元気臨時交付金の活用について

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山本2013-06◯39番(山本明久君) 私は元気臨時交付金、この活用に関して質問をしていきます。
安倍政権がさきに行った24年度の補正予算というのは、非常に大型になったわけですけれど、これによって全国の自治体は大きな影響を受けるとともに、慌ただしい2月補正予算の編成の対応を強いられました。この補正は、25年度当初予算の執行まで切れ目なく15カ月予算として位置づけられ、本市においてもことし2月の補正予算では、これに呼応した緊急経済対策事業が72億円という大きな規模になり、全額が25年度に繰り越されました。
我が党市議団は、この中で国直轄道路事業負担金や、清水港整備事業負担金などは不要のものとして反対いたしましたけれど、多くの公共事業が防災、老朽化対策として、基本的には25年度に予定していたものを前倒しして進められる、そういうことは必要だという立場をとりました。
この元気臨時交付金とは何なんだということなんですけれど、全国的には地方自治体関係だけでこの補正に4兆円規模の公共事業が前倒しされましたけれど、このうち元気臨時交付金として約1.4兆円の財源が手当てされました。加えて、この公共事業の地方負担分の財源として、事業にあっては100%起債できるという、約1.7兆円の補正予算債が財源化されました。
それで、25年度に交付されてくるこの元気臨時交付金は、一定規模の財源となりますから、その活用と、本市も活用した補正予算債、この2つの財源をセットで見ていくと、25年度においても財源全体はもちろん厳しい中でも、市民の切実な要求に応える事業のための財源をつくり出せるのではないか、こういうことが今回質問するテーマとなります。
そこで、まずお聞きしておくことは、本市に交付されてくる元気臨時交付金について、この制度の内容やあらまし、役割などについて、具体的にはどういうことなのか、当局の認識などもあわせてお答えいただくとともに、実際に本市に交付される見込み額はどの程度になるのかについても明らかにしてください。
それともう1つ、この交付金と一体に措置された補正予算債については、通常債と比べてどのようなメリットがあるのかについても示しておいてください。
以上、1回目です。
◯財政局長(河野太郎君) お尋ねのありました地域の元気臨時交付金は、本年2月の緊急経済対策で追加された公共投資の地方負担額が大規模であったため、地方の資金調達に配慮し、経済対策の迅速かつ円滑な実施ができるよう創設されたものでございます。
各地方公共団体に対する交付限度額は、緊急経済対策で追加された公共事業等の地方負担額等をベースとして財政力に応じ算定されており、本市につきまして第1次配分として29億7,881万円が示されたところでございます。
また、交付金については、地方公共団体が策定する実施計画に掲載される建設地方債対象の地方単独事業や、建設公債の対象となる国庫補助事業の地方負担分への充当に使途が限られております。
次に、本交付金と一体に措置された補正予算債が、通常債に比べてどのようなメリットがあるかでございますけれども、緊急経済対策で措置された補正予算債は、事業費に対する起債充当率が100%、元利償還に対する交付税算入率が50%となっておりまして、通常債に比べて起債充当率や元利償還に対する交付税算入率がいずれも高い措置が講じられております。
以上でございます。
〔39番山本明久君登壇〕
◯39番(山本明久君) 答弁いただきました。
この補正予算債の財源メリットは、今、具体的に述べられたわけですけれど、通常債でいきますと70%から80%ぐらいの起債充当率というのに対して、100%ということですから、私は通常債であれば本来財源手当てをしなければならなかった、その残りの二、三割に充てる一般財源を、この100%充当率ある補正予算債を使った分、他の事業に回せる財源となり得ると考えているわけです。つまり財源の振り分けですね。
わかりやすく言えば、例えば1億円の事業があって、25年度に予定していた建設事業、通常債でいくと仮に8割充てられるとしたら借金分は8,000万円、残りの2,000万円は一般財源で充てるという予定が、100%のこの補正予算債1億円が充てられれば、予定していた2,000万円の一般財源はほかのところへ使えるじゃないかと、当然25年度予定分を24年度の補正に回しましたから、そこの部分はまた26年度から持ってきたということはありますけれど、財源的には玉突きでやっぱり充てられるわけですね。
そういう補正予算債のメリットがある。仮に72億の補正のうち、30億円がこの補正予算債を充てられるとしたら、今言ったような形で財源というのはほぼ数億円規模で他の事業に充てられる財源が生まれてくるんじゃないか。今、同時に述べられたように、借りた元利償還額の50%が年割で交付税措置されていく。ここの面でも年割りごとにその返済のために予定していた一般財源がほかに回せるようになっていく、あるいは起債しなくても必要になってくるという、言ってみれば、確かに財政は厳しいですが、そこをうまく使っていけばかなりお得なんじゃないかということなんですね。
2月補正の際は、先ほどあたふたでかなり強引にやられたというところから、聞き取りによると10億円ぐらいの一般財源の持ち出しがあったということなんですが、当時、補正予算債と国庫補助と10億円規模の一般財源が充てられたという説明というのは、予算のポイント案でも、資料としての説明というのは十分なかったんですね。そこら辺の財源内訳については、議会にもはっきり説明しておいてほしかったわけですけれど、しかし、それを飲み込んでも、さらに財源がほかに回せるものがつくられるんじゃないかと私は思います。
