平成22年度静岡市一般会計補正予算、補正予算に対しての反対討論

108◯17番(内田隆典君) 日本共産党市議団を代表して、議題となっております議案第244号、平成22年度静岡市一般会計補正予算(第4号)、議案第253号の補正予算(第5号)に対し、反対の討論を行います。

最初に、議案第244号についてであります。

今回の補正は、国の経済危機対策としての予算となっております。内容は、道路新設改良事業、生活保護扶助費、保育園や幼稚園へのAED設置事業等であります。

中でも、生活保護費は、補正額16億円余の中で8億円と半分を占めております。

私ども議員団は、生活保護が増加傾向にある中、ケースワーカーの人たちに大変な負担がかかっていると、現状を少しでも改善すべきと、ケースワーカーの増員と福祉専門員の増員を求めてきました。

生活保護世帯の増加傾向は、一昨年のリーマンショック以来、世界経済が少しずつ回復の兆しを見せている中で、日本だけが取り残されているという状況下にあります。その最大の原因は、国内の大企業による下請中小企業者に対する負担の押しつけ、輸出に重点を置いた企業展開を推し進めていることです。また、相次ぐ労働法制の改悪によって、本来なら常用雇用を原則とすべきところを、企業の利益を優先する派遣社員化が進められているところであります。

私ども日本共産党は、早期に労働者派遣法を改正し、常用雇用を中心とした雇用の安定を求めるものです。私どもは、予算の中に必要なものが含まれている点については、大いに支援をするものであります。

反対理由についてであります。

1つは、清水港整備事業についての負担金であります。この負担金は、新興津埠頭第2バース建設に伴う負担金であります。平成20年から27年、8年計画で進められております。現在、水面を中心とする工事が進められ、24年に岸壁が完成、25年には一部使用可能と言われております。

私どもは、この清水港の整備そのものを指摘しているわけであります。この間、静岡県建設事業等市町負担金徴収条例の名のもとに、今回の補正でも約3,500万円、合計3億4,000万円余の負担金が強いられております。当局もこの間、努力をされ、今年度から事務費の負担がなくなってきております。さらなる努力を要請するものであります。

同じく国道1号静清バイパス建設に伴う国直轄事業負担金についても、早期の改善を求めるものであります。

次に、議案第253号についてであります。

この補正予算も、円高・デフレの対応のための緊急総合経済対策ということで、子宮頸がん等ワクチン接種事業や木造住宅耐震補強事業等で補正予算額16億円余、補正額を加えた累計予算額が2,700億円余となっております。

補正予算について一言申し上げたいと思います。

最初に、ワクチンの接種助成についてでありますが、静岡市はこれまでの態度を変え、実施に踏み切ったその理由として、会派要望、市民団体請願など市民要望を上げ、市民ニーズとの兼ね合いを最優先させると意思表明しました。また、国も安全性を認め、全国的に助成制度を始めるという方針を受け、本市の住民の機会の均等性を保証する立場で実施を掲げました。共産党としましても、当局のこうした実施の姿勢と英断を高く評価をしているところであります。

国は、予防接種部会で定期接種化に向けた検討を行っており、予防接種法に位置づけるまでの間、空白期間を自治体の事業として実施することになります。

ワクチンの有効性、安全性を危惧し、健康被害を指摘する意見もありますが、子宮頸がんワクチンについて、WHOや日本産婦人科学会などでは、重篤な副作用は認められていません。予防接種部会の意見書は、ワクチンについて先進諸国で実施されているが、我が国は未実施であること、Hib、肺炎球菌、子宮頸がんによる死亡例が多いことを上げ、予防接種法上の定期接種に位置づける方向で急ぎ検討すべきと結んでおります。

予防接種法に位置づけられた自治体の財政負担については、国の事業として国が責任を負うべきものと国に要請すべき課題であります。ワクチン接種の助成は、女性、母親など多くの住民の関心の高い要望、念願であり、全国自治体と足並みを合わせ、助成に踏み切ることを高く評価しているところであります。

次に、木造住宅耐震補強事業についてであります。

この事業は、ご案内のとおり、静岡県が全国に先駆けて実施している事業であります。TOUKAI-0をスローガンに取り組んできたこの事業は、静岡市において対象戸数4万9,000戸、これに対し、到達2,700戸ということであります。市の耐震促進計画では、平成27年までに全体5,700戸の計画であります。

今回の補正は、これまでの県、市の補助に国が1戸当たり30万円の上積み補助を行うものであり、制度の周知徹底を機に、耐震事業の促進と地元業者の仕事づくりに貢献するものと期待をしているところであります。

予算についても、市民要望の強いものがあり、強力に推進を求めるところであります。

以上、述べさせていただきましたように、今回の補正予算には、市民要望に沿って実現、前進できた評価すべきものも含まれていますが、容認しがたい点があります。

先ほど、国道1号静清バイパス、富士由比バイパスに対する国直轄事業負担金2億7,000万円余、この間、当局の粘り強い努力によって改善の見通しがつきつつありますが、負担金については早期に廃止すべきもので、断じて認めることができません。

この1点を指摘し、反対討論とします。