9月議会反対討論

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 私は日本共産党市議団を代表して、以下の5件の議案に反対の討論を行います。認定第1号、27年度一般会計決算の認定、12号介護保険事業会計、16号病院事業会計、18号下水道事業会計の各決算の認定、そして議案第211号、資源循環啓発施設条例の一部改正について、です。

 

 まず決算認定の主な反対理由です。

 第1は、市民への負担増の押しつけです。介護保険料値上げや利用料の所得による一部2割負担への引き上げが強行されました。毎年、年金は引き下げられているのに、天引きされる介護保険料が引き上げられ、消費税8%増税のもとで、ほんとうに暮らしが追い詰められています。いっぽう、すでに要支援1~2の人の一部サービスの保険給付外しがされて、さらに、いま政府において、要介護度1~2の人の同様の保険給付外しを進めようとしています。そうなると要介護認定を受けた人の65%が対象となります。保険料は3年ごとに上がって重い負担になっているのに、保険給付が受けられないという、国家的詐欺と言われる事態をますます深刻化するものです。

 

 第2は、自治体の公的責任の後退が、医療・福祉・教育の分野で強められていることは容認できません。住民福祉の増進を進める市の責務が果たされていないという問題です。具体的には、市立保育園と幼稚園を全園廃園にして、子ども園移行を強行しました。市立静岡病院の独立行政法人移行も強行しました。清水病院においては一般病床の削減が行われました。

 また教育における公的責任の後退という点では、北部給食センターの建設運営を企業に丸投げするPFI方式です。

 子ども園移行においては、保護者と園との契約方式への移行や基準規制緩和など、児童福祉法に規定された市の保育の実施義務をあいまいにさせ、統廃合や民営化に大きく道を踏み出すものとなる恐れがあります。現に配置適正化方針で具体化されています。

静岡市立病院の独立行政法人化の狙いは、利益と効率を優先させ儲かる医療にシフトを強めようとするものです。

 

第3に、平成34年度からいっせいに小中一貫教育を強行するための準備経費です。文科省の言いなりに進めようとしています。施設一体型であろうが、分離型であろうが、一部やむを得ない山間地を除いて、小中一貫教育を一斉に全校導入することは、子どもの発達にとっても、現場教師の教育活動にとっても、多くの負担を強いるものであり、教育の内容や質を高めることにはなりません。現場教師や地域・保護者などへの丁寧な説明や理解・同意が前提にされておらず、導入ありきの拙速なやり方も問題です。

教育行政がいま目指すべきことは、一人ひとりの子どもに目が行き届き、発達段階に応じた知識・道徳・体育などが身につくような、きめ細かな教育の実践、その実践を教師ができるような、少人数学級などの教育諸条件を整備し保障することです。小中一貫はこれに逆行するものであり、やめるべきです。

 

 第4には、マイナンバー導入経費です。

 これは、個人情報を国家が一元管理する国民総背番号制となるものです。今は3分野ですが、今後、預貯金の補足、民間クレジットカードや航空ポイントと結び、商店街でポイントが使えるようにするなど、機能と活用が広げられます。サイバー攻撃や不正取得などによる漏えいによって、ますます成り済まし被害が広がる恐れがあります。いったん漏れれば、被害は取り返しがつきません。こんな危険な制度の中止を求めます。

 

 第5は、27年度から始められた職員適正配置計画による正規職員の削減です。削減の穴埋めは非正規雇用となっています。さらに民営化によって公務の空洞化がすすめられます。自治体の責務は「住民の福祉増進」を進めることです。そのためには、市民へのきめ細かで質の高い行政サービス水準を確保して、そのサービスを提供するために必要な職員をしっかり確保することです。人は城、人は石垣の立場から、つまり信頼できる人の集団は、強固な城に匹敵する、という立場から、削減ありきの計画は容認できません。

 

 第6は、歳入、あるいは支出すべきでない事業、不要不急の経費です。

 武力攻撃事態に国民を総動員するための国民保護計画は憲法違反であり自治体が取り組むべきでありません。また自衛隊員の募集業務も自治体が受けるものではありません。

 国直轄道路事業負担金、清水港整備県事業負担金は廃止すべきです。

 100億円規模の日本平山頂公園整備計画は、大規模な不要不急の内容を見直して、縮小すべきです。

 下水道受益者負担金は、都市計画税と2重徴収であり、やめるべきです。

 

 以上の理由によって決算認定に反対するとともに、議案第211号、資源循環啓発施設条例の一部改正は、資源循環・リサイクル、ごみ分別や減量など本市の清掃行政にとって、重要な施設について、運営を指定管理者にするものであり、公的責任の後退につながる恐れがあります。本来、そうした重要な施設であるがゆえに、直営によって、市民や子どもたちへの教育や啓発をすすめるべきものです。市の本気度が大きく問われます。

 

 以上の理由のとおり、日本共産党市議団は、市民の負担増、自治体としての公的責任の後退やサービス削減、そして不要不急の支出や不当な支出などを客観的な基準として反対をするものです。日本共産党市議団は、そうした支出が今後なくなるよう取り組むとともに、本市が住民福祉増進の責務をしっかり果たすよう求めて、討論を終わります。