指定管理者制度、津波の問題、東名のスマートインターの建設について質問

カテゴリー:

162◯3番(寺尾 昭君) 私は、きょうは3つのテーマで質問をいたします。

第1は、指定管理者制度についてであります。

導入の際には、この目的が本当に達せられるのか、さまざまな懸念や問題点が指摘されまして、議論が行われました。最初の5年が経過をして、2順目に入っているというような状況もあります。公の施設管理を、民間活力の導入によって財政的な効率化を図ると同時に、利用者へ質の高いサービスを提供する目的、こういうことが言われておりました。しかし、現場が本当にそうなっているのか、ここをもう一度検証してみる必要があるんではないかというふうに思います。

私はこの間、この制度によって管理が行われている施設の幾つかで、利用者からの声をお聞きしております。

例えば、スポーツ施設においては、貸し出しの用具が壊れたままで利用ができない。あるいはグラウンドなどの雑草が生い茂ったままで十分な状態ではないというようなこと。あるいは会館や会議室の使用では、貸し出しの用具の使い方の説明ができない職員がいたというようなこと、あるいは清水区の生涯学習センターの話などでは、社会教育主事がすべて退職者になってしまったというようなことで、実際上の社会教育という点では、後退が見られるんではないかというような意見もありました。

今回、私が個々の施設について問うということではありませんけれども、どんな施設でも、この指定管理者を導入すればすべてよくなるということではないのではないか。新たに導入を検討する際には、個々の施設について、この制度がふさわしいものなのか、そのことにより使用者へのサービス向上に結びつくのか、こういうことを慎重に検討をしていく必要があるのではないかというふうに思います。

そこで、以下質問をいたします。

1番目は、今、局別の指定管理者による施設管理の数はどのくらいあるのかということを、まずお聞きします。

2番目は、指定管理者制度移行によって財政的なメリットはどのぐらいあったのか。

3番目は、利用者へのサービス向上について、今、どのような評価をされているのか。

4番目は、今、御紹介をしたような声がいろいろあるわけですけれども、このような利用者の声をどのように生かしていこうとしているのか、この辺についてお聞きいたします。

次に、津波の問題です。

きのうも議論があったわけですけれども、内閣府が第2次想定というものを発表をして、私たちのところに色塗りの地図が配られてきております。5メートルから10メートルというところがほとんどではないかというふうに見ておりました。県内では、下田で33メートルという非常に高い数値も示されておりました。

議長会の主催で、島田で研修会がありまして、私も非常に興味があったわけですけれども、その中で釜石の例の報告がありました。津波の想定範囲の外にいたから大丈夫だと思っていた人が流されてしまったんだけれども、釜石の子供たちは、それに寄らずに遠くへ高くへ逃げたということで、ほとんど助かったという、非常に興味深いといいましょうか、参考になるお話を聞いたわけであります。ですから、想定はあくまでも想定ということであって、津波は想定どおりには来てくれないんだということを言って、勉強になったわけであります。

そして、避難の1つの方法としては、まず避難ビルへの非難、もう1つは今、建設が計画をされております避難タワーということになるわけであります。その規模をどの程度にするのかということは、そういう意味から言いますと、非常に難しい問題ということにもなるわけであります。指定の場所に避難をしたら、そこは安全ではなかったということでは、これは申し開きが立たないということになるわけであります。

まず、津波避難ビルの指定の状況、どのようになっているのか、お伺いします。

次に、避難タワーについてでありますが、できるだけ早く自分の地域にも建設してほしいというのは、これは当然だというふうに思います。そういう点で、スピード感ということが必要になってくるわけでありますけれども、建設場所の選定についても意見や疑問も出ております。きのうの剣持議員の発言の中にも、大浜公園で海のほうへ逃げていくという、それが心理的にどうなのかと。これは、私も付近の住民の皆さんからそういう意見を聞いたわけですけれども、まず、建設場所について、どのような根拠でここを選定したのかという点について、お伺いをいたします。そして、この建設場所の選定に当たりまして、住民の皆さんとはどのような話し合いをしてきたのか、協議を行ってきたのか、その辺についてもお伺いをしたいと思います。

