東静岡地区の多目的アリーナ建設問題、水道施設の耐震化対策について質問

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82◯31番(山本明久君) 私は、2つの問題について質問いたします。

第1は、東静岡地区の多目的アリーナ建設問題についてです。

2次総で、この地区は世界にも誇れる新たな魅力を創造する交流拠点としての都市づくりとして、文化、国際交流、スポーツなどの都市機能を整備するという方針で、区画整理も各施設を整備するという地区計画で進められているという状況です。

そこで、県が今回草薙運動場に新体育館を規模と機能を充実させて建てかえるという方針を決定し、それを受けて市がどうするのかというのを午前中から議論されてきています。市民から見ても、大型箱物をつくるのか、過大な投資にならないのか、どういう方針なんだというような非常に関心の高い問題ですが、その割には、答弁というのは非常に真意がわからない、はっきりしないままだと思うんです。

私も市は独自に多目的アリーナをつくるのかという質問なんですけれど、確認でお聞きしておきますけれど、答弁を聞いていると、市が県に求めてきた多目的アリーナを市がつくるという立場で県と協議するのか、機能が少し違う、少し小さなアリーナという施設に切りかえて県と協議するのか、あるいはもう協議いかんでは施設をつくらないということなのか、にぎわいをどうするかの協議という点では、協議するという以上、市の立場がどうなのかというのがはっきりしないままなんです、そこをはっきり議会には示していただきたい。これが1回目のこの点での質問です。

第2は、水道施設の耐震化対策についてです。

昨年8月の駿河湾地震の際に葵区北の県の工業用水の老朽管が破裂して、住民生活に被害も出て、企業の生産活動にも危険が及ぶという問題が生じる事態がありました。私も15年前の阪神・淡路大震災のときに、発災直後に神戸市に救援ボランティアで入ったんですが、活動の中心はとまった水道を、壊れた水道管からちょろちょろ出る水をポリバケツにためて水が出ない人のお宅へ届けるというのが活動の中心だったんですね。そうしたことから、この30年以内に発生がほぼ確実視されている東海大地震が切迫するというもとで、命と暮らし、仕事や商売、企業活動に不可欠の水を確保するというために、その不可欠の社会インフラである水道施設を地震から守るという対策を本当に早期に促進することを求めたいと思います。

そこで、まず1回目は水道施設の耐震化の現状、それと中期経営計画で取り組まれる耐震化の目標、それに必要な費用等についてお答えいただきたいとともに、その30年以内にというもう少し先も、それも見据えた中長期的な耐震化の方針や展望について考えを示しておいていただきたいと、よろしくお願いします。1回目です。

 

 

◯経営管理局長(深津 薫君) 多目的アリーナに関する質問にお答えをいたします。

今後、県、市協議の場を継続的に開催し、にぎわい創出のために必要な施策や導入機能、活用方法について協議、検討を進めていこうと考えておりますが、事業主体をどうするかなどにつきましても、この中で検討することとなります。

以上でございます。

 

 

◯上下水道局次長(佐野 勝君) 水道施設の耐震化対策に対する3点の御質問にお答えいたします。

まず、水道施設耐震化の現状でございますが、浄水場や配水場等における基幹施設のうち、職員が常駐する有人施設につきましては、既に平成20年度までに耐震化を完了させており、さらに同年度末における配水地耐震施設率は28%、管路耐震化率は12.6%でございます。

次に、耐震化の目標と費用に関しまして、平成22年度から平成26年度までの5カ年間を対象として、昨年度改定した第2次静岡市水道事業基本計画と同計画に基づき策定した第2次静岡市水道事業中期経営計画において、平成26年度末の水道施設における目標を配水池耐震施設率36%、管路耐震化率20%として掲げております。また、これら目標達成のために要する費用といたしましては、災害や渇水に強い水道の確立のため約75億円、施設の拡充、更新や管路の整備に関する事業費として約158億円を見込んでおります。

続きまして、東海地震に対応するための耐震化の方針と展望でございますが、まず、方針といたしましては、東海地震発生の危険性が発表されて以来、管路及び施設の耐震化や耐震性貯水槽の整備など各種対策を講じており、現在も計画的に事業の推進に努めているところでございます。さらに、平成26年度以降における長期的展望といたしましては、引き続き施設の耐震化及び管路の複線化やネットワーク化事業などを推進するほか、平成27年度以降の10カ年間を対象とする第2次静岡市水道事業基本構想の中で検討してまいりたいと考えております。

以上でございます。

〔31番山本明久君登壇〕

 

 

◯31番(山本明久君) アリーナ問題については、何かあれ以上考えが示されないような感じですが、それにしても施設整備については協議の中で主体がどうなるかわからないから議会でも答えられないと。しかし、市はどういう考えを持って県にぶつかっていくのか、協議していくのかということについてすら明確に出さないというのは、重要な問題に対する市の姿勢として、これでいいのでしょうかというふうに思います。

