平和行政の推進求める

DSC_0413◯39番(内田隆典君) 通告しております2項目について質問させていだたきます。  最初に、静岡病院の地方独立行政法人移行についてであります。  静岡病院を平成28年4月から独法に移行するということで、今議会にも評価委員会の制定、定款の制定等関連議案が提案されております。私はこの問題では何度かこの本会議で問題点を指摘してまいりました。  当局はこれまでの考え方、地方公営企業法全部適用を、突如平成25年の12月、地方独立行政法人化へと方針転換を行いました。しかし、この方針転換は、公務員の身分を失うことになる該当職員に何ら説明なく、突然方針転換をしたものでした。当然市民の皆さん、関係者の皆さんの理解は今の段階で私はできていないのではないかと感じております。  市民の皆さんや医療機関の関係者の皆さんへもパブリックコメントを含め意見を聞いたと、この間答えておりますが、しかし、十分な理解をされてないと考えております。  そこで、最初に伺いたいのは、平成26年6月以降現在まで、医師や看護師、関係職員の皆さんにどのような説明がこの間されてきているのか。そしてどのような理解が得られていると考えているのか、伺っておきたいと思います。  2点目は、提案されている定款の中で、理事長が1人、副理事長は2人以内、理事は8人以内、及び監事は2人以内とされておりますけれども、どの職が常勤で、どの職が非常勤となっているのか、考え方について伺っておきたいと思います。  3点目は、今後のスケジュールについてでありますが、今議会には、定款や評価委員会の制定等議案が提案されております。しかし、肝心の市民の皆さんや、関係者の皆さんへの理解が得られていない状況だと私は感じております。  定款の議決後、総務大臣の認可等を受け、法人を設立と、こういうスケジュールを組んでいるようでありますけれども、今後どのようなスケジュールになっているのか、伺っておきたいと思います。  4点目は、評価委員会条例案の中で、委員の選任という項目があります。委員の選任に当たっては、公募の方法によるよう努めるものとなっております。公募するのかどうか、曖昧だと私は感じております。大事な問題でありますから、委員の選任に当たっては、公募を当然入れていく必要があると思いますけれども、考え方について伺いたいと思います。  5点目は独法移行に伴う職員の身分切りかえについてであります。  病院経営課のニュースによりますと、医師、歯科医師、看護師等の身分は法人へ引き継ぐと、行政職は市から法人への派遣となっております。静岡病院の職員で、独法に移行する職員は、具体的に何人なのか、そのうち看護師は何人が移行になる予定なのか、伺っておきたいと思います。  6点目は、独法移行後の業務についてです。  支援業者を決定したという当局のニュースが出されております。トーマツという支援業者であるようですけれども、この業者は具体的にどのような役割を果たすのか。現在関係者への説明を行っている状況で、また定款や評価委員会の条例案が今議会に提案され、審議されようとしている状況であります。支援業者を決定して、もう法人ありきのやり方は、私は何度も言うようでありますけれども、拙速ではないかと考えておりますけれども、考え方について伺っておきたいと思います。  次に、平和行政についてであります。  来年は戦後70年目の節目を迎えようとしております。ことしほど、平和問題、憲法問題が国内外で議論になった年はないのではないかと私は思っており、それは7月1日、歴代内閣が現憲法9条下の中では、集団的自衛権の行使はできないとしていたものを、閣議決定という姑息な手段で、改憲解釈を行ったからであります。  8月6日、9日、広島、長崎の原爆世界大会に参加した安倍総理は、式典後の被爆者との懇談の中で、被爆者から集団的自衛権の行使の撤回を求められました。見解の相違と突っぱねたようでありますけれども、このような状況になっているわけであります。  さて、静岡市の平和行政についての取り組みについてでありますけれども、学校においては、国語や社会の授業の中で平和教育を行ってきた、お年寄りを招き戦争中の体験談を聞いたりした、こういうことであります。  また、平成25年1月には、日本平において国連軍縮会議が開催されました。市民が行う平和運動への補助等を行ってきています。私は今こそ平和行政を強めなければいけないと考えておりますけれども、国連軍縮会議以降の、静岡市としての平和行政の取り組み、どのような位置づけで進めてきたのか伺いたいと思います。  2点目は、子供たちへの平和教育の一層の推進についてであります。  これまで授業の中で平和教育を進めてきたという話でありますが、私は他の自治体でも取り組んでいますように、きちんと予算化して、例えば、平和教育の一環として、児童生徒を広島市、長崎市へ派遣し、子供たちが中心となって平和教育を広げていくような取り組みを進めていったらどうかと思いますけれども、当局の考え方について伺っておきたいと思います。  3点目は、集団的自衛権の閣議決定が行われましたけれども、この件については、国内外で大きな問題となっております。地方議会でも200近い議会で、国に対して慎重、反対の意見書が提出されている状況であります。現憲法下で許されないと私は考えておりますけれども、田辺市長はこの閣議決定に対し、現時点でどのような受けとめをしているのか、伺いたいと思います。  4点目は、ことしの8月2日、3日に清水区を中心に盛大に清水みなと祭りが開催されました。毎年、この直後から実行委員会の皆さんが、次の年の祭りについて準備を行っています。大変な御苦労をされていると私は考えております。ただ、毎年気になるのは、平和の祭りに、自衛隊の陸海空の展示物体験乗船等を繰り広げていることであります。平和団体からは、ことしも、こうした平和な祭りになじまないのではないかという、市当局へ、また実行委員会への申し出がされました。みなと祭りでの自衛隊参加の経過及び本年、具体的にどのような展示をされたのかについても伺っておきたいと思います。

