清水LNG火力の経済効果に疑問 女性消防団が活躍しやすい環境整備を

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西谷11月◯13番(西谷博子君) 通告に従いまして質問します。
 最初に、LNG発電所についてです。
 当局は、LNG火力発電所の経済波及効果を680万円の予算をかけ業者に発注し、優先的に調査をしていますが、その内容について質問します。
 また、環境に与える影響のうち、CO2の排出について質問します。
 一昨日配られましたふるさと応援カタログの1、2ページは、海のあるまち、海の幸がいっぱいと、サクラエビ、シラスなどを紹介しています。しかし、LNG発電所計画に関し、地元の清水漁協、由比港漁協がサクラエビやシラスなどへの漁業に悪影響を及ぼす可能性があると、海洋への影響審査を要請するなど、漁業者にも不安を広げています。
 市が発注した(仮称)清水LNG発電所設置に伴う経済波及効果等基礎調査業務の実施方針では、LNG発電所の設置に伴い発生するプラスの効果を抽出し、また、静岡市経済に対する寄与の観点から、環境アセスでは対象となっていない経済的効果、得られる冷温熱の他事業への利用可能性を調査し、市民との合意形成に寄与する資料を作成するとし、LNG発電所の設置に伴うプラスの効果を幅広く抽出。エネルギーや経済効果は、生活に密着した指標等に置きかえるなど、市民が理解しやすい資料を作成。LNG冷温熱利活用は、熱搬送を考慮し、LNG発電所を中心に面でとらえて事業スキームを作成と、調査内容と目的を記載しています。まさに経済的効果ありきの調査と受けとめられますが、この調査を実施することになった経緯について、伺います。
 発電所の建設が清水港港湾計画、中心市街地活性化基本計画にマイナスの影響を与えるのではないかと懸念する声が強くあります。経済波及効果を調査するのであれば、市がみずから進めている港湾計画の交流ゾーンの取り組みに対する影響についても調査すべきではないでしょうか。
 市民だけでなく、清水駅や、国際港であり海外からの観光者でにぎわいを見せている港です。そうした経済的効果に対する影響の調査を行うべきだと考えます。
 これら計画に対する影響を市として具体的に調査を行っているか、伺います。
 次に、環境に与える影響について質問します。
 現在、パリでは、2020年以降の地球温暖化対策の新たな国際枠組みを話し合うCOP21が開かれています。論議は人類の生存がかかっていると、150カ国の首脳が次々と発言をしています。地球のかわりはない。CO2の排出を減らそう。地球を守ろうと、国内でも市民によるアースパレードが取り組まれています。
 9月議会で清水LNG発電所から排出されるCO2の量は、配分後の数値に当たる1.3%と答弁されましたが、配分前の清水LNG発電所が発電の際、排出する排出量はどのぐらいか、伺います。
 次の質問、女性消防団員についてです。
 東日本大震災以降、予想される巨大地震や集中豪雨など、各地で防災対策の取り組みが強化されています。あわせて、地域防災体制のかなめとして、地域に密着した活動を行う消防団は、これまで以上に期待と役割が大きくなり、従来からの消火、警防活動のほか、防火指導や予防啓発活動など多様化し、女性を含めた幅広い人材が求められるようになっています。
 特に、東日本大震災では、女性消防団員の果たす役割が見直され、各地で女性消防団員の確保に力を入れるようになりました。しかし、実情は、女性消防団員のみならず、昨日も畑田議員の質問にありましたが、男性消防団員の確保も困難な状況です。各地で自営業者が減り、中山間地では高齢化が進む中で、消防団員の確保は大きな課題となっています。
 静岡市消防団員意識調査では、新入団員をふやす方法について、活動や訓練回数を減らし負担を軽くする、サラリーマンの団員でも活動しやすくする、報酬、手当の増額等の処遇改善をするが、それぞれ4割台で拮抗していると報告されています。
 このような状況のもとで、静岡市消防団静岡地区本部の女性部がことし3月末で廃止されました。時代の要請と逆行しているのではないかと感じています。
 以下、3つの質問を行います。
 1つ目は、静岡地区本部付になっていた女性部の廃止について、この間の経過と理由を伺います。
 2つ目は、静岡市は3つの地区本部を持ち、それぞれに女性部を配置しています。清水地区、蒲原地区の女性部はどのようになっているのか、伺います。
 3つ目は、静岡県は川勝知事名で平成25年9月に女性消防団員の確保についての通達を出しています。静岡市は、通達をどのように受けとめているのか、また、どう対応しようとしているのか、伺います。
 以上。

