認定第1号令和6年度静岡市一般会計歳入歳出決算の認定について、認定第8号令和6年度静岡市国民健康保険事業会計歳入歳出決算の認定について、認定第19号令和6年度静岡市下水道事業会計決算の認定について、議案第142号令和7年度静岡市一般会計補正予算(第3号)について反対の討論

◯杉本 護
 日本共産党市議団を代表して、本議会に上程された認定第1号令和6年度静岡市一般会計歳入歳出決算の認定について、認定第8号令和6年度静岡市国民健康保険事業会計歳入歳出決算の認定について、認定第19号令和6年度静岡市下水道事業会計決算の認定について、さらに、議案第142号令和7年度静岡市一般会計補正予算(第3号)について反対の討論を行います。
 令和6年度、2024年度は、難波市長が当初予算を編成した初めての年度であり、予算編成に当たっては市長の思いが込められたものだったと思います。市長の2024年度に向けた施政方針では、静岡市の著しい人口減少に危機感を示し、その要因を分析し、人口減少対策を強調しました。市長の定住人口減少に正面から向き合う考えは、我が日本共産党静岡市議団と一致し、共感するものです。
 しかし、具体的な施策が問題です。2024年度はまさに米騒動の年。米不足に始まり、今ではお米の価格が以前の2倍に高止まり、家計を圧迫しています。また、2021年頃から物価の高騰が始まり、食料品から日用雑貨、電気、ガス、ガソリンなど、あらゆるものが値上がりし、建築資材の高騰はマイホームの夢を打ち砕いています。僅かな賃金アップも物価高騰に追いつかず、実質賃金がマイナスとなり、暮らしを脅かしています。
 このような中で、市民の暮らしを支えるのが自治体の役割ですが、果たしてそうなっていたでしょうか。多くの自治体で始まっている小中学校の給食費の無償化や、18歳までの子供の通院医療費無償化については背を向けてきました。市政変革研究会人口減少対策分科会が行ったアンケートでも、静岡市で子供を産み育てる支援として経済支援を求める声が多かったのではないでしょうか。
 さらに、ただでさえ高過ぎる国民健康保険料を値上げし、子供たちに行き届いた教育を進めるためにも正規の教職員の増員が必要ですが、全く不十分のままです。
 その一方で、海洋文化施設やアリーナなど巨額な予算をつぎ込む大型施設の建設計画は温存し、進めています。海洋文化施設は、物価の高騰で建設・運営費がどこまで膨らむか分かりません。アリーナについては、市が示している経済波及効果や所得誘発額はその根拠が示されず、アリーナを核としたまちづくりでは、地元の方からはいまだに異論が出されています。市長の言う根拠と共感の下に進められているとは言い難い状況です。今、市民が望んでいるのは、大型施設ではなく、日々の生活の支援ではないでしょうか。
 以上の点を指摘した上で、認定3件、補正予算1件の反対理由を述べていきます。
 まず、認定第1号令和6年度静岡市一般会計歳入歳出決算における事業ごとに対する反対の理由を述べていきます。
 第1に、アリーナ整備事業についてです。
 この年度では基本計画策定を完了させ、今年度中には事業者を選定するとして着々と進めています。市長は、このアリーナは箱物ではなく投資だと言っていますが、先ほど述べたように、市が示す経済波及効果や所得誘発額の算定根拠は一切明らかにしていません。これでは最大300億円と言われている大型事業の必要性について市民への説明責任を果たしているとは言えず、共感を得ることはできません。このような形で進めるべきではなく、賛同できません。
 第2に、登録・証明書交付事務事業にあるマイナンバーカード交付事業についてです。
 国は、マイナンバーカードに健康保険証や自動車運転免許証をひもづけ、さらには救急車での搬送時にも利用できるようにするなど、その利便性を高め、保有者の増加に躍起になっていますが、まだ2割の市民が持っていない状況です。マイナンバーカードの利便性を感じていない市民が数多く存在していることの表れです。マイナンバーカードの保有は任意であり、保有促進に税金を使うべきではありません。そもそもマイナンバーカードは、国民の所得、資産、社会保障給付を把握し、国民への徴税強化、給付削減を押しつけることを目的としているもので、この制度を普及させることは認められません。
