くらし・福祉・防災・平和… 憲法を市政に活かせー市長の政治市政をただすー

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2番(寺尾 昭君) 初めて御声援いただきました。
 私は、日本共産党市議団を代表いたしまして、市政の主要課題について質問いたします。
 我が党の市政に対する基本は、憲法と地方自治法に基づく姿勢を貫くことであります。我が党は、憲法の全条項を遵守するという立場を明確にしております。憲法では、地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基づき法律で定めると言っております。地方自治法第1条の2で、地方公共団体の役割は住民の福祉を増進させることを基本とし、地域における行政を、自主的かつ総合的に実施することをうたっております。こういう立場から、住民の福祉につながる提案については、私たちは積極的に賛成しております。また推進を図っていくべきであると考えております。
 同時に、私たち議員団としても、条例改正案、予算修正案、意見書等で、積極的に独自の提案をしてきました。しかし、住民福祉の低下、あるいは不利益をもたらすおそれのある提案に対しては、これは容認できないという立場で、これも明らかにしてきたわけでございます。
 これからもこの基本姿勢を貫いて堅持していくことを、改めて表明するものであります。
 ことしは、5年ごとに行われる核兵器廃絶に向けた国連NPT再検討会議が開かれる年です。核兵器と人類は共存できないを合い言葉に、全世界で核兵器廃絶の声が高まり、ちょっと前になりますけれども、2009年4月、米国のオバマ大統領も、プラハにおいて、核廃絶のため米国が先頭に立ち、核兵器のない世界の平和と安全を追求する決意を明言したことも記憶に新しいところです。大統領は、これでノーベル平和賞をいただいたわけであります。
 一昨年、静岡市において、国連軍縮会議を開催し、内外に大きなアピールをしたと言えると思います。田辺市長が、核兵器廃絶に向けた国際署名にも協力されたとも伺っており、歓迎したいと思います。
 そこで質問であります。戦後70年という節目の年を迎えて、平和についてどう考えているのか。
 2つ目は、日本国憲法と集団的自衛権のかかわりについて、どのように考えるのか。
 3つ目は、核兵器廃絶や恒久平和に向けた平和行政をどう進めていくのか。一過性に終わらせない平和行政の取り組みを進めていく必要があると思うけれども、これについてもどうか。
 4つ目は、児童生徒への平和教育をどう進めていくのか。
 5つ目は、市長が教育再生首長会議に参加されたと聞いておりますけれども、この理由は何か、お聞かせください。
 次に、安倍政権について伺います。
 安倍首相は、アベノミクスにより雇用がふえた、労働者の賃金が上がった、株価が上がった、GDPもプラスに転じ、好循環だと言っておられるわけです。しかし、急激な円安で輸入原材料を中心とした物価の高騰、賃上げはあったものの、物価高騰を差し引いた実質賃金では、対前年比、きのうかおとといの新聞で19カ月連続マイナスというニュースもありました。雇用がふえたというけれども、これは実際、非正規労働者は確かにふえたけれども、正職員は減っているというような状況にあります。必ずしも好循環と言えるのでしょうか。
 マスコミの世論調査などでは、8割以上の方がアベノミクスの恩恵を受けている実感はない、と言っております。
 物価の上昇は、全体の7、8割を占めております外国投資家の株価操作とも言える、大量の株の売買によるものだと言われております。景気の回復によるものとは言えないのではないかと考えられます。
 資本金10億円以上の企業の経常利益は、何と35兆円で、史上最高となっております。大株主など富裕層と言われている方々も、大きな利益を上げているということであります。そういう中で格差が拡大していると言えるのではないでしょうか。
 昨年4月の消費税8%への増税が庶民の生活に重くのしかかって、駆け込み需要がありましたけれども、現在、それ以前の状態にまで、まだ戻っていない。しかし、日本に格差が拡大をしているということを安倍首相は、必ずしも認めていないと、国会の答弁などで言っております。
 今、通常国会で来年度予算が審議されております。この予算の中身は、社会保障のためと言って消費税を8%にいたしましたけれども、医療、介護、生活保護などの社会保障が切り捨てられる内容になっております。また法人税の関係では、25.5%から23.3%、法人事業税は7.2%から6.6%にすることによって、来年度法人実効税率は32.11%から31.33%に下げるということであります。
 そして、防衛関係費、つまり軍事費は、4兆9,800億円ということでありますから、これは今、話題になっております、沖縄の辺野古の埋め立て工事だとか、在日米軍への思いやり予算などが入っております。2014年度から5年間の中期防衛力整備計画では、何と24兆6,700億円という膨大な金額を計上しているわけであります。
 ただ一方では、医療、介護、生活保護など、先ほど言いましたように社会保障を削っている。大型開発や防衛費の突出。予算にこういう特徴があると言えるのではないでしょうか。
 先日、話題になりました「21世紀の資本」は、世界的ベストセラーだそうであります。フランスの経済学者、トマ・ピケティ氏の著作です。彼は、今、世界で格差が拡大している。それを是正するために富裕層への増税が必要だと述べております。そして、日本において消費税は、経済成長においてもマイナス要因だということを言っております。傾聴に値するのではないかと思うんです。
 そこで質問でありますけれども、このような状況でありますアベノミクスを、どのように評価をしているのかということが第1点。
 2点目は、国の27年度予算について、どういうふうに評価をされているのか。
 3点目は、ちょっと話題が変わりますけれども、今、原子力発電の再稼働という動きも起こっております。もし、市長の考え方があれば、お示しください。
 次に、地方創生、まち・ひと・しごとについてであります。
 昨年5月8日、日本創生会議は、ストップ少子化・地方元気戦略、いわゆる増田レポートを発表いたしました。それによりますと、二十歳から30歳代の女性人口が2040年までに5割以上減少する自治体は消滅可能性都市だと。そして、そのうち1万人未満の町村を消滅自治体と、言っております。この論立ては、やや飛躍があり過ぎるという批判もあります。ショック療法を狙ったのではないかということも言われているわけでありますけれども、一方で、安倍内閣は人口減少社会の国土計画を発表しております。それによりますと、リニア中央新幹線が東京と大阪を結びますと、三大都市圏が1時間で結ばれ、スーパー・メガリージョンが形成されるということです。
 もう1つ、地方都市は、地方中枢拠点都市構想として、人口が30万人以上の都市を対象に、コンパクトシティの形成を図りつつ、公共交通ネットワークで高次地方都市連合を構築し、全国で60から70カ所としていこうと。
 また、そのほか全国5,000カ所程度の小さな拠点をつくって、周りの地域をそこに集約していく方法をとっていくんだと言っております。
 しかし、この方法では、地方から大都市への人口の流れがますます激しくなり、一極集中へのブレーキどころか、むしろアクセルになってしまうのではないかと。新たな自治体再編は避けられず、中小の自治体の自立を破壊し、道州制につながるという批判もあるわけです。
 国交省は、2014年7月に、国土のグランドデザイン2050を発表しました。人口は現状で推移すると、この2050年には9,700万人だと。出生率を2.07まで引き上げて1億人を維持をする。それ以降も9,100万人から9,500万人を維持するんだというような言い方であるわけです。
 しかし今、人口減少に対して、どのような都市をつくっていくのかが問われております。静岡市も同じだと思うのです。とりわけ地方都市ではその役割が重要です。そのためには、次のような条件をクリアしなければならないと考えるのです。まず、安全な居住地の確保が必要です。また、安全で地域性豊かな食料の安定供給も必要です。安全・安定エネルギーの供給が必要です。安定した雇用、社会保障、教育条件の確保が必要であります。そして、文化の継承も必要ではないでしょうか。
 2月5日、総務省が公表した人口移動報告によりますと、静岡市は転出超過が962人あったということです。政令市の中では昨年に続きワースト2位。県全体では7,240人の転出超過で、これも全国ワースト2位。人口流出に拍車がかったという報道もされたわけであります。
 そこで質問でありますが、人口減少社会の原因をどう捉え、どのように対策に取り組んでいくのか。
 次に、2番目は、地方創生の名のもと、新たな自治体再編が進むのではないかと懸念されております。どのように考えるのか。
 次に、静岡市政についてであります。
 田辺市長は、先日、本会議において施政方針を述べられました。静岡市にとっても、政令市移行10年を経て、節目の年となるわけであります。10年を検証、総括することが、今、求められています。
 総括の視点は、いろいろあるでしょうけれども、重要なポイントは、市民がどれだけ豊かになったのか。それをどれだけ市民が実感しているのか、ここがポイントではないでしょうか。3次総のメーンテーマは、「世界に輝く静岡」の実現となっておりますけれども、私は市民の目線に立つことが必要ではないかと思うんです。そういう観点から言えば、世界に輝くのもいいのでしょうが、やはり市民一人一人の顔が輝くことがより必要ではないかと考えるわけであります。
 市政の主人公は市民であります。現在、市民がどのような状況に置かれているのか、とりわけ若者が今、どういう状況に置かれているのかが、施政方針では語られておりません。少子化が人口減の最大の原因であることは共通認識でありますけれども、少子化の原因は、この貧困化と格差の拡大であります。
 そして、非正規労働者が全国で2,000万人と、労働者の4割に近づいていること。とりわけ若者では、半分が非正規であるということで、いわゆる年間収入が200万円にも満たない、ワーキングプアと言われる人たちが、今や1,000万人を超えると。結局、結婚や子育てができない最大の障害になっているわけであります。
 静岡市政に話を戻しますけれども、まず、政令市10年間のまちづくりと田辺市政4年間の総括を、どのようにされているのか。
 2つ目は、3次総における大型公共事業への批判がありますけれども、これについてどう考えておられるのか。
 3つ目は、生活困窮者等に対して、今、いわゆる取り立てが、きつくなっていると聞きますけれども、債権管理のあり方について、どのように考えておられるのか。
 そして4つ目は、認定こども園への移行について、全国的にはちゅうちょや返上という動きも実際にあるわけであります。これらを受けて、市長はどのように考えておられるのか。
 5つ目は、市立病院の地方独立行政法人化についてでありますが、どのようにして、この医療を充実させるのか。またそのことによって職員の負担増につながることはないのか、この点についてもお聞きして、1回目といたします。
◯市長(田辺信宏君) 私からは中項目、静岡市政について、大きく2点お答えさせていただきます。
 1つ目は、政令市移行10年間のまちづくりと、この4年間の市政をどう総括するのかという観点であります。
 この4年間の検証ということは、きのうからたびたび御説明させていただいております。もう少しスパンを大きくして、この10年間の総括を中心にお答えいたしますが、まさに議員御指摘のとおり、この10年間というのは、日本がデフレの不況経済下の中にあったと言っても過言ではないでしよう。その中で市政を任された私は、市民一人一人が、いかに懐を温かく感じてもらえるか、ゆとりを持ってこの静岡市で暮らしていけるかというところに心を砕いてきたつもりであります。
 平成15年4月、たび重なる協議を経て、旧静岡市と旧清水市の合併により誕生した本市は、平成17年4月に、悲願であった政令指定都市となりました。その後、蒲原町、由比町との合併を経て、今や静岡県中部地域の約140万の人口を抱える広域な中枢都市圏を形成をしております。
 移行後の10年間は、本市が自主自立的な都市として、我が国はもとより、世界に向けて歩み出すスタート期間であり、その礎を築くために、政令指定都市としての基盤整備や新市の一体化に注力したまちづくりを進めてまいりました。
 具体的には、静岡、清水双方の水の安定供給を図る上水道の整備や、環境への影響を考慮した西ケ谷清掃工場の整備、市外からの来訪者の窓口となるJR静岡駅北口駅前広場、JR清水駅西口駅前広場の整備など政令指定都市の玄関口としてふさわしい基盤整備を行ってまいりました。
 一方、市民の生命や財産を守るとともに、生涯にわたり健康で豊かな暮らしを実現するため、スピード感を持って臨んだ公立幼稚園や小中学校の耐震化への取り組みや、新たなにぎわいと文化の発信拠点となる静岡市美術館、清水文化会館マリナート、あるいは未来を担う子供を育てるこどもクリエイティブタウン「ま・あ・る」の整備等を進めてまいりました。
 そのハードの基盤整備はともかく、政令指定都市になった最大の収穫と痛感するのは、国と直接政策協議ができるチャンネルをもらったということであります。昨日から議論になっております地方創生についても、ひと・まち・しごと創生本部が置かれている内閣府と静岡市は、今、直接政策協議をしております。国から見ますと、この地方創生は、安倍政権が鳴り物入りで始めているわけですけれども、かけ声だけで終わってしまっては元も子もないわけであります。
 なぜ地方創生と言いますかというと、クリエイティブな発想が地方に求められているということです。単なる地方振興ではないわけです。そうすると、自治体は補助金頼みの受け身の姿勢でいてはならない。あるいは、国が何かやってくれるだろうという従来型の公共事業を求める、工場誘致を求める、そういった発想でも地方創生はならない。自治体側が、いかに現場感覚を持って、この地域オリジナルのクリエイティブな地方創生策というものを、きちっと国と協議できるかどうか、これが全国における地方創生がうまくいくかどうかの決め手となります。
 その点で、直接対話をしていきますので、今、内閣府は、政令市としての静岡市の取り組みに大変、注目しております。この秋までに人口ビジョンと地方創生の総合戦略をかなりオリジナリティーあふれる仕掛けをしてつくっていくわけでありますが、この静岡市を一つの地方創生モデル都市としていくことを、国も今、考え始めてくれているので、直接の政策協議ができた。これは政令指定都市になったゆえのチャンスだったと思っています。
 地域に分け入っていきますと、まだまだ合併しないほうがよかったとか、合併して何一ついいことがないという市民の声を聞くこともあります。しかし、これもゆっくりゆっくり、世の中が変わっていくという証左であり、やがてこのことがだんだん市民の隅々まで伝わって、これはよかったんだと、政令指定都市になったというのは、行政と議会の決断だったんだと全市民が感じてもらえるように歩みを進めていくのみであります。
 次に、認定こども園移行についての私の考えを申し上げます。
 認定こども園の移行について、全国的にちゅうちょや返上する動きがあるが、これらを受けての市長の考えはどうかという質問であります。
 御存じのとおり、幼稚園と保育園は、所管をする官庁も違う、それぞれの経緯の中で、別々の制度として確立され、それぞれ長い歴史と実績を積み重ねていき、異なった文化を育んでまいりました。
 小学校入学以前の子供たちを対象にするという意味では同じですけれども、それをめぐる環境、人の意識というものは、この制度の違いからかなり隔たっているというのが現状であります。
 そうした土壌にあって迎える子ども・子育て支援新制度という大改革に際し、幼保一元化については、全国の自治体においても総論ではいいことだと、賛成であったものの、具体的な推進の段になると、しばらくはもう少し様子を見てみたい、情勢を見定めたいといった動きが、政令指定都市の中でもあったというのも、きのうお話をしたとおりであります。
 こうした状況の中で、静岡市は市立園全園を初め、官民挙げて認定こども園を推進することを、決断いたしました。なぜ認定こども園なのか。私は子供の視点でみれば、それは当然な結論だと考えています。未来を担う静岡の子供たちに、親の就労状況にかかわらず、それぞれの地域の中で、質の高い教育と保育を一体的に提供できるのは、こども園であると確信をしております。幼稚園に行っていた子供が、急に親が働かなきゃいけない、保育園に転園するということも、これでなくなるでしょう。親の視点ではなくて、子供の視点で、この環境整備をしていくというのが私の信念であります。
 そして、中長期的に捉えれば、一方で幼稚園で定員割れが始まり、空きがあるのに、保育園では待機児童でいっぱいであるというような現状を打破していく。待機児童対策の切り札にもなり得るものだと思っています。もちろん認定こども園へ移行するということは、大変なプロセスであります。現地、現場で、それぞれ働いている園の関係者にとっては、従来のやり方を見直していくわけですから、大きな困難を伴うことになるでしょう。先行する市立園の職員の中に、不安や心配や戸惑いの声があることも、私は十分承知しております。先ほどの答弁にもありましたが、フォーラムをやって情報提供したこともその一環でありますが、これまで以上に現場で働いている皆様方に丁寧な丁寧な説明を行って、そしてこれで行けるんだと実感できるように、新たな課題に対しては、ともに考え、乗り越えていけるような丁寧な取り組みを進めてまいります。
 そしてこれをなし遂げ、静岡のこども園の形をつくり上げていくためには、園の関係者が幼保の違いを受け入れ、連携して、力を合わせて取り組んでいただくことが不可欠であります。また、これに加え、各園の保護者や地域、地元の皆さんの御理解と御協力もお願いしたいと存じます。
 ことし4月には、静岡市には72の認定こども園が誕生します。新しい制度に合わせ、幼保連携型の認定こども園に移行する園の数は、政令指定都市の中でトップであります。市立のこども園では、本市が目指す子供の姿の実現に向けて、各園、子ども未来局、そして教育委員会が連携して、持てる力を結集して取り組んでいきます。
 そして、私立園に対しては、その公立園の成果を還元するとともに、認定こども園に移行する意欲のある園に対して、できる限りの行政的な支援を行うことを初め、認定こども園、幼稚園、保育園などの力を結集し、本市の教育と保育環境の充実に努めてまいります。
 この静岡市の認定こども園に対する取り組みは、全国的に注目を浴びております。何とかこれもモデル都市として、子育て環境の充実に向けて、ギアチェンジして、加速させていきたいと思っております。
 以下は教育長及び局長に答弁させます。
◯教育長(高木雅宏君) 平和教育につきましての御質問にお答えします。
 児童生徒への平和教育をどう進めるのかという御質問でございます。子供たちが戦争の悲惨さを知り、平和のとうとさを学び続けることは、平和を願う市民の育成において、とても大切なことであります。
 また、グローバル化が進展する中で、異文化を理解し、これを尊重する態度や、異文化を持つ人々と、ともに生きていく資質や能力を育成することも、平和教育につながると考えております。
 学校教育においては、命を尊重する教育を基盤に置き、戦争資料館などの見学や戦争体験談を聞くなどの活動を取り入れながら、平和の大切さを学んでおります。
 また、社会科や道徳等の授業において、多文化共生の視点に基づき、国や言葉が違っても、お互いを理解し、尊重することの大切さを学んでおります。
 今後も平和に関する学習の充実を図り、日本及び世界の平和を願い、その実現に貢献する子供の育成に努めてまいります。

