ジェンダー平等社会について、新型コロナ感染症対策について

それでは、通告に従い質問します。
 大項目1、ジェンダー平等社会について。
 まず、パートナーシップ制度について伺います。
 これは、我が党に来た一通のメールが質問の1つのきっかけとなっています。
 ジェンダー平等社会とは、性差による差別のない社会です。日本はジェンダーギャップ指数が156か国中120位、まさにジェンダー後進国となっています。
 本市が推進しているSDGsは、ジェンダー平等の実現を求めています。
 市長は、2019年2月の議会における施政方針で、性の多様性への理解を深めるために、性的少数者への電話相談や交流の場を設け、LGBTの皆さんに優しい共生のまちづくりを進めていくと表明しています。
 そうした中、さきの国会ではLGBTへの理解増進法案について、自民党内から基本理念に性的指向及び性自認を事由とする差別は許されないとの文言を盛り込むことに異論が出て、国会への提出が見送られました。
 その議論の中で、道徳的に認められない、あるいは種の保存に背くなど、差別発言が相次いだことは大問題だと思います。
 そこでお聞きしたいと思います。
 さきの国会への提出が見送られたLGBTに関する法案をめぐる議論について、市としてどのように考えているのか、お願いします。
 次に、大項目2、新型コロナ感染症対策について伺います。
 まず、ワクチン接種です。
 本市は、当初65歳以上の高齢者を8月中旬まで、市民全体を来年2月末までに接種する予定でした。それを政府の要請で、高齢者は7月末までに早める中、今度は菅首相が党首討論で、11月末までには希望する全ての国民の接種を実現したいと表明し、本市は2月末完了のスケジュールで進めている中、様々なトラブルも発生し、本当に実現できるのか疑問に思い、質問を準備しました。
 総括質問の1日目で、ワクチン接種の質問があり、11月末までの完了を目指して、大規模接種会場の確保、歯科医師への協力要請、8月上旬には新予約システムの導入、接種時間の延長など、様々な対策を行うとの答弁がありましたが、念押しするために改めてお聞きします。
 65歳以上の方を前倒して接種することによる市民全体の接種のスケジュールの変更についてお答えください。
  〔杉本 護君質問席へ移動〕

◯市民局長 LGBTに関する法案をめぐる議論についてですが、新聞報道などによりますと、法案の趣旨は本市が目指す性の多様性を尊重する共生意識を広く浸透させ、誰もがその個性と能力を発揮できる社会の実現と合致するものであり、関心を持って見守っていました。
 本市としては、今後も国の動向を注視するとともに、性の多様性の理解を一層促進させてまいります。

◯保健所統括監 市民全体の接種スケジュールの変更についてですが、早期の集団免疫獲得のためにも、大規模接種会場の確保や接種会場の時間延長など、世代に応じ接種しやすい環境づくりに努め、11月末までの完了を目指します。

◯杉本 護 パートナーシップ制度についての質問を続けます。
 先ほどの答弁で、本市としてもLGBTの皆さんへの差別解消に向けて取り組んでいくことを再度確認しました。
 このパートナーシップ制度とは、同性カップルの関係性を婚姻相当に認める制度です。証明書を発行することで、法的な配偶者のように、生命保険の受け取り、家族としての公営住宅への入居、病院での面会や同意書へのサイン、会社の福利厚生の利用などのサービスが期待されます。
 2019年11月議会で、山梨議員の質問に市長は、パートナーシップ制度の導入に向けて、一歩一歩安心して生活できる都市環境づくりを進める、こう答弁し、市民局長もサービスが利用しやすい環境整備を課題として挙げています。しかし、どちらも非常に抽象的な答弁です。
 そこでお伺いします。
 パートナーシップ制度の導入に向けてどのような環境をつくる必要があると考えているのか、具体的にお願いします。

◯市民局長 本市では、平成30年度に実施した性的少数者に関する調査結果を踏まえ、第3次男女共同参画行動計画の中間見直しを行い、性的少数者施策を新たに組み入れました。
 令和元年度から2年度にかけて、市民対象の啓発講演会や企業向けの実践セミナーなどを開催し、性の多様性の理解促進に取り組むとともに、電話相談や交流会──にじいろカフェを実施し、性的少数者の生きづらさなどの困難解消を図ってまいりました。安心して生活できる環境づくりのためには、行政だけでなく、企業の取組も重要であると考えています。
 そこで、令和3年度は企業に対するヒアリングを実施して、企業向けのガイドラインを作成し、企業等の取組を後押ししていくなど、引き続き環境づくりに努めてまいります。

