三保松原の保全について

DSC_0217◯40番(内田隆典君) 通告しております2点について質問させていただきます。

最初に、三保半島の整備についてであります。

6月に富士山世界文化遺産の構成資産に三保松原が登録されました。登録と前後して、三保松原には例年の2倍、3倍という観光客でにぎわっているところであります。先日の調べで聞くところによりますと、土日には、マイカーで1,000台、多い日は観光バスなどが、50台を超えたそうであります。世界遺産登録を受け、これまで以上に県内外の人たちが三保松原を含め静岡市へたくさん来ていただいているのはありがたいことであります。

それだけに、早急な手だてが必要だと考えているところでありますけれども、三保松原への対応について、5万4,000本と言われておりますこの松原へどう対応するのか。毎年少なくなってきたと言われる松枯れも、年間1,000本近くを伐採しなければならないという状況であります。

9月の補正予算にも予防剤の樹幹注入やシロアリ対策予算等を含め、松枯れ対策予算が提案されているところであります。現在の松林は県有地、市有地、それから私有地に植林がされているところでありますけれども、松の管理については役所内でも治山林道課や文化財課、神の道は道路部といったぐあいに、担当が異なっているところであります。

そこで伺いますが、松原に関する問い合わせについて、窓口を一本化する必要があると思いますけれども、現状はどうなっているのか、伺いたいと思います。

次に、海岸浸食についてであります。

世界遺産の登録で三保松原が議論になった際、富士山からの距離の問題と同時に議論になった波消しブロックが、富士山の眺望を損ねているという問題であります。

昭和の高度経済成長期に安倍川の土砂をとり続け、今日の浸食が起こったと言われております。これまで波消しブロックの設置、養浜等を繰り返し対応しております。静岡県の見通しでは、30年から50年たてばもとの砂浜に戻ると言われておりますけれども、そう待ってもいられないということで対応が急がれております。

そこで伺いますが、これまでの海岸浸食事業に対する事業と今年度の事業内容、2点目は、海岸浸食対策と景観の両立についてこれまでいろんな議論がされているようでありますけれども、検討の内容について伺いたいと思います。

次に、道路整備についてであります。

6月議会でも、三保半島の道路整備について質問させていただきました。

道路整備については、予算はもとより住民の皆さんの理解、協力が必要だということであります。6月に三保松原が世界遺産登録され、今日では土日だけでなく、連日県内外から観光客がたくさん来ていただいております。

現在、工事渋滞ということもありますけれども、三保街道は大変混雑しております。静岡市としては、現在、市道羽衣海岸線の工事を進めているようであります。この事業が今どのような形で進められているのか、進捗状況について伺いたいと思います。

次に、観光客への対応について伺います。

三保松原を含め、たくさんの方が観光に訪れてきているところでありますけれども、皆さん御案内のとおり、富士山については、この夏場はなかなか見える機会が少ないし、見えても雪化粧がされていない富士山はいまいちだという感想も寄せられております。

そんな中、今回補正予算では、三保松原ガイダンスブースの設置が提案されております。三保松原の歴史や解説、三保松原からの富士山の映像等を紹介するというこのガイダンスブースの規模や開館時間、管理等についてどのように考えているのか伺いたいと思います。

次に、地震津波発生時における観光客への避難対策についてであります。

南海トラフ地震に備えた対応が進められておりますが、今、津波避難タワーの建設、津波避難ビルの指定拡大、自主防災組織への指導援助等ハード、ソフト事業が今日進められております。今回お聞きしたいのは、観光客の皆さんが安心して来ていただけるような対策、とりわけ三保松原の海岸線を含めた対応が必要だと考えますけれども、観光客の避難対策について伺いたいと思います。

静岡市事務事業市民評価会議について伺いたいと思います。

8月に市民評価会議が開催されまして、清水のごみ受付センターについては廃止ということでありました。これまでも、評価会議で一度廃止とされたものが関係者の再度の検証等で復活という事例も幾つかありました。今回の評価会議で、清水ごみ受付センターについてどのような議論がされたのか、について、3点伺いたいと思います。

1点目は、清水ごみ受付センターの過去3年間の搬入車両台数、搬入量はどうなっているのか。

2点目は、市民評価会議において、民間委託についてどのような意見が出されたのか。

3点目は、市民評価会議において、清水区民の利便性について、どのような意見が出されたのか。

保存樹木等維持管理奨励金についてであります。

保存樹木制度については、市民評価会議では、維持管理奨励金は廃止、保全補助金については再構築となりました。当然、奨励金や補助金を出す場合は必要性等を議論し、条例等で定めていると思いますけれども、廃止となった奨励金がどのような内容なのかを伺って、1回目の質問とします。