◯総務局長(三宅 衛君) まず、戦後70年の節目の年を迎え、平和についてどう考えるかについてですが、70年前の本市では、昭和20年6月20日に静岡空襲、その後、一月もたたない7月7日に清水空襲があり、その空襲により市街地のほとんどか焼き尽くされ、多くの犠牲者が出ました。その被害の大きさと人々の心に及ぼした影響は、はかり知れないものがあります。
 そして、現在の我が国の平和は、戦争によって命を落とされた多くの人々の犠牲と、平和のとうとさを重んじた人々の不断の努力の上に成り立っていることを忘れてはいけないとともに、この過ちを繰り返すことがないよう、戦争の悲惨さを若い世代に語り伝えていかなければならないと考えています。
 本市は、平成17年に、静岡市平和都市宣言を議決しました。宣言に掲げられた恒久平和という大きな理念のもと、我が国が二度と戦争への道を歩んではならないとの認識を新たにするとともに、恒久平和の理念の実現に取り組んでいきたいと考えております。
 次に、日本国憲法と集団的自衛権のかかわりについてですが、防衛や安全保障の分野は国の専権事項であり、政府においては、平成26年7月の集団的自衛権に関する閣議決定を踏まえ、安全保障法制の整備を進めているところですが、今後も国政の場における議論や国民に対する十分な説明が行われるものと考えております。

◯生活文化局長(安本 睦君) 平和行政の取り組みについてお答えいたします。
 本市では、静岡市平和都市宣言に掲げられた恒久平和という大きな理念のもと、教育や文化、スポーツ、国際交流など、行政が行うさまざまな場面に平和の理念をもって事業を進めているところであります。
 そこで、お互いに理解し、認め合う寛容性が高い共生都市こそが、平和な都市につながるものと考え、3次総の重点プロジェクトに共生都市を位置づけました。全ての市民の皆さんが国籍や文化、性別、障害の有無などの違いを乗り越え、その多様性を社会の豊かさとして交流することにより、誰もが安心して暮らせる平和な共生都市を目指してまいります。

