2月議会 ‐反対討論‐

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◯37番(内田隆典君) 日本共産党議員団を代表して提案されています議案第30号平成30年度静岡市一般会計予算を初め議案第36号、第40号、第47号、第50号、第53号、第56号、第70号、第79号、第106号、以上10議案について反対討論を行います。
 最初に、安倍政権における国政問題について一言触れておきます。
 1年前より国政で大きな問題になっています森友問題は、財務省が決裁文書を改ざんし、国会に虚偽の答弁を繰り返したことが大きな問題となっています。国民の貴重な財産である決裁文書を改ざんしてまで一部の人に値引きをして売り渡そうとしてきた安倍政権の責任が厳しく問われる事態となってきています。
 こうした中での2018年度予算は、改憲の動きと呼応してさらに大軍拡を進め、専守防衛の建前をかなぐり捨てて本格的な攻撃能力の整備に踏み込む重大な予算となっています。
 また、暮らし・経済の分野では、大企業や富裕層優先の国民に冷たいアベノミクスの本性は変わらず、社会保障の自然増削減や大企業への減税など、格差と貧困を一層拡大する予算となっています。
 このように国が国民に対し冷たい政治を繰り返しているときこそ、地方自治体の役割、そこに住む住民の生活の安定、生命財産を守るという観点が鋭く問われています。
 この観点で田辺市政の2018年度予算案に対し、一言触れておきたいと思います。
 田辺市長は施政方針の中で、一般会計としては過去最大であり、5大構想に関連するプロジェクトに対しては特に予算を重点配分し、主な事業だけで33億円を確保したと述べています。その財源として各局予算の3%削減により捻出した特別枠5億円を充てています。
 一方、市財政の弾力性をあらわす経常収支比率は、来年度は93.3%、その後も上昇し、独自の政策のために使えるお金が少なくなると見込んでいます。
 また、財政の中期見通しでは、2019年度以降は毎年度70億円前後の財源不足が生じ、この点からも厳しい財政運営状況になっております。
 しかし、この中期見通しには、5大構想による歴史文化施設、市民文化会館整備、海洋文化施設や新清水庁舎に係る建設費は反映されていません。設計・建設費の算定は、まさにこれからです。今後これら箱物の建設への投資的経費が具体化する中で、財源不足はさらに増加、市債残高は急増し、経常収支比率も現試算より上昇・悪化する懸念が拭えません。
 市長は、5大構想の名に係る事業費を明確にし、その上で本市財政運営の見通しを示す責任があります。国の地方一般財源減額の議論など地方財政の不透明さが増す中で、万一、5大構想による投資的経費捻出のために市民生活関連予算を削減し、将来的な財政悪化をもたらすならば、市民に責任を持った財政運営とは言えません。
 それでは、以下、反対の理由を述べていきます。
 最初に、一般会計予算についてであります。
 30年度の予算には、新清水庁舎建設に絡む基本計画予算が提案されています。この間、5回の建設検討委員会を開催し、基本構想を策定、1カ月間のパブリックコメントが実施されました。
 しかし、このパブリックコメントも市長発言によって市民の怒りを買うものとなりました。市長は、なぜパブコメでの意見は聞くが、当初計画の大きな変更はないと発言したのか、市民参画基本条例に沿った行政運営を求めておきたいと思います。
 新庁舎建設計画の問題点は、1つとして、最初から建設予定地を駅東公園と位置づけ、これに沿った議論を検討委員会に押しつけてきたこと、2つ目に、津波浸水区域以外に建設予定地は示さず、東日本大震災の教訓を一切生かさず、経済優先の庁舎建設を進めていること、3点目として、市民の意見を最初から聞こうとせず、市の施策を地域に入り、十分な説明・理解をしてもらう責任を放棄してきているということで認められません。
 マイナンバーに関連する予算についてであります。
 国は、この間、運用について一部柔軟な姿勢を見せておりますが、まだ断念はしておりません。本会議での我が党の質問でも明らかになりましたように、個人情報漏えい問題は万全ではありません。マイナンバー制度は個人のプライバシー侵害の危険があり、究極的には社会保障費削減、限りなき利用拡大であり、やめるべきであります。
 小中一貫教育についてであります。
 市は、平成34年度から全ての学校を小中一貫校に移行する計画を進めています。
 問題は、1点目にこの一貫教育が児童生徒を主体とした小中一貫校ではないということです。2点目に、教師の多忙化がいまだに解決せず、より多忙化している、3点目に、研修、打ち合わせ時間に労力がとられている、4点目に、保護者の不安・疑問に答え切れていない、5点目に、施設分離型からスタートし、いずれは学校統廃合への道へ進むのではないかと危惧しています。一度立ちどまり、十分な検証が必要ではないでしょうか。
 新富町こども園が民営化されます。静岡市は、国の指導に沿う形で全ての保育園を、関係者の意見を十分聞くことなく、こども園に強引に移行してきました。そして、今度は民営化であり、公としての責任の後退であります。
 公といえば、職員配置の点で1点、一言指摘しておきたいと思います。現在の正規職員は612人、非常勤300人、臨時104人、パート360人という状況です。子育てという重要な分野でのワーキングプアが発生しています。早期の検討・見直しを求めます。
 自衛官募集事務、国民保護計画についてであります。
 安倍政権になって憲法改悪のスケジュールがはっきりしてきました。憲法学者の多数が自衛隊を違憲としている今、業務をやめるべきであります。
 国直轄道路事業負担金、清水港整備事業費負担金は、市が負担すべきではありません。
 日本平公園整備は、新年度も県と一体になって進められております。自然環境を生かした公園整備へ、そろそろ事業の大幅な見直しをすべきではないでしょうか。
 議案第36号、第106号は、国民健康保険に関するものです。これまであった1割軽減をなくし、最高限度額89万円を93万円に引き上げる議案であります。反対です。
 議案第40号、第56号は、介護保険事業に関するものです。基準額を1人、月225円値上げし、第56号では3年に1度の見直しという名の値上げ議案であります。認められません。
 議案第47号は、下水道の受益者負担金であり、これは都市計画税との二重課税であり、改めるべきであります。
 議案第50号は、行政手続におけるマイナンバーの活用拡大であり、認められません。
 議案第53号は、職員定数条例の一部改正でありますが、一般職をふやすと同時に、その分、教育委員会の定数を減らす内容であり、認められません。
 議案第70号駿府城ラン・アンド・リフレッシュステーション、議案第79号の支援センターみらいに関する2議案は、新規の指定管理の議案であります。安易に指定管理にするものであり、認められません。
 以上、10議案に対し問題点を指摘し、反対討論とします。