◯副市長(山本克也君) 三保半島の整備についての御質問のうち海岸浸食対策につきまして、私からお答えいたします。

三保半島の海岸浸食対策については県が事業を進めておりますが、富士山世界文化遺産登録の過程において、ユネスコの諮問機関であるイコモスによる勧告で、三保松原が望ましくない景観であるとの指摘があり、その改善に取り組み、世界文化遺産としての資産価値の保護と安全・安心が両立する新しい姿を提示するため、海岸工学、文化財保護、景観などの専門家と国、県、市から成る三保松原白砂青松保全技術会議が設置されたところであります。本市からは私が委員として参画し、検討に加わっております。

まず、これまでの海岸浸食対策事業の取り組みと今年度の予定ですが、清水区蛇塚から三保真崎までの清水海岸につきまして、昭和58年度から離岸堤設置などが進められており、平成24年度末現在、全体計画で設置予定の離岸堤、消波堤など29基について設置が完了しております。これとあわせ、砂浜の回復を促進するため、安倍川の堆積土砂などを利用した養浜事業として、約112万立方メートルの土砂が投入されております。

今年度の事業については、11万立方メートルの養浜事業と、修繕事業として駒越地区の既設離岸堤のかさ上げ工33メートルを実施する予定であると県から伺っております。

次に、海岸浸食対策と景観の両立の検討ですが、県においては、これまで学識経験者、地元関係者、国、本市などから成る清水海岸浸食対策検討委員会を設置し、景観にも配慮して、突堤や消波堤など、必要最小限の構造物の設置と継続的な養浜を組み合わせた対策を実施してまいりました。

しかしながら、今般、砂浜の保全に大きな役割を果たしてきた消波堤の存在が審美的な観点から望ましくないとの指摘を受けたことから、三保松原白砂青松保全技術会議において、防護と景観の両面から問題を捉え、具体的な対策案を取りまとめ、清水海岸浸食対策検討委員会へ提案し、この委員会において詳細な検討を行い、関係者の合意形成を図ることといたしております。

◯生活文化局長(三宅 衛君) 松原に関する窓口の一本化につきまして、三保松原に関する市民の皆さんや事業者からの問い合わせにつきましては、これまでも文化財課が窓口になってきましたが、今回の世界文化遺産への登録を機に、まずは文化財課に届くように総合的な窓口としての体制を整えました。そして、松枯れの対応など技術的な問い合わせにつきましては、経済局の治山林道課などの所管課とも連携して対応しています。

松原の保全と活用に向けた庁内の取り組みとしては、副市長をトップとした三保松原事業統括会議が本年7月に設置され、今回予算計上した駐車場の整備やガイダンスブース設置事業などについて各局との連携を図っているところです。

また、民間等との連携については、地元自治会やNPO法人、各民間団体、県とともに、平成19年に名勝三保松原保全育成連絡協議会を組織し、三保松原に係る事業について情報共有を図り、協働して保全に努めております。

次に、観光客への対応としてのガイダンスブースについてですが、現在、三保松原が大いに注目され、多くの観光客の皆さんが訪れています。そこで今回、来訪者対策として、三保松原の文化的価値の理解を深めてもらうため、仮設のガイダンスブースの設置予算を計上しました。

このブースの果たすべき役割として3つの機能を考えております。

第1に、富士山との距離にこだわらない芸術の源泉と信仰の対象という三保松原が富士山に対して持つ本質的価値や、これまで日本人が抱いてきた独特な価値観について展示・解説する学術ブース、第2に、1年を通じ、天候にかかわらず、三保松原からの美しい富士山を鑑賞できる映像ブース、第3に三保のさまざまな問い合わせに対応するとともに、来訪者に市内の各施設を案内し、観光の拠点となる案内ブースの3棟を設置していきます。

開館時間については、来訪者の動向を見ながら検討をしていきます。また、管理については委託する方向で考えております。

いずれにいたしましても、整備に当たりましては、地元の皆さんと協議をしながら進めてまいります。

◯建設局長(望月清司君) 市道羽衣海岸線の進捗状況と今後の見通しについてですが、市道羽衣海岸線は、国道150号清水バイパスの駒越地区を起点とし、三保羽衣土地区画整理事業地内の塚間羽衣線に至る延長2,200メートルの道路であり、三保半島の環状道路として整備を進めております。

