静岡市職員の人件費の削減にかかわって10本の議案に反対する討論

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70◯3番(寺尾 昭君) 日本共産党静岡市議会議員団を代表いたしまして討論をいたします。

静岡市職員の人件費の削減にかかわって、議案第1号、同第6号、同第7号、同第8号、同第10号、同第13号、同第15号、同第17号、同第18号、同第19号に反対する立場から討論をいたします。

職員の給与、期末・勤勉手当の減額措置は、前回11月定例会において条例改正が行われ、既に実施されているものです。その金額は、提示された資料によりますと、一般会計、特別会計、企業会計合わせて12億円を超えております。

この金額は、それぞれの会計に属する正規の市職員にかかわるものでありますが、その影響は、臨時、非常勤嘱託職員だけでなく、関係各種団体にも連動されることになり、それらを含めれば、減額の総額はこれをさらに上回ることになるわけであります。さらに、この影響は、次の民間労働者の賃上げにもマイナスの影響をもたらすということになるわけであります。

職員の給与等の減額については、5月に行われた臨時市議会における異例とも言える6月支給のボーナスの前倒し減額、11月議会では本給とボーナス、一時金の減額が行われ、給与条例の改正も行われているわけです。

本市議会に提案された補正予算はこれらに基づくものであって、認められないものであるというふうに考えるわけであります。

日本経済は、景気低迷状態から脱することができず、このことが本市の税収にも大きな影響を及ぼしていることは、当局の議案第1号の議案説明にもあるとおりです。12月現在の完全失業率は4.8%、有効求人倍率も0.4倍、2009年平均でも完全失業率が5.1%、有効求人倍率は0.47倍というふうになっており、特に有効求人倍率は過去最低という状況であります。

帝国データバンクの資料によりますと、企業倒産は、昨年9月を除いて、毎月1,000件を超えております。高卒、大卒者の就職内定率は、6割から7割という状況にとどまっております。国家公務員40歳の例で、この11年間で、平均で年間111万円、17.5%もの収入低下があったということも明らかになっているわけであります。

日本百貨店協会の発表によりますと、ことし1月現在の売上高は、前年同月比でマイナス5.7%、23カ月連続マイナスということになっております。個人消費の落ち込みが景気低迷の最大の原因だということは明らかではないでしょうか。

GDPの6割を占める個人消費を上向かせない限り、経済の立て直しは困難であることは、識者の一致した見方であります。国民の購買力を引き上げることが景気を立て直し、税収も引き上げる道だというふうに考えます。

市当局が実施してきた給与等の削減措置は、短期的には支出を減らすということになるかもしれませんが、結局経済の立て直しには逆行をするということで、いわゆる悪魔のサイクルをさらに速めるものにほかなりません。

IMF、OECDのデータによりますと、1997年以降の10年間の先進7カ国、G7でありますが、その比較で、日本以外の6カ国はGDPを3割から7割ふやしているのに対しまして日本はわずか0.4%、働く人の所得は他の6カ国も2割から7割ふやしているのに、日本だけが5.2%も減らしている、こういう状況であります。

また、政府資料によると、同じ10年間で、日本の大企業の経常利益は15兆円から32兆円に、内部留保は142兆円から229兆円に大きくふやしている反面、働く人の報酬総額は279兆円から262兆円と減らしているわけであります。大企業だけが莫大な利益を上げ、内部留保を積み上げる反面、勤労者や中小企業は苦しみのどん底に陥れられていると、今の社会は異常というほかありません。

これまでも職員は、少ない人員で市民の福祉向上のために職務に専念してきました。職員の士気の低下を招かないためにも、職員の生活権と期待権を保障し、全体の奉仕者として職務に専念できる職場環境を整えることは、任命権者の責務であります。

国と地方自治体は対等な関係にあります。この機会に、人事委員会が人事院に追随するというようなこともやめて、真に独立・中立の機関として、何よりも公務員の労働基本権の代償機関としてその職責を果たされるよう、改めて要請をしたいと思います。

次に、清水港整備事業に係る県の負担金について、これを廃止すべきであるという観点から申し上げます。

国の建設事業に係る負担金については、たびたび議論されてきており、市議会においても廃止に向けて意見書を採択をしてきたという経過があります。政令市長会としても、廃止に向け国に申し入れを行ってきたという経過も聞き及んでいるわけであります。そのことは、そのまま県の負担金に対しても言えることであります。

また、最後に、要望を申し上げます。

待機児童センター建設事業についてでありますが、今回の事業は、待機児童解消という点では一定の役割を果たすことになると考えますけれども、駿河区だけでなく、葵区、清水区においても、児童数に違いはあるけれども、待機児童がおります。本来、認可保育所で子供の保育を行うこと、これが必要であります。公設の認可の保育所を設置されるように最後に要望いたしまして、私の討論といたします。