3つ目は、大谷・小鹿のまちづくりの関係で、東名のスマートインターの建設について質問をいたします。

この候補地については、最初3カ所あったわけですね、鳥坂、日本平パーキングエリア、そして今回の大谷地区ということでありますが、最近になってこの候補地のうち、大谷地区に選定がされたという報告を受けたわけです。ただ、どうして3カ所からこの大谷地区に絞られたのかという、その検討の経過というのは、必ずしも明らかにされていないというふうに私は受けとめているんです。

そこで、どのような理由からスマートインターの場所を大谷地域に選定したのかという点をお聞きをしたいわけなんです。

そして、またインターチェンジの形式というんですか、いわゆるトランペット型と言うらしいんですけれども、なぜこの形になったのかという点についてもお聞きをしたいわけです。

新しくできるところが、静岡インターからわずか3キロ程度しかないということであります。新しくできるインターから西の人たちは、ちょっと西へ行くとすぐ静岡インターということになりますし、そしてまだ東のほうからのアクセスができていないということがあります。せっかく久能山東照宮が国宝に指定されたということですけども、東方向へのアクセスができていないことなど、問題があるわけです。そこで、今言ったところの質問を最初にしたいと思います。

 

 

◯総務局長(小長谷重之君) 指定管理者制度について、4点の御質問にお答えをさせていただきます。

まず、局別の指定管理者による施設管理数であります。平成24年8月1日現在、指定管理者制度を導入している施設数は合計226施設であります。局別の施設数は、生活文化局が57施設、保健福祉子ども局が55施設、経済局が23施設、都市局が91施設などとなっております。

次に、指定管理者制度への移行による財政的な効果であります。

指定管理者は、繁忙期や閑散期に対応した人員配置、グリーンカーテン設置や冷暖房機器の設定温度の見直しなどの省エネ対策、スケールメリットを生かした契約方法や委託業務の内容見直しなどを行うことによりまして、市民サービスの維持・向上に配慮しながら、民間のノウハウを生かした経費節減に努めており、直営時と比較しまして施設の維持・管理に係る経費の削減が図られていると考えております。

次に、利用者へのサービスの向上と利用者の声についての御質問であります。

指定管理者は、毎年度実施する利用者や一般市民に対するアンケート調査により、市民の声をお聞きし、具体的なサービス向上に生かしております。

実際に調査結果から得られた意見・要望などをもとに、市民サービスの向上が図られた具体的な事例といたしましては、利用者が参加しやすい時間帯を考慮した講座の開催、利用者登録制の採用による受付手続の簡略化、わかりやすい施設の案内表示の工夫、無線LANやヘッドフォンなどの備品の整備、トイレへのベビーベッドやベビーチェアの設置などが挙げられます。その他、講座やイベントなどの事業内容の見直しや、開館日や開館時間の拡大・延長など、指定管理者は時代やニーズの変化に柔軟に対応しており、市民サービスの向上が図られていると考えております。

 

 

◯危機管理統括監(横山孝志君) 津波対策について3点の御質問でございます。

まず、津波避難ビルの指定状況でございますが、現在112施設を指定しており、区ごとの内訳は駿河区27施設、清水区85施設となっております。今後も、津波避難ビル助成制度などにより整備した施設なども含め、できる限り多くの施設を津波避難ビルとして指定していきたいと考えております。

次に、避難タワー建設場所の選定の根拠についてでございますが、設置箇所の選定条件として5つの項目を設定しております。

1つ目は、おおむね安政東海地震の浸水想定区域であり、今回、国から発表された想定の浸水区域であること。

2つ目は、避難対象者が多い居住地域であること。

3つ目は、周辺に津波避難場所がない、または少ない地域であること。

4つ目は、半島や河川に囲まれているといった地形的特性から孤立が想定される地域であること。

5つ目は、公園などの公共用地を活用することができること。

以上の5項目を総合的に評価し、駿河区の西島地区、下島地区、清水区の三保地区の3地区を選定いたしました。

この3地区は、ただいま説明いたしました選定条件にすべて合致しており、また、地形的特性から特に孤立が懸念される地区であるため、緊急整備の必要があると判断をいたしました。

