財産の取得についてに対しての反対討論

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164◯31番(山本明久君) 私は日本共産党市議団を代表して、議題となっています議案第171号財産の取得についてに対して簡潔に反対の討論を行っていきます。

取得する財産は、日本平公園整備用地に当たるために60筆の茶畑など、1万6,600平米余を1億9,600万円余で買い取るというものです。

日本平は文化財保護法の規制がかかって、豊かな自然のもとで富士山、清水港と三保、駿河湾が望める名勝指定がされ、国宝の久能山東照宮が立地する久能山は、史跡指定されています。ですから、観光政策として市民的、国民的な財産を生かして、多くの来訪者を生み出す努力をしていくということは、市としても本当に大事なことだと私たちも考えています。

今、市はというと保全一辺倒の管理のあり方で、観光地としての魅力は薄れ、来訪者数も減少の一途をたどっているという問題意識のもとで、観光資源を活用するために規制の緩和だという方針を改めて強調しています。保全から活用へという発想になっています。

しかし、今の山頂公園計画でも33ヘクタールの整備計画において、茶畑を削り、道路のつけかえ、山頂に展望回廊の構築物をつくるなど、施設整備に約80億円もかけて、合計100億円もつぎ込むという大規模な開発でいいのかという問題提起を、これまで私たち日本共産党市議団はしてきました。活用が大規模な開発や施設建設というのは、もう時代おくれではないでしょうか。

本来、保全すべきところはしっかり守り、その価値のもとで景勝地や文化財を市民、国民の財産として生かすということが大事だと私たちは考えています。

ハード、箱物を整備すれば誘客できる、財産を生かすということには、直ちにはならないと私は考えます。一度見てみたい、もう一度行きたい、そうさせるものは必ずしも箱物ではなくて、やはり価値あるものです。それは手を加えない豊かな自然であり、名勝にふさわしい景観そのものであり、かけがえのない文化財でしょう。そうしたものを生かすソフト事業、観光政策に知恵と力を投入するということが、今、肝要だと思います。当然、老朽化した建物は新しくする、その際、バリアフリー化するということは必要になってくると思います。

今、財政が厳しく、収入不足が喧伝されるもとで、不要不急の事業を徹底して洗い出しを行うべきですが、現在の計画についても縮小・見直しをすべきだという立場から、今回の用地取得によって、つけかえ道路建設などを進める本議案には反対を表明しておきます。

以上です。