公共交通を利用して外出する機会をふやすことによる健康増進や、観光交流を推進しまちのにぎわいを創出するなど、地域経済の活性化にも必要なものです。
 このようなことから、バス交通についても、市民の皆さんが健康で文化的な生活を送る上で、重要なインフラとして欠くことのできない大きな役割を担っているものと認識しております。
  〔11番杉本 護君登壇〕

58◯11番(杉本 護君) 3回目です。
 意見・要望は最後にまとめて言います。
 幾つか再質問をします。
 まず、国民健康保険料についてです。
 当局も認めているように、国保料が高くなるのは、国保制度の構造的な問題があるということであります。ところが、当局は滞納すれば保険証を取り上げ、財産も差し押さえ、容赦のない取り立てを行っています。
 指定都市の市長会も、こうした状況の中で、財政支援を国へ求めていって、国からの財源がふえないことを理由に、高過ぎる国保料を放置することは許されません。
 先ほど国保は相互扶助と言っていますが、国保は社会保障と書いてあります。社会保障の認識に立ち、払える国保料にするべきです。以前は、一般会計からもたくさんの繰り入れを行っていましたし、今、子供の均等割について対応する交付金も国から出ています。財源は幾らでもありますし、他の政令市も実行しています。
 質問です。国保料引き下げのための一般会計からの繰り入れ、そして子供の均等割を減免するべきではないか、お答えください。
 認定こども園についてです。
 待機児童解消は、先ほどありましたが、4月の瞬間値ゼロ人だけではやっぱり解消とは言えません。年間を通じて待機児童をなくすためには、年度途中で入園を可能にする必要がある。そのためには、年度初めにあきをつくっておく必要があります。
 こうしたことは、採算性よりも必要性を重視できる公的施設しかできないのではないでしょうか。
 また、必要な保育士を確保するためには、行き届いた保育を行うのも公立の役割です。認定こども園には幼稚園児も通うわけですから、自力で通える距離が好ましいと思います。
 そこで、質問です。待機児童を解消し、保護者や児童の利便性の確保、教育や保育の質の低下を防ぐためには、市立の、公立のこども園の民営化、統廃合をやめるべきだと思いますが、考えをお聞かせください。
 次に、中小企業・小規模企業振興条例についてお聞きします。
 地域経済の振興では、地域資源を生かした循環型経済が重要です。市内に住む中小業者が行う住宅リフォームは、なり手が減少している建設業者の仕事づくりにもつながり、店舗のリフォームは商店主のやる気や、消費者の消費喚起にもつながります。仕事の利益は税金として市に戻ってきます。こうした好循環を生むのが住宅や店舗のリフォーム助成制度です。
 本市は、この議会で振興条例を制定すると思います。その条例を生かした施策としてなり得るものと思います。
 そこで、質問です。地域循環型の経済を振興するための施策として、住宅や店舗のリフォーム助成制度を創設するべきではないかと思いますが、お答えください。
 公契約条例についても1点質問します。
 公契約条例の制定について、政令市では川崎市、相模原市、京都市の3市のみとなっており、広がりがない中、当局は様子見をしているような気がします。
 静岡県は神奈川県と愛知県に挟まれ、最低賃金はどちらよりも低い水準です。野田市などの先進的な自治体の取り組みを学び、公共工事従事者に適正単価を保証することは、市民全体の賃金レベルの底上げにつながっていくのではないでしょうか。自治体にはそうした役割もあると思います。
 質問です。公契約条例制定に向けて検討してはどうか、お聞きします。
 公共交通、特にバス交通について伺います。
 先ほどの質問で、バス交通は市民にとって重要な交通手段であるとの認識を示されました。しかし、本市は本当に心底そう感じているのでしょうか。バス路線の縮小、休止は中山間地だけではなく、市街地でも地域住民の足を奪っています。
 何度も議会で質問してきましたが、運転手不足を理由に、安東循環線や小鹿線は休止が続き、はや2年がたとうとしています。再開に向けて具体的な手だてをどのように打っているのか見えてきません。高齢化社会に向かっている今、交通弱者対策は喫緊の課題です。
 そこで、質問です。バス交通を持続させるためには、どのように取り組んでいくのか、お聞きします。
 質問の最後に、マイナンバーについて伺います。
 マイナンバー制度が導入され、2016年1月からマイナンバーカードの交付が開始され3年が経過しました。本市のカードの普及率は昨年2018年12月1日現在で11.4%、ほとんど普及が進んでいません。市民にとっては、全く利便性が感じられないこと、そして、個人情報の漏えいなどの不安があることの反映だと思います。
 昨年11月の世論調査の結果によると、マイナンバーカードを取得していない方の回答で、「今後も取得予定がない」は約53%と高く、特に高齢者の方からは「使う機会がない」との回答が多くありました。
 当局はカードの取得者をふやすために、企業訪問しているとのことですが、そのような忙しい中の時間の無駄遣いはやめるべきです。