3点目でございますが、津波避難タワー建設場所の選定に当たっての住民の皆さんとの協議についてでございます。

津波避難タワー設置予定の3地区に対しましては、津波高、浸水域、津波到達時間などの想定結果の概要、設置場所の選定理由、タワーの高さなどの建設概要などを、自治会・町内会長を初め、地域住民の皆さんに対して説明を行い、理解を求めてきたところでございます。なお、今後も津波避難タワーの機能や利用方法について、地域住民の皆さんの意見や要望なども踏まえ、整備を進めていきたいと考えております。

 

 

◯都市局長(松本昌作君) 東名高速道路新インターチェンジに関する御質問にお答えをいたします。

まず、新インターチェンジの位置の選定に当たりましては、静岡・清水インターチェンジ間で本線へ安全に合流できる大谷地区、日本平地区、鳥坂地区の3カ所から整備に関しての経済性、実現性などの視点を持って比較検討を行いました。その中で、大谷地区は本市の将来都市構造を支える南北の発展軸としての下大谷線への接続が可能であり、人、物、情報の交流、連携を促進する広域幹線道路ネットワークが形成されることや、新インターチェンジ設置に係る整備費が経済的であることなどから選定をいたしました。

形式につきましては、一般道路との接続が1カ所になることでアクセス道路を含めた整備の効率化が図られるとともに、誤って進入する車が少なく、経済性にもすぐれている東名静岡インターチェンジと同じ形式のトランペット型を選定いたしました。

また、整備効果については、大きく3つの効果が期待されます。

1つ目は、東名静岡インターチェンジ及び周辺道路の渋滞解消による交通環境の改善効果。

2つ目は、周辺観光地へのアクセス性向上による経済効果。

3つ目は、新インターチェンジとあわせて周辺の公共インフラを整備することで、周辺の土地利用の促進などによる活性化効果が期待されると考えております。

〔3番寺尾 昭君登壇〕

 

 

◯3番(寺尾 昭君) 指定管理者制度について、1回目の質問の中で、利用者の声を少し紹介いたしました。設備、備品などが不完全のままで貸し出されていると。言い方は悪いですけれども、指定管理者がけちっているんじゃないかということも、ちょっと考えられるわけです。しかし、利用者は利用料を払って貸し出しを受けているということになっておりまして、せっかくお金を払っているのに設備が悪いということでは、利用者にとっては必ずしもこのサービスがいいというわけにはいかないわけです。

そこで、5点目ですけれども、設備、備品の修繕等々、市と指定管理者とのすみ分けがどうなっているのかということを確認したいと思います。

指定管理者との契約に当たっては、当然仕様書等で契約内容が決まっているわけです。市全体では200を超える施設でこの制度が適用されているということであります。したがって、契約内容をしっかりと指定管理者に履行してもらうためには、市の側の指導といいますか、これをきちっとやる必要があるというふうに思います。

そこで、次に、施設管理の契約を担保するために市としてどのような指導をされているのかという点についてお聞きします。

さらに、指定管理者が施設利用のために雇用している職員が当然いるわけです。指定管理者がかわると雇用されている職員が首になるというようなこともあり得るわけですけれども、従業員の皆さんの労働条件というものを確保する、そのために市としても責任を持つ必要があると思いますが、その指導はどんなふうにされているのかということです。

次に、津波対策についてであります。

今後の避難タワーの年度別の計画、そして、避難施設の整備計画、住民側としては、一体いつになったら完成するんだと、安心できるんだという気持ちがあるわけです。したがって、完了年度をどこに設定しているのかということで、この点についてもお聞きいたします。

次に、スマートインターの関係なんですが、この間、都市局のほうでも説明会を何回かやられております。私も参加をさせていただいておりまして、その中でさまざまな意見や要望を聞かせていただきました。その中では、例えば、今ある東名の側道がなくなってしまうとか、南北の道路がそれで途切れてしまうだとか、東西の道路もそこで切れちゃうだとかというような、そういう心配の声も出ているんです。

そこで伺いますが、オープンハウスというような方式で住民の意見を聞く機会をつくっていただいたわけです。その中で、整備計画案公表に当たっての市民の反応はどういうようなものだったのか、また今後の対応はどのようなことを考えていらっしゃるのか、お聞きいたします。

指定管理者制度については、先ほど言いましたように、民間活力の導入というようなことで、幾つかの目的があって行われてきたということです。しかし、先ほど来申し上げていますように、現場は必ずしもそうなっていないんではないかという、そういう声が聞かれるわけであります。ぜひ改善を図っていただきたいと思います。