 第3に、海洋文化施設整備事業についてです。
 もともとは総事業費約242億円から、入館料などの収入約73億円を差し引いた約169億円を債務負担するものでありました。我が党は、この事業が清水のまちの活性化に結びつくのか疑問であることなど、多くの問題点があることから反対してきました。今、建設資材や人件費の高騰でこの構想が大きく崩れてきています。跳ね上がる建設費の対応にSPCとの協議も進んでおらず、15年間の運営費も増額が予想されます。そもそも、この海洋文化施設がなくてはならないものなのか。昨年秋の我が党の市民アンケートでは、必要、要らない、分からない、この3択の回答割合がほぼ拮抗し、市民の理解を得られているとは言い難い結果でした。将来にわたり財政負担を強いられるような大型箱物建設は慎重に検討すべきであり、認められません。
 最後に、自衛官募集業務と国民保護計画についてです。
 ロシアのウクライナ侵略、あるいはイスラエルのガザへのジェノサイドと世界では紛争が絶えません。さらに、日本は敵基地攻撃能力の保有を認め、アメリカの対中国戦力として、日本国内にミサイル配備を進めています。加えて、陸海空自衛隊の実動部隊を一元的に指揮する統合作戦司令部を発足させたことは、事実上、自衛隊が米軍の指揮下に置かれることから、アメリカの戦争に動員される重大な危険があります。このように、日本がアメリカが始めた戦争に巻き込まれていく現実的な危険が迫っている下で、戦場に子供たちを送り込むことになる自衛官募集事務や18歳の子供たちの名簿を自衛隊にシールで提供することはやめるべきです。
 また、国民保護計画は国民保護法の下につくられていますが、これは日本がミサイル攻撃など他国から攻撃を受けた場合を想定した計画です。その中には、緊急事態時には国民の行動を制限したり、個人の家屋の使用を強制的に求めることができるなどとされており、憲法違反の疑いがあり、認められません。
 次に、認定第8号令和6年度静岡市国民健康保険事業会計歳入歳出決算についてです。
 2024年度は、国民健康保険料を1人平均2,000円値上げしましたが、決算を見ると、単年度で黒字となっています。これは2,000円もの値上げは必要なかったことになり、市民に無用な負担をかけた結果となったのではないでしょうか。国民健康保険料は、構造的な問題で他の健康保険と比べても保険料負担が重くなっています。市は、県が示した保険料の統一に向けて今後も引上げていく方針ですが、市民の暮らしは限界です。暮らしを脅かすような負担増はやめるべきです。
 次に、認定第19号令和6年度静岡市下水道事業会計決算についてです。
 下水道の受益者負担金は、都市計画税との二重課税となっています。さらに、土地の下に下水道管が敷かれただけで、下水道を利用していなくても土地を持っていることで徴収されるものとなっていて、受益者負担とも言い難く、認められません。
 最後に、議案第142号令和7年度静岡市一般会計補正予算(第3号)ですが、債務負担行為に東静岡地区ペデストリアンデッキ整備事業費があります。これは、アリーナ建設と一体となった事業であり、認められません。
 以上が個別事業に対する反対の理由です。
 日本共産党静岡市議団は、これまで市政運営に対して、不十分さを感じるものでも、市民生活向上に寄与するものには賛成してきました。しかし、憲法に抵触するもの、平和を脅かすもの、市民の暮らしに多大な影響をもたらすおそれがあるものなどは徹底して反対してきました。これは難波市政でも同様であります。市長の人口減少に正面から向き合う姿勢や根拠と共感に基づく市政運営、安心感がある温かい社会を目指す考えには共感いたします。しかし、アリーナ建設事業に見られるような、根拠を示さないまま強引に進めるような市政運営は、市民の代表として賛同できません。これからも是々非々の立場で、市民が暮らしやすく、住み続けたいと思える静岡市の実現に全力を挙げて奮闘することを表明して、反対討論とします。