市長の政治姿勢について 

◯37番(内田隆典君) 皆様おはようございます。通告に従いまして、質問させていただきます。
 大項目が、田辺市長の政治姿勢についてということであります。
 4月7日投開票で行われました市長選挙で、田辺市長は3回目の当選を果たしました。結果は、誰が見ても市長にとって厳しい内容だと思います。選挙では2期8年の田辺市政に対する評価が問われました。中でも、清水庁舎の移転計画、それに伴う桜ヶ丘病院の建設計画が清水地域で大きな争点となっていました。市長が、市民が指摘してきた3.11東日本大震災の教訓を生かした行政運営に徹するべきとの指摘に対し、耳を貸そうとしない傲慢な市政運営を続けてきました。その結果、三つ巴の選挙戦の中で、市長は過半数の得票を得ることができなかったわけであります。厳しい選挙戦を振り返って、市長は結果をどのように受けとめているのか、まず伺っておきたいと思います。
 2点目は、若年層への対応について伺いたいと思います。
 今回の一斉地方選挙から、18歳の若者も選挙にかかわることになりました。これまで言われてきた若い人たちの政治離れ、関心をあまり示さないと言われてきましたが、今回の選挙では、年代別の投票率がどうであったのか、お聞きしたいと思います。あわせて、若年層への投票率向上に向けた取り組みについて、選管としてどう取り組みをしてきたのか、伺っておきたいと思います。
 清水庁舎の移転計画についてであります。
 私は、この間、毎回本会議で清水庁舎の移転計画について質問をしてきました。なかなか議論がかみ合わないわけでありますけれども、先ほど選挙結果について少し触れましたが、中でも清水区の選挙結果は、市長と市長の行政運営に問題があると指摘して選挙を戦った候補の得票のほうが多かったという結果です。市長は、丁寧な説明を行うと言うだけで、何も具体的な対応をしてこなかったと私は思います。建設ありきで問題があります。2月議会でも関連予算を成立させ、粛々と事業が進められております。
 そこで伺いますが、事業選定委員会の進捗状況と今後のスケジュールについて伺いたいと思います。
 2点目は、静岡新聞における出口調査の結果が、この間報道されました。清水庁舎の移転建てかえについて聞いたところ、清水区では、移転建てかえに賛成27.8%だったのに対して、反対意見は50.7%。静岡市全体でも建てかえに賛成が27.9%だったのに対し、反対意見は42%に上ったと報じられました。この結果を見ても、現時点でも市民の皆さんは、建設計画に対し理解をしていないということがはっきりしています。市長は、丁寧な説明をしてきたと言っておりますけれども、こうした結果を受け、今後具体的にどのように説明責任を果たそうとしているのか、伺いたいと思います。
 サッカー場建設について伺います。
 選挙戦の中で、サッカー場建設ということが出てきました。私には、選挙戦が厳しさを増す中での、サッカー場建設提案かと映りました。マニフェスト2019において、新スタジアムの建設を目指し、構想づくりに着手するとありますが、いつどのような判断で建設計画を打ち出したのか、伺います。
 2点目は、建設候補地についてであります。
 市民の皆さんの中には、清水駅東口にあります、以前建設計画が話題になりましたLNG建設予定地という話も出ております。市長はサッカー場建設を想定したときに、候補地をどこに想定しているのか、伺いたいと思います。

6◯市長(田辺信宏君) 私からは、大項目、市長の政治姿勢についてのうち、市長選の結果についてどのように受けとめているかについてお答えします。
 私は、今回の選挙期間中、市内各所で行った街頭演説会などにおいて、これまでの2期8年間の実績や、今後進めていく取り組みなどを訴えるとともに、遊説中には、市民の皆さん一人一人の市政に対する御意見をみずから伺っていく、「聴く遊説」を行ってきました。選挙結果としては、3期目を任せていただくこととなりましたが、この「聴く遊説」を通して大きな課題にも気づきました。それは、これまで自分では市民目線に立ち現地現場主義の方針のもと、目指すまちづくりについて伝えてきたつもりでありましたが、それが市民の皆さんには十分に伝わってなかったという気づきであります。
 したがって、この課題を真摯に受けとめ、これからの市政運営においては、特に情報発信力の強化を念頭に、市民の皆さんに対してより一層わかりやすく伝えることを意識して取り組んでまいりたいと思います。
 以下は、局長及び統括官に答弁させます。