◯教育次長(市川善隆君) 市長が教育再生首長会議に参加した理由についてですが、教育再生首長会議は、教育現場を預かる基礎自治体の首長が相互に連携し、教育再生の先導的役割を率先して果たしていくことを目的とした市区町村の長で組織する団体でございます。
 教育再生首長会議では、本年4月に地方教育行政の組織及び運営に関する法律が改正され、これに伴い設置される総合教育会議や、市長が策定する教育に関する大綱についての勉強会などが開かれており、市長は教育行政全般にわたる情報交換のために出席したものであります。

◯企画局長(加藤正明君) 私からはまず、アベノミクスの評価についてお答えいたします。
 安倍政権は、大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略のいわゆる三本の矢により、デフレからの脱却と富の拡大を目指してきました。
 実質GDP、日経平均株価、有効求人倍率などの経済指標は改善傾向を示しており、数字の上では景気回復が着実に進んでいると言われております。
 一方、本市の状況を見ますと、有効求人倍率は上昇傾向にあるものの、平成26年11月に実施した直近の静岡市景況調査によると、景況は横ばいである、悪化したと答えた企業が8割以上あり、市内の企業は、景気回復を十分実感できていないという現状がうかがえます。
 政府は、地域経済の好循環を図るべく、まち・ひと・しごと創生本部を設置するなど、地方創生に本腰を入れて取り組んでいるところですので、本市においても市民生活の向上を目指し、積極的に地域経済の活性化に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、人口減少社会の要因とその対策についてですが、本市の人口動態の特徴として、20歳前後では大学進学や就職、40歳前後では転勤、転職、住宅購入など、そして60歳前後では定年退職などによる人口移動が多い傾向にあると考えられます。
 特に本市の最大の課題は、若年世代の人口減少が最も大きく、大学への進学等による10代後半の転出超過が、大学卒業後の就職等に伴う20代前半の転入超過を大きく上回っており、また一度転出した方が本市に戻りにくいといった傾向が見られることであります。
 この背景には、さまざまな要因が考えられますが、高校卒業後の受け皿である大学、短大等が市内に不足していることや、首都圏と比較して市内の雇用の規模や職種が少ないこと、雇用のミスマッチが生じていることなどが考えられます。
 今後は、これら本市の特徴を踏まえ、雇用対策を初め、若年世代の結婚、出産、子育ての支援や、首都圏から本市への移住促進等に直ちに取り組んでまいります。
 次に、自治体の再編についてお答えいたします。
 政府は、国のまち・ひと・しごと創生総合戦略の中で、「時代に合った地域をつくり、安心な暮らしを守るとともに、地域と地域を連携する」を2020年の基本目標とし、またこの目標の達成に向けた主な施策として地域連携を掲げております。本市も今後、地域創生総合戦略を策定して地方創生に向けたさまざまな取り組みを推進していくこととなりますが、既に本市は静岡県中部圏域におけるリーダーとして、この地域連携に取り組んでいるところでございます。この地域連携は、今後も予想されます厳しい社会情勢のもと、自治体の再編がなくとも、おのおのが独自性を保ちながら、行政サービスを安定的、継続的に提供していくための選択肢の1つとして構想されたものと認識しております。
 したがいまして、今後、国・地方を挙げて取り組む地方創生の中、近隣市町村間の地域連携が一層拡大していくことがあっても、自治体再編につながっていくようなものではないと考えているところでございます。
 最後に、3次総における大型公共事業の考え方についてです。
 3次総では、まちづくりの目標である「世界に輝く静岡」の実現のため、歴史文化のまちと健康長寿のまちの2つの都市像を掲げ、政策の大きな枠組みとして創造する力による都市の発展と、つながる力による暮らしの充実を推進していくことといたしました。
 都市の発展には、市民の皆様が生活に豊かさを感じられるよう、産業経済の振興が必要であり、暮らしの充実には市民の皆さんのつながる力を生かした安心・安全の確保が必要でございます。「世界に輝く静岡」の実現のためには、この2つがバランスよく両立していなければなりません。
 議員御指摘の駿府城天守閣の再建や、東静岡地区の文化・スポーツの殿堂の整備については本市が目指す歴史文化のまちを実現していく上で非常に重要な取り組みであると考えておりますので、選択と集中の考え方のもと、市民意見等を踏まえ、今後、検討を進めてまいります。

◯財政局長(河野太郎君) まず、平成27年度の国の予算への評価についてお答えいたします。
 少子高齢化の進展により、社会保障費は約31兆5,000億円で前年度と比較して約3%増加しており、財政的には依然厳しい状況が続いておりますが、その中でも、本市も国に対して強く要望しておりました、平成27年4月からスタートする子ども・子育て支援新制度の実施に必要な財源について、約5,000億円が充てられるなど、所要の予算が確保されたものと考えております。
 また、今回の国の予算のポイントといたしましては、地方創生関連経費として、約7,000億円の国費が措置されるとともに、地方財政計画の歳出に、まち・ひと・しごと創生事業費として1兆円が計上され、地方創生に取り組みつつ、安定的に財政運営できるよう、地方交付税等の一般財源総額の確保に重点が置かれております。
 本市といたしましても、こうした国の動きに呼応して、静岡市版の人口ビジョン、地方創生総合戦略の策定に早急に取り組み、3次総で掲げる目標人口70万人の維持に全力を尽くしてまいります。
 続いて、生活困窮者等に対する債権管理のあり方についてお答えいたします。
 生活困窮者等に対する債権管理のあり方についてですが、未収債権の管理に当たっては、最初に、債務者の生活状況や納付能力等を踏まえ、納付の見込みの有無の見きわめを行います。その上で、納付能力があると認められるにもかかわらず、納付相談等にも応じない債務者については、法令に基づく処分を行うこととなります。
 議員お尋ねの納付意思はあるが、無資力や生活困窮などの理由により納付が見込めない債務者については、分割納付に応じたり、履行期限を延長するなどの一定の配慮をし、債務者の個々の実情に応じた適正な債権管理に努めているところでございます。

◯危機管理統括監(中野達也君) 原子力発電所再稼働についての御質問にお答えいたします。
 原子力発電所を再稼働するのであれば、自然災害やテロ攻撃などに備えた対策や、地震、津波対策を強化する新基準に適合する安全措置が講じられた時点において、原子力発電を含むさまざまな発電手段の中で、安全性を初めとする総合的な検討と関係住民への十分な説明が必要であると考えております。

◯病院局長(上松憲之君) 市立病院の独法化による医療の充実についての御質問にお答えいたします。
 独法化によりまして、病院の経営権限が市から法人に移行することで、より現場に近い法人の判断で、機能的な病院運営を行うことが可能となります。
 また、市の組織としての法律上の制約を受けることがなくなり、人的・物的な医療資源を迅速、柔軟に確保することが可能となります。
 これらのことによって、提供する医療を充実させていくのが独法化でございまして、職員の負担をふやすことは念頭にはございません。
  〔2番寺尾 昭君登壇〕

