国保行政と小中学校の空調機設置について質問

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89◯4番(鈴木節子君) 通告に従い、国保行政と小中学校の空調機設置について質問します。

最初に、国保について。

国保料の毎年の値上げ、滞納増加、収納率低下と悪循環が繰り返され、国保の危機的状況はさらに深刻化しています。今回は国保料の申請減免を必要とする世帯が受けられる、市民の生活実態に合わせた制度に改善を求める立場で質問します。

質問の1点目に、収納率が平成20年度、初めて9割を下回りましたが、21年度はどういう状況か。収納率の推移とその原因と分析を伺います。

2点目に、不安定雇用、営業不振など、先行きが見出せない世帯が急増しています。国保料の納付が困難な場合、保険料を減額または免除する制度がありますが、21年度の適用件数と実績額を伺います。

3点目に、21年度の国保料の収入未済額は56億4,000万円と膨れ上がっています。滞納世帯の所得階層別の内訳と特徴、また職業構成の特徴を伺います。

次に、学校の空調設備設置について質問します。

ことしの夏は猛暑日が続き、9月に入っても36度を記録するなど異常な暑さとなりました。7月から30度以上の日が続き、学校では教室内は35度以上にもなり、子供たちや教師から、教室内は暑さの限度を超えている。暑くて授業に集中できないという声が相次ぎました。公共の施設で空調設備がないのは、今や学校だけではないでしょうか。

質問の1点目に、小中、高等学校の教室の空調設備の設置状況と設置基準は何かをお聞きします。保健室、校長室、職員室ほか特別教室と普通教室の区分けで、その設置状況をお答えください。

2点目に、猛暑日が続き、厳しい暑さに対し教室内の温度や子供たちの授業の状況はどうだったのか。授業に集中できるように、学校での工夫や対策はどうだったのか、リアルに把握されていると思いますので、状況を伺います。

以上、1回目の質問です。

 

 

◯保健福祉子ども局長(寺前泰男君) 国保行政につきましての3点の御質問にお答えいたします。

最初に、国保料の収納率の推移と低下の原因ということでございますが、収納率につきましては、平成17年度は91.62%、18年度、90.80%、19年度、90.33%、20年度、88.47%、21年度は87.76%と低下傾向にございます。平成20年度から収納率が大きく低下した原因は、保険料納付率の高い被保険者が後期高齢者医療制度へ移行したこと、一昨年秋からの経済情勢の悪化による影響と考えております。

次に、国保料の申請減免の実績と適用世帯でございますけれども、平成21年度の国保料の減免実績は246件、約1,900万円余でございます。適用世帯の減免理由は、就学援助などの公私の扶助を受けている世帯が136件、解雇・倒産等による失業、事業の休廃止等により著しく収入が減少した世帯が93件で、この2つで全体の9割以上を占めております。

次に、滞納世帯の所得階層別と、それから職業別構成の特徴ということでございますが、平成21年度の所得階層別では、所得100万円未満の世帯の収納率は86.39%、200万円未満の世帯が84.96%、300万円未満の世帯は85.77%で、これらの所得300万円未満の世帯は、全体の収納率87.76%より下回っております。職業別では、全体の収納率より下回っているものは、社会保険に加入していない事業所にお勤めなど給与所得世帯で収納率は81.39%となっております。

以上でございます。

 

 

◯教育次長(鈴木教之君) 学校の空調設備設置に関する御質問にお答えします。

まず、教室の空調設備数と設置基準でございますが、本市には休校中の1校を除き、小学校86校、中学校43校、高等学校3校がございます。空調が設置されている普通教室は、高等学校1校、図書室は小学校12校、中学校7校、高等学校2校、多目的室は、小学校1校、高等学校1校、コンピューター教室は、小学校81校、中学校42校、高等学校3校となっております。

また、管理室、保健室は、すべての学校に空調が設置されています。特に設置基準は設けておりません。

次に、教室内の温度や授業の状況、各学校での工夫、対策の把握についてでございます。

各学校から教室内の環境改善について要望が出された場合は、学校と担当である教育施設課で状況を確認しております。学校では、教室の通風に配慮したり扇風機を設置するなどの対策を行っております。

以上でございます。

〔4番鈴木節子君登壇〕

 

 