7◯選挙管理委員会事務局長(天野浩明君) 選挙についての2点の御質問にお答えします。
 本年4月7日に執行された市長選挙の若年層の投票率についてですが、まず、市全体の投票率は48.76%でした。これに対し10代の投票率は29.1%、20代の投票率は25.1%でした。これは市内185投票所のうち、122カ所の比較的大規模な投票所に導入している当日投票システムのデータを集計した結果です。
 なお、この集計によりますと、投票率は20代が最も低く、年代が上がるにつれて上昇し、70代の67.1%が最も高くなっております。
 次に、若年層への投票率向上の取り組みについてですが、まず今回の選挙では、若者を中心に親近感のある広瀬アリスさんをメインキャラクターに起用し、テレビやラジオCMなど、メディアを活用した選挙時啓発を実施いたしました。また、若者の利用率が高いインスタグラムやツイッター等へのウェブ広告、ユーチューブへの動画広告の掲載、コンビニのレジ広告及び自動車学校でのPRを実施いたしました。さらに、一票の大切さを身をもって実感してもらう高校生の選挙事務従事を実施し、市内7校、156人の生徒が投票所で従事いたしました。
 このほかに、高校での主権者教育の副教材として活用してもらうために、選挙啓発用パンフレットを作成しております。平成30年度は、静岡市立高校の生徒とタイアップし、高校生目線で編集したパンフレットを1万4,000部作成して、市内全ての高校に配布いたしました。今後も若年層への積極的な呼びかけを行ってまいります。

8◯公共資産統括監(吉井博昭君) 事業者選定委員会の進捗状況についてですが、PFI事業者を選定するために組織する事業者選定委員会は、建築、まちづくり、防災、財務に関するそれぞれの専門分野に精通する有識者と市職員からなる5名で構成する予定です。当該委員会は、事業者の選定方式や選定基準、最優秀提案者の選定等に関し審議していただく市の附属機関であり、現在設置に向けて準備を進めているところです。
 今後のスケジュールについては、7月末に第1回目の委員会を開催し、3月までに全5回の委員会を予定しております。
 次に、今後はどのように説明していくのかについてですが、当該出口調査の結果、清水庁舎移転に反対する方が一定数いたことは、新清水庁舎に関するさまざまな情報について、市民の皆さんへの発信が十分ではなかったことが1つの要因ではないかと考えております。
 そこで、今後は清水区のまちづくりや防災の拠点として、新清水庁舎が機能を一層充実させることについて、広報紙の7月号から9月号までの連続掲載、新設するホームページでの詳細な情報紹介、SNSを用い双方向でコミュニケーションを図るなど、広報媒体を積極的に活用し、幅広い市民の皆さんに届くよう、丁寧でわかりやすい説明と、きめ細かな情報発信を繰り返し行ってまいります。

9◯企画局長(前田誠彦君) 新スタジアム建設の計画判断と建設候補地の考え方についてですが、新たなスタジアムの建設について、市民の皆さんからの期待の声があることは承知しております。また、スタジアムのような大規模集客施設の整備は、にぎわいの創出や地域経済の活性化につながるものと考えます。
 しかしながら、現時点では3次総にスタジアム整備の位置づけはありませんので、まずはさまざまな観点からの検討、協議を重ね、市の大きなまちづくりの方向性と整合を図って構想づくりを進めてまいります。
  〔37番内田隆典君登壇〕