平成24年度末の事業進捗率は、事業費ベースで約21%、用地取得率は約44%となっています。25年度は車道及び歩道340メートルの整備を行う予定です。市道羽衣海岸線は、三保半島の円滑な交通を確保する重要な道路であり、引き続き事業の進捗に努めてまいります。

◯危機管理統括監(横山孝志君) 三保半島の地震、津波発生時における観光客の避難対策についての御質問でございます。

三保半島への観光客がふえたことにより、観光客の皆さんに安心して来ていただけるよう、避難対策を進めていく必要があると考えております。

まず、津波避難対策としては、現在、津波避難タワーを2基建設しており、津波避難ビルにつきましては17カ所を指定しております。引き続き津波避難タワーの整備や津波避難ビルの追加指定を行ってまいります。

災害時にはこれらの避難施設や学校など安全な場所に避難していただくよう、同報無線や緊急速報メールにより情報を提供してまいります。また、地理がよくわからなくても緊急避難場所に迅速な避難ができるよう、誘導看板の整備など、関係者と協議をしてまいります。

◯環境局長(小林正和君) 清水ごみ受付センターへのごみ搬入の実績と市民評価会議における委員の意見など、3つの御質問についてお答えいたします。

最初に、清水ごみ受付センターに市民の皆さんから持ち込まれる不燃・粗大ごみ、瓶、缶等、資源ごみの過去3年間の搬入車両台数、搬入量の実績についてでございます。

平成22年度の搬入台数は5万6,119台、年間の搬入量は1,176トン、23年度は同じく6万2,202台、1,261トン、24年度は同じく6万6,437台、1,314トンでした。

次に、同所に対する市民評価会議委員の御意見でございます。

民間委託に関して、人件費を含めた全体事業費約1億円と比較して、約2,100万円の縮減を見込める旨説明いたしました。その説明に対しまして委員からは、2,100万円の経費縮減は大きな効果である。受入日を限定して稼働日を減らすことにより、さらなるコスト縮減が可能である。委託先の選定に当たっては、競争原理を十分に働かせるべきである。民間委託の試算をしているならば直ちに委託化を図っていただきたい等の意見がございました。

次に、利便性に関する委員からの御意見でございます。

清水ごみ受付センターが近隣にあることにより、ごみ排出の利便性が確保されているという意見がございました。一方では、定期的に瓶、缶等資源ごみの集積所回収や不燃粗大ごみの個別回収を行っていること、また、古紙等の資源ごみを自主回収しているホームセンターなど、民間事業者もふえていることなどから、利便性が著しく低下するとは考えにくいという意見もございました。

さらに、古紙等による多量のごみの持ち込みは同様のサービスを行っている沼上、西ケ谷両清掃工場が車で片道1時間圏内にあることにより、代替え施設としての役割を果たせるのではないかといった御意見もございました。

◯都市局長(小長谷 淳君) 保存樹木制度について、廃止となった奨励金とはどのようなものかとの御質問にお答えいたします。

保存樹木・保存樹林の助成制度は、緑豊かな都市づくりに寄与することを目的に、地域で大切にされ、守られ、親しまれてきた貴重な樹木や樹林を指定し、この樹木等を守っていくための地域の活動や管理に要する費用を奨励金や補助金として支援するものでございます。

この助成制度は、合併前の旧清水市域におきまして、昭和53年3月施行の清水市みどり条例に基づき、保存する必要がある樹木・樹林を指定し、合併後の現在も旧清水市域にのみ適用される制度となっております。

現在の指定の状況は、保存樹木が38本、保存樹林は30カ所、面積約12万平方メートルとなっております。

また、保存樹木の指定の基準は、健全で美観上特にすぐれているもののうち、幹の周囲が1.5メートル以上のもの、樹木の高さが15メートル以上のものなどとなっております。保存樹林は、樹林のある土地の面積が500平方メートル以上であることなどが指定の基準となっております。

この奨励金は、保存樹木等の清掃作業や草刈り、簡易な剪定作業など、適切な維持管理を図るための活動に対して樹木の所有者に支援を行うものでございます。

交付金額は、保存樹木は1本当たり年額1万円、保存樹林につきましては、上限が5万円で100平方メートル当たり年額5,000円となっております。

また、補助金は、クレーンなどを使った高所での枝払いや、樹木等が枯れないようにするための治療などの費用を助成するもので、補助金額は50万円を限度として費用の2分の1以下となっております。

