清水LNG火力発電所について 清水庁舎移転建て替え予定地、静岡市の漁業・水産業振興について

 日本共産党の望月賢一郎です。
 最初に、9月議会に引き続き、清水LNG火力発電所について質問いたします。
 9月15日に事業者が記者会見を行い、事業の手続延期と、行政や市民に理解を得られるように事業を見直すことを表明しました。あれから2カ月以上が経過しております。行政や市民の理解を得られるようにということは、行政に対して、事業者から何らかのアプローチがあってしかるべきだと思います。
 最初にお伺いします。この間、事業者から担当局への何らかのアプローチといったようなことはあったのでしょうか。答弁を求めます。

◯企画局長(松永秀昭君) 清水LNG火力発電所事業者からの市へのアプローチについてですが、本年9月15日に、事業者が環境影響評価手続の延期を行うと表明して以降、事業者から市へは、事務レベルでの相談がございました。
 その際には、事業者は計画を断念したわけではなく、市のまちづくりとの整合性の観点で検討を続けているとのことでした。
 そのため、市からは、清水まちなかタウンミーティングでお示ししました清水都心のまちづくりの考え方や、今後見込まれる国際クルーズ拠点や、海洋文化拠点施設等の事業について、情報提供を行ったところでございます。
  〔1番望月賢一郎君登壇〕