◯経済局長(築地伸幸君) 清水LNG発電所設置に伴う経済波及効果等基礎調査を実施することとした経緯についてですが、本市は、3次総においてエネルギー関連産業の創出推進を、第2次産業振興プランにおいて海洋エネルギー産業の振興を掲げ、清水港周辺のインフラ活用と、LNG基地の立地を生かしたエネルギー関連産業の誘致を図ろうとしているところです。
 こうした中で、本年1月に事業者からLNG発電所計画が公表されました。この事業は、近年例のない巨大プロジェクトであることから、本市経済への波及効果等を把握するため、調査を実施することとしたものです。
 次に、発電所の建設が清水港港湾計画、中心市街地活性化基本計画にマイナスの効果があると考えるが、市として調査しているかについてですが、清水港港湾計画及び中心市街地活性化基本計画につきましては、いずれも現段階では発電所の建設が計画に影響を及ぼすものではないものと考えているところであります。
 このことから、お尋ねのマイナス効果に係る調査については、特に想定しておりません。

◯環境局長(小林正和君) 清水LNG発電所の二酸化炭素排出量に関する御質問にお答えします。
 配分前の二酸化炭素排出量についてですが、配分前とは、発電所における燃料の使用に伴う二酸化炭素排出量です。清水LNG発電所の稼働に伴う配分前の二酸化炭素排出量は、1年間の天然ガス消費量に二酸化炭素に換算するための排出係数を乗じて求めることができます。
 具体的には、環境影響評価方法書に示された天然ガスの年間使用料135万トンに排出係数2.76を掛け合わせた372万6,000二酸化炭素トンが年間の排出量と推計されます。

◯消防局長(大橋正行君) 女性消防団員についての3点の質問についてお答えいたします。
 最初に、静岡地区本部女性部廃止の経過と理由についてですが、まず廃止の経過は、平成27年3月5日、静岡地区本部の分団長会議において決定したことであります。
 次に、廃止の理由ですが、静岡地区本部は管轄する区域が他の地区より広大であるという地域の実情を考慮しつつ、女性消防団員がより一層活躍しやすい身近な環境でいろいろな業務を選択することができる地域の分団所属とする組織改編をしたと伺っております。
 次に、清水地区、蒲原地区の女性団員はどうなっているのかについてですが、清水地区本部の女性消防団員は、現在23名です。そのうち13名が女性部に所属し、残りの10名は地域の分団に所属しております。
 蒲原地区本部の女性消防団員は、現在6名で、全員が女性部に所属しております。
 次に、県の通達について、静岡市はどのように受けとめ、どう対応しようとしているのかについてですが、県の通達では、全団員の1割を目標に女性消防団員を確保していくということであります。
 本市といたしましては、この通達を踏まえ、できるだけ多くの女性消防団員の確保に取り組む必要があると考えております。
 これからも、性別にとらわれず消防団員の確保を進めたいと考えておりますし、消防団の行う確保対策には、これからも積極的に協力してまいります。
  〔13番西谷博子君登壇〕

