2012年度一般会計決算、国保会計決算、介護保険会計決算など11議案に対する反対討論

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DSC_0479◯27番(鈴木節子君) 私は、日本共産党市会議員団を代表し、議題となっております46件の議案のうち、11議案に対し、反対の立場で討論を行います。

平成24年度決算認定については、第1号一般会計決算、第7号国保会計決算、第12号介護保険会計決算、第15号後期高齢者医療会計決算、第16号病院会計決算、第17号水道会計決算、第18号下水道会計決算の7件の認定と、議案第183号一般会計補正予算、第192号病院会計補正予算、第193号水道会計補正予算と第194号下水道会計補正予算です。

まず、平成24年度の国政について申します。

税と社会保障の一体改革を先取りし、年金給付費引き下げや子ども手当の削減などの社会保障費を抑制する一方、原発推進予算維持、軍事費増額など、浪費をさらに拡大してきました。国民生活は労働者の低賃金、非正規雇用の増加、失業の長期化、そして、地域経済を支える中小企業の経営も厳しい状態が続いています。年金生活者や国保世帯には、給付費削減、負担増、増税が重くのしかかりました。

こうした国政のもと、本市は厳しい財政事情を口実に、住民サービスカット、負担増を押しつけ、公の責任を後退させました。

まず、本市の財政運営の特徴と問題点を指摘しておきます。

平成24年は、合併して10年目の節目の年です。

重要なことは、市民の暮らし最優先で総括、検証し、それを市政、財政運営に生かすことです。財政指標は年々悪化を続け、市債残高は全会計で6,376億円、市民1人当たり約90万円の借金を抱え、現在と将来への財政運営をより困難にしています。

その一方で、歳出は、投資的経費は高水準を維持し続け、民生費が伸びたといっても、市民1人当たりの比較をしますと、民生費は政令市中、下から2番目、土木費は上から4番目と、いびつな構造になっています。

限られた財政のもとだからこそ、市民の暮らしと福祉、防災に重点を置いた財政運営に切りかえるときに来ています。

私たち党市議団は、予算決算に対し、市民サービス後退、無駄、不要不急のものや、本来収入支出すべきでないもの、地方自治や自治体の役割の後退、民主主義と平和に逆行するものは認めないという基準で対応しています。

それでは、以下、反対の主な理由を申し上げます。

第1に、負担能力をはるかに超えた、大幅な負担増です。当局は、国保料はこのままでは大幅な赤字になると3割もの値上げを強行し、政令市で一番高額にはね上げました。決算では26億円もの黒字を生み出し、値上げは全く必要なかったことが明らかとなりました。

国保加入者は所得300万円未満が8割を占めています。負担能力と限度をはるかに超えた保険料を支払うために、食費も生活費も削り、やっとの思いで払っている市民の暮らしを顧みれば、所得の2割に及ぶ大幅な値上げを強行することは断じて許されないことです。4世帯に1世帯の滞納を抱え、収納率低下、保険証取り上げ、受診抑制、健康破壊、暮らし破壊と、国保は悪循環を繰り返しています。

その上、補正で17億も国保基金に繰り入れ、基金残高41億円もため込むことは市民に説明がつきません。

今、当局は、国保は助け合いだと、相互扶助論を持ち出していますが、国保は社会保障として、いつでも誰でも医療を受ける権利が保障されています。それを実現するために、国民皆保険制度があるのです。国保制度崩壊の危機から脱却するためにも、国保料引き上げではなくて、引き下げてこその、市民と心通う行政に転換すべきです。

国保料値上げに加え、介護保険料の3年に1度の値上げ、後期高齢者医療費の2年ごとの値上げ、年金受給額引き下げと、トリプルパンチと重なりました。許されることではありません。