◯40番(内田隆典君) 最初に、松原の保全について伺いたいと思います。

今度の9月補正予算でも松原の保全に6,000万、そのうち4,500万ぐらいが予防剤の樹幹注入等々に予算が出されております。2,200本ぐらいの松へ樹幹注入するということですけれども、この樹幹注入というのは、聞いてみますと、かなり時間を要するということでありますし、温度との関係で、午前中ぐらいというか寒い時期にやらなければいけないということで、1月から2月の時期にこの作業が行われるのかなと思います。そうしますと、2,200本という松に樹幹注入するというのは慎重にやらなければ、かえって松を枯らせる原因にもなるかと思います。そういう点で、この2,200本という樹幹注入に対する対応をどのようにお考えになっているのか、伺いたいと思います。

あわせまして、樹幹注入でありますけれども、寒い時期にやるということで、注入にも1本当たり2時間とか3時間とかかなり時間をかけてやらなければ難しいということが言われております。そういう点ではマニュアルをつくって、マニュアルどおりに樹幹注入がやられているかどうか、ここもきちんと検査をしていかなければならないと思います。そういう体制がとられているのか、そういう点で市が独自に体制をとるのかどうか、考え方について伺いたいと思います。

それから、今回、全体で5万4,000本という松に対して一気には対応できないと思いますけれども、市の資料によりましても、このマツノザイセンチュウを食うマツノマダラカミキリという虫は、飛行距離が大体2キロぐらいで活動をすると言われております。そうだとすると、この三保半島へのマツノマダラカミキリの侵入をどうやって防ぐのかということが大きな課題になかろうかと思います。

2016年のユネスコの保全報告書作成に向けて大きな課題でもありますけれども、半島全体の松枯れの対応をどうするのかということと同時に、松林は県、市、それから私有の土地、これが7割を占めているという民有林に対して、下草刈りの対応等々、観光客への安全対策も含めて対応が求められてくると思います。半島全体の松枯れ対策をどのように考えていくのか、検討を進めていくのか、伺っておきたいと思います。

次に、海岸浸食についてであります。

静岡県が18年前ぐらいから波消しブロックを設置し、先ほど説明がありましたように、11万立米等々を毎年投入してきたと。同時に大学等でも景観を含めた浸食対策をどうするのかと、いろんな角度で検討がされているようでありますけれども、浸食対策と景観の両立という点では大変な課題だということも言われております。検討がこれから進められていくということでありますけれども、対策案の事業をどのような形で進めようとしているのか、伺いたいと思います。

次に、道路整備についてであります。

このうち150号清水バイパスから三保羽衣区画整理事業地内までの2.2キロメートルについて、計画によると平成30年の建設を目指すということが言われております。答弁がありましたように、用地取得が44%で、完成まであと5年程度になっているんですけれども、この間、測量等々の関係をするということでやっているみたいです。ここ数年は、測量以降どう対応するのか、相談もかけられていないということを地権者の皆さんから聞きます。やはりこの道路というのは、地権者の皆さんの意向を大事にしながら対応していく必要があると思います。用地の取得、それから関係地権者の対応はこれからどうやっていこうとしているのか、伺いたいと思います。

次に、観光客への対応であります。

三保松原が世界遺産登録を受けて、今回の予算でも無料水上バスの運行を江尻のほうまで拡大していこうという考え方があるようでありますけども、静岡市は三保松原を初め清水港、清見寺、日本平、久能山といったすばらしい財産を持っているわけであります。この財産の回遊性をどう図っていくのかということも、この間、課題になってきております。今後の取り組みについて、伺いたいと思います。

次に、羽衣の資料館について伺いたいと思います。

今回、ガイダンスブースの設置予算を計上されておりますけれども、臨時的なものと言われております。今回、旧清水市の時代に土地開発公社が持っていたものを買い戻すという予算も出されておりますけれども、羽衣の資料館構想は、最近では、三保生涯学習交流館の合築で資料館建設を検討されているということであります。世界遺産の登録を受けて、資料館の位置にも影響が出てくるのかどうか、建設構想の現状、また、展示を予定している資料等々の収集状況についても伺っておきたいと思います。

次に、清水ごみ受付センターについてであります。

この清掃工場自体は国の補助金等々の関係もありますから、いろんな検討がされていると思いますけれども、受付センターは今後どのようなスケジュールを考えておられるのか、伺いたいと思います。