◯4番(鈴木節子君) 最初に国保ですけれども、申請減免の実績246件、1,970万円、この状況は納付困難な市民生活に真正面から目を向け、血の通った制度になっているんでしょうか。他の政令市と比較をしてみました。広島市は9,500件、3億800万、札幌市は2万1,592件、21億2,300万、川崎市8,500世帯、9億3,600万円、北九州市は1万934件、5億6,700万円、福岡市は5,600件、4億4,100万円、横浜市8万6,000件、10億です。このほかにもるるありますけれども省略をいたします。これに比べて本市は246件、2,000万円弱、この極端な違いはどこから生じてくるのでしょうか。本来、減免されるべき事態に、狭い枠、基準を当てはめ、ハードルを高くし、減免を受けにくくしてはいないかという問題があります。本市の減免適用世帯は公私の扶助を受けている世帯、災害による資産消失、収入減少、また解雇、倒産による失業や事業の休廃止による収入減少と主に4種類です。所得減少の適用基準は、前年所得500万円以下で減少割合が3割以上、保険料の納付が著しく困難であるという規定をわざわざ設けて、預貯金と所得の合計が500万円以下と厳しい基準を設けています。ちなみに浜松市は前年度所得は1,000万円以下です。自営業者は倒産寸前でも休廃業になる前に、何とか仕事を受け、綱渡りのようなやりくりをしています。取引先との関係で預貯金残高はある程度なければ仕事が受けられない業者は多数あります。このような実態に合わない金額や基準の根拠は何かを伺います。

生活困窮に陥り、真に減免を必要とする世帯が適用されないという改善すべき課題があります。減免を受けられれば何とか払いたいという世帯に対し、生活を応援するために必要な手だてを積極的に行うべきです。見解を伺います。

他の政令市の減免実績は数万件、額も十数億円単位です。適用対象を見ますと、例えばもともと低所得世帯とか18歳未満の子供が2人以上いる世帯、事業休廃止により赤字となる世帯、老年者、生活保護基準の1.3倍以下世帯など、もともと低所得世帯や納付困難なあらゆる状況に光を当て、減免の対象としています。

それに比べて、本市の場合は、ある事由が生じ、納付が困難となった場合のみと、もともと低所得世帯を排除し対象を狭めています。本市の滞納世帯、先ほどお答えいただいたように、所得100万円未満は9,700世帯、200万未満は1万4,500世帯です。こうした方たちに減免し、納付意欲を持ってもらい、滞納をなくし、正規の保険証で医療を受診し健康を回復していただく。こうした道筋をつけるのが行政の責任です。その結果、収納率向上にもつながります。もともと低所得世帯も減免の対象とする必要性について、その見解を伺います。

次に、学校の空調設備について伺います。

お答えいただきましたが、肝心なお答えがありませんでした。小中学校の普通教室には配置はゼロということが推しはかれたと思います。保健室、校長室、職員室、パソコン室には、ほぼ全校設置をされているのがわかりましたが、図書室、音楽室には数校です。そして、普通教室にはゼロという実態です。子供たちが、朝からほぼ一日を常時過ごす教室には、設置されていません。

私も学校を見学させていただき、暑さがどういうものか体験してきました。学校は、普通は校舎が2棟、南側を向いて並んで立っていますが、北側の最上階が特に暑さがこもっています。給食がない日でも、暑さのためにお弁当を持って来させられないとか、保護者会から、せめて扇風機を買ってあげたいと対策を求める声も上がっています。パソコン室を順番に緊急避難的に授業で使いたくても空きがなく、利用できないということでした。

教室内は温度が上昇し、授業に集中できる環境ではありません。

質問の1点目に、毎日の教室内の温度を把握し、教育環境がどうなっているのか現状把握をすべきですが、方針を伺います。

2点目に、学校環境の衛生基準というものがございます。これによりますと夏の望ましい温度は25度から28度となっていますが、この基準に対応するにはどうすべきか、お考えを伺います。

以上、2回目の質問です。

 

 

◯保健福祉子ども局長(寺前泰男君) 国保料の申請減免についての2点の御質問にお答えいたします。

最初に、適用基準の根拠ですとか解決すべき課題ということでございますが、前年度所得500万円以下、所得減少割合100分の30以上などの規定は、市税条例施行規則の規定に合わせております。前年所得が500万円以上の世帯は対象とならないため、経済情勢の急激な悪化等により所得が減少し、保険料が負担できない場合は、現在の減免基準では対応できないと認識しております。

次に、低所得世帯の保険料減免についてですが、国保料の減免については、個別具体的な負担能力の判断が必要であることから、それぞれの相談に乗っておりますが、低所得のみを事由とした減免制度の拡充は考えておりません。

以上でございます。

 

 

◯教育次長(鈴木教之君) 2点の御質問にお答えいたします。

まず、教室内温度の把握についてでございますが、各学校により立地条件が異なることから、教室等の温度の把握につきましては、各学校の判断で進めております。

次に、学校環境衛生基準への対応についてでございます。

学校環境衛生基準では、夏期の教室温度は25度から28度が望ましいとされており、生理的負担の面からも30度以下が望ましいとされております。

2学期制の導入による夏休みの短縮や、ことしの夏は著しい暑さが続いたことなど、学校環境への影響が大きくなっておりますので、扇風機などにより体感温度を下げるよう配慮しております。

