国民健康保険、盛土の造成の関係、市営住宅の入居に関する連帯保証人に関わる事項などについて

寺尾 昭 おはようございます。
 コロナ関係についていいますと、いよいよ明日で緊急事態宣言が解除されるということで、この間の関係者の皆さん、そして市民の皆さんの御協力、関係者の皆さんの御努力に改めて感謝を申し上げます。
 ただ、既にですね、第6の波が押し寄せるんじゃないかと、こういうことも言われております。気を緩めず、しっかりとした対策を取っていくということを改めて要望したいと思います。
 それでは、私は今日は、国民健康保険、盛土の造成の関係、そして市営住宅の入居に関する連帯保証人に関わる事項などについて質問をいたします。
 まず、国民健康保険についてでありますけれども、保険者が組合健保や協会けんぽなど、他の健康保険制度の保険料と比べても高いということは、以前より指摘されております。低所得者の加入の比率が高いなどの国保の構造的な問題というのがあって、これが原因になっているということは、共通認識になっているわけです。
 来年度の国保料がどうなるかは、市民にとって大きな関心です。国保料を下げてほしいとの願いを込めた市民の運動が始まっております。
 さて、国民健康保険制度は、平成30年度から都道府県単位化に移行しました。新制度では、国保の財政運営は県が行うことになり、市は国保の財源として県から提示された納付金を納めるという形に改められたわけであります。その納付金を県に納めるための財源として、市は被保険者から保険料を集めるということですが、そのための保険料率を決めるに当たっては、市の国保運営協議会で基金及び繰越金などの活用を含めて保険料を上げるか下げるか、あるいはまた据え置くのかと、こういう議論をしていただいているということであります。
 そこで、質問ですが、令和2年度の基金残高及び繰越金の見込額と決算額は幾らになるのか、まずお伺いしておきたいと思います。
 次は、盛土造成地についてであります。
 昨日も議論があったわけですけれども、7月3日に起きた熱海市の土石流災害については、貴い人命と多大な財産を失い、今なお行方不明者1名が捜索中であるなど、甚大な被害をもたらしました。災害に遭われた方々に改めて御冥福とお見舞いを申し上げます。
 あわせて、このような災害を繰り返さないための対策に、全力を挙げることが被災者への最大の使命であることを確認したいと思います。
 この大災害の要因に、違法な盛土があったことが指摘されております。土採取と併せて盛土が届出で足りるという法整備の問題、つまり許可制でないということですね。あるいはまた、行政の監督、指導が適切であったのかも問われております。県は、今後、届出制から許可制へ条例改正を検討するということを表明しております。
 熱海市の土石流災害を受け市は、7月に市内の盛土造成地の緊急点検を実施したと発表しております。
 そこで、質問ですが、点検箇所の選定方法、調査の内容、そして結果はどのようなものであったのか、お伺いして1回目といたします。

◯保健福祉長寿局長(杉山友章君) 令和2年度の基金残高及び繰越金の見込額と決算額についてですが、まず、令和2年度静岡市国民健康保険運営協議会において提示した決算額の見込額は、基金残高が34億3,000万円、繰越金が9億9,000万円、合計44億2,000万円。
 次に、令和2年度決算における基金残高は34億3,000万円余、繰越金は19億8,000万円余、合計54億1,000万円余です。

◯危機管理統括監(梶山 知君) 点検箇所の選定方法、調査の内容及び結果についてですが、点検箇所は静岡県から調査依頼のありました県土採取等規制条例、都市計画法、宅地造成等規制法及び森林法の4法令に基づく盛土箇所109か所に加え、本市独自に廃棄物処理法、土壌汚染対策法、都市公園法などに基づいて、本市が把握する盛土箇所など、合計203か所を選定いたしました。
 次に、調査の内容ですが、各関係法令の基準に基づく事前の許可、届出内容との整合や盛土部分の崩壊、湧水などの異常の有無であり、職員が目視により現地を調査いたしました。
 これらの点検の結果、直ちに対策が必要となるような盛土はないことを確認いたしました。
 なお、この調査結果につきましては、8月5日、市ホームページや報道機関を通じて、市民の皆さんに公表したところでございます。
  〔寺尾 昭君登壇〕