次に、保存樹木等の奨励金についてであります。先ほどの答弁を聞きますと、大事な樹木だということであります。新聞報道によりますと、この制度、条例等々は旧清水市にあって、旧静岡市にないということの中で、一本化するということを含めていろんな議論をされているのでありますけれども、廃止ということの方向性が出されていると思います。私は片方の市にあって、今ある条例があるということであれば、これは統一して条例を1つにして、樹木を守っていくという対応をしていくべきだと思います。この奨励金についてどのように検討を考えておられるのか、伺います。

◯経済局長(大場知明君) まず、松原の保全に対する3つの質問について一括してお答えいたします。

松くい虫による松枯れを根絶するためには、薬剤散布、被害木の速やかな伐倒処理、予防剤の樹幹注入が有効とされており、これまでもこの3つの事業を実施してまいりました。

このうち、平成25年度の樹幹注入につきましては、当初約500本の樹幹注入を予定しておりました。今回、三保松原が世界遺産の構成資産に登録されたことから、集中・重点的に行うため、補正により約2,200本を追加し、合わせて約2,700本の松に対して樹幹注入を行い、松くい虫防除事業を推進していきたいと考えております。

なお、樹幹注入は1月から2月の限られた期間で集中して行う必要がありますので、2つのブロックに分けて施工することにより、年度内に完了するよう努めてまいります。

次に、樹幹注入の幹割れ防止対策につきましては、予防剤樹幹注入の施工に関する静岡県主催の講習会を受講した造園業者を選定しているほか、随時、監督員が現場において確認を行ってまいります。

最後に、今後の三保半島全体の松枯れ対策についてでございます。現在行っている3つの事業を地元の協力をいただきながら継続的に実施していくとともに、特に直接的な効果が高いとされる薬剤散布については、無人ヘリコプターによる散布などを検討してまいります。

次に、回遊性についての御質問にお答えいたします。

富士山世界文化遺産登録直後から、羽衣の松周辺には多くの観光客が殺到いたしました。しかし、周辺施設の東海大学三保水族館等に聞き取りを行ったところ、入り込み客の伸びは見られなく、世界遺産登録の効果が波及していないことが明らかとなりました。

このようなことから、羽衣の松周辺に集中している観光客を三保半島全域へ回遊させる仕掛けが必要と考え、夏休みに間に合わせるため、急遽無料水上バス「ちゃり三保号」の運行を始めました。あわせて、食べどころや遊びどころなどを紹介した「ちゃり三保マップ」を作成し、散策やサイクリングでの楽しみ方を提案いたしました。

また、公益財団法人静岡観光コンベンション協会は、7月中旬以降、羽衣の松近くに臨時観光案内所を設け、三保のみならず市内全域の観光情報を提供し、周遊していただくためのPRを行っております。

その結果、東海大学博物館施設の8月の入館者数が前年比14%増となるなど、周辺地域への波及効果があらわれたことから、当初8月のみの運行を予定しておりました「ちゃり三保号」については、より定着を図るため、平成26年3月まで継続運行をすることといたしました。平成26年4月以降については、民間主体での本格実施に結びつけていきたいと考えております。

また、日本平、久能山については、4月から清水みどころ観光バス・日本平ルートを運行しておりますが、今後とも集客力のある三保松原との連携を強化して、回遊性の向上に一層取り組んでまいります。

◯建設局長(望月清司君) 海岸浸食対策と景観の両立について、いつまでに対策案を出し、事業を進めていくかとの御質問でございます。

先ほど副市長からの答弁にありました三保松原白砂青松保全技術会議の1回目の会議が本年9月10日に開催され、現状と課題の整理、景観改善方法などが議論されました。

1回目の会議の結果を受け、静岡県で複数の工法の検証を行い、平成26年1月の2回目の会議で対策工法を選定し、提案する予定となっております。

この提案を受け、清水海岸浸食対策検討委員会において詳細な検討、合意形成を行い、平成25年度中に対策案を決定し、事業を推進していく予定でございます。

次に、市道羽衣海岸線の用地取得と関係地権者の対応についてでございます。

関係地権者の対応につきましては、事業説明会や三保半島まちづくり協議会などにより、情報の発信と意見の聞き取りを実施しております。事業については大筋の御理解をいただいておりますが、個別の事案に関する疑問等につきましても御理解をいただけるよう、引き続き努めてまいります。