以上でございます。

〔4番鈴木節子君登壇〕

 

 

◯4番(鈴木節子君) 最初に国保ですが、何とも頼りない御答弁をいただきましたので、3回目、質問いたします。

国保は景気が回復せず、経営不振や収入減少など展望の見えない状況が続いています。保険料が高過ぎて払えないという納付意欲をなくす世帯が急増しています。せめて減額、免除してくれたら何とか払いたいという市民の気持ちにこたえる姿勢が、今求められておりますが、他市と本市の減免実績の極端な差に愕然としています。適用対象を広げている自治体の減免実績は億単位ですが、本市と同基準の自治体、例えば札幌市では2万1,000件、21億の実績、広島市は9,500件、3億の実績です。同じ基準でなぜこのように差が生じているのでしょうか。当局にはじっくりと胸に手を当ててお考えいただきたいと思います。他市の基準とその背景、取り組み、市民への対応を調査して、改善すべきことは改善する、そうした姿勢をお示しをいただきたい、そういう意味で質問をいたしましたが、先ほどの御答弁では、やる気がないというふうにも見受けられますので、自発的に改善するという方針を持つべきだと思います。

皆さんのお手元には、名古屋市のホームページからの抜粋と本市を比較しお配りをしました。上が名古屋市です。8つの項目で減免対象を広げております。内容も市民への周知の方法も格段の差がある。名古屋市と静岡市、静岡は画一的なおざなりの周知の方法で、減免を受けようという気持ちにもなりません。ちなみに名古屋市の実績は6万7,600件、14億です。国保料の収納率が低下をし、払えないという市民の声に耳を傾け、本市も適用対象を多角的に拡大し、例えば生活保護基準の1.3倍までの低所得世帯や老年者、障害者、事業休廃止による赤字なども対象とし、所得基準はハードルを下げるなど、減免制度を血の通った制度に改善すべきです。見解を伺います。

今、私どもで国保の実態調査に取り組んでいますが、減免制度を知らない世帯は約6割、適用件数が246件と極端に少ないのも制度の存在が知らされていないからです。あらゆる手だてを講じ、減免制度を知ってもらい、市民に活用していただく姿勢を強く打ち出すべきです。制度周知の方針を伺います。

次に、学校の空調設備について、この問題を取り上げたのは、ことしの夏が異常な猛暑だったこともありますが、もう一つの重要な理由がございます。文科省は、学習指導要領を改訂し、授業時間が来年度から大幅に増加をします。小学校第1学年が68時間増加、2学年は70時間、3から6学年は35時間も増加をし、中学校も35時間増加をします。年間の標準授業時数が増加をします。1週間の時間割が過密になって生徒会活動や学校行事の確保が困難になることが予想されますので、年間授業日数をふやし、夏休み期間も授業を行うことができると示しています。これまでの7月下旬から8月末というのが夏休みという概念が一変をし……

 

 

◯議長(安竹信男君) 残時間、あと1分です。

 

 

◯4番(鈴木節子君)(続) 真夏日にも授業が行われますので、しっかり環境を整備することも重要です。文科省は、授業日数をふやす一方で、空調機設置への国庫補助を、緊急性が高い事業を予算の範囲内で採択と、実際には実現不可能としています。こうした国の姿勢も大きくと問われますので、しっかり教育委員会からも要請をしていただきたいと思います。図書室や音楽室も含め、普通教室への空調設備設置を国へしっかり要請をする。そして、本市も計画的に進めていくべきですが、その方針を伺って質問を終わります。

 

 

◯保健福祉子ども局長(寺前泰男君) 最初に、減免基準の緩和、減免対象の拡大ということでございますけれども、国保料の減免につきましては、被保険者間の負担の公平性の確保という観点を踏まえまして、他都市の状況等を参考に、現在、減免基準を改正することも含めて検討しているところでございます。

次に、制度の周知についてでございますが、国保料の減免制度につきましては、引き続き保険料納付通知書や同封のチラシ、パンフレット等に掲載し、周知を図ってまいります。

以上でございます。

 

 

◯教育次長(鈴木教之君) 学校への空調設備の整備についてでございます。

空調設備の整備については、子供の成長期における健康管理や省エネルギー、整備費用などの面から検討すべき課題も多く、普通教室については自然通風や扇風機の設置により対応しております。

当面、空調設備の整備予定はありませんが、読書や調べ学習などで多くの児童生徒が使用する図書室への空調設置や壁面緑化などによる教育環境の整備の検討が必要と考えております。

以上でございます。