◯杉本 護 今の答弁ですが、私からしますと何か回りくどいような具体性に欠ける答弁と感じていました。
 私も、パートナーシップ制度は法的拘束力がないため、性的少数者に対する理解を市民や企業に広げていくことは非常に重要だと考えています。
 しかし、本市は、じゃどの程度まで環境整備が整えば、制度が導入できると考えているのか、それは分かりません。既に全国では100を超える自治体が導入し、多くのカップルが利用しています。そうした自治体と本市の環境にはどれだけの差があるんでしょうか。
 そこでお聞きします。
 導入するための環境づくりについて、現在どこまで進んでいると考えているのか、お願いします。

◯市民局長 第3次男女共同参画行動計画の中間見直しにおいて、LGBTなど性的少数者の認知度と性的少数者に対する取組を行っている事業所の割合をモニタリング指標として設定いたしました。令和3年度に2回目の調査を実施し、平成30年度からの数値の動向により、理解促進等の状況を把握してまいります。

◯杉本 護 環境整備の達成度の把握がこれからということですが、私は性的少数者を理解する世論というのは、この1~2年間ぐんと増えていると思っています。
 質問を進めるんですが、市は対象範囲など、利用しやすい制度について広く意見を聞きながら、皆さんと一緒になって検討していくと答弁しています。
 この制度利用を申請することが、自分の性的指向をカミングアウトすることになり、ハードルが高いとの意見もあります。
 既に制度化した浜松市では、対象を事実婚まで広げることによって対応しているようです。
 また、最近では、明石市のように、同性カップルの子供にまで対象を広げるファミリーシップ制度を導入した自治体も生まれ、制度が拡充されてきています。
 そこで質問したいと思います。
 利用しやすい制度とするために、制度の対象範囲についてはどのような検討を行っているのか、お願いします。

◯市民局長 対象範囲については、パートナーシップ制度を既に導入している他の自治体から実態を聞くとともに、令和元年度から実施している性的少数者の交流会──にじいろカフェで、当事者の皆さんから意見を聞くなどして、本市の制度の在り方を検討しております。
 今後も当事者の皆さんが利用しやすい制度とするため、広く情報収集に努めてまいります。

◯杉本 護 検討の中身を答えてくれませんので、どこまで検討が進んでいるのか、あまりよく分かりません。
 本市は、この間の議会で全国一律の制度が望ましいとの答弁もしています。確かにそのほうがどこに転居しても同じように利用することができます。
 しかしながら、今の政府ではなかなか実現が難しいように私は感じています。むしろ、地方から次々と制度を確立させて、国の姿勢を変えていくぐらいの取組が必要ではないでしょうか。そして、本市が制度を導入して市の姿勢を示すことで、市長のいう都市環境づくりも前進すると私は考えます。
 政令市では、既に16市で制定され、本市はジェンダー平等の後進都市となっています。
 そこでお聞きします。
 SDGsを先進的に進めていくことを自認している本市として、まずはパートナーシップ制度を直ちに導入すべきではないでしょうか、お願いします。

◯市民局長 誰ひとり取り残さないというSDGsの理念にのっとり、性的少数者の置かれている困難な状況を解消するため、パートナーシップ制度の導入に向けた環境づくりをより一層進めてまいります。

◯杉本 護 環境づくりにこだわっていれば、どんどん遅れていくんです。
 この制度は、条例を基にする渋谷区型と要綱で運用する世田谷区型がありますが、どちらにするにせよ必要なのは現在制度がないことで、差別的な扱いとなっているLGBTの皆さんの状況を一刻も早く改善することだと思います。改めて制度の実現を求めます。
 次に、静岡市役所における女性職員の管理職登用について伺います。
 ジェンダー平等社会をつくる上で、意思決定の場に女性を登用することは、論をまちません。
 本市も現在、静岡市職員のための子育て・女性活躍支援プランの下、女性管理職の割合を増やす取組を行っています。議会事務局の協力で政令市の令和3年度の女性管理職の状況を調べました。お手元の資料ですが、本市の参与級以上は8.2%で18位、課長級は15.6%で14位、いずれも平均以下となっています。
 そこでお聞きします。
 本市の女性職員の管理職登用の現状についてどのように評価しているんでしょうか、お願いします。

◯総務局長 本市職員は、おおむね50歳代で管理職に登用されています。しかし、50歳代職員における女性の割合が約2割と低く、急激に女性管理職を増やすことが難しいため、第5期静岡市特定事業主行動計画において、女性職員の管理職登用率を令和4年度末までに12.0%以上とする実効性のある目標を定めております。
 近年3か年の登用率の実績としましては、令和元年度11.2%、2年度12.1%、3年度13.2%と、目標を達成しているところでございますが、現状をよしとすることなく、今後も将来を見据えて、優秀な人材を積極的に登用してまいります。