◯寺尾 昭 今、回答いただきましたが、また後で要望したいと思います。
 先ほどの答弁では、令和2年度の決算における基金残高及び繰越金の合計額は54億円ということでした。昨年度の国保運営協議会では、向こう3年間は約7,000円、その後緩やかになりつつも、引上げが必要とされ、7年後には3割の値上げという見通しを示しております。
 国保料算定を行うに当たって、この54億円を活用すれば、少なくとも来年度の値上げは必要ない、これははっきり言えるんじゃないかと。値下げをしてほしいという思いはありますけれども。県からの交付金や基金、繰越金の活用を踏まえて、今年度の秋から国保運営協議会で保険料率の議論が進められることになりますけれども、県からの交付金の算入、基金や繰越金の活用など、国保運営協議会の資料を今後提供していただきたいと思うわけですが、質問であります。
 基金残高や繰越金をどのように活用して保険料を算定するのか、お伺いいたします。
 次に、盛土造成地について大谷地域の盛土に関わってお伺いいたします。
 先ほどの報告では、大谷地域の盛土も含めて異常なしということであったかと受け止めておりますが、駿河区大谷地域を流れる大正寺沢川の上流で約6,000立米の盛土が行われ、これが土石流となって下流の住宅地域に災害をもたらす危険があるとして、地元住民が訴えたことから、このことが明らかになりました。
 先ほどの答弁では、今、幸いこの箇所においても異常はないということでありますが、地元住民の不安は解消されておりません。一日も早い安全・安心の確保を要望しているわけであります。
 ここに関わる地域は、自治会名で言いますと、北大谷自治会、駿河台自治会、西大谷自治会となります。盛土の事業者はこの土地の所有者である国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構、国の機関であります。農研機構と略して言うわけです。
 これまで事業者が行ってきた事務手続に不備があったことや、住民への周知に対し、説明が不足していたことは否めませんが、問題は住民の安全・安心を確保するために、今後どのような方策を講じていくかということであります。
 これまで農研機構と関係自治会との話合いは持たれてきているということは聞いております。
 そこで、質問ですが、大谷地域のこの盛土について、緊急点検の結果はどうだったのか、もうちょっと詳しく、併せて現在の状況についてどんな状況で推移しているのか、伺います。一日も早く地域の安全・安心が確保できるよう、市として指導、援助を強めていただくことを併せて要望しておきます。
 次に、市営住宅の入居時における連帯保証人としての家賃債務保証会社等の活用について、一言でちょっとややこしい言い方ですが、連帯保証人を省略する、簡略化するということの問題です。衣、食とともに住居の確保は生活の基盤です。親類縁者とも疎遠になり、高齢化や孤立化により、知人にも頼れないとの理由で連帯保証人をつけられず、市営住宅に入居できず、困っている例が少なくありません。まさに喫緊の課題です。
 既に多くの自治体では、様々な方法を講じて連帯保証人に代わる手段を提供する例が増えていると聞きます。民間の賃貸住宅では、保証会社による制度の活用で連帯保証人を省略するということは、以前から行われているわけであります。
 この問題に対して令和2年11月議会におきまして、連帯保証人の確保が難しい方への対応として質問がありまして、入居者が保証料を支払うことで、家賃滞納時の立替え等に関する保証サービスを受けられる家賃債務保証会社等への活用を検討するとの答弁があったということで承知しておりますが、質問をいたします。
 まず第1に、静岡県及び県内他市における家賃債務保証会社等への活用の状況はどんなふうになっているのか、伺います。
 第2は、本市における家賃債務保証会社等の活用の検討状況、そして、実施の見通し、この点について伺って、2回目といたします。

◯保健福祉長寿局長(杉山友章君) 基金残高及び繰越金をどのように活用して保険料率を算定しているのかについてですが、保険料率の算定に当たっては、県から提示された事業費納付金の額や検診事業など、保健事業の実施に必要な経費に対し、県からの交付金など、充当できる財源を控除した残りの不足額から保険料として集めるべき額を算出します。
 そして、この額から保険料率を算定する際に、激変緩和措置として基金及び繰越金を活用し、保険料率を算定します。

