静岡市議会の議員の定数及び各選挙区において選挙すべき議員の数に関する条例の一部改正についての反対討論

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161◯4番(鈴木節子君) 私は、日本共産党市議会議員団を代表し、ただいま上程されました発議第11号静岡市議会の議員の定数及び各選挙区において選挙すべき議員の数に関する条例の一部改正について、反対の立場で討論いたします。

今回の提案は、本市の市議会議員定数を5議席削減しようというものです。

議会の権能は、執行機関の監視・チェック機能、住民意思の反映、政策形成、地方公共団体の意思決定など、重要な使命を担っており、とりわけ議員定数は議会の根幹に触れる重要問題であり、慎重にも慎重を期して対処すべき事案です。

議員は、主権者の代表であり、民意を反映する重要なパイプ役です。議員を減らせば、民意の反映に逆行します。多様な民意を正確に反映させるため、これ以上減らす必要はありません。

また、議会に求められている役割と権能を十分果たし、執行機関の監視や議案の徹底審議を行うためには、少なければいいというものでもありません。

議員定数削減は、ひいては政治と住民の関係を断ち切り、議会の権能の後退、議会の形骸化につながりかねない重要な問題であり、我が党は反対してまいりました。

今回の議論の経過についても看過できない問題を3点指摘いたします。

第1に、定数のあり方について、時間をかけた多面的な議論は不十分のまま、市民の中に入った討論も行わず、拙速に結論を急いだという問題です。

来期の市議会議員選挙を4カ月後に控え、たったの3回、数時間の議論で結論づけようとしていますが、この間、全国では、合併による市町村数の減少に加え、自治体の議員定数削減により、住民意見の反映は不十分となり、執行機関の監視機能が低下し続けています。

議員定数削減による弊害をあらゆる角度から検証し、住民と議会のあるべき姿、議会の権能確保のためにふさわしい議員定数はどうあるべきか等、多面的な議論を行うなど、慎重な議論を行うべきです。

第2に、自治会との信頼関係のもとでの積み上げた議論が全く行われていないことです。自治会役員の方からは、町内会・自治会から議論を積み上げ、議員定数削減ありきでなく、削減がなぜ必要なのか、議会・議員の役割はどうあるべきか、適正な定数はどうあるべきかなど、徹底した議論をすべきとの意見をいただいています。もっと時間をかけて徹底した議論と、市民との討論会を各地で実施してほしいとの要望も出ています。

役員の方からは、町内会・自治会の仕事は、防災、道路環境、福祉など、多方面な要望が多く、役員の仕事量も膨大にふえている中、身近な助言や迅速に行政とのパイプ役を果たしてくれる議員は頼りがいがある、もっと身近にいてほしい存在であり、少ないほうがいいとはとても言えない。もっと多くの活動を議員にはしてほしいと評価をいただいています。

このような自治会長、町内会長の声を尊重し、時間をかけて、徹底した議論や市民との意見交換会を行った上での判断をすべきです。

第3は、定数削減の口実とされる行財政の合理化・効率化は、削減効果とは結びつかず、なぜ議員定数を削減しなければならないのか、なぜ削減が必要なのかの議論がなく、定数削減ありきの議論が先行していることです。

市の一般会計に占める議会費の比率は、現在0.4%です。合併前の平成14年度の0.62%から既に大きく減少しています。経費の節減を言うのなら、ほかに歳出の見直しを行うべきであり、不要不急の住民生活を圧迫している事業にこそメスを入れるべきです。我が党議員団は、議員定数削減ではなく、議員歳費2割削減を主張しています。

また、なぜ定数削減が必要か、なぜ市民の間から削減を求める声があるのか、その原因、背景に目を向けることも必要です。住民の立場で行動し、論戦する議員が求められているとき、オンブズパーソンから議員歳費の返還請求がありましたが、市民から議員の姿はどのように映っているのか、議会のあるべき姿や議員の質を高めることこそ、今、求められています。

以上、問題点を指摘いたしましたが、定数削減は、政治と住民の関係を断ち切る重要な問題をはらみます。今、行うべきは、住民の意見をより議会に反映させ、地方政治と地域住民との結びつきを回復し、地方議会を活性化させることです。

減りに減らされてきた議員定数を、地方自治の精神に沿って回復させ、住民の代表機関としての役割が担える議会への活性化こそ求められており、その実現のために本議会は奮闘すべきと主張し、反対討論といたします。