◯2番(寺尾 昭君) 地方創生についての議論がされているわけですけれども地域経済についても行政についても、上から物をつくるのではなくて、地方からつくるという方向でやっていってほしいと思うのです。
 それでは市政の個別政策について、お伺いいたします。
 まず、行政運営についてであります。
 先ほど触れましたけれども、全国的には非正規労働者の比率が年々高まり、そして1997年、あるいは2004年と相次いで行われました労働者派遣法の改悪で、それまで派遣労働というのは、職種が限定されていたわけですけれども、これが原則全職種に拡大された、ここに大きな原因があったわけです。
 そして今、8時間労働制の大原則を壊す労働基準法の改悪案が進められようとしている。一定の年間収入以上とか、高度専門の職種に限定する、いわゆる高度プロフェッショナル制度が言われておりますけれども、これは残業代ゼロ、あるいは過労死をますます促進をさせていくのではないかという心配の声も上がっているわけであります。
 このなし崩しによる従来の労働者派遣法などの改悪の過程を見れば、今度の8時間労働の大原則が崩される、これがさらに広がっていく空文化していくおそれも非常にあるわけであります。
 また、市の職場についても考えてみたいと思うんですけれども、今、非正規労働者が非常にふえていて、例外ではないんです。一昨年の4月1日現在の資料をいただいているわけですけれども、全職員が9,395人、そのうち正規が6,248人、非正規の職員が3,147人なんですね。非正規の割合は、何と33.7%。今、全国的には3人に1人が非正規という実態があるわけですけれども、何と本市の職員の場合でも3人に1人が非正規という状況なんです。
 官製ワーキングプアという言葉があるんですけれども、まさに官製ワーキングプアそのものではないかと思うわけですね。これは先ほどから人口減少の問題が論議されておりますけれども、人口減少を市みずからがつくっていると言っても過言ではない。
 そこで質問いたします。今申し上げましたように、市の職場において3人に1人が非正規雇用になっている状況について、どのように考えておられるのか。
 2つ目は、市の職員の皆さんの職場では、夜遅くまで電気がついていて、議会の最中などというと、また余計に残業がふえることもあるんですけれども、この時間外勤務の実態、そして時間外勤務の縮減に向けた取り組みを、どのように行っていこうとしているのか。
 そして3つ目は、区役所の権限についての問題です。区役所は今までも論議されておりますように、予算あるいは権限拡大という動きがあるわけでありますけれども、今後の区役所の機能強化という点について、どのように考えておられるのか。
 次に、福祉・医療の問題です。
 先ほど市長からも答弁があったわけですけれども、静岡市が全国に先駆けて市立の幼稚園、保育園を認定こども園にするということでありますけれども、この点についても、さまざまな角度からその問題点が指摘される、あるいは保護者から心配の声が出ていることも、今まで紹介をしてきました。
 そして、私立の場合の移行についても、同様の議論があったわけであります。
 昨年の6月の議会で、条例が制定され、そして4月から新制度がスタートということになるわけです。しかし、実際に、4月から新制度に移行する幼稚園の割合はまだ2割程度。先ほどもお話ししましたけれども、移行の予定を返上したところもあったということであります。子ども・子育て制度は、従前のまま、幼稚園、保育園、そして新制度のもとでの認定こども園、小規模保育事業A型、B型、C型、家庭的保育事業、居宅型訪問型保育事業、事業所内保育事業と、本当に複雑な制度でスタートしようとしているわけです。
 新制度に向けて、国からの公定価格等の詳細も迅速に行われなかった。自治体は振り回されたという点もあったわけであります。
 また、放課後児童クラブについても、9月議会で条例化されました。条例では、指導員の資格取得が義務づけられ、専門性について明確にされました。それだけ責任が重くなったということにもなるわけです。しかし、この指導員の待遇については、余り明確ではないということであります。
 そこで質問です。27年4月に認定こども園に移行する市内の私立の幼稚園、保育園の数はどの程度なのか。そして移行しないところがあるわけですけれども、この理由をどのように捉えているのか。今後どんな見通しを立てているのか。
 2つ目は、認定こども園では、児童によって園での滞在時間が変わってくるんですね。早く帰る子が出てくる、ずっと時間いっぱいまでいる、このような状況で、子供たちに影響が生じてくるのではないかという心配の声もありますが、実際はどうなのか。
 3つ目は、保育料の問題です。保育料は、4月から上がるのか上がらないのか、現状維持なのか。そして、激変緩和の措置がとられると聞いておりますけれども、期間はいつまでか。そしてこの認定こども園の移行に当たって、保育士や幼稚園教諭の勤務条件がどのように変わっていくのか。
 次に、放課後児童クラブの指導員については、専門性が必要とされるわけでありますけれども、それに見合う待遇の改善について、どう考えておられるのか。
 次に、国民健康保険について、お聞きします。
 来年度の国保料引き下げの議案が出されておりまして、それはしっかりと評価していきたいと思うんです。ただ、繰入金の減額をやめ、基金の活用などを行えば、さらに引き下げ幅をふやすことは可能だと思うんです。この問題については、また今後、議論があるようでありますけれども、私は広域化について質問したいと思うんです。国保制度は30年度から県単位の広域化になるわけでありますけれども、国保は国の財政負担がかつての約半分、構造的な赤字体質になっているわけです。広域化すれば、この問題が解決するということになるのかというと疑問であります。
 市町村が独自に行っていた繰入金がなくなるのではないか。医療費削減のために重ねてきた、さまざまな努力が無駄になるのではないか。広域化による危惧の声が上がっております。特に基金については、自治体自身の努力により積み立てられてきたものなんですね。市民のために活用されるべきだと考えるわけです。
 そこで質問ですが、国民健康保険制度の広域化が決まって、基金については必要性等において、従来とは違う見解となると思われます。今後どのような考え方をもって基金を活用していくのか、お示しください。
 次は、介護保険について伺います。
 介護制度変更に伴って今、問題点が噴出していると言ってもいいと思うんです。最大の問題は、介護報酬の平均2.27%削減の案が出されております。あわせて介護従事者に対しては、1人平均1万2,000円の賃金改善も出ているわけであります。
 昨年7月、厚労省は、この新総合事業のガイドラインを公表しまして、その基本は公的な支援から自助への方向を明示をした効率的な事業実施に努めることを前提に、以下の内容を言っております。
 1つは、低廉なサービスの利用を普及していく。2つ目は、要介護認定について、地域包括支援センターの窓口でチェックリストによる振り分けにより、認定作業をやらない。3つ目は、介護予防ケアマネジメントによって、別のサービスへの転換や、サービス終了に導いていく。
 また、特養ホームの入所は、特例を除き要介護3以上とするということ。利用料の自己負担を、所得制限はあるようですけれども、現在は1割ですけれども2割にするということです。
 そして、低所得者の施設利用の際の食費、居住費の軽減措置の縮小や打ち切りによる負担増が進められようとしております。
 介護保険料が年々引き上げられていく中で、減免という制度がなかなか利用されていないことにも問題があります。
 そこで、介護保険についての質問です。
 まず、介護保険料の減免制度の周知あるいは拡充について、どう考えておられるのか。
 2つ目は、介護給付費準備基金を介護保険料の軽減にもっと活用すべきではないかと考えますけれども、それについてはどうか。
 3つ目は、新しい総合事業についてです。特に要支援の方へのサービスをボランティアによる支援に切りかえようとしておりますけれども、これで十分なケアができるのかどうなのか。
 4つ目は、特別養護老人ホームに入所を希望する要介護1、2という方々が外されるわけですけれども、その対応についてどのように考えておられるのか。
 5つ目は、特別養護老人ホームの入所待機者の現状、そして今後の整備計画は、どのようになっているのか、お伺いいたします。
 市立病院の独法化については、先ほども答弁がありました。これまで職員の説明会や職員組合との交渉なども行ってきておられるわけですけれども、その状況についても、お伺いしたいと思うんです。静岡病院の地方独立行政法人化について、職員から今までの話し合いの中で、どんな声が出ているのか。そしてその声を今後どう受けとめて対応していこうと考えているのか、お示しください。
 生活保護についてであります。生活保護のケースワーカーの人員配置は、80人の受給者に対して1人という、標準が一応あります。この間、受給者がふえ続けていることから、ケースワーカーが増員されてきたことは、評価いたします。生活保護受給者の自立を支援するためには、本人に寄り添った指導・援助が必要であります。複雑なケースを抱えているケースが非常にふえている今日、120人の受給者を担当している方もおられるわけです。今までの80人に1人という標準の数でも十分とは言えないわけですけれども、それも今は、充足されない状況にあります。
 そこで質問いたしますけれども、生活保護受給者の自立助長や生活状況把握のための訪問調査等を担うケースワーカーの人員体制について、しっかりと正規職員で強化すべきと考えますが、この点についてどうか。
 2つ目は、生活保護の受給者の就労支援についてであります。受給者本人の意向や能力に沿った自治体支援が必要であると考えますけれども、この点についてどのように考えておられるのか。
 次に、災害時の要援護者についてであります。
 11月議会でもこの問題を取り上げました。防災担当部署だけではなくて、関係する各部署の連携が必要であることが課題ということがわかったわけであります。
 東日本大震災の際には、要援護者と言われる方々の死亡率が高いことも、この資料の調査の結果、明らかになっております。指定避難所では、全ての方々のニーズに合った対応をとることが困難であることが予想されますけれども、このような方々は、速やかに福祉避難所に移ることが必要であります。そこで質問であります。難病患者など、指定避難場所での生活が困難であり、配慮が必要な方を福祉避難所に移すための基準があると思うのですけれども、どのように考えておられるのか、お示しください。
 次に、地域経済活性化についてであります。
 地域経済活性化の鍵は、地域循環型経済をどのようにしてつくり上げていくのか。また、地域経済の主役は、中小企業と農林水産業とも言われているわけです。昨年の第186回国会で小規模企業振興基本法、あるいは小規模事業支援法が成立しました。いわゆる小規模二法と言われるものであります。
 中小企業基本法では、小規模企業とは従業員20人以下の事業者となっております。小規模二法では、中小企業者は地域経済の主役としての位置づけと、その振興の必要性を明確にいたしました。あわせて10月には、地域経済の活性化に資する事業計画の推進と、地域ぐるみで総力を挙げた支援体制の整備を図るとする、向こう5カ年間の小規模企業振興基本計画を閣議決定したわけであります。本市でもこの計画に沿った施策が求められるわけであります。
 そこで質問であります。1つ目は、市の工事等について、中小企業等への発注状況はどうなっているのか、お示しいただきたいと思います。
 次に、中小企業振興条例の制定、小規模企業振興計画の策定についてどう考えるか、お示しください。
 3つ目は、今の時点では、どうしても必要になってきていると考えます公契約条例の制定に向けた考え方について、お示しください。
 次に、若年の方々の就職促進のための取り組み内容と、その評価はどうしているのかについて、お示しください。
 次に、農林水産業の振興についてであります。今、耕作放棄地が年々ふえているわけですが、どのように取り組んでおられるのか。
 2つ目は、市産材の需要拡大のため、住宅建築に対する助成をもっと拡大すべきではないかと思いますけれども、その点はどうか。
 そして次に、来年度、全国お茶まつりが開催されます。静岡市のお茶の消費拡大がどうしても必要となりますが、これを今後どのように生かしていくのか、お示しいただきたいと思います。
 このような施策に取り組んでいく必要が迫っているわけですけれども、今、清水区でちょっと残念な事態があるんです。それは西友の撤退と、小糸製作所の生産拠点の一部移転が取り沙汰されていることです。この西友の撤退、小糸の生産拠点の一部移転に伴う従業員の雇用についても問題がありますけれども、この辺について、どのような確認をしているのか、お示しください。
 次に、消防の広域化についてであります。
 今、駿河区役所の隣に消防本部を建設中であります。時々前を通るんですけれども、もうほとんどでき上がっているようであります。ここが広域化後の中心になる庁舎となります。広域化によるデメリットをしっかりと克服して、メリットをより拡充することが広域化のポイントだと思います。
 職員の給与等についても、静岡市以外の市町の職員が新しく静岡市の職員になるということでありますから、不均衡、不公平が生じないようにしていかなければならないと考えます。
 そこで質問でありますけれども、消防力の強化は、何といってもマンパワーということであります。広域化により職員や施設の充実をどう図っていくのかについて、お伺いします。
 2つ目は、市町間の給与水準の違いが今、現実にあるわけなんですね。違う人たちを一緒にするということであります。どういうふうに整合を図っていくのか。また、福利厚生面などでの違いも当然あるということでありますけれども、この辺についてもどのようにしていくのか、あわせてお伺いします。
 きのうの市長答弁で、東静岡の市有地について、にぎわいの創出のための広場という答弁がありました。文化・スポーツの殿堂ということも、今まで言われてきているわけです。新たな超大規模な箱物は、今、本当に必要なのかどうか。人口減少という状況の中で、あるいはアセットマネジメントという方向が明確にされている中で、ここにも大型箱物というのは、それらの考え方に反するのではないか。いつでも、誰でも、スポーツに親しめるための施設をふやすということが、今、やはり必要ではないかと思うのです。
 そこで、今後、市民がよりスポーツに親しめる施策についてどのように考えておられるのか、お伺いして2回目の質問といたします。

