集団的自衛権行使を容認する解釈改憲を行わないことを求める意見書について提案理由

DSC_0899◯39番(内田隆典君) ただいま議題となっております発議第10号集団的自衛権行使を容認する解釈改憲を行わないことを求める意見書について提案理由を述べさせていただきます。
安倍政権は一昨日7月1日、国民大多数の反対の声に背き、集団的自衛権の行使を閣議決定しました。
この閣議決定は半世紀にわたって歴代の内閣が憲法第9条のもとで海外での武力行使は許されないとした見解を180度転換するものであります。閣議決定はかつてのイラク戦争、アフガニスタン戦争のようなアメリカが引き起こした戦争に、従来の海外派兵法に明記されていた武力行使はしてはならない、戦闘地域に行ってはならないという歯どめを外し、自衛隊を戦地に派兵するということであります。
戦闘地域での活動は当然相手からの攻撃に自衛隊をさらすことになる。攻撃されれば応戦し武力行使を行うことになります。それが何をもたらすのかはアフガン戦争に集団的自衛権を行使して参戦したNATO諸国がおびただしい犠牲を出したことに示されています。
集団的自衛権行使問題は国会でも十分な議論がされてなく、6月23日の朝日新聞の世論調査では、集団的自衛権の行使について56%の人が反対という声を出しております。戦闘地域への派兵と、そこでの他国の軍隊の支援活動をこれまで以上に積極的に行おうとしていることは、自衛隊員の命を危険にし、殺し、殺される状況に追いやることであります。
多くの国民がこうした政府の暴走に強い危惧を抱き、反対世論は日増しにふえ続けております。日本の安全保障政策の根幹にかかわる問題を、与党の密室協議を通じて閣議決定で強行するということは、立憲主義を根底から否定するものであります。
政府は、政府による憲法の解釈、集団的自衛権との関係について、2004年6月18日付の閣議決定で次のような立場を明らかにしています。政府において憲法解釈を便宜的、意図的に変更するようなことをすれば、政府の憲法解釈、ひいては憲法基幹のそのものに対する国民の信頼を損なわれかねない。憲法について見解が対立する問題があれば、便宜的な解釈によるものではなく、正面から憲法改正を議論することにより解決を図ろうとするのが筋であるとしています。
今回の閣議決定は半世紀にわたる国会論議と憲法解釈を大転換させるものであり、強く抗議するとともに、撤回を求めるものであります。
議員の皆さんには、世界に誇る平和憲法第9条を守るという立場に立っていただき、発議に賛同していただきますようお願いしまして、提案理由とさせていただきます。