 そこで、質問ですが、国の調査で今後も取得予定がないという回答が多くあったことを踏まえて、当局の考えをお聞かせください。
 最後に意見と要望です。
 まず、日本共産党静岡市議団は、昨年2019年度の予算編成と行財政運営について241項目の要求を出しました。今回はその中の重点要求をもとに質問をいたしました。ぜひ実行されることを要望いたします。
 2つ目は、田辺市長の施政方針についてです。
 3次総に掲げる人口70万人維持、この旗はおろしていないと思いますが、私には既に白旗を上げて本市の施策を観光分野に傾斜させ、流動人口の増加で経済の活性化を図ろうとしているように見えます。
 そのため、さまざまな箱物建設が始まっているのではないでしょうか。箱物でも必要なものはありますので、全否定するつもりは全くありません。そういった点で幾つか指摘しておきたいと思います。
 まず、本市はインバウンドを進めていますが、外国人観光客は豊かな自然を生かした体験を求めていると聞いています。市長は以前、ないものねだりはせずあるもの磨きをすると言っていました。本市は山や川、海、日本一の富士山などの豊かな自然があり、既存の建築物でも付加価値をつけ磨き上げれば、幾らでも輝くものがあるのではないでしょうか。
 箱をつくれば、維持費も発生していきます。まずはやってみると、どんどん攻めるのではなく、例えば観光政策なら費用対効果を慎重に検討すべきだと思います。
 また、全体として経済に力強さがないのは、消費が低迷しているからです。消費を喚起するためにも、国保料の引き下げ、給食費の無償化など、市民の懐を直接温める施策を行うべきです。
 SDGsをうたうなら、その中にある同一労働、同一賃金の実現に向け、まずは市の職員は正規雇用が当たり前にすべきだと思います。
 3つ目は、市民の声をしっかり聞き、多数の納得で市政を進めるべきです。施政方針の中で、現状への温かい評価や厳しい批判を政策推進への発奮力としてきたと言っています。見方によれば、どんなに批判的な意見があっても、自分のやりたいようにやるとも受けとめられます。
 市民と意見が分かれたときは、急がずにしっかりと議論を重ね尽くすことが必要です。陸前高田市の庁舎建設地も何年もかけて議論し、決めていました。巨額な財源を必要とする建築物などの事業は、特に市民との合意を大切にしていただきたい。その上では、桜ヶ丘病院や清水庁舎の移転は一旦立ちどまるべきだと思います。
 4つ目は、中小企業・小規模企業振興条例についてです。
 条例の中身については、今後拡充してほしい点があるものの、まずは条例が制定されることは歓迎し、期待もします。今後はこの条例に基づき、中小企業や小規模企業への支援を経済局だけではなく、全庁挙げての取り組みとなるよう、しっかりと生かしていただきたい。そのためにも、条例制定後は速やかに新課などを設置し、議論を始めることを要望いたします。
 5つ目として、リニア中央新幹線建設にも一言触れます。
 市長は、JR東海に工事に伴う環境への影響を最小限に抑えるよう求めるとしていますが、影響があってはだめなんです。トンネルを掘れば必ず影響が出ると思います。建設現場はユネスコエコパークに登録もされている場所です。工事は中止しかありません。
 そして、きょうの答弁をお聞きして考えるんですが、例えば市の法人の超過課税の要求に対して、今はそういう環境ではない、経済情勢ではないような言い方をしましたが、消費税の増税については必要だと言っています。地域の経済状況に対して、大変矛盾した考えが示されているのではないでしょうか。
 何度も言うように、今の経済情勢は数字で見ても、市民の雇用状況、あるいは経済状況が決してよくなったわけではありません。こうしたもとで、10月からの消費税増税は本市にとっても重大な影響を与える問題であります。
 市長は、なかなか国政問題については答弁をしてくれません。それは本当にいかがなものでしょうか。私たち静岡市民は、日本という国の中の静岡市に住んでいます。国政のさまざまな課題、これが私たち静岡市民の日々の生活にも直接影響があるわけです。
 こうした静岡市民70万人の生活や、命を預かっている市長としては、国政問題に対してもしっかりとみずからの考えをこの議会の場で示すべきだったのではないでしょうか。
 後からでも構いません。ぜひ発言していただくことを要望いたします。
それと、先ほど言い忘れましたが、消費税の問題で、複数税率が低所得者対策かのように言っています。しかし、最近の総務省の調査によりますと、この複数税率は高収入者のほうが有利になると発表されています。まさに、今度の複数税率は低所得者対策ではなく、これも高収入者の対策というか、優遇といったあべこべの結果を出しています。
 そういった意味からも、消費税増税は絶対にさせてはいけない。静岡市の市長としても、ぜひそういった点もしっかりと受けとめていっていただきたいと思います。
 最後に、今年度退職される皆さんに一言御挨拶いたします。改めて、皆さん長い間御苦労さまでした。今後もよろしくお願いいたします。
 時間がないので、以上にします。

