平成24年度静岡市一般会計補正予算など32本の議案への反対討論

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176◯31番(山本明久君) 私は日本共産党市議団を代表いたしまして、議題となりました153件の議案のうち以下の32件の議案について、反対の討論を行います。

議案第2号の24年度静岡市一般会計補正予算(第6号)から第16号、17号、18号の補正予算の外、22号、25号、そして34号の25年度静岡市一般会計予算と51号、その他の議案として、第76号から77、79、80、82、83、84、85、99、100、102、104、105、106号までの使用料関連と91号、さらに116号から118、121、122、123、134、136、146号までの指定管理者関連、最後に、議案第153号の退職手当支給条例の一部改正についてです。

市長は、施政方針において、安倍政権の3本の矢を評価して期待感を表明いたしました。しかし一方、市民の暮らし向きの厳しさ、苦しみには一言も言及がありませんでした。市長の政治姿勢が端的にあらわれたものだと思います。24年度に国保料などの3割値上げをばっさりやった際も、市民の苦しみに目は向けていませんでした。これらは田辺市長が言う市民目線がどこに向いているのかが問われるものです。そして、それは25年度予算案関連についても同じことが言えます。

具体的な反対理由の第1は、市民への負担増、幅広い施設の幅広い世代への大幅な施設使用料の値上げ攻勢です。

ゆ・ら・らでは、60歳以上の市民の年間使用料が1万8,000円だったのが70歳以上へと大きくおくらせて、60歳世代には2万5,000円へと負担増のいわば冷たい仕打ちとなっています。楽しみを奪うようなものです。

さらに、日本平動物園の入園料は500円から600円へと2割もの値上げです。駐車料金を上げたばかりなのに、子供たちや若い親たちの家族連れにも大幅な負担増が押しつけられています。幾ら設備投資をしたからといって、受益者負担主義を振りかざすやり方は子育て支援とは逆行するやり方ではないでしょうか。

それだけではありません。体育館や運動場などスポーツ施設も使用料値上げで、青年層や中高年層など幅広い世代にも負担増です。

このやり方は翌年度以降にも続けられるおそれがあります。市民は今、給料も年金も商売の売り上げも大幅に減って暮らしが苦しめられているのに、このような負担増は絶対にやめるべきです。

第2は、その一方で、不要不急の事業や必要ない支出をしていることです。同時に、徴収すべきではない歳入はやめるべきだということです。

日本平山頂100億円開発計画は、名勝地の豊かな自然や茶畑を削り、道路をつけかえ、巨大な構築物を建設するなど無駄遣いの典型です。日本平は自然を生かし、できるだけ手を入れず、眺望を観光の売りに生かすよう見直し、縮小すべきです。

私たちは、開発をできるだけしないで、価値ある眺望と自然を生かして市民に憩いの場となり、来客者にも何度も訪れてもらえるような公園にすることを求めています。その際、有度山全体と清水港を一体とした観光戦略を進めることも大事だと私たちは考えています。

また、国直轄道路事業負担金や清水港整備事業負担金などは本来事業者が負担すべきであり、市が借金してまで支出すべきではありません。自衛官募集業務も市が委託を受けて行う仕事ではありません。下水道受益者負担金も都市計画税と二重徴収であり、やめるべきです。

第3は、公の責任の後退や市民サービスの後退になるものです。

これは、議案第25号の清水海洋活動センターの廃止や、議案第91号の知的障害者福祉施設の民営化です。また、一般会計関連では、学校給食PFI方式は企業丸投げということでもあり、古紙の行政回収廃止も同様です。

第4は、指定管理者の指定に関する一連の議案のうち、特に問題なものとして、公募せずに大幅に指定管理料を引き下げているものです。

多くの福祉施設において、1割前後もの指定管理料の引き下げは人件費引き下げに直結します。

本来、公の施設を指定管理者に委ねる目的は、その施設の設置目的を効果的に達成するためだということです。より質の高い管理運営、よりサービスの向上が達成されるということが本来のうたい文句のはずです。

しかし、今回の指定管理料の大幅引き下げはそれとは逆行するおそれがあり、安上がりにサービス提供を強いるものとなりかねません。これは、公共施設の管理運営の効果的で適切なあり方とは違うものです。

第5は、定員管理による職員数削減と手当削減、給与改定による削減です。

今、デフレからの脱却策として、政府も賃金の引き上げを財界に要請して、最低賃金の引き上げは内需の拡大にも有効だという議論が国会でもマスコミでも活発にされているときに、公務員の給料は引き下げてもよいということは成り立たないものです。地域経済にも、民間水準にもマイナスの影響、悪循環をもたらすやり方はやめるべきです。

あの東日本大震災から2年を迎えます。被災地の公務員は、みずから被災し、身内を亡くし、家も財産も失いがなら、全体の奉仕者としてふるさとと地域住民のために懸命に頑張っています。また、本市からも全国からも、多くの公務員がみずからのこととして応援に駆けつけて、使命を果たそうと不眠不休で頑張っています。

こうした公務員を定員管理計画によって現場からどんどん減らしていくことや、どんどん給料を削減することが自治体と住民にとって本当に利益につながるのか、必要なことなのか、このことを大震災は私たちに問いかけていると思います。

ですから、現場で必要な職員数は正規でしっかり確保して、仕事に打ち込める労働条件を整備すべきです。それが市民サービスの向上につながるものと考えています。

以上、私たちは市民負担増やサービスの低下、公の責任の後退などには反対をいたしますが、予算の使い道を暮らし、福祉優先に切りかえて、無駄な不要不急の事業を見直し、基礎自治体の本来の使命である住民福祉の増進という役割を本市がしっかり果たせるように、日本共産党市議団としても全力を挙げて奮闘することを表明いたしまして、討論を終わります。