10◯37番(内田隆典君) 市長の政治姿勢ということで、市長からも答弁をいただきましたけれども、2期8年の実績、課題について、情報が十分に発信されていなかったということで、1つはそういうことだと思います。同時に出口調査の結果、広報等での発信等が十分ではなかったと言われましたけれども、市長も含めて認識が甘い。出口調査の結果が一定数意見があったという認識なんですが、一定数じゃない。清水区でいえば、過半数の人たちが問題があるっていう指摘なんです。一定数なんていう認識だから、今まで説明責任を果たしていると言いながら、何ら市民には理解されていないと私は思っているんです。そこの認識が甘い。
 清水庁舎の問題で質問しますけれども、1点目は、私、指摘を繰り返ししてきましたけれども、自治基本条例の観点に立って市政を運営すべきじゃないかということを、去年の11月議会とことしの2月議会でも質問をいたしました。
 この点について、11月議会では企画局長は、「静岡市の自治基本条例は市民主体のまちづくりを基本理念に、市民の市政への参画権や市民意見の聴取、市民からの提案等について規定している。この自治基本条例は、本市における法体系の最上位に位置される条例であり、まちづくりに対する基本的な考え方を規定したものであることから、重要な政策の決定や計画策定の際には市民の皆さんから意見を聴取し、その施策に反映するよう努めております」と言っておられますが、私はそうなのかなと疑問を持っています。これが11月議会の答弁であります。
 2月議会では、公共資産統括監は、「新清水庁舎の建設に係る基本構想、基本計画の際には、パブリックコメントのほか、市民を対象としたアンケートやワークショップ、市民委員を含めた検討委員会などを実施し、いただいた御意見については十分検討を行った。検討を行った結果、例えば、パブリックコメントに寄せられた障害のある方の働く場所の提供に関することや、来庁者用駐車場の土日開放に関することなど、施策をよりよくする御意見については、積極的に計画に反映する」と答えています。
 確かに、静岡市の憲法と位置づけているわけですから、私はこれに沿った行政運営をしなければならないと言っています。「やったやった」と言っているが、私にしてみれば、そうではないと考えております。確かに土日の駐車場の開放問題や障害者の皆さんへの対応は重要な問題です。問題は、施策をよりよくする意見については、積極的に取り入れると言いながら、今回の庁舎の移転計画について、市民が問題意識を持っているという意見について、取り入れようとしないところに問題があるのではないかと思っております。
 庁舎の問題や桜ヶ丘病院の移転計画の2つの問題について、基本構想や基本計画の段階で、確かに検討委員会を5回、6回とやりました。この中で多かった意見は、やはり津波浸水想定区域に建てていいのかどうかが一番多かったわけです。そういう点で、いろんな形で意見を積極的に受け入れると言いながら、一番多かった意見は何ら反映をしないという、ここが問題だと私は思っています。だから、静岡市が憲法と位置づける基本条例に沿った形での行政運営をすべきじゃないか。「やったやった」と言うけれども、私はやっていないと思っているんです。改めて見解を伺いたいと思います。
 2点目は、出口調査の結果を受けてでありますけれども、市民説明会を開くべきだと、改めて求めるわけであります。この間当局は、パブリックコメントで出た不安や懸念に対して十分に検討を行い、それぞれに対して市の方針や考え方を広くホームページや市政情報コーナーで公開している。だから十分だと説明を繰り返しています。今の答弁でも、広報紙の7月号から9月号に連続掲載、ホームページやSNSで情報をこれから発信していきますよということを示されました。
 しかし、直近の市長選挙の結果は、清水区で見てみると、移転建てかえ反対という意見が50.7%。市長も選挙後の記者会見の中で、丁寧に説明する必要性を感じていると発言しております。だとすると、広報やSNSやホームページだけでなく、きちんと市民説明会を開催すべきだと考えますけれども、改めて考え方を伺いたいと思います。
 それから、3点目ですけれども、出口調査の結果を受けて、改めて庁舎の移転計画を見直すべきではないかと聞きたいわけでありますけれども、先ほど、今後のスケジュールの説明がありました。これから5回の選定委員会を開いてやっていく。庁舎の完成から逆算しますと、9月議会か、11月議会に、この建設のための予算を上程せざるを得ない。年が明けた2月議会には、建設業者を決定し6月から施工とならなければ今のスケジュールから間に合わないと思います。改めてここで私は聞きたいわけです。今日の段階でも、まだまだこの計画に市民の皆さんは、十分な理解を示されていない。一定程度という理解では困ると思います。仮に建設するとなれば、50年、60年、70年と長きに渡って利用する施設になるわけですから、慎重に対応しなければならない。確かに、行政が提案する事業に対し、80%、90%、100%賛成を得るのはなかなか難しい。それはもう無理に近い数値かもしれませんけれども、半分の人たちが直近の選挙でうまくないんじゃないかと言っているわけですから、私は慎重に対応すべきだと思っているわけです。そういう点で、改めて当局の考え方、見直しを含めて検討すべきではないかと思いますけれども、見解を伺いたいと思います。
 サッカー場建設についてです。
 漠然とした答弁だったんですけども、スタジアムをつくるとなると、エコパを見ても、292億円とか、仮に300億円近いお金がかかるわけです。そういう点ではなかなか、行政がやると言っても、一手に引き受けられないと思いますけれども、スタジアムの建設に市はこれからどのような形でかかわっていくのか。
 2点目は、今後のスケジュールを含めてどのように考えているのか、伺いたいと思います。