61◯保健福祉長寿局長(平松以津子君) 先ほど国保制度の構造的課題についての御質問に対する答弁の中で、被用者保険と申し上げるべきところ、被保険者保険と誤って答弁をいたしましたので、訂正させていただきます。申しわけありませんでした。
 それでは、答弁に移ります。
 一般会計からの繰り入れと子供の均等割についてですが、国による約3,400億円の公費拡充により、本市においては保険者努力支援制度など新たな交付が見込まれ、法定外繰り入れを行わないこととしても、被保険者の負担増とはならない見通しです。
 本市の基金等財政状況や国の方針を踏まえ、平成31年度は国保料引き下げのための法定外繰り入れを行わないこととしたいと考えており、この点については、国民健康保険運営協議会において妥当との答申をいただいております。
 また、子供に係る均等割保険料の減免については、子育て世帯の負担軽減に資するものであると考えられますが、その実施については、子供の数を保険料の算定要素に用いていない他の医療保険制度との整合性を総合的に図る観点から、国の責任と負担により軽減措置の見直しの中で行うべきものと考えております。
 このため、全国市長会等を通じて、国に対し、子育て世帯の負担軽減のため、子供に係る均等割を軽減する支援制度を創設するよう要望を続けております。

62◯子ども未来局長(石野弘康君) 市立こども園の民営化、統廃合についてですが、幼児期の教育・保育の分野では、これまでも民間の園において、市との協力のもと、それぞれの創意工夫により、十分なノウハウが蓄積され、質の高い教育・保育の提供がなされています。
 また、待機児童の解消は、市立、私立にかかわらず、市全体で取り組む課題であると認識しており、これまでも、市立のみならず私立保育所等の定員増や私立幼稚園の認定こども園への移行など、民間施設の整備を進めてまいりました。
 一方で、平成28年度に策定した静岡市立こども園の配置適正化方針に基づく取り組みは、こうした民間活力を活用しつつ、老朽化が著しい市立こども園を解消するとともに、多様化する子ども・子育て支援のニーズに対応していこうとするものであり、子供をより産み育てやすいまちの実現に向け、必要な取り組みだと認識しております。
 したがって、この方針に基づく民営化や統廃合に当たりましては、待機児童解消の取り組みと整合するよう、対象園の周辺の教育・保育ニーズや保護者、児童の利便性に十分留意しながら進めてまいります。

63◯経済局長(池田文信君) 地域循環型の経済を振興するための施策として、住宅や店舗のリフォームに関する助成制度についてですが、現在、そのような制度を創設する予定はございませんが、地域循環型の経済につきましては、企業収益や所得分配を上げ、雇用環境を改善し、消費や投資を喚起するといったサイクルが地域に好循環を生み出すものであることから、中小企業、小規模事業者の振興に資する効果的な施策を引き続き検討していきたいと考えております。

64◯財政局長(平沢克俊君) 公契約条例制定に向けての検討についてですが、先ほど答弁させていただきましたとおり、幾つかの課題があり、また現時点で公契約条例を制定している政令市は3市で、他の政令市においても具体的に制定する動きはない状況であることから、引き続き動向を注視してまいります。

65◯都市局長(片山幸久君) バス交通を持続させていくためにどのように取り組んでいくのかについてですが、公共交通全体の一体的な形成や持続を目的に、行政、交通管理者、専門家、自治会代表、バスやタクシーなどの交通事業者とともに作成している地域公共交通網形成計画を平成31年3月末、今月末ですけれども、公表する予定です。
 この計画では、バス交通を持続させるため、主に運転士の確保や利用促進策について、交通事業者と連携して取り組むこととしております。
 運転士の確保については、大型免許を有する自衛隊員や消防職員への再就職先としての働きかけ、高校卒業生を対象とした養成運転士制度や女性運転士の獲得に向けた取り組みなどの施策を進めてまいります。
 また、利用促進策については、超低床ノンステップバスの導入、サイクル・アンド・バスライドの駐輪場整備、バス停の上屋整備などのバス待ち環境の改善、バスロケーションシステムの高度化など、わかりやすい運行情報等の提供などの施策を進めてまいります。

66◯総務局長(大長義之君) マイナンバーカードについてでございますが、昨年11月の内閣府によるマイナンバー制度に関する世論調査結果において、議員御指摘のとおり、活用方法が限定的であるとして、カードを今後も取得する予定がないとした回答が5割を超える結果となりました。
 その一方で、今後のマイナンバー制度への期待として、行政手続における添付資料の省略による手続の簡素化に約4割の方が期待を寄せている結果も明らかになりました。
 これに対し、国においても、各種手続のオンライン化原則の方針に基づき、現在、必要書類や本人確認の手続の見直しを含めた行政手続の簡素化の検討が省庁横断で進められております。
 今後は、マイナンバーカードを利用した市民生活に身近な手続の電子化の拡大がなされ、活用の幅が広がるものと想定されることから、これら動向に注視しつつ、引き続きマイナンバーカードの活用促進に努めてまいります。