◯議長(石上顕太郎君) 本日の会議時間は、議事の都合により、あらかじめこれを延長します。
 当局の答弁をお願いします。

◯総務局長(三宅 衛君) まず、市の職場において3人に1人が非正規雇用となっている状況についてですが、本市では業務内容の見直しなどにより、正規職員を非常勤職員に切りかえたり、また行政需要の変動が見込まれる業務や、短期間で終了することが明らかな業務、短時間のみ必要となる業務など、正規職員が対応するよりも効果的であると考えられる業務に、非常勤職員や臨時職員、パートタイマーを配置しております。
 今後も効率的な市政運営や市民サービスの向上を図るため、適正な職員配置に努めていきたいと考えております。
 次に、職員の時間外勤務の実態についてですが、過去3年間における時間外勤務時間の推移は、前年度と比較し、平成23年度がマイナス2.5%、24年度がマイナス0.8%と2年連続で減少したものの、25年度については2.8%の増加となっております。時間外勤務縮減に向けた取り組みにつきましては、平成23年度から主に職員のワーク・ライフ・バランスの推進を図ることを目的とした時間外勤務等縮減対策、仕事みがき方針を掲げ、仕事の内容を再確認し、仕事のやり方を見直す取り組みを行っています。
 特に本年度につきましては、平成25年度の実績が前年度を上回ったことから、強化策として、週1回の定時退庁日の完全実施、月1回のワーク・ライフ・バランスデーの実施など、重点取り組み項目を設定しております。
 こうした中、各局長等のリーダーシップのもと、仕事のやり方を見直し、職場全体で時間外勤務を縮減するという風土づくりや、職員一人一人の時間外勤務に対する意識改革に取り組んでいるところであります。
 今後につきましても、時間外の縮減に向けて不断の見直しを行い、全庁を挙げて進めていきます。

◯駿河区長(海野耕司君) 今後の区役所の機能強化についてでございますが、3区全般の機能強化につきましては、昨日、葵区長から、また事業実施の基盤となります予算要求につきましては、本日午前中、清水区長から御答弁させていただきましたので、私からは、今後の区役所の機能強化に向けた区民意見聴取のあり方につきましてお答えさせていただきます。
 3次総のシチズンシップが発揮される、市民主体のまちづくりに向けて、区民意見聴取の機会を、さらに拡充する必要があるため、魅力づくり事業の再構築とセットで、3つの視点から検討してまいりました。
 1つ目は、5期10年にわたる区民懇話会の貴重な提言を資産として、今後の魅力づくり事業につなげる視点。
 2つ目は、区民との協働強化につながる意見聴取をどうしたら行えるのかという視点。
 3つ目は、暮らしの充実につながる事業が推進できているか、PDCAサイクルから検証していく視点です。
 これらの視点による検討から、3区それぞれ区民懇話会を新たな姿に変え、仮称ではありますが、葵区では、多様な区民意見を聴取し、柔軟に対応策を検討する区民意見交換会に、駿河区では、住民の区政への参画を促進し、また、若者の柔軟な感性を取り入れる区長とまちみがきセッションなどに、清水区では、地域課題の解決を住民とともに目指す、まちづくり協働会議など、これまでの提言を含めて、地域の皆さんとともに、より実効性のある意見聴取方法に見直したところです。
 これまで以上に、各局との連携を強化し、暮らしの充実につながる施策に反映させ、安心・安全が実感できるまちづくりに取り組んでまいります。

◯子ども未来局長(池谷眞樹君) 認定こども園、放課後児童クラブについての5点の御質問にお答えいたします。
 まず、市内の私立幼稚園、保育園の認定こども園への移行の状況ですが、平成27年4月から、私立幼稚園53園のうち11園が、また私立保育園59園のうち7園が幼保連携型認定こども園に移行する予定となっております。
 なお、それぞれのうち2園は、幼稚園と保育園の統合によるものでございます。
 昨年7月の調査時点における移行しないとした園の主な理由としては、経営的判断が難しいことや、移行した園の状況を見て判断したいなどが挙げられています。同調査では、平成27年度には移行しない園のうち、私立幼稚園で9園、私立保育園でも9園が、28年度以降に移行する方向で検討中としており、今後につきましても認定こども園移行の動きは広がるものと考えております。
 次に、認定こども園における児童の滞在時間の違いによる影響ですが、現在の保育園でも、午後早く帰る子、夕方帰る子、延長保育まで受ける子がおり、降園時間は子供によってさまざまです。そのような状況の中で、子供たちはさまざまな生活パターンの子供がいることを理解して、日々の生活を送っています。
 また、幼稚園から移行した市外の認定こども園の園長からは、多様性の中で、子供が響き合って成長していくとの話を伺っております。こうしたことから、認定こども園における児童の滞在時間の違いにより、児童が混乱するなどの影響はないものと考えております。
 次に、認定こども園の保育料と激変緩和についてですが、本市の新制度における利用者負担額は、静岡市子ども・子育て会議の議論を踏まえ、現在の保育所の保育料と同様に、保護者の経済状況にきめ細かく対応することを前提としております。
 利用者負担額の設定に当たっては、保育利用者については、保育標準時間の負担額を現行保育料水準どおりとし、教育のみの利用者については、私立幼稚園の平均保育料を目安として定めます。このような設定とした上で、現在の在園児童については、従前の算定方法を用いるなどして、卒園まで経過措置を講じていきますので、保育料が上がることはありません。
 次に、認定こども園に移行した際の保育士や幼稚園教諭の勤務条件ですが、こども園への移行に伴い、市立の保育園に勤務する保育士、幼稚園に勤務する幼稚園教諭は、来年度からこども園の保育教諭として勤務することになります。こども園における保育教諭は、現在の保育園と同様に、ローテーションによる勤務を行うなど、現在、幼稚園に勤務する職員にとっては、勤務日や勤務時間帯が変わることとなりますが、1職員の1日当たりの勤務時間はこれまでと変わりません。そのほかの勤務条件についても、現在の保育園、幼稚園と大きく変わることはありません。
 最後に、放課後児童クラブの指導員の対応についてですが、放課後児童クラブにおいては、指導員は非常に重要な役割を果たしており、今後、児童クラブの拡充を図っていく上でも指導員の質の向上及び人員確保が必要なため、適切な対応を確保することが大切であると考えています。
 指導員は、運営受託者が雇用するものであり、市と直接雇用関係にありませんが、市の委託料算定においては、これまでも賃金単価の引き上げや主任手当の創設をしてまいりました。平成27年度予算案においては、主任手当の引き上げなどを盛り込んでおり、引き続き適切な待遇の確保に努めてまいります。

◯保健福祉局長(松本泰典君) 福祉医療関係の9点の御質問にお答えします。
 最初に、国民健康保険事業における基金の活用についてですが、予期せぬ給付増などへの対応のため、保有を続ける必要がございましたが、今後は、平成30年度から、静岡県が保険者となることにより、保険料の引き下げ等への活用が可能となりました。
 国民健康保険運営協議会におきましても、残りの事業期間の安定運営及び精算に必要な金額の確保等の諸条件を十分に見きわめた上で、可能な限り市民の負担の軽減をすべきであるとの提案がなされました。
 これを受け、次回以降の運営協議会の中で協議を重ね、保険料の引き下げを行うことに加え、継続的な法定外繰入を行ってきた経緯を考え、法定外繰入の減額をすべきであるとの多数の意見を踏まえた答申をいただきました。
 これにより平成27年度は、基金の一部を活用し、保険料の引き下げ及び一般会計からの法定外繰入の減額を行うこととしました。
 運営協議会の中でも法定外繰入の減額につきましては賛否両論がございましたが、答申を尊重した対応を行ったところです。平成28年度以降につきましても、答申を踏まえ、市民の皆さんの負担をふやさないように基金を活用していく考えでございます。
 次に、介護保険料の減免制度の周知についてですが、主な取り組みとして、2点行っております。
 1点目として、新たに65歳を迎える全ての方に対して、被保険者証をお送りする際には、介護保険制度についてのリーフレットを同封し、この中で介護保険料の減免についてお知らせしております。
 また、2点目として、介護保険のパンフレットを各区の高齢介護課や地域包括支援センター等に配備し、周知に活用しているほか、広報紙やホームページでも情報提供しております。
 このほか市政出前講座や通常の相談業務においても、具体的に対応するなど、減免制度の周知に努めております。
 次に、保険料の減免制度の拡充についてですが、現在の減免の基準は、災害失業等により財産や収入が30%以上減少した場合と、生活状況が生活保護基準以下で、納付が困難な場合としております。
 これは他都市と比べても決して厳しいものではございませんので、基準の見直しによる制度の拡充は、現時点では考えておりません。
 次に、介護給付費準備基金の活用についてですが、平成27年3月末時点の基金残高を22億円余と見込んでいることから、不測の事態に備え2億円余を残し、20億円を27年度から29年度における介護保険料の軽減に充てることとしております。なお、これによる軽減額は、保険料基準額において、1人当たり月額267円となります。
 次に、新しい総合事業についてですが、要支援者等の多様なニーズに応え、その人の能力を最大限生かしながら、多様なサービスを提供する仕組みになっております。
 具体的には、身体介護のような専門的なサービスを必要とする人には、訪問介護員によるサービス提供が従来どおり行われ、掃除や買い物のような簡易なサービスで生活が維持できる人には、ボランティア等によるサービス提供が行われ、より低廉な価格でサービスが利用できるようになります。このため平成27年度から生活支援コーディネーターによる生活支援サービスの担い手の養成や、必要なサービスの創出など、地域における生活支援のための体制整備を促進してまいります。
 今後も平成29年4月からの新しい介護予防日常生活支援総合事業への移行に向けて、要支援者の皆様が安心して生活できるよう、制度設計に取り組んでまいります。
 次に、特別養護老人ホームの入所についてですが、平成27年度より新規入所者は、原則、議員がおっしゃるとおり要介護3以上の高齢者に限定されることになります。しかしながら、要介護1、2の方であっても、認知症、虐待等、やむを得ない事情により、特別養護老人ホーム以外での生活が著しく困難であると認められる場合には、市の関与のもと、特例入所が認められております。
 また、特例の要件に該当しない要介護1、2の方については、住みなれた地域において、自分らしい暮らしを安心して続けることができるよう、24時間365日の在宅生活を支援する定期巡回随時対応型訪問介護看護、看護小規模多機能型居宅介護等の在宅生活を支援するためのサービスの充実を図ってまいります。
 次に、特別養護老人ホームの入所待機者の現状と、今後の整備計画についてですが、まず待機者数は、平成26年10月1日現在2,424人です。このうち平成27年度より新規入所の対象者となる要介護3以上の待機者数は1,587人です。
 次に、今後の整備計画については、第7期高齢者保健福祉計画において、平成27年度から29年度までの3年間で、各年度100床ずつ、計300床の整備を予定しております。
 特別養護老人ホームについては、入所ニーズが高いことを踏まえ、居宅での介護が困難な要介護認定者が安心して生活できるよう、引き続き整備してまいります。
 次に、生活保護に係るケースワーカーの人員体制についてですが、平成20年度は37人の配置でしたが、リーマンショック以降の急激な経済情勢の悪化による生活保護受給世帯の増加に伴い、年々増員を図り、26年度には71人のケースワーカーを配置しております。
 また、生活保護受給者の自立に向けた支援は多岐にわたることや、ケースワーカーの負担軽減のため、就労支援や面接相談等を専門に行う非常勤嘱託職員の増員を図っており、平成20年度には8人でしたが、26年度は31人を配置しております。
 さらに、ハローワークと連携し、各区役所にジョブサポートコーナーを設置するなど、生活保護受給者の自立の助長やケースワーカー業務をバックアップする環境の整備に努めております。
 今後につきましても就労支援を初めとして、よりきめ細やかな支援が可能となるよう、生活保護受給世帯数の推移にも考慮しつつ、ケースワーカーの増員等による実施体制の整備に引き続き取り組んでまいります。
 次に、生活保護受給者の就労支援についてですが、生活保護申請時に福祉事務所の就労支援員やケースワーカーがカウンセリングを行い、職業経験適正就労阻害要因、就職に関する希望を明らかにした上で、本人の同意を得て支援方法を決定します。具体的には就労意欲が高く離職期間が短い者には、就労支援員とハローワークのナビゲーターが連携し、受給者に適した職業の紹介や求人の開拓などの支援を行います。
 また、就労意欲は認められるものの、求職活動の方法を把握していない者等には、就労支援員による面接指導、履歴書の作成指導等の支援を行います。
 さらに、離職期間が長く、仕事への不安や生活リズムが乱れている者には、就労体験、職業訓練事業を活用し、不安の解消や生活リズムの改善を図るなど、受給者の意向や能力、状況に沿った支援を行っております。
 最後になりましたが、福祉避難所へ移す際の基準についてですが、移動する対象者の決定に当たり、迅速かつ公平に行えるよう、福祉避難所対象者チェックシートを作成いたしました。このチェックシートでは、福祉避難所への入所希望や看護できる家族等の情報、障害者の手帳や難病の有無など、要介護等の状況を確認する項目を記載したほか、福祉避難所へ移すための基準を明確にいたしました。
 基準の内容は、パニックになる、専門的な支援や医療的なケアが必要、認知症状があるなど、専門家でなくても判断ができる項目となっており、10項目あるうち1つでも該当すれば、福祉避難所へ移動できることとしております。また、基準の設定に当たっては、障害のある人の宿泊、防災訓練を行うなど、災害時に援護を必要とする人の支援についてノウハウのある静岡市障害者協会に意見を聞き、素案を作成しました。
 今後は、災害発生時に地区支部等がチェックシートを活用し、福祉避難所の対象者を判断することなどについて検討するとともに、そのシートの活用について周知に努めてまいります。