 

◯病院局長(上松憲之君) 市立病院の地方独立行政法人移行に関します6点の御質問にお答えいたします。  まず、6月議会以降の病院職員の説明状況についてでございますが、職員団体に対しまして、地方独立行政法人に移行した後の具体的な労働条件といたしまして、市の現行制度に準ずるものとするという提案を行い、現在交渉を進めているところでございます。さらに職員向け情報紙に、この労働条件に関する当局提案を掲載しますとともに、職員の身分切りかえ方針につきましても、お知らせをしたところでございます。このような周知により職員の理解が進んでいるものと考えております。  次に、法人役員にかかる常勤、非常勤の別についてでございますが、今後、役員体制とあわせて検討し、決定してまいりたいと考えております。  3点目の独法化に向けた、今後の主なスケジュールについてでございますが、法人が目指すべき中期目標について、現在、本定例会において御審議をいただいております評価委員会設置条例が成立いたしましたらこの評価委員会の御意見を伺った上で策定し、平成27年度の半ばに市議会にお諮りする予定でございます。そして、その後、この中期目標を踏まえ、これを達成するための中期計画を策定してまいります。また、法人組織の構築や、職員の処遇決定などにつきまして着実に作業を進め、平成28年の初めには、国に対し法人設立の認可申請を行いたいと考えております。  次に、評価委員会の役員につきましてですが、この評価は市民からの視点も踏まえたものとするため、公募委員を選任する予定でございます。  また、病院職員のうち移行によって法人職員の身分となる正規職員は、現時点の職員の状況では650人程度と見込んでおります。そのうち多くを占めるのが看護師で、約450人と見込んでおります。  最後に、独法移行業務の支援業者の役割についてでございますが、独法移行に向けた準備において、主に次の4点について専門的なアドバイスなどを求めるものでございます。  1点目は、定款や評価委員会などの基礎的な枠組みの構築、2点目は財務会計、人事労務制度の構築及びそれらに伴う電算システムの導入、3点目は市の条例、規則などにかわる法人の諸規程の整備、4点目は法人設立に必要な各種書類等の作成であります。そのために平成26年度当初から支援業務を開始する必要があったものでございます。

 

◯総務局長(三宅 衛君) まず国連軍縮会議以降の平和行政における取り組みについてでございます。  国連軍縮会議in静岡では、静岡市の平和に対する理念を世界に発信するとともに、平和のとうとさを多くの市民の皆さんと共有しました。この会議中、市民団体の皆さんとの連携により、地元自主事業として平和に関するパネル展を開催し、市民の皆さん一人一人が平和について考える場を提供することもできました。この開催をきっかけに、毎年7月から8月にかけて各区役所で行っている平和祈念巡回パネル展を、市民団体との共催とし、より充実した内容で実施しています。  平成25年度には「68年前静岡の街は焼け、人は燃えた」と題し、静岡・清水の空襲の写真及び体験画等を展示することで、当時の人々が実際に体験した様子を紹介し、戦争の悲惨さや命のとうとさ、平和の大切さを伝えました。また、平成26年度においても「戦争の犠牲となった動物たち」と題し、罪のない動物たちが戦争によって犠牲となった事実を伝え、戦争の愚かしさと命の大切さを、身近に考えていただく機会を提供するなど、平和行政における取り組みを継続して進めております。  次に、集団的自衛権行使の閣議決定についてですが、防衛や安全保障の分野については、国の専権事項であり、国民に対する十分な説明をするとともに、国民の理解を得ながら、国政の場において議論がなされるものであると考えております。

 

