小中学校の校庭管理について、難聴高齢者の生活支援について

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 日本共産党の市川 正です。通告に従いまして、初めての質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
 小中学校の校庭管理について。
 校舎や体育館の裏、駐輪場の周り、フェンスの周りなどの敷地をまず校庭というふうに定義をさせていただきます。花壇や植え込み、垣根などは比較的目につきやすく、子供たちの観察や体験の場でもあります。校庭は体育の授業だけでなく、植物や昆虫など自然の観察にも利用される場所であって、運動場を中心に子供たちの活動が広がっていきます。校庭の草花観察授業で、学校には観察できる草がなかったと、衝撃的な子供たちの声もありました。
 また、除草剤は使わないでほしいという保護者の声も聞きます。校庭の草取りや害虫駆除などの管理がどのように行われているのか、確認したいと思います。
 まず、中項目の1、除草作業の状況について伺います。
 学校環境衛生マニュアルでは、校庭管理において、要約、以下のように記されております。
 1つは、害虫・雑草管理は総合的に行い、農薬の使用の回数及び量の削減に努めること。
 2番として、農薬等の使用に際しては、使用目的や薬剤名、使用量等を記録し保管に努めること。
 また、3番、病害虫の発生、被害の有無にかかわらず、定期的に農薬を散布することはやめましょう。そして、雑草はなるべく手で引き抜く、あるいは機械除草等に努めること。やむを得ず農薬等を使用する場合であっても、人の健康への影響が小さい、そういう農薬に変えていこうではありませんかということが書かれています。
 4番目に、農薬の散布に当たっては、万が一にも子供が農薬を浴びることのないよう、散布の時間帯に最大限配慮し、あるいは保護者等への周知を徹底し、散布区域内に立ち入らないよう措置することなどが求められております。
 そこで伺います。
 各学校では、植栽の消毒や除草作業はいつ、誰が、どのように行っているのか、また各学校において除草に使用した農薬の記録、それから保管などは適切に実施されているのか、お答えいただきたいと思います。
 次に、中項目の2、学校用務員の雇用について伺います。
 用務員の業務は、各種行事の準備、あるいは施設や設備の維持管理、校舎内外の環境整備など多岐にわたって大変忙しい業務でもあります。おおむね各学校に1人の配置がされておりますけれども、校庭管理について相談できる体制、こういったものがあるのか、また春から夏にかけては非常に雑草が急成長して、害虫駆除や除草などに追われる大変忙しい時期ではないでしょうか。
 また、この時期、卒業や入学、それに職員の交代期にも当たります。用務員が交代する学校も当然あるわけでありまして、忙しい中での用務員研修、あるいは技術の継承など、短期間では大変難しいことです。
 そこで伺います。
 令和3年度の学校用務員の雇用形態と勤務時間、配置状況及び業務内容はどうなっているのか、また会計年度任用職員が増えていく中で、用務員業務の技術の継承や研修、こういったものが適切に行われているのかどうなのか、市の見解を伺います。
 次に、大項目の2、難聴高齢者の生活支援について伺います。
 難聴高齢者の早期発見と支援については、2020年9月議会で補聴器購入費補助について、市の答弁では、現在、厚労省が聴覚障害の補正による認知機能低下の予防効果を検証中であること、また大都市会議では、補聴器の医学的有効性が確認された場合、全国一律の公的補助制度を創設するよう求める、このようにしております。本市としては、国の動向を注視していくとの答弁がありました。この検証は昨年度末に終了し、本年6月3日付で厚労省から通知されております。
 そこで伺いますが、厚生労働省が実施したこうした補聴器による認知症予防効果の検証、これについて現在どのような状況なのか、お伺いします。市の見解をお願いいたします。
 次に、難聴高齢者の早期発見と把握について伺います。
 加齢性難聴は、ゆっくり進行するため自覚しにくいと言われます。高齢者の聞こえをよくすることが社会参加を促し、認知症予防効果にもつながります。
 さきの厚労省の検証の重要な視点としては、自治体における難聴高齢者を早期発見する仕組みを構築すること、また難聴が疑われたときに、医療機関への受診勧奨ができるように、耳鼻咽喉科との連携の仕組みを整えることが急務だというふうに、一方踏み込んで述べられております。これらは、取りも直さず難聴高齢者の生活を支援し、社会参加を促進して認知症予防につなげる施策として必要だからであります。
 静岡市は、難聴に悩む高齢者がどれだけいるのか把握していないということでありますけれども、これでは難聴者支援と言っても有効な施策は打てないんではないでしょうか。難聴高齢者を早期に発見し、把握し、そして適切な支援を行うために、私は特定健診の項目に聴力検査を加えること、少なくとも受診者自身の自覚を促すために、予診票にチェックボックス記入欄を設けて、難聴が疑われたときに医療機関への受診につなげる仕組みを整える必要があると考えております。
 そこで伺います。
 難聴高齢者を把握するために、特定健診に聴力検査を追加することについて、市の見解を伺います。
 以上、1回目の質問といたします。