◯病院局長(上松憲之君) 静岡病院の独法化に関する職員の声についての御質問でございますが、平成26年4月から職員相談窓口を設置して、意見や質問を受け付けているほか、職員向け説明会でも意見などをいただいております。それらについては回答を付して職員に配布することで不安の解消に努めてまいりました。
 意見などの半数は、給与や福利厚生などの処遇に関するもので、この点につきましては、職員団体に対して、市の現行制度に準ずるものとする提案を行い、協議を進めるとともに、職員にも周知を図っております。

◯経済局長(斎藤 誠君) 地域経済活性化の7点の御質問にお答えいたします。
 まず1点目、本市の物件、工事及び役務についての中小企業への発注状況についてですが、官公需についての中小企業者の受注の確保に関する法律に基づき、毎年実績額を調査し、国に報告しております。
 平成25年度の一般会計における官公需契約に占める中小企業向け契約実績は、その大半が市内企業との契約になりますが、物件、工事及び役務の合計で、件数ベースで91.1%、金額ベースでは67.3%でございました。
 次に、2点目の中小企業振興条例や小規模企業振興計画の策定についてですが、本市では、静岡市産業振興プランを定め、広く中小企業の活動を下支えする各種施策を行うとともに、中小企業支援法に基づく静岡市中小企業支援計画を策定し、産学交流センターなどの産業支援施設を拠点とした支援に取り組んでいます。
 産業支援施設では、窓口相談や専門家の派遣などにより、経営相談、マーケティング支援などを行い、中小企業の成長発展及び持続的発展のための支援を進めております。
 中小企業振興条例などにつきましては、今後も国や他都市などの動向を注視するとともに、地域経済及び中小企業の状況把握に努め、引き続き検討してまいります。
 次に、3点目の若者の就業促進のための取り組み内容と評価についてですが、本市では、魅力、実力を有した企業が多数あるにもかかわらず、学生と企業のミスマッチが生じていることから、次の3点に取り組んでおります。
 1点目は、大学等の就職担当者と地域企業の採用担当者が情報交換を行い、学生個々ではなく、大学と企業が組織として緊密な関係を構築できるよう、地域産業・大学等交流会を実施しております。
 2点目は、採用活動に人員等が割けない中小零細企業でも、容易に情報発信ができるよう、若者就活応援サイト「しずまっち」を市が独自で運営しております。
 3点目は、学生と地域企業の経営者が気軽な雰囲気の中で交流、情報交換を行い、地域企業の魅力を学生にじかに感じてもらうため、リクルート・カフェを開催しております。
 これらの事業の評価については、平成26年度の地域産業・大学等交流会は、企業71社、大学等60校の参加で、25年度と比較し、企業は15社増加しております。リクルート・カフェでは、参加学生へのアンケートで、地域企業への就職意識が高まったと答えた方が90%以上と好評であり、両事業とも一定の評価があったものと考えております。
 今後も地域企業の情報発信支援を充実し、学生と地域企業のミスマッチ解消により、若者の就職促進を図ってまいります。
 次に、4点目の耕作放棄地対策についてですが、農地の荒廃を防ぐための予防対策と、耕作放棄された農地の再生利用の2つの観点から取り組みを行っております。
 まず、予防対策としては、1点目として、担い手への農地集積を行う農地中間管理事業。2点目として、中山間地域の農地保全を目的とした中山間地域直接支払制度。3点目として、農地の小規模基盤整備や収益性の高い他作物への転換を行う茶園地再編対策事業の3点に取り組んできたところです。
 次に、再生利用としては、平成21年度に、県、市、JA、認定農業者協会で組織する耕作放棄地対策協議会を立ち上げ、国の交付金事業を活用して耕作放棄地の再生利用に取り組んできたところです。
 今後とも予防対策と再生利用を、耕作放棄地対策の両輪として、農地の保全に取り組んでまいります。
 次に、5点目の市産材需要拡大のための住宅建築に対する助成についてですが、市産材の利用の拡大、価格回復を進めるため、木造住宅を市内で新築する市民に対し、市産材の柱等を提供する柱100本プレゼント事業を平成15年度から実施しております。
 この事業の効果としては、1点目として、市産材の住宅の主要構造材の60%以上を使用することを補助の条件としていることにより、市産材の使用量が増加していること。2点目として、これに伴い、価格も周辺地域材と比べ1割高で取引され、価格向上に貢献していること。3点目として、関連産業を含めた経済波及効果も大きく、地域経済に広く好影響を与えることが挙げられます。
 また、本事業は、毎年度補助枠が満杯となるなど、市民に大変好評であり、市産材の利用増加に貢献するのみならず、定住人口の増加にも貢献している事業と考えております。
 そこで、平成27年度は、年間提供件数を150棟から200棟に拡大し、一層の充実を図ってまいりたいと考えております。
 次に、6点目の静岡市のお茶の消費拡大に向け、全国お茶まつりをどのように生かしていくかについてです。本年11月14日、15日に、本市で開催が予定されている第69回全国お茶まつり静岡大会には、県内外から茶業関係者を初め、多くの方々が本市を訪れる見込みであり、お茶のまち静岡市を全国にPRする絶好の機会であります。この機を捉え、これまで実施していた静岡市お茶まつりを初めとしたお茶の日記念事業を、全国お茶まつりにあわせて同時開催し、さわやかな香りと奥深い味わいが特徴の静岡市のお茶を大いにPRしていきたいと考えております。
 本市も構成員の一員となっている全国お茶まつり実行委員会では、ワイングラスで高級なお茶を楽しむなど、お茶の新しいライフスタイルの提案や、消費者が農家を訪れ、産地の空気を肌で感じてもらう、お茶ツーリズムなど、消費拡大を目指した取り組みが提案されているところです。本市としても、このような取り組みを今後とも継続して実施し、特色ある静岡市のお茶のブランド力を高め、お茶の消費拡大につなげていきたいと考えております。
 最後に、7点目の西友の撤退、小糸製作所の製作拠点の一部移転についてですが、本年1月中旬の報道以降、西友本部に対して営業の継続、雇用の確保、跡地の有効活用について申し入れを行ってまいりました。
 その中で、今後の雇用状況については、正規職員、全8名は、転勤による対応のめどがついたこと、パートタイマー、全65名の中には、閉店後の就労が未定である方々がいることを確認いたしました。
 そこで、本市としましては、パートタイマーの再就職のあっせんを図るため、ハローワーク清水と西友清水店との間をつなぎ、新たな就労に向けた協力体制を構築いたしました。
 一方、小糸製作所静岡工場での生産の一部を榛原工場へ移転することについては、速やかに同社を訪問し、移転の概要及び従業員の今後の雇用状況などについて、事実関係を確認いたしました。
 従業員については、移転説明会を開催し、安倍川以西に在住の従業員を榛原工場へ、また静岡工場周辺の従業員については、同工場内での配置転換により、雇用維持を図ると伺っております。
 また、静岡工場については、研究開発など、マザー工場としての機能を高めていくと伺っており、その観点からは生産性の向上や事業拡大が図られるものと期待しております。
 今後も両社について継続的にヒアリングを実施するなど、雇用への配慮をしていただけるよう働きかけを行ってまいります。

