○駿河湾フェリーについて ○生涯学習施設について

 

◯1番(望月賢一郎君) 日本共産党の望月賢一郎です。
 私は、前回6月議会で質問した駿河湾フェリーの存続策と生涯学習施設について、本議会でも引き続き質問したいと思います。
 まず、駿河湾フェリーについてですが、前回以降、大きな動きがありました。8月22日に川勝静岡県知事が記者会見で、船の所有者から船と発着設備一式を公的機関に無償で寄附するとの申し出があったということを明らかにしました。知事は、この申し出を受けると表明しています。これによって県が何らかの運行主体となれば、租税公課の減少などから、2017年ベースで17万3,531人の利用客を2万数千人程度ふやして20万人にすれば赤字が解消できるということになります。こうした駿河湾フェリー存続に対する機運の高まりがあるわけですが、発着地の1つである静岡市として、フェリー存続に対する具体的な取り組みをこれまでどのように行ってきたのか、まずお伺いします。
 続いて、生涯学習施設について伺います。
 前回6月議会では、生涯学習推進審議会の答申を受け利用方法の見直しについて、その方向性が示されました。きょうの議論に当たって、もう一度その内容について簡潔に御説明いただきたいと思います。
 以上、最初の質問です。
  〔1番望月賢一郎君質問席へ移動〕

◯副市長(小長谷重之君) フェリー存続に対する本市のこれまでの取り組みについてお答えをいたします。
 本年5月の駿河湾フェリーの事業撤退表明以降、本市は県と伊豆2市3町と航路存続のための利用促進策等の検討を行い、連携を図っております。7月には、環駿河湾観光交流活性化協議会のメンバーである本市と県、伊豆の2市3町の各首長クラスや観光関係者により駿河湾フェリー連絡会がフェリー船内で開催され、本市からは私が出席し、フェリーの利用促進策につきまして協議をいたしました。その中で、各団体がそれぞれできることから積極的に取り組んでいくという方針が確認されました。さらに、この協議会に属する県と各関係市町では、9月議会において環駿河湾の魅力発信と周遊観光の促進を図るため、協議会の負担金の増額を補正予算で計上をしているところでございます。
 こうした中、本市においては、環駿河湾地域の周遊観光とフェリーの利用促進を図るため、3つの取り組みを行いました。
 まず1つ目は、フェリーの需要喚起のため、8月に官民連携により、フェリーに乗船された方を対象に、市内37の観光施設等でお得なサービスが受けられる優待キャンペーンを実施しております。
 また、2つ目は、市民への情報発信のため、タウン情報誌、広報しずおか、フェイスブック、テレビコマーシャル等の媒体を通じ、広報活動を行いました。
 さらに、3つ目は、フェリーを利用したサイクルツーリズムを提案するため、市職員を中心にサイクルモニターツアーを実施し、その結果を市ホームページで公開をいたしました。また、この取り組みは先日テレビ番組で取り上げられるなど、広く県民に紹介をされたところであります。
 このような取り組みを今後も継続して行い、航路存続に資するフェリー利用拡大策に努めてまいりたいと考えております。

◯市民局長(豊後知里君) 生涯学習施設の利用方法の見直しについてですが、本市では昨年度、生涯学習施設の配置適正化方針を策定し、生涯学習施設を学びの場として持続可能なものとしつつ、地域コミュニティによるまちづくり活動の場として活用していくことといたしました。
 そのような中、市民公募委員も含めた生涯学習推進審議会からの答申を重く受けとめ、次の3点について見直しの方策を考えたところです。
 さきの議会でもお配りさせていただきましたが、本日も資料をお配りしてありますので、あわせてごらんください。この裏面になります。
 まず1つ目として、利用方法の一元化です。
 これは、現在生涯学習施設の種類によって異なっている利用団体の区分を見直し、新たな区分を設置し、区分ごとの利用申請開始日を統一していきます。
 2つ目は、運営に係る経費に加え、老朽化による修繕費等が増大する施設を維持していくための利用者負担の見直しです。市民の皆さんに安心で快適に御利用いただくため、利用者負担の考え方を基本に、団体区分ごとに使用料の負担をお願いするものです。
 3つ目は、これまで以上に地域住民によるシチズンシップに富んだまちづくり活動を支援、さらに発展させていくため、自治会、町内会等のまちづくり活動については、施設使用料を全市的に無料とするものです。

