浜岡原発の永久停止・廃炉を求める意見書の提案理由説明

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122◯3番(寺尾 昭君) 意見書を提出した4名を代表いたしまして、静岡を第2の福島にしてはならない、こういう市民の願いを代弁いたしまして、発議第12号浜岡原発の永久停止・廃炉を求める意見書の提案理由説明をいたします。

3月11日の東日本大震災による東京電力福島第1原子力発電所事故の放射能漏れによる計画的避難区域、自主避難を含めて10万人余りの方々が避難生活を余儀なくされている。その数は今後もふえ続けるのではないか、このように言われております。

農林水産業、商工業を営んでいた方々、また、働いている方々、学校で学んでいる子供たち、すべての住民が住みなれた故郷と我が家を離れ、いつ戻れるかわからないままの避難生活を送っております。

放射能汚染は、土壌、水道水、農水産物、海水など、あらゆるものに広がり、子供たちは外で遊べず、この暑いさなかでもプールにも入れない、こういう状態が続いております。健康への影響がどうなるのか。とりわけ子育て中のお母さん方に大きな不安を広げております。

今、汚染は全国に広がり、静岡においても、特産のお茶が汚染に見舞われております。風評被害を含め、影響は深刻であります。お茶への全面的な補償は、これは当然のことでありますけれども、汚染をさせないためにどうしたらいいのか、このことを私たちは考えていかなければなりません。

不安を一層大きくしているのは、4カ月を迎えようとしている今日も、この収束のめどが全く立っていない、こういうことであります。収束までの工程表というようなものも発表はされましたけれども、工程表どおりにいっていないということは皆さん御承知のとおりであります。放射能を伴う事故は、まさに手に負えないという特殊性を持っているということを、私たちは今この例を見ても自覚をしているわけであります。放射能物質が一たん外へ飛び出すと、それを防ぐ手だてがない。このことは福島原発事故で不幸にも証明をされてしまった。この機に改めて、今の水準では放射能は私たちの手でコントロールできない。こういうことを私たちははっきりと自覚すべきではないでしょうか。

原発に頼らないエネルギー政策への転換の必要性は今や世論となっております。私たちはできるだけ早い時期に自然再生エネルギー中心の政策に転換すべきである。このことを改めて提案するものであります。

さて、浜岡原発は予想される東海、東南海、南海が連続して起きる巨大地震になることも予想されて、その震源域の真ん中に設置されているのがこの浜岡原発であります。福島第1原発は、実は事故が起きる確率は0.00%だと言われておりましたけれども、今のこの状況であります。

浜岡は津波対策が完成すれば再起動、一応こういう話にはなっておりますけれども、事故は津波だけが原因となるというものではない。このことは福島での教訓だったというふうに言えます。幸いといいましょうか、浜岡での発電量は中部電力全体の発電量の10%程度ということでありますから、今私たちが進めております節電、そして、これからの代替エネルギー、こういうことを考えれば、浜岡は再起動しなくても十分やっていける、乗り切れるということが言えるんではないでしょうか。

福島の教訓を静岡に生かして、市長が所信表明でも触れられました、災害に強く、安心・安全に人が暮らせるまち、これを実現をする。そのためにも今こそ静岡の市議会がそのイニシアチブを発揮をして、市民が大きな不安を感じている浜岡原発は永久停止・廃炉にすることが最良の選択である。このことを強調いたしまして、提案理由といたします。