◯財政局長(河野太郎君) 公契約条例の制定についてお答えいたします。
 公契約条例は、公契約に係る業務に従事する労働者の適正な労働条件を確保することにより、当該業務の質の確保を図ることを目的としており、その趣旨は重要であると認識しております。
 しかしながら、労働者の賃金等の雇用条件については、労働基準法等の労働関係諸法令を遵守し、雇用主と労働者との雇用契約に基づき定められるものであるため、市が介入することへの是非が指摘されております。
 また、条例を制定した場合、全ての公契約を対象としたときにはその実効性が、対象範囲を限定したときには公平性の確保が問題となります。そのほかにも調査に要するコスト増の問題、客観的基準に基づく賃金の設定、企業への影響等が課題とされていることから、引き続き議論の推移を注視してまいります。
 一方、本市では、これまでも市内業者への優先的な発注、ダンピング防止のための最低制限価格制度及び低入札価格調査制度の見直し、市内業者の育成確保のための総合評価方式の見直し、建設工事における社会保険への加入徹底などに努めてまいりました。
 今後もこれらの取り組みを通じて、公契約の充実を図ってまいります。

◯消防局長(岩崎幹生君) 消防広域化について2点の御質問にお答えいたします。
 まず、広域化による職員の充実につきましては、4つの消防本部を統合し、総務部門や指令部門を効率化することにより生じた人員を現場要員として拡充配置します。また、庁舎及び車両等につきましては、3市2町で合意された広域消防運営計画に基づき一元管理することによる財政上のスケールメリットを生かし、整備に努めていきます。
 次に、2市2町を管轄する消防本部の消防職員の給与及び処遇については、広域化に合わせて、静岡市の職員として採用することから、その給料、諸手当や福利厚生などについては、全て静岡市の制度に統一することになります。
 また、広域化後の給料額は、静岡市の給料表の同額または直近上位に充てることとなります。

◯生活文化局長(安本 睦君) 文化、スポーツの関係でございます。
 御質問の市民がよりスポーツに親しめる施策についてですが、平成27年度から実施するスポーツ推進計画では、観る、する、支えるという3つの視点を掲げております。トップレベルの競技大会やプロスポーツの観戦などの観るスポーツで、スポーツに関心を持ち、誰もが参加したくなるスポーツイベントや教室などのするスポーツで実際にやってみる。そしてボランティアなどで大会に携わる、支えるスポーツで充実感を味わう。これらをうまく循環させることにより、スポーツに触れ合う機会をふやし、スポーツをする人の裾野を広げていこうと考えております。
 特に、ウオーキング、ジョギング、ラジオ体操などは、スポーツ施設を使わなくても、いつでも気軽にできる運動スポーツです。
 世界陸上男子400メートルハードルで2度の銅メダルを獲得し、3大会連続でオリンピックに出場した為末選手は、体を動かせば心が動き、心が動くと人は健康になると語っております。このようにいつでもできる運動スポーツが健康増進につながることを周知し、気軽にスポーツを楽しめる環境づくりを進めていきたいと考えております。
  〔2番寺尾 昭君登壇〕

◯2番(寺尾 昭君) 3回目の質問をいたします。
 ごみ減量を図るために静岡市は、来年度1人当たりのごみの排出量を860グラムとする考え方を示されたわけであります。ごみを減量するために、ごみを出さないための方策を進めること、分別収集の徹底、リサイクルや資源化の推進などこれまで行われてきました。ごみ全体の4割を占めるという生ごみをどう扱うかが減量に大きくかかわってきます。各自治体の減量の実績は、必ずしも一律ではありません。どこまで徹底した取り組みをされてきたのかが、その一因と言えると思います。
 我が国の再生可能エネルギーは、今、日本にある原子力発電の40倍の潜在能力を持つと言われております。これは政府が公表している数字であります。
 静岡においては、日照時間が全国トップレベルと言われるほど太陽光が豊富であります。再生可能エネルギーについて、ソーラー発電が長足な普及を見せておりますけれども、最近になって、送電線への接続ができないという理由で電力会社が買い取りを拒否する問題が持ち上がっているわけであります。固定買い取り価格が年々下がっていることに加えて、普及にブレーキがかかるのではないかという心配もされるわけであります。
 次に、リニア中央新幹線の建設事業についてであります。
 昨年2月定例会で、南アルプスの自然環境の保全、ユネスコエコパークとの整合を図ることが絶対条件だということで、全会一致で決議されました。
 しかし、JRは、国が認可したということで、工事着工をするということも言っております。
 また、今、東燃ゼネラル石油が清水港湾区域にLNG、液化天然ガスの発電所を建設する話が持ち上がっております。地震、津波、環境などへの影響はどうなるのか。居住地からの距離が500メートル程度だということでありますので、安全面での心配も出ております。
 そこで質問です。まず、資源化の拡大について、どのように考えておられるのか。特に衣類の回収、あるいは生ごみの活用を実施する考えはないか。
 2つ目は、再生可能エネルギーの普及についてでありますけれども、再生可能エネルギーの接続回答保留問題では、国に対してどのような要望を行ってきたのか。
 また、積極的に市民に再生可能エネルギーの普及啓発をしていく必要があるのではないかと思いますが、どうでしょうか。
 3つ目は、リニア中央新幹線の現在の進捗状況はどのようになっているのか、お示しください。
 4つ目は、清水天然ガス発電所による環境への影響について、どのように対応していくのか、お示しください。
 次に、市営住宅の問題についてです。
 市営住宅もアセットマネジメントの対象になっているわけであります。今後、市営住宅を減らしていくのではないかと心配されるわけです。人口減ということが一つの理由になるのでしょうけれども、人口70万人の維持という大方針からすると、市営住宅を減らしていくというのは、逆行するのではないかと考えるわけです。市営住宅の整備計画の進捗状況と今後の方針について、お伺いいたします。
 次に、道路・河川についての問題であります。
 来年度の予算では、国の直轄道路事業負担金が、24億円余と示されております。これは従来から主張してきたように、全額廃止すべきではないかと考えます。
 そこで質問です。この直轄道路事業負担金の廃止に向けて、市はどのように今後取り組んでいくのか、改めて伺います。
 そして2つ目は浸水対策です。先ほども若干話がありましたけれども、特に河川・下水道の基幹施設対策の進捗状況はどうなっているのか伺います。
 そして、都市計画道路についてであります。日出町高松線、八幡の通りのところですけれども、今後の計画について、お示しいただきたいと思います。
 次に、教育の問題であります。
 市の教育振興基本計画において、たくましく、しなやかに生きていくことのできる力を持った子供を育てるというお話が先ほどもありました。そのもとに3つの目標を掲げて、具体的な教育実践を進めてきたということであります。
 しかし、今、国の動きも注目せざるを得ないわけであります。
 1つは、教育委員会制度が大きく変わったわけです。教育長が首長の任命制になるわけであります。教育委員会で、これまで互選で選出されていた教育委員長が廃止され、教育長が教育委員長を兼ねることになるわけであります。そして、市町村は教育大綱制定を、市町村長がこれから行うことになります。そして首長と教育委員会の協議体として、総合教育会議が新たに設置されることになるわけです。つまり、これまでの教育委員会の歴史が、戦後よりあるわけでありますけれども、教育への支配・介入の強化という心配がないのか。
 また、全日本教職員組合の調査の結果でありますけれども、1,200人を対象とし、土日、両日ともに仕事に出ている教師の方々が28.8%いる。どちらか1日は出ているという人が44.2%だということです。また、文科省の92万人を対象にした2013年の調査では、病気で休職している人が8,400人、そのうち精神疾患の方が5,078人、これは前年よりも118人の増であります。この5,078人のうち1,000人の方が退職せざるを得ないという状況にもなっているということです。
 教職員の皆さんが、常に生き生きと教育に携わっているということは、やはり子供たちに対する影響に非常につながってくるわけであります。長時間過密労働について、先ほども議論がありましたけれども、これは子供たちによい結果をもたらすことにはなりません。
 そこで質問であります。まず、静岡式35人学級により、職員室に教師がいないなどの問題が生じております。教員をもっとふやす必要があるのではないか。また、市単独でもふやす必要があるのではないかと考えますが、いかがでしょうか。
 2つ目は、全国学力・学習調査については、さまざまな問題が生じております。これは廃止すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
 そして、特別支援教育についてであります。
 ここについても、やはりまだまだ職員や支援員が不足していると言えるわけでありますが、この点について増員が必要だと思いますが、いかがでしょうか。
 そして、学校司書の問題です。
 学校司書が6学級以上の学校に配置されたことは評価をするのでありますが、5学級以下の学校にも配置すべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
 教員の長時間時間外労働を減らすために、どのような対策をとっておられるのか、お聞かせください。
 次に、道徳が今度は教科化になります。成績もつけなければいけないことになるわけですけれども、どのように指導して、評価していくのか。
 次に、国の給付型奨学金の拡充について、市として、国に対して今後どのように意見具申をしていくのか。また、給付型奨学金制度の拡充について、高校生を対象に拡充を図る考えはあるのかどうか。
 そして、生活保護基準の引き下げに伴う就学援助の問題があります。市としてどのように考えておられるのか、お聞きいたします。
 現在、政令市において、市街化区域の住民に対して固定資産税と都市計画税が徴収されております。都市計画税と受益者負担金は二重徴収だと言えるのではないか。このため受益者負担金を廃止する考えはないか。
 いよいよ統一地方選挙が1カ月後に迫っております。安倍内閣の悪政と言えるようなものも押し付けられていますが、住民福祉のために、住民本位の地方自治を推進する立場を鮮明にして、これからも日本共産党議員団、頑張っていくことをお誓いして質問を終わります。
 ありがとうございました。