◯教育局長 学校における除草作業の状況についてですが、小中学校における敷地内の除草作業は、学校用務員による日常的な草取りを主としながら、必要によりPTAや地元自治会の協力を得て実施しています。
 除草作業に当たっては、原則として農薬の使用は極力控え、草取りを優先するとし、併せて農薬を使用する際は、児童生徒に健康被害が生じないよう、最小限の区域にとどめるとともに、使用する時間帯、飛散防止などに配慮するよう指導しております。こうしたことを含め、令和2年度末には改めて農薬使用の留意事項について、全小中学校長宛てに通知を出したところです。
 農薬の管理については、その保管状況や使用状況などについて、使用の都度、小中学校で農薬使用管理簿に記載することとしており、その状況について毎年度、教育委員会が点検し、適切に保管、使用がなされていることを確認しています。
 今後も学校における除草作業においては、農薬の使用の厳格化と保管状況の確認を徹底してまいります。
 次に、学校用務員の雇用形態等の現状と技術の継承についてですが、学校用務員は施設、設備、備品の維持管理業務及び清掃など、校舎内外の環境整備業務を行っており、現在、市内の小中学校に127人を配置しています。用務員を含む労務職員は、本市の職員適正配置計画に基づき退職者不補充としているため、9割弱が会計年度任用職員として任用し、学校の夏休み期間を除いては、正規用務員と同様にフルタイムで勤務しております。
 業務に係る研修などにつきましては、市内を12の支部に分け、支部ごとに正規用務員を中心に、支部内の用務員が集まる場を設け、機械や工具などの取扱い方法の説明や樹木の剪定など、共同で作業を実施しながら会計年度任用職員に対して指導・育成を行っています。

◯保健福祉長寿局長 難聴高齢者に関する2点の御質問にお答えします。
 まず、厚生労働省の補聴器による認知症予防効果検証の現在の状況についてですが、国は、令和2年度調査を実施し、その結果として、本年6月に自治体における難聴高齢者の社会参加等に向けた適切な補聴器利用とその効果に関する研究を公表しました。
 その報告書では、難聴と認知症との関連に関する研究の現状として、補聴器使用によって認知症の発生率が低下するかについては、明確なエビデンスが現段階では示されていないと報告されています。補聴器による認知症予防効果については、いまだ明確になっていないことから、本市としましては、引き続き情報収集に努めてまいります。
 次に、特定健診へ聴力検査を追加することについての本市の考えについてですが、現在本市が行っている特定健診は、国民健康保険の加入者で40歳から74歳までの方を対象に、生活習慣病の予防を目的として、血液検査など国の基準項目の検査を実施しており、聴力検査は実施していません。一方、他都市では、特定健診の受診時に60歳以上の方を対象に聴力検査を実施し、難聴高齢者を把握している事例もあります。
 このことから、今後、他都市の取組について情報収集し、研究してまいります。

◯市川 正 ありがとうございました。
 それでは、2回目の質問に移ります。
 中項目の2、難聴者の社会参加の促進について伺います。
 加齢とともに耳が遠くなる加齢性難聴は、日常生活を不便にするだけでなく、社会活動への参加やコミュニケーションを困難にします。国立長寿医療研究センターが行った調査によれば、全国で難聴者は65歳以上で約1,500万人、実に45%になるということであります。また、日常生活に支障を来す難聴者は、70歳代の男性で、5~6人に1人、そして女性では10人に1人がこういう難聴に悩んでいるという調査結果が報告されております。厚生労働省の新オレンジプランでも、難聴が認知症の危険因子の1つである、このように指摘をされています。相手の声が聞き取りづらい、こういった難聴者はコミュニケーションに不安を感じているために外出をためらったり、自分の殻に引き籠ったりして社会参加の機会が減っていく、こういう状況ではないでしょうか。
 そこで、難聴者の社会参加を支援する制度に、当市としてはどのようなものを持っているのか、お伺いをしたいと思います。
 以上、2回目の質問です。

