年金支給額引き下げの中止を求める意見書の提案理由説明

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135◯3番(寺尾 昭君) 登壇者の最後になりました。日本共産党市議団を代表いたしまして、我が党が提出いたしました発議第24号、年金支給額引き下げの中止を求める意見書の提案理由説明を行います。

野田政権は、今後3年から5年かけて年金支給を2.5%引き下げる法案を次期通常国会に提出するとしております。さらに、その後、続けて毎年0.9%程度を引き下げることを検討しているということであります。それだけでなく、さらなる共済年金の給付引き下げと保険料の値上げ、年金支給年齢を現在の65歳から68歳ないし70歳にまで繰り下げる。こういうことを今後の検討課題というふうに言っております。

年金制度は、この30年間、さまざまな改定が行われてきましたが、一貫して、保険料は値上げ、支給額は下げられる。それがこの30年間の歴史であったということも言えます。かつて労働者は、ボーナスからの保険料の引き去りはありませんでした。1994年、1999年、2004年と制度改定の名のもとで、その都度、値上げを決定し、現在もその流れを引き継いでいるということが言えます。

年金はこの先どうなってしまうのか。引退後の第二の人生の保障に足る年金になるのか。国民年金保険料の納入率が今、大幅に下がっている。こういう事態を見るまでもなく、特に若い人たちの年金制度への信頼が大きく揺らいでおり、制度の存続そのものさえ問われかねない深刻な状況になっている。こういうことも言えるわけであります。

自民・公明政権時代の2000年から行われました今回問題になっております、いわゆる年金の2.5%の特例水準の維持でありますけれども、生活第一ということを標榜して政権についた民主党政権が、これを廃止するというのは、公約違反ということも言えるわけであります。

日本経済は、円高と不況のもと一向に回復の兆しが見えておりません。労働者の収入は減り続けております。購買力は低下をしたままということであります。年金生活者にとっては、さらに深刻な状態だということになります。税と社会保障の一体改革と称して、年金制度だけでなく、医療、介護、保育、生活保護まで、社会保障の全面的な改悪ということが今進められようとしております。国民生活が不安にさらされるということであります。

加えて、野田内閣は2010年代半ばまでに消費税を10%にする法案を次期通常国会に提出するということを明言しているわけです。社会保障改悪と増税により、国民の生活は一層低下する。日本経済の復興は一層困難に陥れられることはだれの目にも明らかではないでしょうか。百歩譲っても、今は年金額を引き下げるときではない。このことを強調いたしまして、意見書の提案理由説明といたします。