静岡市の地域防災計画の基本的な考え、今の計画の見直しについて、当局の姿勢を正す

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DSC_0328◯39番(山本明久君) 私は、これから静岡市の地域防災計画の見直しがされる際に、基本的な考え方や今の計画では不十分だという点の見直しについて、当局の姿勢をただしていきます。

切迫する南海トラフの巨大地震について、国は昨年、地震エネルギーが従来想定の約3倍となるM9.0、震源域が約2倍という想定を示しました。

これを受けて静岡県は、ことし6月に第4次地震被害想定の第一次報告を示しました。

県ではあらゆる可能性を考慮した最大クラスの地震、津波というレベル2の被害想定を示しましたが、本市の想定では、建物が全壊や焼失で9万3,000棟が失われて、内訳は揺れと液状化で4万8,000棟、津波で3,000棟、火災で3万7,000棟ということになっていますが、死者は1万5,300人となっています。

最大震度7が襲うのは市街地面積の68平方キロメートルで、6強は485平方キロメートルに及んで、津波高最大12メートル、平均が6から8メートル、津波浸水面積が17平方キロメートルとなっています。

しかし、問題は被害数値がこれにとどまるとは言い切れないことです。この想定を超える未曽有の災害ということも、想定外にしてはならないと強調したいと思います。

そしてまた、あってはなりませんが、浜岡原発での原発災害も襲うし、港湾ではコンビナート災害も襲ってくると、同時多発的に巨大なマルチ災害になるというイメージができます。東日本と阪神・淡路と関東の大震災が同時に襲うという、それ以上かもしれないという覚悟をしたほうがいいと思います。

ですから、本市において地域防災計画を見直していく際に、今、述べたような巨大マルチ災害に立ち向かうために、予防や応急対策などで被害をどれくらい食いとめるのか、またどう実効性を持たせた防災計画に見直していくのかという点が重要です。そういう点では、現在の計画は、内容面でも規模の面でも大きな見直しになると思います。

このことを踏まえて、初めにお聞きしておくことは、見直しにおける基本的な考え方です。

第1は、県の4次被害想定をさらに上回る最悪の被害を想定して対策を講じるべきだと思いますが、どう考えるのか。

そしてまた、現在の計画では応急復旧対策に重点が置かれていますが、事前に減災する、予防対策を最大限重視すべきではないかと考えますが、どうお考えか。

第2は、災害が巨大になるほど国や自治体の役割、公助の役割を重視することが求められると思いますが、どうかという点です。

今、県においても本市においても、自助・共助・公助という強調がされていますけれど、防災で自己責任論が余りにも強調されているのではないかと思うわけです。

この3つ、必要なことはもうはっきりしています。大きな災害は、行政だけでも個人だけでも防げませんし、公助があって自助があって、それを補完するものとして互助・共助があるというふうに私は思います。

その上で、防ぎようがないほど巨大でマルチの災害に立ち向かうという点では、予防面でも応急対策面でも公助、国と自治体の役割というのが大きくなると思いますが、どうかという点です。

◯危機管理統括監(横山孝志君) 静岡市地域防災計画の見直しについて、2点の御質問でございます。

まず、静岡県第4次地震被害想定を超える被害に対して対策を講ずるべきとの考えについてでございます。

本年6月末に公表されました第4次地震被害想定は、東日本大震災で得られたデータを含め、現時点での最新の科学的知見に基づき、南海トラフで発生し得る最大クラスの地震・津波を推計したものでございます。本市では、この被害想定を最悪の被害と捉え、その対策を進めております。

また、事前の予防を最大限に重視すべきであるという考えについてでございますが、これらの被害を減災するためには、建物やインフラの耐震化、防潮堤の強化などの予防対策を進めることが重要であると考えております。あわせて、自主防災組織や事業所などと連携を図り、地元説明会や防災訓練などを通じて、防災意識の向上に努めてまいります。

次に、災害が巨大になるほど公助の役割を重視する必要があるのではないかについてでございます。

大規模な地震・津波災害に対しては、公助の役割も重要であると考えていますが、まずは自分の命は自分で守ることを基本に考え、地域と行政が協働し、自助・共助・公助が1つでも欠けることなく機能することで、大きな減災効果が発揮されると考えております。

今後も、静岡市地域防災計画の見直しを行う際は、これらの考えを基本方針とし、取り組んでまいります。

以上でございます。

◯39番(山本明久君) 被害が想定外だったという結果論を本市でも使わなくてもいいために、少なくとも最悪の被害を想定することが私は必要だと思います。

今、市は、県の想定範囲内が最大最悪だという認識です。私は、それは不十分だと思います。地震は防げないけれど、震災被害を最小限に抑えるために事前準備するという予防原則、やるとは言いましたが、それが本当に中心に柱に据わっているという姿勢ではないという受けとめを私はしました。不十分だと思います。

