静岡市議会政務調査費の交付に関する条例の一部改正の反対討論

カテゴリー:

171◯31番(山本明久君) 私は、日本共産党市議団を代表いたしまして、議題となりました発議第1号静岡市議会政務調査費の交付に関する条例の一部改正についてに対して、反対の討論を行います。

地方自治法第100条に関する法改正が、国会においても国民的な議論がほとんどされなかったということがまず大きな問題です。国会自身もほとんど審議をされていない。

昨年8月に、この法改正についての修正案が自民、民主、公明、生活などの一部議員から出されましたけれど、衆議院総務委員会ではわずか3時間しか議論されていないにもかかわらず、即日、委員会で可決し、3日後に本会議で可決するというものでした。つまり、この中身が国民的にも国会の中でも議論がほとんどされていない。

こうした問題点を踏まえて、反対の理由はこの法改正の中身です。政務調査費の名称を政務活動費に変更して、交付目的にその他の活動を加えて使途を拡大したことです。調査研究よりもっと広く税金を使っていこうという意図があります。私たち当市議団は、逆に今よりもっと厳しく使途を絞るべきだという立場です。

これまでも政務調査費の違法支出、目的外支出などに関して、全国オンブズマンの調査では、全国で70件を超える住民訴訟が提訴され、47件が違法と認定されるなど、議員の調査研究に資するものかどうか、税金の使い道としてふさわしいかどうか、厳しく問われてきました。それを今回の改正は、使い道をより厳しくではなくて、より緩くしようとするものです。

先ほども言いましたけれど、わずかな時間の委員会のやりとりの中で、こういう質疑と答弁がありました。事実上地方議員の第二の報酬になっているのではないかと批判されている現状にお墨つきを与え(「そうじゃない」)不適切な使い方を是認するための法改正だという疑問をどう払拭するのかという議員の質疑に対して、修正案提案者の民主党議員が、具体的に充てることができる経費の範囲を条例で定めるというところに重要なポイントがあって、審議の過程に対する住民の監視等により、不適切な支出や無駄な支出は防止、是正することができると、答弁しています。これは2つのことを示していると私は思います。

1つは、住民監視と市民的な議論を前提にしないと、だめな支出を食いとめることができないということ、これは非常に大事な点です。必要なことです。しかし一方、言い方をかえれば、第二歳費の拡大になることにお墨つきを与える危険があるということです。

現状でも本市では、調査研究というもとでも、海外視察や、公務かどうか区別がつきにくいガソリン代や通信費にも支給されていますが、これを改善するものになるどころか、使途を広げる法改正の中身は、決して市民の合意を得られるものではありません。今回の条例改正は、この法改正の問題をそのまま入れ込むものになっています。

ですから、今後、市議会の中で使途をどうするかという議論というのが、本当に試されてくると思います。

また、これまで本市では、会派に支給するものとしてきたものを議員個人の活動にも広げるということは、全く必要ないことです。

現状の政務調査費への市民的な批判が強いことや市民の暮らしが厳しいもとで、また、財政が厳しいという理由で、市民にはサービスが削減されているもとで、議員だけが特権的に税金の使い道を温存し、調査研究という枠を外して、一層曖昧にすることに道を開くことについて、市民的な議論もなく、議会の中だけで決めるということは、有権者市民から理解と合意が得られないのではないかと考えます。

我が党市議団は、政務調査費についてもっと厳しく使途を限定し、公費と私費の区別も厳格にすべきだという立場から、今回の条例改正は必要ないものとして反対の立場を表明しておきます。