◯13番(西谷博子君) LNG火力発電所についてです。
 港湾計画やさまざまな活性化計画には影響がないものと考えるということで、調査を行うつもりはないという答弁でしたが、それでいいのかと改めて思います。
 LNG発電所設置に伴う経済波及調査等基礎調査、この中間報告が事業者から示されることになっています。11月中旬には示されるということになっていますが、その報告内容はどのようなものか、伺います。
 CO2に関してです。
 今も答弁がありましたが、LNG発電が石炭火力よりクリーンだと言っても、170万キロワットという巨大な発電所から排出されるCO2の量は、現在静岡市が出している量の約1.6倍に当たるCO2が排出されることになります。地球温暖化がこれだけ大きな問題になっているときに、CO2削減のための努力は欠かせません。
 浜松市は、エネルギーの地産地消を推進し、環境に配慮したスマートシティの実現を目指すとし、再生可能エネルギーの調達を進める浜松新電力会社の設立を発表しています。
 ところが、静岡市は、CO2排出の少ない再生可能エネルギーを普及促進するために太陽光発電システムに対する助成事業、家庭に対する助成事業です。ことし3月で打ち切っています。太陽光発電システムに対する助成事業を継続するよう求める声も強いと聞いていますが、この助成事業を継続することについて、どのように考えているか、伺います。
 次は、女性消防団員についてです。
 5つの質問を行います。
 静岡県は、消防団員総数の1割、県下で2,000名の女性消防団員の確保を目指しています。静岡市の女性消防団員の確保目標は、約270名になります。うち静岡地区は150名になると聞いていますが、その数をいつまでにふやそうとしているのか、伺います。
 次に、女性消防団員をふやす目標をどのように達成していくかについて伺います。
 女性部を廃止して、分団活動に移すことで、小人数では孤立化し、退団につながるのではないかなど、活用内容への不安が出されています。これまでと比べ、女性団員の活動はどのようになるのか、伺います。
 次に、これまで消防団は男性の職場として活動してきました。女性消防団員を受け入れるとなると、少なくとも更衣室やトイレなど、しっかり整えなければなりません。設備をどう整えていこうとしているのか、伺います。
 次に、女性部の廃部について、女性部員は納得せず、現在も話し合いを行っていると聞いていますが、この間の経過について伺います。
 また、今後女性団員をふやすに当たり、これまでの女性部員が活動して得た経験、スキルをどう生かしていこうとしているのか、伺います。
 最後になりますが、今回の女性部の廃部について、市長にお聞きします。静岡市消防団最高責任者である市長は、消防団員の不足の状況や、それに対し女性消防団員をふやす方向性について、どのように考えているのか、伺いたいと思います。
 また、16年間、静岡市の消防団女性部として活動し、全国で配布されている社会科教科書、3、4年生の中にも静岡市の女性消防団員が掲載されています。そうした静岡市の女性消防団員の実績をどう評価しているのか、伺います。

◯経済局長(築地伸幸君) 御質問にありました清水LNG発電所設置に伴う経済波及効果等基礎調査の中間報告の内容は、国のエネルギー政策、電力自由化に伴う背景、国内におけるLNG発電の動向、LNG発電事業に伴う課題、公益性でございます。

◯環境局長(小林正和君) 太陽光発電システムに対する助成事業についてお答えします。
 助成事業の継続についてでございますが、平成24年度から開始された固定価格買取制度を契機に、民間事業者を初め、全国的に太陽光発電の普及が進みました。そして、同システムの設置価格が値下がりし、耐用年数内での投資回収が可能となったことから、本市の助成事業は一定の役割を果たしたものとして、平成26年度をもって助成事業を終了したところです。
 このようなことから、助成金の有無にかかわらず、市内の太陽光発電システムの設置は進むものと想定されるため、助成は考えておりません。