現在の計画で、予防対策は応急復旧対策の大体4分の1程度のボリュームしかありません。予防原則から見て極めて弱いと感じております。内容を今の何倍にも充実させて、減災のための予防をもっと重視すべきだと思います。そうしてこそ、切迫する巨大地震に立ち向かう防災計画が生きた力を発揮してくると思います。

そのためには、まず自治体の公的責任を明確に位置づけて、公助・共助・自助、それぞれの力を結集して連携するという総合力、これがやっぱり必要です。

市の考えは、公助も必要だがまずは自助をと。これは従来の範囲なんですね。今度の見直しは、そこは私、根本的に切りかえなければいけないと思います。そういう点で、大事なこととして、第1に巨大マルチ災害に立ち向かって甚大な被害を最小限に食いとめるという目標、それと、それを達成するための戦略・対策を明確に防災計画に入れ込む、これが必要だと思います。今の計画にはそうした立場はありませんから、どのようにお考えかをお示しいただきたい。

第2は、見直しに当たって、巨大マルチ災害に対して現在の計画を抜本的に強化する必要がある分野について、これは特に公助が求められる分野ですが、幾つかに絞ってお聞きしていきます。

1つは、原発災害に対する避難計画を含めた対応です。

もう二度と起こしてはならない災害ですが、しかし、仮に浜岡原発が再稼働しないままでいても、巨大地震で地盤が崩壊して原子炉建屋や使用済み燃料プールが壊れて、冷却がコントロールできないという可能性は十分あり得ます。福島の教訓からも、静岡市も50キロ圏ですが、この対策がやっぱり必要です。ここでも最悪を想定する必要があります。

今の福島というのは、汚染水が漏れてコントロールできない非常事態ですが、事前の予防対策が必要だということが明らかです。

本市の現在の防災計画には、一般対策編の総論の中に市内にも影響を与えることが予想されるという程度しか書き込まれておりません。もっと求められる充実した対策を入れ込む必要があるのではないでしょうか。

2つ目は、液状化や建物耐震化の対策強化です。

予防で最も効果があるのは建物の耐震対策、液状化は現在の資料編でもほとんどの市街地が襲われる想定ですけれど、予防応急対策としても、インフラ、ライフラインを守る上でも不可欠です。

3つ目は、そのインフラの総点検です。

4つ目は、巨大災害のもとで想定し得るリスクとして、市内活断層が動くことがあり得ますので、国土地理院その他の情報をしっかりつかんだ上、市民周知することが求められると思いますけれど、こうした中身で具体的にどのように見直していくのか、考えを示しておいていただきたいと思います。

以上です。

◯危機管理統括監(横山孝志君) 引き続き、静岡市の地域防災計画の見直しについて何点かの質問でございます。

まず、静岡県第4次地震被害想定に対して、減災し被害を最小限に抑える目標と、それを達成するための戦略についてでございますが、県では地震・津波対策アクションプログラム2013において、被害を最小限に抑える減災目標として「一人でも多くの県民の命を守る」を掲げております。

本市も、この目標を基本に、実効性ある対策をしていくことが必要と考えております。その対策としましては、建築物の耐震化、避難施設の整備、地域防災力の強化などを重点施策とした本市のアクションプログラムの策定を進め、実行に移していきたいと考えております。

次に、各防災対策についてどう進めていくかという御質問でございます。

最初に、原発災害への対応についてでございますが、本市は、避難計画の策定や資機材の備蓄などが必要となるUPZの圏外に位置することから、現在のところ地域防災計画には原発災害の対応について記載しておりません。

次に、建物の液状化対策についてでございますが、本市の公共建築物につきましては、地震動や液状化などにより倒壊しないよう、支持ぐいなどの施工による対応を行っておりますが、民間建築物につきましては、今後の課題として捉えております。

また、建物耐震化の対策強化についてですが、公共建築物においては、静岡市公共建築物耐震対策推進計画に基づき着実に進めていくとともに、民間建築物につきましては、耐震診断や補強工事に対する補助事業など耐震対策を進めております。

次に、道路、水道、下水道などのインフラの点検と地震対策についてでございます。

各インフラについては、点検により状況把握を行い、部門ごと維持管理に関する計画を策定するとともに、橋梁や水道、下水道の管路、マンホールなどについて耐震化などの対策を進めております。

次に、市内活断層の情報の周知でございますが、本市の地域防災計画にも記載しておりますが、国土地理院や静岡県が公表しております詳細な活断層の情報を市ホームページからアクセスできるようにしていきたいと考えております。

以上でございます。

◯39番(山本明久君) 本市もそうですけれど、今の防災計画の中身というのは行政がやること、事業者がやること、市民がやることというふうに別々に並べられていて、どのように連携して力を合わせるかという戦略、実践的な仕組みというのは明確じゃないんですね。私は、ここが必要だという提起をしているわけです。