◯杉本 護 今の答弁で管理職を担う50歳代のうち、女性が2割と低いために、急激に女性管理職を増やせないと言っていましたが、そもそも採用が少ないのか、それとも途中で辞めてしまったのか、いずれにしてもこれまでの市の人事政策に問題があったんじゃないかと推察します。
 さて、本市は2019年度に全職員を対象に特定事業主行動計画の策定に向けた各種調査を行い、先ほど述べた支援プラン作成の重要なデータとなっています。この調査で、どのような取組や制度を実施すれば、女性の管理職が増えると思うかとの質問に対して、女性職員の回答は、年次有給休暇や両立支援制度を取得しやすい職場環境づくりや育児休業取得者への実務に係る復帰支援が上位にあります。
 両立支援制度とは、仕事と子育て等の両立支援をいい、男性職員の家事・育児参加の促進がうたわれています。最近、千葉市が2019年度の男性職員の育休の取得率が政令市で断トツの92.3%を達成したことが大きく報道されました。
 その一方で、本市は3.4%、最下位です。総務省から男性が育休を取ることは、多様な人材を生かすマネジメント力の向上や子育てに理解のある職場風土を形成する観点から重要との通知が出ています。男性職員が育休を取りやすい職場環境をつくることが女性職員にとっても、仕事と子育ての両立ができる職場環境につながると思います。
 そして、育休取得率を改善するには、なぜ低いのか、その原因をしっかりと把握することが必要であると思います。
 そこでお聞きします。
 男性職員の育児休業取得率が低い原因とその対策をどのように考えているのか、お願いします。

◯総務局長 男性職員の育児休業取得率が低い原因についてですが、令和元年度の職員意識調査から、主に職員の制度の理解不足と育児休業を取得しにくいと感じる職場環境にあると考えております。
 この対策として、令和2年度、子供が生まれる職員と所属長が制度や育児と仕事の両立についての理解を深める場として、休業前の育児フォロー面談を導入するとともに、育児休業を取得した男性職員の体験談を全庁に発信し、男性職員も育児休業を取得しやすいと思える職場風土づくりに取り組みました。
 その結果、男性職員の育児休業者数は、令和2年度は30人となり、令和元年度の6人と比較し、大幅に増加しております。

◯杉本 護 千葉市では、育児休業を取らない理由を聞くことで男性の育休が驚異的に伸びたと言われています。本市の育児フォロー面談も同じような効果を得ているように感じます。
 今後も育休を取ってもらう、そういった立場で面談を進めていただきたいと思います。
 さらに、本市の調査では、育休が十分に取れない理由に、男性職員は職場に迷惑がかかる、女性職員は職場が育休を取りにくい雰囲気、そういう回答が上位にあります。取得しにくいと感じる職場環境とは、人員不足から来ているのではないかと思います。
 そこでお聞きします。
 育児休業を取得する職員の代替職員の配置はどうなっているのか、お願いします。

◯総務局長 本市では、1か月以上の育児休業を取得する職員がいる職場に対しては、正規職員または会計年度任用職員を代替職員として配置しております。

◯杉本 護 調査では、男性の育休の場合、1か月未満の回答が48%、約半数です。ジェンダー平等からも、より長期間の育休で育児に関われるよう取り組んでいただきたいと思います。
 もう1点、女性の管理職が増える取組として、育児休業取得者への実務に係る復帰支援が挙げられていますが、この回答からは長期間職場を離れることへの不安を感じ取れます。
 そこでお聞きします。
 育児休業取得者の職場復帰に対する支援はどうなっているのか、お願いします。

◯総務局長 これまでも職場復帰への不安を解消するため、育児休業中に多様な働き方や制度を共有する、育児休業取得者と先輩職員との情報交換会の開催や、復帰後には最新の実務をサポートする行政実務研修を実施してまいりました。
 さらに、令和2年度からは、職員一人一人に寄り添った支援を強化するため、育児休業中に所属長が月1回、職場の現況について情報提供を行い、また復帰時には今後の働き方や仕事の進め方について話し合う育児フォロー面談を実施することで、職員のスムーズな職場復帰につなげております。

