H29.2月議会 反対討論

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 私は、日本共産党市議会議員団を代表し、今定例会に上程されている議案、第19号、29号、32号、35号、46号、50号、67号、77号、79号の9件の議案に対し、反対討論を行います。

まず最初に、2017年度国家予算案の特徴に触れておきます。1点目にアベノミクスと消費税頼みの行き詰まりと破綻がいっそう明確になり、財政運営上も表面化してきたこと。2点目に苦しい財政状況でも戦争する国づくりのために、大軍拡が進められ、軍事費は5年連続増加し5兆円を超えている事。3点目にそのつけ回しにより、社会保障をはじめ、国民生活向けの予算が削られていることです。高齢者医療費や介護利用料の自己負担限度額の引き上げなど高齢者には冷たい姿勢です。また、文教予算、中小企業対策費も軒なみ減額となっています。

 

このような国政のもと、田辺市政も国と同様の路線を走り続け、市民への負担増、サービス削減が進められています。

田辺市長の施政方針について、一言述べさせていただきます。

突如として示された5大構想ですが、すべてが箱ものづくり、都心づくりに費やされています。世界に存在感を示す都心づくりと位置付けていますが、人口は減少傾向、少子高齢化に歯止めが効かず、70万人をきる寸前まで来ています。先日も、テレビ放映で、人口減少が著しい政令市と紹介されています。このような状況で、世界水準の静岡市づくりと言及するのは、いささかおこがましい気がします。

昨年の施政方針は70万人口維持でしたが、今回は人口減少の抑制へと微妙に言い回しが変化しています。人口減少を前提としたアセットマネジメント方針で、公共施設統廃合・民営化を推進し、公共施設を、一律20%総床面積を削減する方針は市民意見を聞かずに押し付け、乱暴なやり方です。

特に指摘したいのは、5大構想を主張する反面、暮らしにあえぐ市民の暮らしを思いやる視点に欠けていることです。わが党が、昨年秋実施した全世帯むけ、市民アンケートには、2300通を超える回答が寄せられ、現在の暮らしは、「以前とくらべて苦しくなった」が約6割、市政に対して「不満・大いに不満」は、7割に及んでいます。

市政に要望したいことは、税金の引き下げ・減免制度の充実、浜岡原発の永久停止・廃炉、国保料・介護保険料の引き下げ、医療費の軽減、公共料金の引き下げなど、市民の願いは暮らしを大元から支える市政を望んでいることが分かります。

引き続き住み続けられる静岡市政を求め、暮らし応援の施策充実を望んでいる市民の声に謙虚に耳を傾け、実効ある施策に取りくむべきです。

 

では、H29年度一般会計・特別会計予算について、反対の理由を述べていきます。

まず、第一の理由は、アセットマネジメントによる公共施設削減方針のもと、市営住宅の廃止を前提にした跡地活用検討事業です。人口減少を理由に公共施設の統廃合、民営化、廃止などで総床面積20%もの削減を決め、3地域の団地が廃止され、アセットが本格始動されます。市営住宅は需要が高く、福祉の観点からも廃止・削減すべきではありません。県営住宅は計画的に建て替えし、入居者に喜ばれています。また、アセットとセットで、民間活力導入方針により、北部学校給食センターの建て替え整備がPFIにより建設されます。学校給食は教育の一環であり、企業に丸投げはふさわしくありません。

 

 第2の理由は、小中一貫教育準備事業です。H34年度に、全小・中学校の小中一貫教育開始を目指していますが、いまだに父母、地域住民からは、不安、疑問の声が絶えません。学校は地域のコミュ二テイの核です。全国の事例から、メリット・デメリットを検証し、地域住民、父母、教職員参加のもと徹底した議論をすべきです。強行的に進め、子どもたちを置き去りにすべきではありません。

 

第3の理由は、新清水庁舎あり方検討事業です。庁舎移転ありきで、移転前提で結論を決め、市民的議論なく、上からの押し付けです。庁舎を駅前に移転させ跡地に病院を持ってくる構想は、トップダウンで決め、住民の意見を聞いてはいません。  

庁舎については改修か、移転か、その場で建て替えか、いろんな選択肢がありますが、跡地に病院を移転させれば、庁舎は駅前への移転しか選択肢がなくなります。庁舎は区の顔として街づくりの根幹となる施設です。徹底した市民議論を経るべきですが、庁舎移転前提では、機能・規模・内容の議論しかできなくなります。

先日、市長が桜ヶ丘病院の庁舎への移転を発表しましたが、本会議で予算議決前の段階で唐突に発表したことは、市民・議会軽視とも言えます。撤回すべきです。

 

第4の理由は、市民の立場に立って国民健康保険料を引き下げない事です。わが党は、国保料引き下げの条例改正提案、予算組み換えの修正動議を提出しました。その理由はいまだに国保料が暮らしに重い負担となっている事、国保財政には充分なゆとりがあること、H30年度の県単位化の前に、市の裁量で国保料引き下げを決定すべきという理由からです。暮らしが厳しいと訴える市民の立場に立ち、負担軽減を可能な限り、追及すべきです。

 

第5の理由は、マイナンバー制度に関連する事業です。個人情報の一元管理のもと、情報漏えい、成りすましによる不正使用などの危険があり、一旦漏えいすれば取り返しのつかない大きな被害がもたらされます。住民税特別徴収通知書へのマイナンバー記載は、個人情報を一方的に送り付け、事故で漏れる恐れがあり、安全のため特別郵送すれば、費用もかさみます。通知書へのマイナンバー記載は止めるべきです。

 

第6理由は、不要不急の歳入歳出や不当な行政運営と支出です。

国直轄道路負担金、県の事業である清水港整備事業負担金は、国、県それぞれが責任を持つべき性格のものです。

日本平山頂を138億円もかけて削り、開発する公園整備事業は、景観や自然を壊してまで莫大な費用を費やす必要はありません。豊かな自然を生かし市民が憩える公園整備に縮小、見直しすべきです。

下水道受益者負担金は、都市計画税との二重取りであり、徴収すべきではありません。

そして、敵からの武力攻撃事態を想定して避難訓練を進めるための国民保護計画と自衛官募集は、戦争法が強行されたもと、これ以上自治体として取り組むべきではありません。

 

新たに、母子・父子・寡婦福祉資金貸付金の滞納整理のため債権回収業務を委託することは、貧困に苦しむ親子に返済を迫り、さらに生活困窮に陥る恐れもあります。福祉の立場から、強引な返済を迫るべきではありません。

 

以上、一般会計・特別会計予算の反対に続き、条例改正についてです。

第50号職員定数条例一部改正は、労務職員が30人退職しますが、不補充で、ますます、職員の過重負担が増え、市民サービス低下につながります。

第77号、生涯学習交流館の指定管理者の指定は、これまで5年間市民団体の要望に耳を貸さず、利用制限を行うなど適切でない対応を繰り返してきた団体に再度指定管理者の指定をしようとするもので、ふさわしくありません。

第79号 資源循環啓発施設の指定管理者指定は、資源について学習、体験できる施設は直営のまま、運営するべきです。

第19号は、議員の期末手当を0.1ケ月アップするものですが、富山から発した政務活動費の不正支出について、市民から厳しい目が向けられているもと、増額すべきではありません。

 

市民の税金の使い道は、暮らし、福祉、教育、地域経済最優先に切り替えることで、

住民福祉の増進、住民こそ主人公の市政運営が、今後目指すべき方向であることを指摘し、反対討論といたします。