◯消防局長(大橋正行君) 女性消防団員についての5点の質問についてお答えします。
 最初に、県の方針を受け、いつごろまでにどのくらいふやすのかと、どのようにふやすのか、また、女性団員はどのような活動になるのかについては、関連がございますので、あわせてお答えさせていただきます。
 先ほどお答えしたように、女性消防団員の確保に取り組む必要性については、十分に認識しておりますが、本市としましては、これからも男女を問わず、消防団員の確保に取り組みたいと考えております。
 平成27年11月現在の静岡市消防団員数は2,724人で、定員数の2,950人には226人の不足であります。定員充足率100%を目標として、早期に達成できるよう、確保対策に取り組んでまいります。
 具体的な確保対策については、昨日、畑田議員の御質問にお答えしたとおり、3つの対策に取り組んでいきたいと考えております。1つ目は、事業所への入団促進説明会等。2つ目は、消防団員の処遇改善。3つ目は、学生消防団活動認証制度の導入等に取り組みます。
 特に、女性消防団員の確保対策としては、他都市で効果のあった女性が多く働く事業所への入団促進説明会を開催してまいります。
 今後の女性消防団員の活動につきましては、各地域において、防火や救急指導を初め、災害時の出動や後方支援活動など、できる範囲で従事していただくことになると考えております。
 次に、各分団へ配属する場合の受け入れ体制について、更衣室やトイレの設備体制はどうなっているのかについてですが、これまでの消防団施設には女性専用の設備はありませんので、男性消防団員と調整をして使用していただいている状況であります。
 今後は、65ある本部施設のうち、女性消防団員が配属されている施設を優先的に女性専用トイレ等の整備について計画してまいります。
 次に、女性部の廃止について、現在までの話し合いの経過はどうなっているのか、また、これまでの女性部員が活動して得た経験、スキルをどう生かしていくのかについてですが、静岡地区本部と元女性部との話し合いは、消防団長同席のもと、8月、9月、11月の計3回実施しているところでございます。11月の話し合いにおいては、方面隊長、分団長が新たに出席し、多くの方面隊長、分団長から、各分団で行う救命講習の指導に女性消防団員が必要であるとの建設的な意見が出されました。このことは、本市として、意義のあることだと考えております。
 また、女性部で培った救命講習の指導等の経験やスキルについては、今後は地域の分団に所属することによって、それぞれの地域で十分に生かされると考えております。
 最後に、市長への御質問ですが、これについても私からお答えさせていただきます。
 静岡地区本部女性部の廃止と16年間の女性部の活動実績についてですが、女性部の皆様が16年間、消防団員として市民のために活動していただいていることに改めて敬意を表します。
 今回、静岡地区本部が女性部を廃止し、各分団への移籍を決めたことについては、女性消防団員が活躍しやすい環境とするよう、いろいろな業務を選択することができる地域の分団所属とする組織改編として機関決定したことでありますので、その考えを尊重したいと思います。
 これからも静岡市消防団の一員として、地域の安心・安全のために御尽力いただきたいと期待しております。
 また、消防団員の不足については、地域防災の観点からも、深刻な問題であると認識しており、これからも男女を問わず団員の確保対策を進めてまいりたいと思います。
  〔13番西谷博子君登壇〕

◯13番(西谷博子君) 市長には丁寧に質問に答えていただきたいと言ったつもりですけれども、お答えがありませんでした。
 私が気になったのは、新聞記事で、3月20日の定例記者会見で、市長は私の立場で機関決定されたことにコメントするのは違うと述べたと報道されていたので、今回直接どういう見解をお持ちか、お聞きしたかったということがあります。通告してありましたので、ぜひ、これからはよろしくお願いしたいと思います。
 3回目は、質問というより意見ですけれども、市はエネルギーの安心・安全かつ安定的な供給は、市民生活や地域産業の持続発展にとって必要不可欠であると繰り返していますが……

◯副議長(遠藤裕孝君) あと1分で終了してください。

◯13番(西谷博子君)(続) しかし、それを安心・安全が心配されているLNG火力発電所に求めるのは、建設予定地の周辺環境から見ても、市も液状化の心配のある地域だとはっきり指摘している地域です。余りにも乱暴だと感じています。
 安竹議員の質問にもありましたように、中山間地域は木質バイオマスの普及など、浜松市のように再生可能なエネルギーの地産地消を目指すべきではないかと考えます。再生可能なエネルギーの普及と省エネの取り組み、これは20年、30年先を見通した行政運営を望みます。
 ぜひ今回の女性消防団員についても、家庭の主婦が気楽に入れるようにということも述べています。