◯保健福祉長寿局長 難聴者の社会参加を支援する事業についてですが、本市では難聴者の意思疎通を円滑にし、社会参加を促進するため、要約筆記者派遣事業と手話通訳者派遣事業を実施しています。
 要約筆記者派遣事業は、主に加齢や病気などの理由により、耳が聞こえづらくなった難聴者に話の内容をその場で要約して文字で伝える要約筆記者を、利用者の自己負担なく派遣するものです。
 また、手話通訳者派遣事業も、利用者からの自己負担はなく、聴覚障害がある方とない方との手話によるコミュニケーションを支援するため、通訳者を派遣するものです。
 利用の状況ですが、病院受診のほか町内会などの地域活動や会議、子供の授業参観など幅広く利用されており、令和2年度は要約筆記者は98人、手話通訳者は1,146人の派遣を行いました。
  

◯市川 正 ありがとうございました。
 ただいまお伺いしたところ、この要約筆記者、それから手話通訳者については、各家庭だとか授業参観にも利用されているということですので、ぜひこういった事業があるということの広報を市民に行っていただきたい、このことをまず要望しておきます。
 3回目は要望・意見ですが、まず、小中学校の校庭管理についてです。
 日本で最も使用されている除草剤、これはグリホサートという名前で、アメリカのモンサント社が開発して、ラウンドアップの商品名で広く使われております。主成分のグリホサートと補助剤で構成されますけれども、この補助剤の1つ、界面活性剤、POEAと言われていますけれども、これにグリホサート単独よりも毒性が高いとの研究もあります。
 今年3月の衆議院農林水産委員会で日本共産党の田村貴昭議員が取り上げていますけれども、農水省は今年度から全ての農薬について、最新の科学的知見を踏まえた再評価を行う、このように言っております。
 グリホサートそのものも評価を受けることとなり、現時点で安全と評価されたわけでもありません。市が公表している公共施設等の農薬使用一覧表データを見ましても、学校で使われる除草剤のほとんどがラウンドアップとサンフーロンという銘柄でした。いずれもグリホサートを主成分としております。
 そこで、学校の校庭管理において、子供たちの安全を考慮したとき、ラウンドアップの安全性が分かるまでは使用を差し控えるべきではないかというふうにも考えます。除草剤などを使わないことが一番ですが、やむを得ない場合もあり、学校におけるこうした病害虫駆除や除草についてのガイドラインを何としても策定すべきではないでしょうか。万が一にも子供たちへの健康被害がないよう、より安全な農薬の選択に努めていただけますよう、市で指導していくことを要望します。
 次に、学校用務員の雇用についてであります。
 先ほども触れましたように、学校用務員は樹木の手入れ、花壇の整備、校地内外の清掃や美化、窓ガラスの破損処理など、設備修繕や校庭管理をはじめ、たくさんの仕事があります。また、非常の際や災害の対応など、教員と一体で子供たちの安全・安心を見守る、そして環境美化や物を大事にするなど、授業だけでは教えられない大切な教育の一環も担っています。職員会議等に参加し、教員と一体で子供たちを育んでいく大切な業務であり、正規職員で採用し子供たちの未来を担う、寄り添う、そういうすばらしい仕事を充実させるべきではないでしょうか。退職者不補充を見直して、学校用務員は正規雇用にすることを求めます。
 次に、難聴高齢者の生活支援についての要望です。
 質問の中でも触れましたけれども、難聴高齢者、加齢性難聴はゆっくり進行して自覚しにくいものでもあります。こうした中で、難聴高齢者が積極的に社会参加するには、少なくとも収入に不安がある人への補聴器購入を支援することが欠かせないところですけれども、静岡市においても、難聴高齢者の生活を支援し社会参加を促進して認知症予防につなげる施策として、独自の補聴器購入費補助制度を持つことを求めてまいりたいと思います。
 また、次に、難聴者の社会参加の促進についてですけれども、難聴支援には、要約筆記やヒアリングループがあると聞きました。これらヒアリングループは、設置されている公共施設もあるというふうに聞いております。ぜひ市民に周知をしていただきたいと思います。
 また、こうした高齢者の難聴者を社会参加させるためにも、ヒアリングループが設置されていない施設への設置を進めてほしいと思います。ぜひ可搬式のヒアリングループを貸し出すことができる、そういう制度の創設を要望して、質問を終わります。ありがとうございました。