最後に、ちょっと時間がありますので、この間、中央自動車道の笹子トンネルで事故がありましたよね。大変な事故だった……

 

 

◯議長(石上顕太郎君) あと1分で終了してください。

 

 

◯3番(寺尾 昭君)(続) と思います。考えられないような事故だったと思いますけれども、いわゆるこれからの公共事業のあり方というのがこの中で示唆されているんではないかというふうに思います。老朽化が原因だというようなことを言われていたわけです。本市が管理するトンネルなどもたくさんあるわけでありまして、高度成長期に建設をしてきたさまざまな施設が、これからそういう時期を迎える中で長寿命化というようなことも、今、進められているわけです。また大いに議論をさせていただきますけれども、これからもぜひこの公共事業のあり方、検討をしていただきたいということをお願いして、質問といたします。

 

 

◯総務局長(小長谷重之君) 指定管理者制度についての御質問にお答えをさせていただきます。

まず、設備、備品等の修繕や更新に係る指定管理者と市のすみ分け、及び施設管理の契約を担保するための指導についてであります。

当該施設に必要不可欠な設備の追加や備品の購入、施設本体の改修などの大規模修繕は市がみずから執行し、設備や備品等の比較的軽易な小破修繕は指定管理料の中に含め、指定管理者がみずからの裁量で迅速に対応することとしております。

小破修繕と大規模修繕の区分は、個々の施設の性質や規模、施設の老朽度により個別具体に設定をしています。また、公の施設の管理を包括的に指定管理者に行わせたとしても、市は施設の設置者としての立場から、施設が適切に管理、運営されることを確認する必要があります。このようなことから、指定管理者に対しまして、四半期ごとの報告と、各年度終了時の報告を指示しているほか、施設の利用状況に応じ月例報告を求め、チェックリストなどにより管理、運営状況を確認しております。確認の結果、利用者の安全確保や利用に支障を来さないために必要な修繕が行われていなかったり、業務不履行の事実が判明したときなどは、指定管理者との協議や指導、現地調査等を実施いたしまして、指定管理者による管理の適正化を図っております。今後も指定管理者との連携を密に行いまして、利用者サービスの向上に努めてまいりたいと考えております。

次に、指定管理者が雇用する従業員の労働状況を確保するための指導ということであります。

労働時間や賃金などに関しましては、労働基準法など関係法令を遵守するよう仕様書に明示するとともに、定期報告時のチェックリストなどにより確認し、指定管理者に対して指導をしているところであります。今後も指定管理施設における適正な労働条件の確保に努めてまいりたいと考えております。

 

 

◯危機管理統括監(横山孝志君) 今後の津波避難タワーの整備計画についての御質問でございます。

現在、内閣府から公表された南海トラフ巨大地震の津波高、浸水域の想定に基づく津波による避難困難地域の見直しなどを行い、市全域を対象とした津波避難タワーの整備計画を作成しているところでございます。

今後は、この計画をもとに、静岡県より来年公表される予定の被害想定も踏まえながら、津波避難タワーの年度別建設計画、完了年度などを検討していきたいと考えております。

 

 

◯都市局長(松本昌作君) 東名高速道路新インターチェンジに関する御質問にお答えをいたします。

オープンハウスについてでございますが、本年10月に静岡庁舎南側の葵スクエアと健康文化交流館「来・て・こ」の2カ所で開催し、新インターチェンジ整備案についてパネルで紹介するとともに、来場者からのアンケート調査を行いました。

2カ所での総来場者数は約250人で、そのうち133人からアンケート調査の御協力をいただき、新インターチェンジの必要性に関する質問について、「必要だと思う」は50人、「やや思う」が23人と半数以上の方から整備に期待する回答を得ることができました。また、来場者との意見交換では、安全に配慮した周辺道路の整備を望む声や、地域の活性化を期待する声も多くありました。

今後も、市民の皆さんへ幅広く情報の提供を行うとともに、こうした皆さんの貴重な意見を国、中日本高速道路株式会社、静岡県等関係機関で構成される地区協議会へ報告をして意見を伺いながら、平成29年度供用開始に向け取り組んでまいります。