◯教育次長(市川善隆君) 児童生徒を広島市、長崎市に派遣する事業を行う考えがあるかについてでございますが、市内の小中学校では、道徳教育を通して、かけがえのない命を尊重する心を育成するとともに、社会科や国語科などの教科を通して、戦争の実態や人々の心情などを学ばせています。その学習を受けて、広島市にある平和記念公園を修学旅行で訪れる小中学校もあります。  したがって、本市の事業としては、全校を対象として児童生徒を広島市、長崎市に派遣することは考えておりません。

 

◯経済局長(斎藤 誠君) 清水みなと祭りに自衛隊が参加するようになった経緯及び本年の具体的な展示内容についてお答えいたします。  まず、清水みなと祭りに自衛隊が参加するになった経緯ですが、清水みなと祭りは終戦直後の荒廃から立ち上がり、市民に明るさを取り戻そうという思いで、昭和22年8月4日の清水港開港記念日にあわせ、第1回が開催されました。自衛隊の参加は、港のにぎわいを創出するため、自衛隊が発足した翌年の昭和30年から海上自衛隊音楽隊の市中パレードや、航空自衛隊機による編隊祝賀飛行などが行われたのが始まりと、実行委員会より伺っております。  なお、本年の具体的な展示内容ですが、海上自衛隊の護衛艦の一般公開と、体験公開の実施、航空自衛隊の練習機T4、T7の展示飛行及び装備品の展示、陸上自衛隊の軽装甲機動車などの装備品展示を行いました。

 

◯39番(内田隆典君) 最初に独法の問題です。  今、局長から答弁をいただいたわけですけれども、身分が変わる方が全体で650人、うち450人が看護師の皆さんということでありました。それで今、いろいろ関係する組合を含めて、身分等労働条件等々を説明していて、大体理解を得てきているのではないかという答弁でありましたけれども、私は違ってるんじゃないかと思っているんです。  私達は青葉公園あたりで街頭に出て、静岡市が独法に移行しますよという話をさせてもらう、署名等もとらせていただいているんですけども、ほとんどの人が何なのという感じなんですよ。それで説明して理解を得るのに時間がかかる。一般の市民の人はそうですよ。知らない。独法に移ってどういう問題があるのか。  局長は関係団体にこれから説明して、それで労働条件等々も説明してきているから、理解を得てきているという話ですけれど、理解は得てないじゃないかと私は思っているんです。確かに説明では、皆さん方は、関係する看護師さんについても、6回ほどの説明をやってきているという話ですよ。それは間違っていません。しかし、局長御承知のように、看護師さんはいろんな勤務の形態があって、6回と言ったけど、話を6回聞いたわけじゃないですよ。1回です、大体1回。6回のうち、いろんな勤務の状況があるから1回なんですよ。それで、自分の身分にかかわることや、労働条件にかかわることを、そんな1回ぐらいの説明では、独立行政法人移行というのがわからないというのが大方の看護師さんの意見ですよ。  そういう中で、私は定款を決めて、もう業者も決めて、法人化を決めてと、1回決めたから進めるというのは、大変無理があると思っているんです。  そういう点で、これからしっかりと説明責任を果たしていく必要があると思いますけども、その点について、改めて考え方について伺っておきたいと思います。  それから、職員の身分の移行について、医師、看護師等々は独法化に対して、法人に移行するけども、事務職員は市からの派遣ということであります。これは、ずっと派遣で継続していくのか、考え方について伺いたいと思います。  それから、平和行政でありますけども、幾つか説明がありました。私が一番気になったのは、集団的自衛権の閣議決定について、市長の考えを求めたわけですけども、市長は残念ながらこのことについて語りませんでした。前に平和問題で私が質問したときには、平和に対する私の思いはこうだと延々と自分の思いを語ってくれましたよ。私はこのいわれと平和行政、それから集団的自衛権の行使というのは、大変な問題だということで、危惧しているわけですよ。  私も幾つかの自治体の長の、本会議での答弁を聞いてみましたら、山形の市長は、この問題はということで、きちんと話しておられましたよ、本会議の中で。私は語るべきだと思うんです。残念でした。  来年は戦後70年ということとともに、NPT核不拡散条約再検討会議が開催されるということです。平和市長会議には、世界で158か国、6,000都市の皆さんが参加し、田辺市長も参加しているということで、この署名の推進をしています。70年の節目に向けて、一層の静岡市としての平和行政を進めていただきたいと思いますけれども、考え方について伺いたいと思います。  2点目は、自衛隊の参加についてであります。  私はいろいろ経過はあったかもしれませんけども、わざわざ陸海空をそろえなくても、日本丸などの帆船を含めて検討してもよかったのではないかと思いますし、これからも検討すべきじゃないかと思いますけども。自衛隊にこだわることもないと思いますから、改めてこの参加についての見解を伺っておきたいと思います。