◯杉本 護 令和2年度から支援策を強化したということですから、今後その効果を期待したいと思います。
 さて、今回市の各種調査を基に質問してきました。調査の一部しか紹介していませんが、調査の結果から、ぎりぎりの職員配置により、長時間労働が常態化していることが女性職員の管理職登用を妨げている大きな原因になっていると、私は考えます。
 1つは、身近な管理職の働き方を見る中で、女性職員の昇任意欲がそがれていること、さらに男性職員は育休取得で周囲に迷惑がかかることから、取得率が低く、仕事と子育てを両立できない職場環境になっていること、これらが女性管理職の少なさにつながっているのではないかと思います。
 そこでお聞きします。
 意欲のある女性職員を育成し、市民サービス向上につなげるためにも、ゆとりのある職場が必要であり、市全体として正規職員を増やす必要があると考えますが、いかがでしょうか。

◯総務局長 現在本市では、第2次静岡市職員適正配置計画に基づき、職員の適正配置を実施しております。この計画は、職員の効果的、効率的な配置を目的としたものであり、例えば新たな行政需要等に対しては必要な職員を確保するほか、局内や局間においても適宜配置を調整するなど、柔軟に対応しているところでございます。
 今後も引き続き、職員の適正配置に取り組んでまいります。

◯杉本 護 女性職員の管理職を増やすことは、市の施策を豊かにして、必ず市民サービスの向上につながるものと私は確信しています。
 そのためには、男性職員の意識改革も重要な課題です。その突破口が男性職員の育休取得率の大幅改善ではないでしょうか。静岡市職員のための子育て・女性活躍支援プランの確実な遂行をお願いし、また女性職員が活躍しやすい環境づくりの大本の対策として、やはり市の職員の増員を改めて求めたいと思います。
 次に、ワクチン接種についてです。
 先ほどの答弁で11月末の完了を目指すということでしたが、具体的な工程を示すことが必要と思います。本市は、県内でも接種が遅れていますので、最大限の努力をお願いしたいと思います。
 次に、ワクチンの優先接種についてですが、我が党に介護職の人から、お年寄りとの接触が多いため、優先接種できないかと要望が来ています。また、保育園や幼稚園の関係者からも、市に対して優先接種の要望が出されています。総括質問の1日目で一定の回答があったと認識していますが、改めてお聞きします。
 64歳以下の方の優先接種をどう考えているのか、お願いします。

◯保健所統括監 現在は、高齢者施設従事者のうち、入所施設の従事者については、入所者と併せて接種を実施しているところです。今後は国の示す優先接種の対象者のほか、介護施設の従事者、障害福祉施設の従事者、保育教諭や教員等を優先接種の対象に加え、対応を進めてまいります。

◯杉本 護 早期に具体化することをぜひお願いしたいと思います。
 今回、予約システムの問題では、静岡市静岡医師会が市の制度では混乱が生じることを予見して、4月の時点で混乱を抑える方法を求めており、1回目と2回目の接種を同時予約することや、あるいは第2弾の予約対象を80歳から84歳に絞ることなどを要望したということですが、聞き入れられなかったと報道されています。
 現場の意見を聞かなかったとすれば、市の姿勢には大きな問題があると考えます。
 そこでお聞きします。
 ワクチン接種の実施に当たって、医師会との連携はどうなっているのか、お願いします。

◯保健所統括監 これまでもワクチン接種の実施方法や医療従事者の確保等について、医師会との協議を重ね、連携して実施してきました。今後も引き続き連携を密にして、円滑な接種体制を確保していきます。

◯杉本 護 連携していたら、あのような報道はなかったんじゃないでしょうか。いいかげんなこと言わないでくださいよ、本当に。しっかりと連携して、信頼関係をつくっていただきたいと思います。
 市の予定したスケジュールどおりに進めていくには、混乱を招いた予約システムの改善が必要です。
 当市のウェブ予約システムは、入力画面が分かりづらく、またらくちんタクシーサポートともつながっていない、大変不親切なものでした。新しいシステムでは、一定の改善が見られています。それは私も分かっています。
 しかし、再開初日に4時間待ちという画面が出て、本当にうんざりしました、そういう声も聞かれました。8月には新しいシステムを導入するということですが、今後64歳以下の予約は7月から始まります。そうした中でスタート直後の混乱など、一定の不安がどうしても残ります。
 そこでお聞きします。
 ワクチン接種の予約に当たっては、ウェブ予約システムの使い勝手の悪さをどのように解決していこうと考えているのか、お願いします。

◯保健所統括監 ウェブ予約システムにつきましては、随時改修をしてきたところです。
 今後、市民の皆さんがより使いやすくなるよう、新たなシステムを導入してまいります。