◯1番(望月賢一郎君) これより一問一答に入ります。
 駿河湾フェリーについては9月の補正でも挙げられていますように、県や伊豆2市3町との連携を行っていくということです。ただ、こうした連携とともに、静岡市の独自の取り組みが重要だと思います。年間2万数千人利用者をふやせば採算ベースということですから、単純に計算すれば、1日当たり60人から70人です。答弁で本市職員を中心にした駿河湾沿岸の自転車ツーリズムの提案が行われていることが報告されました。非常に重要な取り組みだと思います。
 私は、去る8月に市議会都市建設委員会の視察で滋賀県の守山市へ行ってまいりました。守山市で視察したのは、琵琶湖一周のサイクリングコース、ビワイチです。このビワイチには、スポーツサイクリング愛好者が全国や海外からも集まり、愛媛県今治市のしまなみ海道に次ぐ人気コースになってきているということでした。守山市は、その出発点として施設整備なども行い、存在感を高めているということです。
 こうした取り組みが静岡市でもフェリーの利用客の増加だけでなく、清水、由比、蒲原のにぎわいをつくるという相乗効果も期待できます。また、この取り組みが静岡市の若手や自転車愛好家の職員で自主的に取り組まれたということも重要だと思います。行政としても、こうした取り組みを積極的に支援して、フェリー客の増加につなげるようにしていただきたいというふうに思います。
 続いて、生涯学習施設についてです。
 答弁の中で、利用団体区分の旧静岡、清水での統一、利用申請開始日の統一、使用料の統一ということを方向性として言われました。しかし、その眼目は、清水区の現在の9条団体と公共的団体の有料化であります。これは非常に乱暴な話です。旧静岡、清水の生涯学習施設は、そもそもその成り立ちが違います。現在でもこれは利用状況の差になってあらわれています。これについて、旧静岡、清水の施設利用人数について、それぞれ教えてください。
 また、数字だけではあらわせないそれぞれの団体がどういう活動を行っているかを把握することも重要です。利用団体の活動実態を把握できているかについてもお答えください。

◯市民局長(豊後知里君) 平成29年度の貸館利用人数は、生涯学習センター11館で56万8,538人、葵区・駿河区の生涯学習交流館8館で2万2,341人、清水区の生涯学習交流館21館で68万9,399人となっております。
 次に、利用団体の活動実態の把握については、利用団体が利用認定を受けるとき、団体の目的や活動内容、所属人数を伺うとともに、利用に際しては、利用の目的、人数について把握を行っています。

◯1番(望月賢一郎君) 御答弁いただきました。
 今お答えいただいた旧清水、静岡それぞれの利用者を各区の人口で割ってみますと、旧静岡が1人当たり年1.23回、清水区が2.93回と、清水の利用が圧倒的に多くなっています。数字で見ると、清水のほうが生涯学習施設の利用が活発だということです。これは合併前の旧清水市時代から、当時は公民館でしたが、施設の使用を無料にして、行政が市民の自主的な活動を積極的に支援してきたからです。活動内容についても、当局が利用団体の目的や活動内容、所属人数を聞いていると言います。しかし、これはただ毎年の団体登録の更新時にこういった内容を記入することになっている申請書を提出させているだけということではないでしょうか。私はこの間、幾つかの清水の生涯学習交流施設利用団体の皆さんから直接活動内容についての話を聞きました。それぞれの団体の皆さんは大変貴重な活動を行っております。この中身を紹介する前に、学習施設を推進することの意義は何か、この点について行政当局の見解を、まず伺っていきたいと思います。

◯市民局長(豊後知里君) 平成27年に策定した第2次静岡市生涯学習推進大綱で、「いつでも、どこでも学び、豊かな人生を送る」、「学んだ成果を活かし、ともにまちを創っていく」という2つの理念を掲げています。このように学びを楽しみながら自分らしさを育んで、より豊かな人生を送るとともに、学んだことを自分の暮らしや仕事、地域や社会での活動に生かし、まちづくりのための行動を起こしていく人が活躍できる社会を実現することが生涯学習を推進することの意義と考えております。

◯1番(望月賢一郎君) 「いつでも、どこでも学び、豊かな人生を送る」、「学んだ成果を活かし、ともにまちを創っていく」という2つの理念ということであります。
 清水の交流館で活動されている9条団体、公共的団体の皆さん、まさにこの理念に沿った活動をされています。例えば、有度交流館の大正琴のサークルは、月2回、交流館で大正琴の練習をしています。しかし、この団体は、自分たちで演奏を楽しむだけではない、月2回、高齢者の介護施設を回って、慰問をしているとのことです。
 また、飯田、江尻の交流館で活動している英会話のサークル、この団体は、会員でお金を出し合って講師を呼んで、英会話を勉強しているそうです。現在、5名の会員で活動している小さなグループですが、将来の夢は、英会話がうまくなったら清水港に寄港する大型クルーズ船の外国人観光客に清水を案内したいということで活動しているのだそうです。
 現在、1,500ある9条団体及び公共的団体の多くがこういう活動をしています。こうした静岡市が掲げる理念に沿った活動をしている利用団体の皆さんに、どのように今回の有料化の説明を行っていくのか、お答えください。