 

◯病院局長(上松憲之君) 地方独立行政法人に関しまして2点の御質問のうち、まず独法化への職員の理解を求めることについてでございます。  静岡病院が独法化することによりまして、環境の変化や患者さんのニーズに即して、医療資源を迅速・柔軟に整備することが可能となるなど、その目的を重ねてお知らせしていきたいと考えております。  このことに加え、具体的な処遇や、職員から寄せられた質問への回答などにつきましても、ただいま議員から御指摘ありましたとおり、私どもも1回だけの説明でよしとしているわけではございませんので、今後も説明会の開催や、情報紙の発行などによりまして、適時の情報提供に努め、職員の理解を深めてまいりたいと考えております。  次に、事務職員の派遣についてでございますが、移行当初には事務を円滑に進めるため、市から職員を派遣することを基本とする考えでございます。その一方で、高度化・複雑化する医療環境に対応するためには、専門的な知識、経験を持つ事務職員を育成することも必要でございます。  そこで、移行後は、事務の円滑な執行や職員の育成状況などを考慮しつつ、順次、派遣職員中心の体制から法人が独自に採用するプロパー職員中心の体制に切りかえていく考えでございます。

 

◯総務局長(三宅 衛君) 戦後70年を迎えての平和行政の取り組みについてですが、現在平和行政に関する事業は、終戦記念日における、戦没戦災等戦争犠牲者追悼式の開催、各区役所での平和パネル展の開催、原爆の日及び終戦記念日に同報無線による黙祷の呼びかけや、静岡平和資料センターの運営に対する助成などを行っています。  平成27年は戦後70周年の節目の年となり、本市としても戦争の悲惨さを風化させることなく後世に伝え、命と平和のとうとさを多くの市民の皆さんと共有することが必要であると考えております。  そこで、平成27年8月には、戦争の惨禍を伝え、平和を考える企画等を実施すべく、市民団体の皆様とさまざまなテーマを検討し、市民の皆さんに平和について改めて考え、見つめ直していただくような場を提供していきたいと考えております。

 

◯経済局長(斎藤 誠君) 清水みなと祭りに自衛隊が参加することに対する市の見解ですが、清水みなと祭りにおいて自衛隊が参加し、装備品等を展示することは、市民ボランティアで構成される実行委員会の、市民の皆さんに災害時の対応や平和を考える場にしてほしいとの願いから、自主的に実施されているもので、本市としては実行委員会の思いを尊重したいと考えております。

 

◯39番(内田隆典君) 平和行政ですけれども、ぜひ27年8月は企画団体と検討を進めて、一層推進していただきたいと思います。しかし、気になるのは、市民ギャラリーでもいろいろ行事をやられるわけですけども、利用料が高いですね。そういう点では気遣ったほうがいいのかなと思いますから、検討していただきたいと思います。  それから、独法ですけど、1回だけでなく、これからも十分説明責任を果たしていく、病院局長も御存じだと思いますけれども、病院の職員組合の皆さんがとった、看護師さんのアンケートでは、私は1割か2割とか前回言ったんですが、このまま移行すると、4割の方が退職をするという気持ちを持っていると病院の職員のアンケートがありましたよね。この後、深刻な状況が起こると思うんです。そういう点ではいろいろ労働条件など今から説明して、理解を得ていると、理解が得られているというその考えがおかしいんですよ。得られてないんだと。きちんと正確に理解を得る説明をするべきです。

 

◯病院局長(上松憲之君) 市民の皆さんや、職員の理解がないまま独法への移行を進めるべきではないのではないかということでございますが、私どもも、そのように思うからこそ、これまでもきめ細かな周知、広報に取り組んでまいりました。市民の皆さんに対しましては、静岡病院がこれからも高度で良質な医療を提供し、市立病院としての公的役割を果たしていくこと、そしてそのためには、社会環境の変化に迅速、柔軟に対応することができる地方独立行政法人の病院を選択したことを御理解いただくことが非常に大切なことだと考えております。  また、職員に対しましても、独法移行によって処遇が下がることがないこと、そして、静岡病院がより自立的な病院運営を行うことで、職員に医療人として存分にその手腕を発揮することができる環境を整えようとしていること、この点を理解してもらいたいと考えております。今後も、以上の点につきまして、わかりやすさに留意しながら周知、説明に努め、独法への移行を着実に進めてまいります。