◯1番(望月賢一郎君) この間、事業者から事務レベルでの相談があり、市として、清水都心まちづくり、国際クルーズ拠点、海洋文化拠点施設などの事業について情報提供を行った。計画について、事業者は、市のまちづくりとの整合性の観点で検討を続けているとのことです。
 10月7日の静岡新聞報道によりますと、清水駅周辺の再開発計画において大きな動きがありました。それは、私が9月議会でも取り上げた本郷町大規模小売店舗跡地、旧西友跡地の再開発計画についてです。
 記事によりますと、この西友跡地の北側半分について、土地を所有していたマンション事業者が、出店予定のスーパーマーケットの事業者に土地を売却したということです。
 この計画は、当初、マンション事業者が、商業施設と高層住宅を建設し、下層の商業施設をスーパー事業者に貸し出すというものでした。しかし、マンション事業者がこれを断念し、土地そのものを売却してしまうということになったわけです。
 スーパー事業者が土地を購入し、2018年春にオープンを予定しているという店舗の規模は、平屋一部2階建て、売り場面積770平米というものです。以前この場所にあった西友地下の生鮮食品売り場の5分の1程度の規模です。前回指摘しましたが、駅前周辺の住民の皆さんが、事実上、買い物難民となっている状況をこの規模の店舗で解決できるのか、心配なところです。さらに南隣には、これも既に報道されておりますが、大手ホテルチェーンが、十数階建て240室の市内最大のビジネスホテルを建設予定です。そして北側には、既に10階建ての分譲マンションが建っており、非常にアンバランスで、清水の玄関口にふさわしいとは言いがたいものになります。
 火力発電所事業者は、計画の見直しについて、1~2年のうちに結論を出すと言っていますが、この1~2年という期間に、こうした駅前開発のアンバランスが、さまざまな形で出てくるのではないかということが懸念されるわけです。8月の田辺市長の意見表明、9月の事業者の手続延期発言を受けて、市民の中ではさまざまな思いが交錯しております。
 巨大な発電所の計画は、清水都心のまちづくりに大きな影響を及ぼします。事業者が計画を断念せず、市のまちづくりとの整合性の観点で検討を続けていると言っている間は、影響が出るわけです。事業者に早期回答を促し、結論を急がせる必要があると思いますが、いかがでしょうか。当局の見解を伺います。
 続いて、清水庁舎の移転先として、市が候補地に挙げている清水駅東口公園。この場所の交通アクセスについて伺います。
 現在、新清水庁舎建設検討委員会が第3回まで行われています。この中で、市民アンケートの結果が報告されております。現在の庁舎への交通手段の内訳は、自家用車が75.3%、自転車が9.6%、バスが5.7%となっております。自家用車で行かれる方が圧倒的です。仮に、庁舎が東口に移っても、この状況は余り変わらないと思います。
 現在、清水区市街地から、清水駅東口公園に車で行くためには、JR東海道線の踏み切りを越えなければなりません。もし踏み切りを通らないで東口に行こうとすれば、大回りをして袖師の地下道をくぐるか、あるいはさつき通りの清水橋を渡って現庁舎まで出て、そこから駅方面に向かうか、いずれにしても大回りをして行くことになります。最短で区内中心部から駅東口に行くためには、駅の南北とも踏み切りを越える必要があるわけです。
 実は、この清水駅の両側の踏み切り、閉まっている時間が非常に長い踏み切りです。列車が清水駅に入ったときには、既に踏み切りは閉まっています。乗客の乗り降りが終わって列車が発車するまで、踏み切りは閉まりっぱなしです。これはJRの安全確保の規定によるものですので、市ではどうすることもできません。駅北側の外浜踏み切りでは、東側100メートルのところを国道1号線が通っています。踏み切り待ちの車が国1までつながってしまうこともしばしばです。また南側の波止場踏み切りは2本の道路が交わったところを東海道線が通る変則した踏み切りになっています。踏み切りの南側は、新清水駅方面から来る車と踏み切りを渡ろうとする車がすれ違いに苦労する踏み切りです。こうした状況下で、多くの区民の皆さんが、車で駅東口に移った庁舎に行くことになれば、踏み切り付近で大渋滞が発生することが予想されます。
 さらに、予定地のアクセス道路である袖師臨港道路の冠水の問題があります。先ごろの台風21号で、臨港道路の北側が深夜から早朝にかけて、約900メートルにわたって冠水し、通行どめになりました。日中であれば大きな影響が出ていたわけです。私は、この臨港道路沿いの会社に30年余り勤めておりました。移転予定地の北側の臨港道路は、土地が低くしばしば冠水する地域であることを実感しております。この道路が県の管轄であることも承知しております。
 しかし、静岡市が進めようとしている清水庁舎の駅東口移転を進めようとした場合、多くの区民の皆さんが利用することになる臨港道路の冠水対策は、静岡市の責任としても必要になってくるのではないでしょうか。
 もう1つ言いますと、もともとこの臨港道路という道路は産業道路です。大型のトラックやトレーラーの通行が非常に多いわけです。中には、輸出入用の25トン、全長20メートル近いトレーラーも通っています。さらに交通量も多いわけですから、一般のドライバーの方、特に高齢者の方など、大変な思いをされることになると思います。
 この交通アクセスの問題に関して、第3回の新清水庁舎建設検討委員会の中でも、1人の委員の中から問題提起がありました。こうした状況を踏まえると、静岡市が新清水庁舎の移転先として考えている清水駅東口公園周辺には、交通上のさまざまな問題があると言わなければなりません。清水庁舎を清水駅東口に移転させようとした場合、この場所の交通アクセスの確保について、現在、市はどのように考えているのか、見解をお聞かせください。

◯企画局長(松永秀昭君) 清水LNG火力発電所事業者に対し、早期回答を促すという考えはないかについてですが、先ほど答弁したとおり、事業者は清水のまちづくりとどのように整合性を図れるか、検討を続けている段階でありますので、本市としましては、現時点では、事業者の対応を見守りたいと考えております。

◯公共資産統括監(森下 靖君) 新庁舎への交通アクセスについて、市はどのように考えているかについてですが、東口公園に庁舎を建設した場合の交通アクセスは、自動車だけではなく、自転車、さらには鉄道やバスの公共交通の利用など、さまざまな方法が考えられます。
 このため、交通アクセスについては、これら交通手段を総合的に捉え、清水都心全体で考えていく必要があることから、関係部局と連携を図りながら、アクセス性に富んだ利便性の高い新庁舎を目指してまいります。
  〔1番望月賢一郎君登壇〕