同時に、それに加えて、今述べられた元気臨時交付金を直接使う事業、普通建設事業になるわけですね。これは25年度に予定していたものを今度約30億配分される交付金を普通建設事業に充てられる。ここにおいても、通常であれば借金とか一般財源で充てられるものに元気臨時交付金が充てられるということは、この元気臨時交付金を使うことによって、通常なら予定していた財源がまた別のところへ、この交付金を使う事業そのものはハード、普通建設事業ですが、その振りかえによって生まれた財源をソフトにも使える。つまり、切実な市民要求の事業にも使っていけるんじゃないかと私は考えています。この点はちょっと3回目に聞いていきますけれど、2回目では、まずこの交付金を直接使う事業、具体的にはどういう事業に活用していくのかということなんです。
ですから、2月補正はばたばたと充てましたけれど、この交付金を充てる事業は本当に選んで市民が切実に願う事業、雇用と地域経済にかかわる事業にしっかりと充てていくようにすべきじゃないかということなんですが、具体的な実施計画に載せる事業の検討内容、スケジュール等について、できるだけ丁寧に説明しておいていただきたいと思います。
以上、2回目です。
◯財政局長(河野太郎君) お答えいたします。
本交付金の活用につきましては、今後、国から実施計画の作成について通知等があり次第、制度に即した実施計画を作成していく予定でございます。
実施計画を作成するに当たっては、本交付金が緊急経済対策により増加した地方負担を軽減するという制度の趣旨を踏まえ、活用方法を検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
〔39番山本明久君登壇〕
◯39番(山本明久君) お答えいただきました。
確かに実際、これからだと思うんですね。つまり、これからということは、まだどういうふうにできるか、皆さんも大いに要望を出していただいて、これをどんどん実施計画に盛り込ませていく。各局から要望を出してもらって、この30億の事業というのはかなりの規模ですから、役立てる事業に議会からも大いにプッシュしていこうじゃないかというふうに思います。
地域経済の活性化とか、雇用の創出とか、いろいろ交付金の目的そのものに当然合致している必要がある。交付金そのものを使う事業は言いましたが、もう1つ、先ほど言った補正予算債を使うことによる振りかえの財源メリットと、交付金を使うことによる振りかえの財源メリット、2つの浮くといいますか、振りかえられて浮かせることのできる財源を、切実な市民の皆さんの願う事業、これはソフト事業も含めてですが、地域経済に役立つ事業に充てていく考えがあるかどうかということについて、3回目はちょっとお聞きしていくわけです。
浮いた財源を自治体によっては借金返済のための減債基金に積み立てていくというところも当然あるでしょう。あるいは学校へのクーラー設置に使うというところもあったり、一時的な補助事業に使うというところもあるようです。この間、行革によって財源が不足するということで、ずっと締められてきて、市民負担増が押しつけられて、市民サービス事業がかなり廃止、カットされてきています。25年、26年の行革の実施計画の追加版でも、本市ですけれど、170ぐらいの事業で53億円ぐらい財源を、そういうカットによって生み出すということが言われているんですが、こんなときだからこそ、今回の財源を生み出したことによって、切実な市民要求に振り向けてはどうかというふうに思うんですね。
先ほど15カ月予算というふうに言いましたけれども、政権交代によって、25年度の地方財政計画というのは本当におくれて、実は3月議会で十分その中身、問題点は触れられなかったわけですけれど、実は改めて見てみると、この夏から実施する予定の生活保護と地方公務員給与の、2つの大きな削減というものを前提としたものになっています。
一方で、地方が使う一般財源総額というのは前年と同じにする。税収自身は地方で4,000億円ふえる。その部分は地方交付税でカバーしていく。しかし、介護給付とか、障害者の自立支援とか、高齢者医療の給付などは大体4,000億円ぐらいの自然増があるわけですよね。公務員の給与カットというのは8,000億だと。そうすると、余りにも差があるじゃないか、前年と同水準にするために後で3,000億円ぐらいを手当するという形で、地域の元気づくり事業というのは……
◯議長(井上恒弥君) 残り1分です。
◯39番(山本明久君)(続) 後でつじつま合わせのような形でやられてきているという面があります。
給与を削って、その分で防災対策、事業の財源をつくれというようなことになっているんですね。このように、安倍政権による25年度の地方財政計画というのは非常に大きな問題がありますけれど、しかし15カ月予算という点で見た場合には、先ほど言いましたように、やりくりによってはかなりお得に財源を活用できる余地がありますので、交付金を直接活用する事業そのものはこれからですけれど、あわせてその活用によって2つの財源メリットで生かせる財源については有効な使い方をしていただきたいということで、その事業についてお聞きしたいと思います。
◯財政局長(河野太郎君) 本市では緊急経済対策等の実施に伴い、43億円の地方負担が生じておりますが、先ほどお答えいたしました本交付金の第1次配分額29億7,881万円は、本市の公共事業等の地方負担額の増額の7割にとどまる見込みです。本交付金の活用方法については、緊急経済対策の実施に伴い、市債が33億円増加していること、平成25年度末における市債残高が4,423億円となる見込みであることなどから、本制度の趣旨や本市の厳しい財政状況を踏まえ、検討していきたいと考えております。
以上でございます。