◯環境局長(小林正和君) 環境行政に関する5点の質問にお答えいたします。
 最初に、今後の資源化物の回収に対する考え方についてでございますが、平成26年10月から試行で実施してまいりました、使用済み小型家電の回収を平成27年度から本格実施してまいります。
 衣料の回収につきましては、自治会、町内会などが実施している古紙等集団回収事業の対象品目となっているため、当該制度のPRを積極的に行い、回収量の拡大に努めてまいります。
 また、本市の可燃ごみの4割を占めます生ごみの減量は重要なことであり、現在、見直しをしている一般廃棄物処理基本計画におきまして、家庭ごみの減量化として3つの方策を示しております。
 1つ目として、食材の使い切り、2つ目として、食事の食べ切り、3つ目として、生ごみの水切りを掲げまして、生ごみの減量に特化した具体化説明会を通じまして、市民の皆さんに積極的に情報提供、啓発を実施してまいります。
 さらに、放任竹林対策と連携した竹粉を活用した生ごみの堆肥化実証事業を進め、市民の皆さんへの啓発を図ることで、可燃ごみの減量化に努めてまいります。
 次に、再生可能エネルギーの普及について、国への要望についてでございますが、本市は、政令指定都市18市で構成される指定都市自然エネルギー協議会に加入し、自然エネルギーの普及拡大に向けた情報交換と政策提言を行ってまいりました。
 接続回答保留問題につきましては、平成26年11月に、同協議会から内閣総理大臣宛て、緊急提言を行いました。
 次に、再生可能エネルギーに関する市民の皆さんへの普及啓発についてでございますが、再生可能エネルギーの普及促進を図るためには、同エネルギーが二酸化炭素を排出しない地球に優しいエネルギーというだけでなく、災害時におきましても、電力が確保できるなど、その有用性について市民の皆さんに認識していただくことが重要であります。
 そのため、本市では集客力のある日本平動物園に、太陽光や風力発電施設を導入し、動物と環境について学べる施設として活用することで、市民の皆さんの意識醸成を図ってまいりました。
 また、平成26年10月には、市民の皆さんに、次世代のエネルギーに関する知識を深めていただくために策定いたしました静岡市次世代エネルギーパーク計画が資源エネルギー庁に認定されたところであります。
 今後につきましても、日本平動物園のみならず、中島浄化センターの風力発電施設や民間のメガソーラー施設など、静岡市次世代エネルギーパーク計画に位置づけられました施設を活用していくことで、意識醸成を図り、再生可能エネルギーの普及促進に取り組んでまいります。
 次に、中央新幹線建設事業の進捗状況についてでございますが、いまだ具体的な工事計画は示されておりません。今後、具体的な工事計画が示された場合には、南アルプスの自然環境と地域の住民の方々の生活環境の保全が図られることを第一に、皆さんの懸念が払拭されるよう対応してまいります。
 最後に、清水天然ガス発電所の建設計画への対応についてでございますが、本年1月に事業の第1段階として計画段階環境配慮書が国、県、市に送付され、本市は2月27日に、市長意見を静岡県知事に提出したところです。
 市長意見では、環境保全の見地から、大気、温室効果ガス、水環境、景観などについて十分な検討及び適切な配慮を行うよう求めております。
 今後、環境影響評価手続で示される計画内容を精査し、本事業が環境に配慮されたものとなるよう、適切に対応してまいりたいと考えております。
 また、事業者には、市民の皆さんや関係者に対して丁寧な説明を行うよう求めてまいります。

◯都市局長(松浦和彦君) 市営住宅に関する御質問です。
 市営住宅整備計画の進捗状況と今後の方針についてですが、市営住宅整備計画は、平成23年度から10年間の市営住宅の適正な配置と長寿命化を図るものです。現在までに15団地44棟の用途廃止を行う一方、団地の建てかえや耐震対策、外壁改修工事などを順次行い、計画は順調に進んでおります。
 市営住宅の応募状況の現状は、中心市街地に近く、交通や生活の利便性の高い団地に人気が集中する一方で、随時募集をしても入居希望者がない団地も多く、どの団地を残していくかについては慎重な検討が必要になります。
 今後は、市全体のアセットマネジメント基本方針に合わせ、整備計画を見直してまいりますが、市営住宅は、低所得者や社会的弱者への対応など、セーフティネットの役割を担うことから、地域性や社会経済情勢など、細やかな配慮が必要になるものと考えております。

◯財政局長(河野太郎君) 国直轄道路事業負担金の廃止に向けた取り組みについてお答えいたします。
 国直轄事業の地方負担金については、従来から本市が主張しておりますように、国と地方の役割分担の見直しを行った上で、国が行うこととされた国直轄事業については、地方負担を早期に廃止すべきであり、また現行の国直轄事業を地方へ移譲する際には、所要額を全額税源移譲すべきと考えております。
 そのため、昨年11月には、指定都市市長会を通じて行う大都市財政の実態に即応する財源の拡充についての要望において、国直轄事業負担金の廃止を要望したところであり、今後も必要に応じて、国に対する働きかけを行ってまいります。

◯上下水道局次長(大石清仁君) 私からは、浸水対策と受益者負担金に係る質問にお答えいたします。
 まず、浸水対策推進プランの進捗状況についてですが、平成17年度に策定した静岡市浸水対策推進プランでは、市内41地区を浸水対策地区と位置づけ、河川や雨水幹線、ポンプ場などの基幹施設を、建設局と上下水道局が連携し整備しております。
 平成25年度末の進捗状況ですが、41の浸水対策地区のうち15地区が完了しております。なお、残り26地区のうち、現在19地区で整備を進めているところです。
 昨年10月の台風18号では、整備が完了した15地区のうち、山からの土砂流出により、水路が閉塞した3地区については、浸水被害が発生したものの、他の完了地区では被害がなかったことから、整備効果があったものと考えております。
 浸水対策は、市民の安心・安全な暮らしを支える重要な施策であります。実施に当たっては莫大な事業費と時間がかかりますが、3次総では重点プロジェクトに位置づけて、財政状況が厳しい中でも早期完成に向けて事業の推進を図ってまいります。
 次に、下水道の受益者負担金の廃止についてですが、都市計画税は、道路、公園などの都市計画事業または土地区画整理事業に要する費用に充てるための目的税の1つであり、直接的な受益の有無にかかわらず、市街化区域内に所在する土地及び家屋の所有者に課税されるものでございます。
 一方で、下水道は、誰もが利用できる道路や公園などと異なり、下水道が整備された地域の住民だけが下水道の使用が可能になるという特別な利益を受けることになります。
 受益者負担金は、その利益を受ける限度において、都市計画法第75条の規定に基づき、下水道事業費の一部を負担していただくものでございます。
 このようなことから、受益者負担金を廃止することは考えておりません。

◯建設局長(寺田 薫君) 都市計画道路日出町高松線の今後の計画についてでございますが、都市計画道路日出町高松線は、葵区日出町の国道1号と、駿河区高松の国道150号を結ぶ延長4,040メートルの幹線街路であり、地域間の連携を強化する重要な道路です。
 現在、事業化している都市計画道路南幹線から、丸子池田線に至る延長560メーターの区間は、円滑な交通と歩行者、自転車の安全性を確保するため、平成25年に、道路幅員の拡幅について、変更の都市計画決定を行いました。26年度までに測量、設計及び地元説明会を実施し、27年度からは物件調査などを実施していく予定であり、地元の皆様の御理解と御協力をいただきながら、事業の推進に努めてまいります。

◯教育次長(市川善隆君) 教育についての御質問にお答えいたします。
 最初に、市単独で教員を雇用する考えについてですが、静岡式35人学級は、県の施策であり、本来、法的に財源が充てられている国と県で措置すべきであることや、財政的に非常に大きな負担となることから、市単独で教員を雇用する考えはありません。
 なお、級外教員の減に対応するため、平成25年度より教員がいじめや不登校等に対処する際、かわりに授業を行う非常勤講師を市費で24人雇用し、学校に配置する事業を行っております。
 次に、全国学力・学習状況調査を廃止すべきという考えについてですが、本調査の目的は、調査結果を把握、分析し、教育施策の成果と課題を検証して、その改善を図るとともに、学校における教育指導の充実や学習状況の改善等に役立てることになります。したがいまして、今後も教育に関する継続的な検証改善が必要であるため実施していく考えであります。
 続きまして、特別支援教育の職員や支援員の増員についてですが、学校生活上の介助と学習支援を行う特別支援教育支援員や保護者からの相談等に対応する特別支援相談員の配置は、障害のある子供の自立と社会参加に向けた主体的な取り組みを支援する上で非常に重要であります。したがいまして、平成27年度は、適切な指導・支援を一層充実させるため、特別支援教育支援員を10名増員して164名に、また特別支援教育センターに配置する特別支援相談員を1名増員して10名とする予定であります。
 次に、学校司書の5学級以下の配置についてですが、本市では平成25年度より6学級以上の小中学校103校に学校司書を配置しています。
 5学級以下の学校への配置については、27年度より既に配置されている学校司書が近隣の未配置校を兼務するという方法等を検証してまいります。
 教員の長時間、時間外労働を減らすための対策についてですが、学校には、学校行事や会議の精選、部活動における活動日数の適正化、定時退勤日等の実施を指導してきました。
 また、教育委員会としましては、調査依頼文書の削減や、先ほど触れました生徒指導を補佐する市費による非常勤講師を配置しております。
 中学校教諭については、時間外労働の主な原因が部活動指導であり、負担軽減のために部活動指導員を平成27年度は20名増員し、140名を配置する予定でございます。
 次に、道徳の教科化への対応についてですが、道徳の教科化は子供たちがいじめ問題や規範意識の低下などの現代社会の課題に対して主体的に対処できる実効性のある力を育成する必要から提言されております。
 現在、国がパブリックコメントを実施している新しい学習指導要領案では、道徳の事業を今まで以上に児童生徒自身が道徳的な価値に照らし、自己の生き方を考える時間とすることを求めています。
 道徳教育の重要性については十分に認識しております。具体的な指導や評価につきましては、文部科学省の学習指導要領の改訂を受けて対応していきたいと考えております。
 続きまして、国の給付型奨学金制度の拡充について、市として国に対してどのように意見具申していくのかということですが、本制度は本年度、国において、高校生がいる市町村民税所得割額が非課税である世帯等を対象に、授業料以外の教育費を支援するために創設されたものです。
 本市でも給付型の篤志奨学金制度があり、高校生、短大生、大学生に、入学時に教育奨励費を給付しております。したがいまして、国の給付型奨学金制度は、本年度、本制度が創設されてまだ間もないため、本市給付制度との関連等の実施状況をしばらく見きわめていきたいと考えております。
 次に、市の給付型奨学金制度の拡充について、高校生を対象に拡充を図る考えはあるのかということですが、市単独で実施しています篤志奨学金制度は、篤志家からいただいた寄附金の運用益を原資として給付しております。
 しかし、この財源も限られておりますので、高校生のみを対象に拡充を図ることは、現時点では考えておりません。
 最後に、生活保護基準の引き下げに伴う就学援助制度への影響についてですが、平成25年8月に、国において生活保護基準の引き下げが実施された際、生活保護基準の見直しに伴う他の制度への影響については、それぞれの制度の趣旨、目的、実態を十分考慮しながら、できる限りその影響が及ばないように対処する基本的な考えが示されました。
 これを受け、本市においても本年度の就学援助制度への影響が及ばないよう対応したところです。
 今後についても、就学援助受給者の実態を十分考慮しながら対応に努めてまいります。