その東静岡に市が仮に独自に多目的アリーナを協議の結果つくろうというふうにもしなるとしたら、これまで県が新体育館をつくるということですから、同じような機能を持つ施設がかぶる、あるいは二重投資になるということは当然問題になってきますし、アリーナをつくらないとなれば、この多目的アリーナ建設を前提にしていた東静岡地区のまちづくりのあり方、別の土地利用の検討が必要になってくるという、問題が新たに生じてくるんじゃないかと私は思います。

そこで、市の考えを確認しておきますけれど、市が独自に体育施設機能を持つ多目的アリーナ建設をするというならば、県の新体育館と二重投資になり、これは今まで市が県に対して、もうかぶるから県がつくってくれよというふうに言ってきたこと、これは市の体協や経済界も二重投資になるという主張はしていましたから、市としては矛盾することになってくるんじゃないか、どう考えるのか。

7万人余の署名は集まりましたけれど、私も署名したという方から考えも聞きましたけれど、県が新体育館を草薙につくるということであれば、東静岡にアリーナは要らないという考えを言っていたわけですから、結構そういう人は、署名した方でもかなり多いんじゃないかというふうな印象です。

また、新体育館のほかにグランシップ、ツインメッセ、日本平のサッカー場など市内近隣のスポーツ施設やアリーナ機能を持つところとの競合問題、つまり仮に東静岡に多目的アリーナをつくれば、使用目的はごく限定された使い道しかないんじゃないかという問題、それから他市における六、七千から1万人規模の、同規模のアリーナ施設、これは千葉ポートアリーナ、川崎のとどろきアリーナ、浜松アリーナ、広島サンプラザ、三重のサンアリーナなど、市がこれまで国際スポーツ大会とかコンサートをやりたいと言っていたわけですから、同規模のそういう他市の施設の利用実態、利用率、それからもう償還も始まっていますから費用対効果等について、市はどのように把握し、認識しているのかというところを説明していただきたいと思います。

100億から200億かかると言われていることですから、過大投資にならないようにというのは、もう市民共通の願いだと思います。

次に、水道の耐震化の問題です。

基幹路を12%から、施設によっては20数%の耐震化がされているという話がありました。最も基本的で重要なインフラですから、耐震化は本格的に、これから集中的に進めなきゃいかんということも示されました。

東海地震の切迫状況から見ると、これまで以上にペースを上げて集中する必要があるんじゃないかというふうに思います。それを進める上で、私は大きなネックになっている問題が、公営企業法での独立採算という縛りだと思います。最も基礎的な社会基盤である水道の耐震対策についても受益者で負担せよと、耐震化を進めたければ、その費用は水道料金で賄えというようなことでは大きな問題だと思うんです。

しかし、この間政府も補助金を出して耐震化を促進しようという取り組みもされてきていますし、そういう中で、本市での国庫補助の対象や補助率などの現状について、議会で示しておいていただきたいと思います。

そして同時に、市の一般会計からの繰り入れについても、現在の事業でも条件によっては可能だと私は考えていますが、耐震化促進に対する繰り入れの現状、そして繰り出し、いわゆる基準ですね、それも含めて示していただきたいと思います。

以上、2回目です。

 

 

◯経営管理局長(深津 薫君) アリーナに関する質問についてお答えをいたします。

二重投資にならないかという御質問でございますけれども、今後県との具体的な協議、検討を行っていく中で投資効果などについても検討をしていくこととなります。また、具体的な検討に当たりましては、他の施設の機能の分担、連携を考慮するとともに、他都市における先進事例を参考にしていく中で、利用実態等についても研究をしてまいります。

以上でございます。

 

 

◯上下水道局次長(佐野 勝君) 水道施設の耐震化に関する2点目の御質問にお答えいたします。

まず、国庫補助の解消と補助率の現状でございますが、従来、水道施設整備に対する国庫補助事業に対しましては、本市水道事業における資本単価が補助採択基準に満たないことから、補助金の交付を受けることができませんでしたが、平成20年度以降、国の経済対策の一環として補助採択基準が緩和されたことに伴い、老朽管更新事業に対する補助金の交付を受けており、その補助率は事業費の4分の1でございます。

さらに、管路整備以外の水道施設整備に関しましても、資本単価による要件が不要とされる高度浄水施設整備事業において、対象事業費の4分の1の補助を得て門屋浄水場急速ろ過施設整備及び和田島浄水場膜ろ過施設整備事業を推進したところでございます。