11◯企画局長(前田誠彦君) まず、自治基本条例に沿った市政運営をするべきでないかについてですが、平成30年11月定例会にて答弁したとおり、重要な政策や計画策定の際には、市民意見を聴取し、施策への意見の反映に努めており、条例に基づいた市政運営を行っていると考えております。
 次に、新スタジアムの建設にどのようにかかわっていくのかと、今後のスケジュールについてでございますが、1回目の答弁で申し上げましたスタジアム構想を検討していく中で、本市のかかわり方やスケジュールなども考えていく必要があると認識しております。
 また、事業の実施主体や運営手法、建設費の財源確保、候補地の選定条件の設定などの課題についても整理していく必要があるものと考えております。

12◯公共資産統括監(吉井博昭君) 新清水庁舎の建設に関し、市民説明会を開催すべきではないかと、庁舎移転計画を見直すべきではないかの、2点について一括して答弁させていただきます。
 新清水庁舎の建設に関しましては、有識者や市民委員で組織する新清水庁舎建設検討委員会において議論を重ね、平成29年度に新清水庁舎建設基本構想、30年度に新清水庁舎建設基本計画を策定し、公表しております。
 また、これまでタウンミーティングを開催してきたほか、基本構想、基本計画策定時には、合計2,533件の意見が寄せられたパブリックコメントの実施や、さらに市民2,000人を対象に行った市民アンケートや、幅広い世代の方が参加したワークショップ、障害者、高齢者、子育て支援などの多様な団体からのヒアリングを計4回開催するなど、多くの市民の意見を聴取した上で、その結果を反映しながら進めてまいりました。
 そのため、出口調査の結果を受け、改めて市民説明会の開催や、庁舎移転の計画の見直しの予定はございません。
  〔37番内田隆典君登壇〕

13◯37番(内田隆典君) あなた方は、「説明会をやった」、「広報で知らせるから」と言っているけれども、市長、今までやっているようなことをやろうとしているんですよ、そう思いませんか。だから、今は何百回、何千回やったというけれども、4月7日の有権者の意向は、それでもやっぱり半数の方々が問題があると指摘しているんです。基本条例に基づいてやっていますなんて平気で言っているけれども、冗談じゃないって。2月のときに、静岡市自治基本条例の解説書を読み上げましたけれども、第21条では市民意見の聴取、いわゆるパブリックコメントをやりなさいと。市民生活に重大な影響を与えると思われるときには、市民の意見を聴取するだけでなく、市の実施機関だけで決めるなと言っているわけです。そうしますと、今は無視を続けて、実施機関が決めたことは一歩も譲らないというように私には映るわけです。解説書では、実施機関が聴きっぱなしにしたのでは何の意味もないと、ここまで言っているわけです。
 こんな行政運営をしているから、市長、4月7日の段階でも、清水区でいえば50.7%の方々が理解を示さないと私は思いますよ。田辺市長が説明会をやって、この数字がだんだんだんだん50%から40%、30%と縮まっていったら、市民の皆さんは少しずつ理解していると私も思いますが、半数の人がいまだ理解していない。「やっている、やっている」と言うけれども、自治基本条例の立場に立ってやっていないからこういうことになるんです。
 それから、出口調査の問題で、私は市民説明会を開催すべきだと質問しましたが、基本構想、基本計画、タウンミーティング等やってきたと。しかしいまだに理解を得られていないんじゃないかというのが私の見解です。
 市長は、5月28日の定例記者会見の中で、記者さんの質問に対して、予算も議会で認めていただいているので前に進むしかない。前に進むために丁寧な説明をしていきたいと。確かに議会で関連予算が2月議会に出され、これからどうなるかわかりませんけれども、議決されたっていうのはわかります。議会で議決されたけれども、そこに生活する地域の人たちは、いまだに5割近い人たちが「いいんですか」と 津波浸水想定区域にこういう重要施設を建てていいのかという疑問を持っているわけです。議会が議決したからもう前に進むしかないなんていうそんな言い方をされたら困る。私はいろいろありますけれども、市長は、議会で議決され、もう前に進むしかない、スケジュール通りにやっていくと。なぜ説明会をやるか。やっぱり市長が提案して、この場所で最終的には決めたんですから。だとすると、市民の皆さんから説明会を開いてくださいと、会ってくださいという要望があれば、胸を張って説明すべきなんです。私に言わせると、市長は逃げ回っていて、自信がないとしか見えません。市長はどう思っているかわからないけれども。情けない。市民の前に出て行って、こうだと説明してください。説明してもらいたい。