確かに県はアクションプログラムがありますが、これが必ずしも戦略かというと、対策にとどまっているという面は強いと思います。

一人でも多く守るという目標を静岡市も受け継ぐということでしょうけれど、しかし、被害を最小限に抑える戦略目標として、それでいいのかということなんですよね。そこはもう少し検討していただきたいと思います。最小限に被害を抑えるために、そこをもっと市として目標を設定して、行政、事業者、市民がそれぞれ力を合わせて連携するという仕組みがやっぱり必要です。

そういう意味では、実践的な計画にするために、1点目にお聞きしておきますが、行政、事業者、市民等が連携して協働する取り組みというのを、防災計画の見直しの際に明確に位置づける必要があるのではないか、そのために、見直しに当たっては市民参加で行うことが必要じゃないか、考えを示していただきたい。

個人が自分の命を守るために全力を挙げるというのは当然ですよね。同様に、公助という点では、静岡県の地震対策推進条例では、県、市の責務として組織、機能の全てを挙げて、地震防災に関して万全の措置を講ずる義務づけをしていますけれど、自治体が市民の命を守るためにできる限りの事前準備、予防等応急対策に手を打つことというのは不可欠です。

万全とは何かというと、文字どおり万全ですが、やるべきことを全てやり切るという、本当に防災計画の中にそういう立場で入れ込む決意があるかどうかが問われていると私は思います。

ですから、そういう公助と、市民が自分の命を守る、それから、それを補完するものとしてコミュニティとかボランティアが互助・共助で被害を最小限に抑えていくと、そういう仕組みですね。

そして、2点目には今も強調しましたけれど、公の責任、公助の責任を果たす上でもマンパワー、全体の奉仕者としての市職員の配置と充実が必要だと思いますが、どうお考えかと。

私はこの点でも、巨大な被害想定のもとで万全の措置をとるのにふさわしく、消防力の強化はもちろんですが、被害を最小限に抑えるというために必要な職員の確保と増員の全体計画を立てていく必要があると。定員管理ばかりで削減目標ばかり追求する先に、いざ巨大災害に立ち向かうというときにマンパワー不足、手がないということでは公助の責任というのは果たせないと私は懸念します。

もちろん、他自治体からの応援も民間の応援も必要です。しかし、市職員というのは責務として災害に立ち向かうというマンパワーですから、これを削ればいいという話ではないと、最も重要だと私は考えております。

3つ目は、最後に、防災計画をそういう方向と中身で見直した先にある3次総の計画策定に当たって、やっぱり巨大災害から市民の命を守る防災のまちづくりというのを最優先の課題に位置づけることが求められているのではないかと、この点についても考えを聞かせていただきたい。

◯議長(井上恒弥君) あと1分で終了してください。

◯39番(山本明久君)(続) 2次総では、今、かなり位置づけが弱いですよね。きのうも3次総の内容の議論がされましたけれど、市長や担当局長の答弁には、切迫する巨大災害から市民の命を守るのを第一義的に、最優先にする本市の責務という自覚という点では述べられませんでした。ですから心配です。

もし襲ってくれば受ける甚大な災害から、市民の命を守るというまちづくりを最優先に位置づけなければ、安心して住めないし、人も出ていってしまうということになります。

そういう点では、やっぱり自助を強調するのではなく、自治体の責務をしっかり果たすという立場が今必要で、この間、気になっている新しい公共経営論もやっぱり行き着く先は自己責任なんですね。これを防災面に持ち込んではだめだということを強調したいと思います。

◯危機管理統括監(横山孝志君) 3点御質問をいただきました。

まず、地域防災計画の見直しに当たり、行政、事業所など市民が連携、協働する取り組みを明確にする必要があるのではないか、またそのための市民参加についての御質問でございます。

災害対応は行政と事業所など、そして市民が連携、協働していくことが基本であり、地域防災計画もそれを踏まえて策定しています。

見直しに当たっての市民参加でございますが、地域防災計画は静岡市防災会議条例により、市民の代表を含めた防災会議で作成することになっております。あわせて、市民の意見を反映させるため、自主防災組織などから幅広く意見を伺っていきます。

次に、災害時の市職員の配置と充実についてでございます。

地域防災計画では、災害時職員配備基準を定め、災害の状況に応じて災害対策本部、区本部、地区支部及び各部に必要な職員を配備することになっております。

なお、本市の職員だけで対応できない場合には、他市との相互応援協定により職員の派遣要請を行い、その充実を図り対応に当たってまいります。

次に、第3次総合計画への防災まちづくりの位置づけについてでございますが、県の第4次地震被害想定で公表された被害をできる限り軽減し、災害に強いまちづくりを推進するため、第3次総合計画へ積極的に反映させていきたいと考えております。

以上でございます。