◯都市局長(宮原晃樹君) 大谷地区の盛土と市営住宅の連帯保証人に関する質問にお答えします。
 まず、大谷地区の盛土の緊急点検結果と現状についてですが、大谷地区の盛土箇所についても、7月に行った緊急点検箇所の対象地に含まれております。
 対象の盛土は、国立研究開発法人より、所有地の防災工事による発生土置場として、静岡県土採取等規制条例に基づき、土採取等計画届出書が市に提出され、市は規則で定められた技術基準に照らし合わせた上で、受理書を交付しています。
 盛土の状況について、自治会から流出を懸念する声が上がり、届出者は、4月には工事を休止し、安全対策に係る応急措置を行いました。その後の7月の緊急点検では、異常はありませんでした。
 現在、届出者は、計画変更を含めた今後の対応について検討しており、市も加わり、関係する自治会や近隣住民の方と工事再開に向け、調整を行っております。
 次に、市営住宅入居時における連帯保証人としての家賃債務保証会社等の活用についての2つの質問にお答えします。
 初めに、静岡県及び県内他市における家賃債務保証会社等の活用の現状についてですが、現在、静岡県と島田市や袋井市など5市が連帯保証人として家賃債務保証会社等の法人を活用しております。
 次に、活用に向けての検討状況と実施の見通しについてですが、令和2年11月議会における大石議員への答弁のとおり、個人の連帯保証人の確保が難しい方に対しては、家賃債務保証会社等を連帯保証人として活用するため、現在、家賃債務保証会社等の選定方法など、実施手法の具体的な検討を行っております。
 見通しにつきましては、選定要件の整理などを行い、早期の実施を目指しております。
  

◯寺尾 昭 答弁がありましたけれども、答弁に関わって意見・要望を申し上げたいと思います。
 まずは、国民健康保険についてであります。
 国民健康保険料は高いというのは、もはや市民の共通認識と、先ほど言ったとおりであります。減免制度はあるというものの、とりわけ、低所得世帯には国保料が重くのしかかっております。国保加入世帯は低所得者層と言われる高齢者、自営業者、非正規労働者などの割合が高いのが特徴です。
 昨年度の国保運営協議会における資料によりますと、年間所得300万円以下の加入者が87%、200万円以下の加入者は74%、こういう加入の状況です。例えば家族4人の所得200万円の世帯で、年間の国保料は何と27万円から34万円。200万円でですよ、そういう状況です。所得に占める割合は9%から11%、こういう高い比率になっていると。高過ぎて払えないという声ももっともだと思います。
 被保険者を年齢別に見ると、65歳から74歳で46%、75歳以上は後期高齢者医療制度に移っているものですから、75歳以上の年齢層は入っておりませんけれども、そういう状況になります。
 現在、高齢者と言われる方々は、現役世代では高度成長を支え、高齢者を支えてきた方々ということが言えます。現役世代に過分な負担がかかっているというような主張もありますけれども、やがては現役世代も国保の加入者になるということであります。
 就学前の子供の均等割が来年度から軽減されることになりました。このことについては歓迎したいと思います。全く所得のない方に、頭割りとして均等割を課してきたということに対して、これまでも批判がありました。均等割そのものを廃止すべきだと考えますが、当面はさらに就学後の子供にも適用を拡大していくことを要望したいと思います。
 コロナ禍で所得の低い方、特に自営業者は大変苦しんでいるという状況が続いております。繰越金をしっかり活用する、基金を活用して、被保険者の負担軽減を図っていくこと、重要であります。これが先ほど54億円ということでありましたから、ぜひ活用していただきたいと思います。
 収入面では、市として様々な努力をされていることは認めますけれども、抜本策を講じない限り、加入者の負担増は避けられないと思います。全国知事会、市長会、町村会なども、国費の投入を要望しておりますけれども、市長としてもぜひ声を大にして言ってほしいと思います。
 それまでは我慢してくれというのではなくて、その間、ぜひ市としても軽減策を図るために助成をしていってほしいと思います。
 盛土の安全確保についてでありますけれども、県が今度改めて盛土の総点検1,875か所を対象にしたと言っておりますので、ぜひ確実な方法で安全を確認することが必要であるということを強調したいと思います。
 大谷地区の件ですけれども、9月23日の事業者と地元の関係者の話合いでは一定の合意ができたということだと受け止めております。その方法等、詳細については、今後さらに詰めていっていただきたいと。
 市営住宅の連帯保証人、この件についても一日も早く具体化してほしいということを要望いたします。