◯杉本 護 私、7月の混乱を心配して聞いているのに、何ら回答になっていないじゃないですか。それは、まあいいや。
 多くの市民がワクチン接種を待ち望んでいるんです。きちっと予約ができて安心できるように、迅速な対応をぜひお願いしたいと思います。
 また、副反応への不安に応えるためにも、情報を早く、的確に発信していただくことも必要と考えています。
 次に、検査についてです。
 緊急事態宣言が解除された東京では、リバウンドが懸念され、まさに今リバウンド中だと思います。本市もクラスター発生が止まっていません。感染力の強いデルタ株の拡大も心配です。ワクチン接種による集団免疫は、まだ先のことです。こうした状況の下では、大規模なPCR検査で陽性者を早期に発見し、保護、治療する、これが命を守る取組だと、私は思います。
 そこでお聞きします。
 変異株が猛威を振るい始めている今、高齢者施設、医療機関、障害福祉施設、学校や保育園などの職員や利用者への頻回、定期的な検査が必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。

◯保健衛生医療統括監 高齢者施設、医療機関、障害福祉施設、学校、保育園などの職員や利用者などへの頻回、定期的な検査についてですが、これらの施設はクラスターになるリスクが高いことから、これまでも陽性者が判明した場合には、濃厚接触者だけでなく、接触の可能性のある方を広く対象者として検査しています。
 今後も引き続き早期発見及び早期介入を図るため、濃厚接触者の特定や検査を速やかに実施していきます。
 なお、高齢者施設及び障害福祉施設については、厚生労働省が抗原簡易キットの配布事業を進めています。

◯杉本 護 陽性者が出てからの検査では、迅速といっても、やはりタイムラグがあります。ワクチン接種が行き届いていない今は、無症状の感染者を早期に発見して、感染拡大を防ぐには、やはり私は大規模検査しかないと思います。人の命を救う取組として、ぜひもう一度考えていただきたいと思います。
 次に、事業者の経営支援についてお伺いします。
 新型コロナの感染拡大が止まらない中で、事業者の経営は既に崖っ縁です。事業者への支援としては、6月議会の補正で観光や宿泊を促す支援策やモバイル決済、キャッシュレス決済に対応した商店などでの消費喚起策があり、また感染予防策としては、予備費を使った、県の安全・安心認証飲食店への5万円の奨励金などがあります。
 しかし、新型コロナの影響を受けながら、市の支援策の網にかかっていない業者も多数残されていると思います。
 そこでお聞きします。
 6月補正での市の支援策では、対象となっていない業種や事業者があると思いますが、これらの事業者への対策をどう考えているのか、お願いします。

◯経済局長 6月補正予算では、業種を問わず、中小事業者のBCP策定による業務継続強化に向けた支援とともに、消費喚起を通じた様々な事業者への支援に取り組んでいくよう考えております。
 これに加えて、従前からの資金繰り支援や経営相談についても継続して行っており、これらを通じて今後も幅広く事業者の支援に努めてまいります。

◯杉本 護 今の答弁ですが、融資と相談では、一般的な経営支援策の域を出ていないと思います。
 また、BCPというのは自然災害やテロ、感染症に備えて平時や緊急時に行う事業継続計画をいいますが、家族経営のような小規模事業者、一人親方などには、どれだけ有効でしょうか。借入れも返す当てがなければ、皆さんちゅうちょしています。今求められているのは、コロナ禍での支援です。2月の補正で飲食店を対象に10万円の直接支援を行ったことは、私は歓迎していますが、やはりこのときもなぜ飲食店ばかりと、経営の苦しい業者の方からの不満の声も聞こえました。
 新型コロナの感染が収まらない中で、事業者への支援は全く不十分です。本来は国がもう一度、持続化給付金や家賃支援給付金などを行うべきと考えていますが、今それが行われていません。
 そうしたことを考えたときに、国の対策が不十分だからこそ本市はもう少し頑張ろうという思いを込めた支援を行う必要があるのではないかと思います。
 そこでお聞きします。
 人の移動自粛を求めている現在の状況では、まずは現金給付のような直接支援しかないと思いますが、市はどのように考えているのか、お願いします。

◯経済局長 事業者支援に当たっては、新型コロナウイルスの感染状況やワクチン接種の進展等を踏まえ、業界や事業者のそれぞれの状況、またはニーズに応じた効果的な支援を行うことが重要であると考えております。このため、現時点では現金給付のような直接支援を実施することは考えておりません。

◯杉本 護 最後に言いたいのは、やはり今の実態、コロナ禍という状況の中での支援をお願いしたいと思います。通常の状況であれば、皆さん頑張りますから、そのことをもう一度考えていただくことをお願いして終わります。