◯市民局長(豊後知里君) 葵区、駿河区の生涯学習施設の利用団体を対象としては、9月中に6回、10月に2回の合計8回の説明会を開催する予定です。また、清水区の生涯学習交流館の利用団体を対象としては、10月末日までに清水区の全21館で説明会を開催する予定です。特に、生涯学習交流館の利用団体に対しましては、個別に施設の利用方法の見直しに係る説明会を行う旨の開催通知を直接郵送し、説明会への参加を呼びかけております。
 説明会では、本日議員の皆様にも配布しました資料と同じものをお配りし、施設の今後の展望、抱える課題、見直しのポイントなど内容の説明をした後、御意見や御質問にお答えしています。また、説明会終了後は職員が残り、個別の質問等にも対応しております。
 引き続き利用団体の皆様には丁寧な説明を行い、理解を求めていきたいと考えております。

◯1番(望月賢一郎君) 清水区の生涯学習交流館の利用者を対象に、21館全館で説明会を開催するとのことです。しかし、この説明会、既にきょうの時点で6館が終了しています。私は、既に8月の後半からこの説明会の日程を出すように生涯学習推進課に要請をしてきました。しかし、日程表が出たのはきのうです。利用団体に個別に開催通知を発送し、説明会の参加を呼びかけているということですから、日程は随分前に決まっていたと思います。なぜ市議会に対する日程の提示がこんなに遅くなったのか。
 私は、ほかからの情報できのうまでに行われた6館の説明会のうち、興津、飯田、江尻、庵原の4館の説明会に参加いたしました。驚いたことに、この説明会の中で担当職員は、条例改正なので最終的には議会が決めるという発言をしているんです。議会が決めるなら、全議員にこの説明会の日程を事前に周知して、利用者の意見を聞いてもらうことが必要なのではないでしょうか。私はこの間、何度もこの開催日の提示を要求してきました。担当課の職員は、俗に言うそば屋の出前ではありませんが、もうすぐ出ますと言うばかりで、ここまで延びてしまったんです。利用者に対する通知もそうです。通知が利用団体の代表のところに送られてきたといいます。この通知、何の説明会かがさっぱりわからない、おまけに、参加は任意ですと書いてある。説明会をただやったということで、この有料化を強引に推し進めようと、こういうことではないでしょうか。しかし、それにもかかわらず、各館とも会場いっぱいの参加者が詰めかけておりました。この会場では、利用者の皆さん、この有料化に反対、あるいは不安だという声が圧倒的です。有料化やむなしという意見は、少なくとも庵原を除く3館では皆無でありました。
 また、この説明会では、利用者の切実な声も出されています。飯田の交流館で発言された女性は、次のように言っておりました。
 自分たちは子供たちに読み聞かせの活動を行っている。月2回、年間5万円の予算でやっている。しかし、有料化されたら、そのうち1万円は館の使用料として出ていってしまう。そうなれば、活動回数を減らさなければならない。
 こういうふうに言っていたんです。市長、こういう人たちから使用料は取れますか。今行政がやるべきことは、こうした人たちから使用料を取ることではない。こういう人たちが少しでも活動しやすくなるように、支援をすることではないでしょうか。この間、幾つかの9条団体の皆さんの話を聞いた中で共通して出されたのは、毎年度末の9条団体登録の更新の申請書類が大変面倒で、書くのに苦労する。ある団体では、これが書けなくなると代表を交代するそうです。また、交流館の鍵の貸し出しが厳格過ぎて、部屋があいているのに使用15分前にならないと鍵を貸してもらえず、会合の準備ができないので困っているという話も、幾つかの団体から出されました。こうした改善はお金のかかることではない、指定管理者と話し合えばすぐにでもできることです。こういうこともやらずに一方的に有料化しようというのでは、利用団体の皆さん、納得できるはずがありません。
 さらに、旧静岡との利用方法の統一と言いますが、先ほどの飯田交流館の女性、統一と言うなら、静岡を清水に合わせられないのでしょうかと発言をされていました。会場は万雷の拍手です。先ほど、フェリーのところでも言いましたが、市民の自主的な活動を広げていくことが大切だと思います。それが将来的には活力ある静岡市をつくるとともに、行政コストの削減にもつながってくるはずです。そういう意味でも、利用団体の皆さん、今回の有料化の方針、ただ単に自分たちの負担がふえるから反対しているのではない。先ほども言いましたが、この有料化を行えば、市民と行政の信頼関係が崩れてしまう、静岡市の将来に大きな影響が出ると、そういうことを地域とともに活動している経験から一番心配しているわけです。
 最後に伺います。
 見直しに向けたスケジュールはどのように考えているのか、お答えください。