第2の反対理由は、行財政改革による市民サービス削減、民営化推進による公の責任の後退です。

具体的には、80歳、90歳の敬老祝い金の削減です。お年寄りの長寿を祝い、敬意を表する経費を、財政が厳しいからと五千数百万円を削りました。合併により、賀寿方式に切りかえられ、さらに削減されることに、毎日毎日、命を慈しむように生活しているお年寄りは、疎外感を感じられたのではないでしょうか。

財政が厳しいからと、お年寄りへの敬意をあらわす経費をじわりじわりと削減することが、市民の気持ちを落胆させていることに気づくべきです。

2点目に、成人式を1カ所集中開催にし、清水区の地域住民で培ってきた手づくりの取り組み、まちの個性、地域の特性をなくしてしまったことです。1カ所集中開催にする理由を、若者みずからの手で企画運営を行い、全市の新成人が一堂に会することによって、静岡市民としての一体感を持つと説明がありました。

しかし、一体化の問題点は、これまで清水地域の住民全体で成人した子供たちをみんなで祝い、送り出す気持ちと行動が子供たちの愛郷心を育んできたことに逆行すること。まちの個性をなくしていく血の通わない施策である。この発言は、ここにおられる与党議員からの指摘でございます。議会で大論争になりました。成人式のあり方は、新成人、地域全体の意向をもとに、地域の特色を生かした方向で慎重に議論すべきでした。一体化だけを前のめりに追求した結果、地域の住民自治を削ることになりました。

加えて、清水区の生涯学習交流館の指定管理は、地域住民が築き上げてきた地域の拠点機能、地域防災機能を後退させることにつながりました。効率化、コスト縮減を追求した指定管理化が、結局はサービス後退につながったことです。人件費削減を目的に、自治会や地元住民の理解を得ずに進めたことは、地域住民が築いてきた住民自治にも反します。

第3の理由は、定員管理計画による職員削減と給与削減です。

これまで、人件費削減を目的に職員削減が進められてきました。第1次定員管理計画で420人、第2次で276人をばっさり削減し続けていますが、職員の業務量は増大し、時間外労働が蔓延する職場環境となりました。かわりに非正規職員が4分の1を占め、市民サービスを担っていますが、雇いどめと低賃金のためにワーキングプアをつくりかねない事態となっています。

自治体職員の役割は、住民全体の奉仕者として、住民の命と暮らしを守るとりでとして、住民本位の行政を保障するものです。市民サービスに総合的、専門的に対応し、災害時はどこへでも駆けつける、強力な役割を担う職員は、市民の宝です。これからますます必要数を確保することが求められています。職員削減は認められません。

また、職員の給与削減は、1998年以来、連続の引き下げです。冷え切った地域経済をますます冷え込ませ、職員の士気の低下にもつながります。職員が公務員としての誇りを持ち、職務に専念できる環境を整えることこそ、求められています。

第4の理由は、縮小すべき大型開発や、廃止すべき経費です。

まず、日本平山頂公園整備計画については、以前から問題点を指摘してきました。三保松原を含む富士山が世界遺産に登録されました。清水港と駿河湾、富士山が眺望できる観光資源として、多くの来訪者を招く努力は必要なことだと考えます。

しかし、自然や茶畑を削り、山頂に大規模な構造物整備の100億円もつぎ込む大規模開発が果たして必要でしょうか。保全すべきはしっかり保全し、景勝地や文化財、豊かな自然を財産として生かす努力と知恵を観光政策に生かすためにも、大規模計画は縮小すべきです。

また、国直轄道路事業負担金、清水港整備事業負担金は、国と県が持つべきものです。国民保護計画経費の支出は憲法第9条に反し、自衛官募集委託事業は、自治体の仕事ではありません。

下水道関係の受益者負担金は、都市計画税との二重取りであり、条例改正すべきものです。

以上、4つの観点から問題点を指摘いたしました。日本共産党市議団として、暮らし、福祉最優先の市政を求める立場から、反対理由と基本的基準を申し上げ、討論といたします。