次に、耐震化事業に対する一般会計繰入金の現状でございますが、水道事業におきましては総務省による地方公営企業繰出金に関する通知に示された消火栓の設置及び管理等に要する経費等を対象として、毎年一般会計からの繰り出しを受けておりますが、上水道等の耐震化に関しましては、耐用年数等の繰り出し基準に適応する事業の該当がなかったことから、繰り入れは行われておりません。

以上でございます。

〔31番山本明久君登壇〕

 

 

◯31番(山本明久君) アリーナ問題ですが、県が新体育館の機能を充実させるということになった以上、東静岡地区に多目的アリーナ、体育館施設機能を持ったアリーナというのはもう不要になったというふうに、多くの市民は考えているのではないかと思います。全国の地方都市の同規模の、同機能のアリーナの費用対効果、実績等についてはつかんでいないわけですね、これからだと。つかんでいないまま県に欲しいと。おかしな話ですよね。そういうのでいいのかというふうに思います。

むしろ私としては、東静岡には不要になったという以上、財政が厳しい折だから、無理せずやめるべきだというふうに思います。そうなってくると、やっぱり同時に先ほど2つ目の問題で言いましたように、この東静岡地区の土地活用については、3月の時点ではアリーナがベストというふうに言っていました。情勢はそれから展開しているわけですから、市の認識もやっぱり前に進む必要があるんじゃないかというふうに思います。

ですから、創造文化拠点というあり方についても、どうしても施設が必要だというような発想から、やっぱり脱却する必要があるんじゃないかと思うんです。

2次総でもアリーナが前提でしたから、それがもし、つくれないという可能性もあるわけですから、どう活用するかというのは、やっぱり今の局面でこそ市民的な議論が必要じゃないかというふうに思いますんで、どういう認識か示しておいていただきたいと思います。

私は副都心だから、また箱物をそこにつくって、にぎわい創出だ、国際交流だというような発想はもうやめていただきたいというふうに思います。市民の貴重な土地、財産ですから、例えば大型箱物に頼るまちづくりではなくて、それはもうコンセプトを変えて、憩いの場ということでもいいと思うんですよ。花々の広場でもいいし、水通りの広場でもいいし、森や林の広場でもいいでしょう。だから、そういうあり方については、2次総そのもののここの地区のあり方についても見直し、検討が必要じゃないかと考えを示しておいていただきたい。

県と協議するにぎわいをどうするかということについても、これは箱物が必要だという前提でいく必要はないはずなんです。そこら辺の考えも示しておいていただきたいと思います。

次は、水道施設の耐震化の問題ですけれど、一般会計からの繰り入れを使える事業を最大限支援せよという立場からの質問ですけれど、その基準については緩和もあって、景気対策ということもあって、使えるものが施設も管路もあるという答弁でした。そういうことですから、やはりここは、今の仕組みのもとではそういう限定はありますけれど、やっぱり社会基盤ですから、道路も水道も同じように必要なところには一般会計も使えるように、切りかえていく必要が私は基本的にはあるんじゃないかというふうに思います。

今はそこまで言いませんけれど、使える事業があるということは……

 

 

◯議長(安竹信男君) あと1分です。

 

 

◯31番(山本明久君)(続) 市長がこれは繰り出し基準に基づいて使えるから使おうという判断をしていけばいいと思うんですよ。その前に上下水道局として、やっぱり必要だということを求める必要があると思うんですね。特に施設もあるということですが、補助事業で耐震化促進事業として進めている基幹路の布設がえ等の事業については、やろうと思えば今のところでもできるわけですから、これまでも制度的には一般会計で支援できたはずなんですね。まだ可能ですから、当面その補助事業でやっている基幹路の耐震化を促進するというために、東海大地震に最大限対応できるような繰り入れを求めたいと思いますが、どうするのか考えをお聞かせいただきたいと思います。

以上です。

 

 

◯経営管理局長(深津 薫君) 多目的アリーナに関しまして、東静岡地区の土地利用などにつきましての質問にお答えをいたします。

2次総では、東静岡地区を静岡都心、清水都心とともに本市を牽引していく地域と位置づけ、両都心にはない文化、国際交流、スポーツなどの都市機能を整備することにより、国内外に誇れる新たな魅力を創造する交流拠点の形成を目指しております。

東静岡地区のにぎわい創出に向けた導入機能や活用方法の検討に際しましては、このような2次総の目指す方向を基本としながら、県、市で市民や関係団体の要望なども踏まえながら、幅広い協議、検討を行うことを考えております。

以上でございます。

 

 

◯上下水道局次長(佐野 勝君) 水道施設の耐震化促進における一般会計繰入金のあり方につきましては、総務省からの地方公営企業繰出金に関する通知により、繰出金の対象として示された経費について、一般会計からの繰り出しをお願いしてまいりたいと考えております。

以上でございます。