◯市民局長(豊後知里君) 各施設の利用団体等への現在行っている説明を行った後、今年度中に関係条例等の議会への提案を目指しております。
 なお、制度の施行に当たっては、今回の見直しによって使用料の半額負担などによる各団体の規約の変更や、申し込みの時期の変更に伴う準備に配慮して、制度の十分な周知期間を設ける予定でおります。
 繰り返しになりますが、利用団体の皆さんにはできる限り丁寧な説明を行い、市民の皆さんの御理解が得られるよう努めてまいります。

◯1番(望月賢一郎君) 今年度内の関係条例の議会への提案を目指すということです。これについても一言申し上げます。
 先ほどの各交流館の説明会では、担当課長が来年2月の議会への提案をしたいというふうに、はっきりとした期日を言っております。なぜ議会本会議の私の質問には年度内という回答しかできないんですか。年度内というと、11月と2月議会があります。どちらに出されるかで、日程に大きな違いが出るわけです。先ほどの説明会の開催日の提示とあわせて、明らかに議会軽視ではないですか。この点については、次回11月議会でじっくり聞かせていただきたいと思います。
 今回示された9条団体及び公共的団体の有料化による静岡市の増収は、およそ3,600万円から4,000万円と推計されます。しかし、この利用料を得るために静岡市が支払う代償は余りに大きいと思います。この間、さまざまな利用団体の活動内容を聞く中で感じたのは、清水の生涯学習施設の利用団体の活動は、まさに行政の手の届かないところ、高齢者や子供たち、子育て中の母親など、こういう人たちに地域の目線で手を差し伸べているということです。これを行政がやろうとすれば、膨大なコストがかかる。利用者説明会で担当課長は、公共施設を30年間で2割削減するアセットマネジメントにこの生涯学習施設は入っていないと、だから負担は当然だという趣旨の発言をしておりました。これはとんでもない短絡的な発想です。田辺市長、ぜひとも清水の利用者の声を直接聞いていただき、大局的な観点でこの問題を見てください。その上で有料化の方針でいいのか、改めて考えていただきたいと要望いたします。
 まだ時間がありますので、きのうの庵原の説明会の様子を少し御紹介をしたいと思います。(発言する者あり)これは意見・要望です。この庵原の説明会、それまでの私が3回出た説明会とは大分内容が違っておりました。当局の説明が終わった後に、70代ぐらいの男性が最初に発言をいたしました。今まで無料で使えていたのがどうかしていると。税金が投入されているこの施設が無料なのはおかしいと、払って当たり前だという意見が出たんです。それに対して、60代ぐらいの女性が手を挙げまして、その方は多分体操とか、そういう運動系のサークルをやっているということで、1人当たりの利用面積が多いということで、部屋ごとの割り当て、会で使っている人数が少ないので、会ごとの料金になると、それを人数で割ると、1人当たり料金が高くなってしまうということで、もし有料化されたら会がやっていけないということを言われました。そうしたら、70代ぐらいのこれは別の男性の方ですが、手を挙げて、そういったお金がないなら館は使うことはできないんだと、館を使う資格がないんだと、お金がない人はもう館を使わないでもらいたいと、こういうことを言ったんです。それを聞いて、私は本当に悲しくなりました。そして、その後、本当に会場全体が暗い雰囲気になったんですが、その後に50代ぐらいの男性の方が手を挙げて、図書館の例を挙げたんですよね。皆さん、図書館で本を借りるときに料金を取りますかと、取らないでしょうと。この交流施設もそうじゃないですかと、こういう発言をされたんです。この交流館、図書館もそうですし、交流館も文化の拠点だと。こういうところで料金を取っていいのかということを皆さんもう一回真剣に考えてほしいと、こう言ったりされたんです。会場からは拍手が起こりました。
 そういうことで、ぜひともこういう、なぜ今僕は年代を言ったかといいますと、僕も50代で、市長も50代です。そういう50代の人がそういう発言をしてくれたのは非常にうれしかったものですから年代を言っただけなんです。そういうことで、ぜひともこの問題は拙速に結論を出さずに、ぜひとも市長もこの説明会に時間があったら出ていただきたい。そして、参加者の意見を直接聞いていただきたい。私は、もう4回出ていますので、ぜひともお願いしたいということを要望いたします。
 10月から利用者団体連絡会という自主的な組織による有料化中止を求める署名運動も始まると聞いております。私は、こうした団体の皆さんと力を合わせてこの有料化を阻止して、清水の伝統を守るために奮闘したいと思います。この決意を最後に申し上げまして、私の今回の質問を終わります。