請願2号国民健康保険料の引き下げを求める請願について、賛成の立場で討論

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76◯4番(鈴木節子君) 私は、請願2号国民健康保険料の引き下げを求める請願について、賛成の立場で討論を行います。

本市の国保料の収納率は、平成20年度決算で初めて9割を下回り、88.6%となりました。滞納実世帯は2万9,719世帯、約3万世帯に及びます。加入世帯11万5,000世帯のうち、約4世帯に1世帯が滞納せざるを得ないほど、高過ぎる国保料が暮らしを脅かしています。滞納金額は55億円、市民税や水道料などほかの公共料金の滞納総額160億円のうち、国保料は34%に及びます。払える能力をはるかに超えているため、払ったら暮らせない、払えないという市民の悲鳴が渦巻いています。国保加入世帯は年金生活者、自営業者に加えて、経済不況によるリストラで職を失った方々も加入し、所得200万以下世帯は加入世帯の7割に及び、もともと社会的弱者が加入しているという特徴があります。

しかし、他の保険制度に比べ、最も重い負担になっているところに、国保制度の矛盾があります。100年に一度の経済危機と言われる戦後最悪の不況のもと、中小零細業者は本業で生計を立てることができず、廃業・倒産する業者も数多く出ています。

また、高齢世帯では、来年度からの後期高齢者医療制度の保険料の値上げもあり、二重の値上げに苦しめられます。請願者の趣旨説明でも、所得300万、3人世帯の例で国保料を払ったら、生活保護基準以下になってしまう具体例が示されました。高い国保料に我慢も限界を超えています。

当局は収納率向上という名目で、正規の保険証を発行せず、資格証明書、短期保険証に切りかえる措置を行っていますが、市民からは救急車で搬送されたが、資格証のため10割の医療費になってしまう。これではとても払えないために、即日病院から帰ってしまったという人。短期証だが、長期の通院が必要。しかし、暮らしを切り詰め、やっとの思いで数千円ずつを払って1カ月ごと短期証を発行してもらっているという人。国保料だけではなく、税金も介護保険料も払えない。しかし、仕事もなく、暮らしの展望もなく、生きていく希望が持てないという人など、医療を受ける権利も保障されず、暮らしの展望が持てないのが今の実態です。

こうした状況のもと、当局は国保料値上げを提案していますが、景気の回復の兆しのないまま国保料を値上げすれば、滞納世帯が増加をし、値上げ、収納率低下、また値上げという悪循環を繰り返すことは明白です。国保料が高過ぎる原因は、国庫負担を引き下げてきたことも要因の一つです。

今議会で国に対し、国庫負担の増額を求める意見書を全会一致で提出する運びとなりましたが、同時に自治体の責任も問われています。滞納、値上げ、収納率低下という悪循環を断ち切るには、高過ぎる国保料を値上げではなく、むしろ引き下げて払える額にする。そして、暮らし、福祉、医療を守るという姿勢に立つことが求められています。高過ぎる国保料の引き下げを求める請願には、2万531人のとうとい署名が提出をされました。2万人を超える多くの市民から、高過ぎる国保料を引き下げてほしいという切実な願いが託されています。請願は、国保料を1世帯1万円引き下げを求めています。そのためには、一般会計からあと15億円繰り入れをふやせば、実現できます。

景気の低迷で暮らしが悲鳴を上げているときだからこそ、医療、福祉を守るため、民生費予算をさらに増額をさせる、こうした英断も必要です。民生費予算は、来年度では初めて土木費を上回った割合にはなりましたが、政令市平均と比べますと、市民1人当たり民生費予算、政令市平均は1人15万円、それに対して静岡市は10万円、まだ5万円もの差があります。国保料の値上げではなくて、むしろ引き下げるために一般会計からの繰り入れを行う、こうした思い切った措置をぜひ多くの皆さん、議員の皆さんともお考えをいただきたいと思います。

全会派の皆さんにこうした請願にはぜひ賛同をいただき、暮らし、福祉を守る市政の実現にさらに一歩足を踏み出していただけますように訴えまして、請願2号国保料の引き下げを求める請願に対する賛成討論といたします。