今後も地域住民、特に地権者の皆さんに丁寧な説明を行いながら、事業を進めてまいります。

◯生活文化局長(三宅 衛君) 仮称羽衣資料館の建設構想の現状についてです。

平成23年度に仮称羽衣資料館を生涯学習交流館と児童館との複合施設として整備することとし、現在用地の先行取得が完了しております。一方、本年6月の世界文化遺産登録後、三保松原に対する注目度が非常に高まってきているため、来訪者への的確な対応と動線の把握が必要となっています。

そこで、来訪者対策や情報提供戦略などを盛り込んだ仮称三保松原保全活用計画を今年度新たに作成します。この中で今回設置するガイダンスブースの運用状況を踏まえながら、国の支援も含めた整備を検討していきたいと考えています。

次に、展示資料の収集についてですが、市では全国及び世界に伝承されている羽衣伝説の文献資料の収集に努めてきました。また、能「羽衣」にみせられたフランスの舞姫故エレーヌ・ジュグラリスさんの関係資料が市に寄贈されています。このほか、展示に当たっては、富士山と三保に関する映像や本市が所蔵する美術作品のほか、ガイダンスや体系的な学びの機能を備えた施設にしていきたいと考えております。

◯環境局長(小林正和君) 清水ごみ受付センターの方向性に関しての今後のスケジュールでございます。

今回の市民評価会議の実施に当たり、示されたスケジュールにのっとり進めてまいります。

具体的には、方向性案を本年11月市議会定例会の常任委員会で報告し、平成26年2月上旬に方向性及び効果額を公表する予定でございます。

◯都市局長(小長谷 淳君) 廃止の評価を受けた奨励金についてどのような意見があったか、今後どのように考えていくのかとの御質問にお答えします。

市民評価会議での保存樹木等維持管理奨励金に対する評価結果は、廃止でございました。各委員の評価は、廃止が3名、縮小が2名でございました。

評価委員の意見で主なものは、1つは、日常の管理は地域の協力のもとに行うべき、1つは、保存樹木等の対象区域を全市的なものとし、奨励金を補助金へ一本化すべき、1つは、個人所有の樹木には奨励金を支出してもよいが、神社仏閣は事業費を縮小し、その分を補助金に移行すべきなどの意見でございました。

また、評価結果についての意見は総括的に2点にまとめられ、1つ目は、保存樹木制度を全くやめるということではなく、対象区域を全市的に広げ、制度の目的を明確にする必要がある。

2つ目は、奨励金を出す範囲を明らかにし、地域コミュニティ活動の中で維持管理すべきというものでございました。

今後は、市民評価会議の評価結果を踏まえ、市と市民の皆さんとの役割を明確にするとともに、制度の内容についても検討してまいりたいと考えております。

◯40番(内田隆典君) ごみ受付センターについては、11月の委員会に報告しながら決めていきたいということであります。ぜひ廃止でなく残すような検討をしていっていただきたいと思いますけれども、考えを伺いたいと思います。

それから、松原の保全についてであります。

シロアリ対策や予防剤の樹幹注入、地上散布、下草刈り等、この間ずっとやっているわけですけれども、全体の計画を進める上で大変な課題もあると思います。毎年1,000本が松枯れによって切られるような状況ですから、一層力を入れていただきたいと思います。

それから、空中散布は禁止されておりますから、なかなか苦労されていると思いますけれども、私は、新しくなった羽衣の松にも独自の対策をしていく必要があると感じております。静岡県の東部の地域では、全てではないですけども、一つ一つの松に散布用のホースか何かを取りつけて、松を守っていくという対応がされているようであります。

今、答弁にありましたように、無人のヘリを飛ばして松を保全していくというのも1つの対策かと思いますけれども、羽衣の松独自に対応を迫られてくるのではないかと思いますから、その辺の考え方について、伺っておきたいと思います。

◯環境局長(小林正和君) 清水ごみ受付センターは、廃止ではなく残すことも検討すべきではないかという御質問でございます。

清水ごみ受付センターの方向性につきましては、市民評価会議における廃止評価を重く受けとめ、その上で、利用実態の精査、費用対効果、他の清掃施設への影響及び清掃施設周辺住民の生活環境への影響などを考慮いたしまして、判断してまいります。

◯経済局長(大場知明君) 羽衣の松への独自の対応についてお答えいたします。

羽衣の松は三保松原を象徴する重要な松でございますので、周辺の松と同様に松くい虫防除事業を実施するとともに、今後は樹木医による定期的な調査を行い、健全な松の育成に努めていきたいと考えております。