◯1番(望月賢一郎君) ただいま御答弁をいただきました清水LNG火力発電所について、現時点では、事業者の対応を見守るとのことでした。
 先ほども述べましたが、見守っている間に、さまざまな影響がこの地域に出てきています。事業者が検討するという発電所を建設した上で、これと清水都心まちづくりが一致するなどという方法というのは、どう考えても出てくるはずはないと私は思います。
 静岡市として、市のまちづくり構想の情報提供を行うとともに、こうした点を事業者にもよく説明して、早期の結論を促すよう強く要望いたします。
 新清水庁舎の移転先の交通アクセスについては、自転車、鉄道、バスなどの交通手段を総合的に捉え、清水都心全体で考えていくということであります。非常に抽象的な答弁です。
 第3回の建設検討委員会では、現庁舎の補強4案、建てかえ2案が出されました。具体的な建設コストの計算まで出てきているわけです。第4回目で、数字の中身の説明がされると思いますが、建てかえ、補強費については、こうした具体的な中身に踏み込んでいながら、交通アクセスについては、総合的に捉え、アクセス性に富んだ利便性の高い庁舎を目指していくという抽象的な表現では、検討委員の皆さんが、公平な比較ができるとは言えないのではないでしょうか。
 例えば、先ほど指摘した踏み切りの問題を解決するために、JR東海道線を越える陸橋を新たに建設する必要があるということになれば、その建設費は移転した庁舎のコストに上乗せすることにもなり得るわけです。
 こうした点からも、先ほど指摘した清水駅南北の踏み切りや臨港道路の交通量の調査を行い、過去の冠水の状況などとともに、建設検討委員会に提出することを要望いたします。
 最後に、静岡市の漁業・水産業振興についてお伺いいたします。
 今季の市内のシラス漁は、大変な不漁になっております。私も以前この関連の仕事に携わっておりましたので、今回この質問のために、清水区横砂や由比のかつての取引先、知り合いの漁業者から話を聞きました。
 それによりますと、8月以降ほとんど漁がないということであります。シラス漁が解禁となる3月21日から8月までの前半の漁が悪い年は、過去にもありました。しかしそういう年でも、8月以降で盛り返すというのが例年のパターンであったわけです。しかし今季は、8月以降さらに漁獲量が落ち込んでおります。結果、漁業者、水産加工業者の資金繰りも当然厳しくなってきているわけです。
 本議会におきましても、たびたび同僚議員から、シラス、サクラエビを使った静岡市の活性化などの提案がなされています。こうした「しずまえ」を支える生産現場の支援、振興といった点にも目を向ける必要があると思います。
 また、今回のシラス漁の不漁について私が思うことでありますが、「しずまえ」と言われる奥駿河湾というのは、シラスとサクラエビだけが生息しているわけではありません。アジ、サバ、カマス、タチ、ワラサ、カンパチなど、食物連鎖に基づくさまざまな魚で構成されています。ことしのようにシラスが不漁ということもあるわけですから、漁業・水産加工業者の経営の安定を期すためにも、こういったシラス、サクラエビ以外の魚種の利用促進、ブランド化による魚価の引き上げが必要になってくると思います。それこそが本来の「しずまえ」ということだったと思います。
 そこで、最後に質問ですが、静岡市の漁業者数の現状、そして加工業も含めました静岡市の漁業・水産業振興策についてお聞かせください。
 以上で質問を終わります。

◯経済局長(赤堀文宣君) 本市の漁業者数の推移につきましては、国が5年ごとに行う漁業センサスの統計によりますと、平成10年が903人、25年が787人と、ここ15年間では減少傾向にあります。
 これは、本市の主たる漁業であるサクラエビ漁とシラス漁が、漁業者数、漁船数を維持しているのにもかかわらず、そのほかの漁業の就業者が減少していることによるものです。
 その原因としては、特にそのほかの漁業において、労力に見合う安定的な収入が見込みにくいことから、若年層の新たな就業が少ないことが考えられます。
 漁業者及び水産加工業者への支援策につきましては、まず漁業活動の拠点となる漁港を整備し、漁業のしやすい環境を整えることが最大の支援であると考えています。そして経営基盤の安定、拡大を図るため、漁業近代化資金の借り入れに対する利子補給の制度があり、漁船や設備の導入に利用されています。
 また、静岡市沿岸でとれる魚を「しずまえ」鮮魚とし、首都圏の鮮魚店を活用し、消費者に向けて試験販売をするとともに、関係する飲食店へのPRを行うなど、認知度向上を図り、水産物の消費拡大という面からも支援を行っております。